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D 1012 : 2005
3.3.1.1.4 負荷の調整 誤差を最小限に抑えるためにシャシダイナモメータへの設定負荷を調整する。そ
の後再び3.3.1.1.2及び3.3.1.1.3を繰り返す。附属書6(規定)の1.に調整手法の例を示す。
3.3.2 ホイールトルク法による負荷設定 この方法は,2.2.4で規定しているようなホイールトルク法を
利用して走行抵抗を決定する場合に適用する。
3.3.2.1 シャシダイナモメータの負荷設定
3.3.2.1.1 初期負荷設定 係数設定式シャシダイナモメータに対しては,次の式における任意の初期係数
Ad,Bd及びCdを用いて,シャシダイナモメータの負荷を調整する。
Fd Ad BdV CdV 2
ここに, Fd : シャシダイナモメータの設定負荷 (N)
Ad : 初期負荷設定の定数項 (N)
Bd : 初期負荷設定の1次項の係数 [N/(km/h) ]
Cd : 初期負荷設定の2次項の係数 [N/(km/h)2]
V : 車速 (km/h)
推奨する初期負荷設定係数を,a)及びb)に示す。
at bt ct
a) シングルローラシャシダイナモメータの場合, Ad 5.0 ,Bd 2.0 ,Cd
r' r' r'
at bt ct
ツインローラシャシダイナモメータの場合, Ad 1.0 ,Bd 2.0 ,Cd
r' r' r'
ここに, at : 目標走行負荷トルクの定数項 (N・m)
bt : 目標走行負荷トルクの1次項の係数 [N・m/(km/h) ]
ct : 目標走行負荷トルクの2次項の係数 [N・m/(km/h)2]
r' : ローラ上での平均タイヤ半径 (m)
附属書5(規定)の2.a)のr'jの平均値。r'jの平均値を求めてい
ない場合には,2.2.4.4で求めたrjの平均値を用いる。
b) 同様な型式の車両の負荷設定に使用した経験的なダイナモメータの負荷設定係数(係数設定式)又は
負荷設定値(多点設定式)を設定する。
3.3.2.1.2 走行負荷トルクの測定 2.2.4.3及び2.2.4.4で規定している手順によって,走行負荷トルクをシ
ャシダイナモメータで測定する。ホイールトルクメータは,走行抵抗の決定のために路上試験で使用した
物と同一の物を用いる。
3.3.2.1.3 検証
3.3.2.1.3.1 目標走行負荷トルクの算出 それぞれの基準車速Vjに対する目標走行負荷トルク係数at,bt
及びctを用いて,次の式によって求める。
2
at
Ctarget,j btVj ctVj
ここに, Ctarget, j : j番目の基準車速における目標走行負荷トルク (N・m)
at : 目標走行負荷トルクの定数項 (N・m)
bt : 目標走行負荷トルクの1次項の係数 [N・m/(km/h) ]
ct : 目標走行負荷トルクの2次項の係数 [N・m/(km/h)2]
Vj : j番目の基準車速 (km/h)
3.3.2.1.3.2 設定誤差の算出 次の式によって,それぞれの基準車速Vjにおける目標走行負荷トルクCtarget,
jに対して,附属書5(規定)の2.で規定している方法で回帰走行負荷トルクCsim,jを算出し,誤差εjを求
める。
――――― [JIS D 1012 pdf 16] ―――――
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Ctarget, j
Csim, j
j 100
Ctarget, j
ここに, εj : 測定走行負荷トルク誤差 (%)
Csim, j : 回帰された走行負荷トルク。各基準車速における走行負荷
トルク値を2次回帰させた式に,基準車速を代入して得ら
れた走行負荷トルク (N・m)
これらの誤差が,連続した2回のトルク測定試験において,すべての基準車速で基準内でなければなら
ない。この基準は,次の設定誤差基準を用いる。ただし,設定誤差基準が限定されている場合には,その
基準とする。
Vj 一歛地替 εj 3%
20 km/h < Vj < 50 km/hに対して,εj 5%
Vj 20 km/hに対して,εj 10 %
いずれかの基準車速において,誤差が基準を満たさない場合には,シャシダイナモメータの設定負荷を
調整するため,3.3.2.1.4を行う。
3.3.2.1.4 負荷の調整 誤差を最小限に抑えるためにシャシダイナモメータへの設定負荷を調整する。そ
の後,再び前項3.3.2.1.2及び3.3.2.1.3を繰り返す。附属書6(規定)の2.に調整手法の例を示す。
参考 ホイールトルク法によって設定された走行抵抗を惰行法による設定に置き換える方法を附属書
7(参考)に示す。
3.4 走行抵抗測定及び負荷設定の記録
3.4.1 惰行法による走行抵抗測定及び負荷設定の記録 2.2.3による走行抵抗測定及び3.3.1.1によるシャ
シダイナモメータへの負荷設定は,付表4の様式によって記録する。
3.4.2 ホイールトルク法による走行抵抗測定及び負荷設定の記録 2.2.4による走行抵抗測定及び3.3.2.1
によるシャシダイナモメータへの負荷設定は,付表5の様式によって記録する。
4. 燃費試験方法
4. あああ
4.1 試験準備
4.1.1 試験室の準備
a) 試験室内の温度は,25±5 ℃とする。ただし,試験目的に応じて変更してもよい。
b) カーボンバランス法による場合は,試験室内のCO,THC及びCO2の濃度が安定している状態で試験
を行う。
4.1.2 シャシダイナモメータの準備
4.1.2.1 等価慣性質量の設定 3.2.3.1で設定した等価慣性質量に設定する。
4.1.2.2 シャシダイナモメータの暖機 3.2.3.2に規定する方法で行う。
4.1.2.3 シャシダイナモメータの負荷設定 3.に規定する方法によって得られた負荷を設定する。
4.1.3 車両の準備
4.1.3.1 燃料 車両に使用する燃料は,次による。
a) ガソリン : JIS K 2202相当で,付表1に適合するもの。
b) 軽油 : JIS K 2204相当で,付表2に適合するもの。
――――― [JIS D 1012 pdf 17] ―――――
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c) Pガス : JIS K 2240相当で,付表3に適合し,かつ,プロパン+プロピレンが2030 mol%,ブタ
ン+ブチレンが7080 mol%の組成をもつもの。
4.1.3.2 タイヤ空気圧の調整 タイヤ空気圧は,3.2.4.1で設定した値とする。
4.1.3.3 車両のセット 3.2.4.2で示す方法で行う。
4.1.4 測定機器の精度及び校正 シャシダイナモメータ,排出ガス測定機器などの試験用機器は,当該機
器の製造業者の定める取扱要領に基づいて点検,整備及び校正したものとし,次の精度のものを使用する。
a) 温度計 : ±1 ℃
b) 気圧計 : ±0.3 kPa
c) 車速計 : ±0.5 km/h又は±1 %のいずれか大きい値
d) 分析計の校正ガスを流したときの指示再現性 : ±1 %(フルスケール)
e) 定容量採取装置(以下,CVS) : ±2 %(測定流量)
f) 燃料流量計 : ±1 %(測定燃料流量)
g) 走行距離計 : ±1 %(測定走行距離)
h) 排気背圧計 : ±10 Pa
4.2 車両及び燃費測定機器の接続方法
4.2.1 カーボンバランス法による場合 カーボンバランス法によって燃費の測定を行う場合には,車両の
排気管にJIS D 1030で規定するCVSの排出ガス採取部を次の要領によって接続する。
a) 接続は,排出ガスの採取及び分析に影響を及ぼすことのないように行う。
b) 接続部は,熱,振動などによって破損又は離脱しないように,かつ,排出ガスが漏れないように確実
に取り付ける。
c) 排気背圧を用いて制御する一酸化炭素などの発散防止装置を備えた車両にあっては,CVSを用いるこ
とがこの装置の作動に影響を及ぼすことのないように,脈動を緩和する対策など適切な措置をとって
もよい。この場合,車両が70±2 km/hの定速で走行している状態での排気管開口部における静圧と排
気管開口部にCVSの排出ガス採取部を接続したときの接続部における静圧との差は,±l00 Paとする。
4.2.2 流量測定法による場合 流量測定法によって燃費の測定を行う場合には,車両の燃料装置に燃料流
量計を次の要領によって取り付ける。
a) 接続は,燃料消費量の測定に影響を及ぼすことのないように行う。特に,燃料リターン回路などを備
えた車両では,その構造,機能などを損わないように配慮する。
b) 接続部は,振動などによって破損又は離脱することのないように,かつ,空気が混入しないように確
実に取り付ける。
参考 燃料流量計の取付要領について,附属書8(参考)に補足説明する。
4.3 試験方法
4.3.1 一般 試験は,シャシダイナモメータ上の車両を4.3.2による方法で運転し,4.3.3による方法で測
定する。試験走行中は,送風機などによって車速相当の風を車両の前面に送風する。
4.3.2 試験車両の運転方法 車両の運転方法は,試験の目的に応じた各種の運転方法による。
参考 10・15モードの場合の運転方法を附属書11(参考)に示す。
4.3.3 測定方法
4.3.3.1 カーボンバランス法による方法
a) 排出ガスの全量をCVSに導入し,排出ガス分析に必要な量(50100 L程度)をバッグに採取する。
さらに,軽油を燃料とするディーゼルエンジン車は,排出ガスと希釈空気が十分均一に混合した部位
――――― [JIS D 1012 pdf 18] ―――――
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で,かつ,熱交換器をもつCVSにあっては熱交換器の上流側からTHC分析用のガスを採取する。
b) 採取した排出ガスは,表3に示す各排出ガス成分に対応した分析計(JIS D 1030による。)によって分
析し,以下の計算式から排出量を算出する。
表 3 排出ガス成分及び分析計
排出ガス成分 分析計
CO,CO2 非分散型赤外線分析計(NDIR)
THC(ガソリン,LPガス) 水素炎イオン化形分析計(FID)
THC(軽油) 加熱式水素炎イオン化形分析計(HFID)
c) 排出ガス成分の排出量についての計算式
COの排出量 (g/km)
COmass=Vmix×COdens×COconc×10-6
THCの排出量 (g/km)
THCmass=Vmix×THCdens×THCconc×10-6
CO2の排出量 (g/km)
CO2mass=Vmix×CO2dens×CO2conc×10-2
1) Odens : 気温293.15 K,大気圧101.325 kPaにおけるCO 1 L当たりのグラム数(1.16 g/L)。
2) Oconc : COの正味濃度(vol ppm)
希釈された排出ガス中のCO濃度(vol ppm)から希釈空気中のCO濃度(vol ppm)を差し引いた値。
1
CO concCO e CO d 1
Df
ここに, COe : 希釈排出ガス中のCO濃度 (vol ppm)
COd : 希釈空気中のCO濃度 (vol ppm)
なお,水蒸気及びCO2などを除去する目的で吸着剤を使用
する場合は,COe及びCOdを次の式によって補正する。
COe=(1−0.01 925CO2e−0.000 232H) COem
ここに,CO2e : 希釈排出ガス中のCO2濃度 (vol %)
H : 希釈空気の相対湿度 (%)
COem : 吸着剤を使用した場合の希釈排出ガス中の
CO2濃度 (vol ppm)
COd=(1−0.000 323H) COdm
ここに,COdm : 吸着剤を使用した場合の希釈空気中のCO濃
度 (vol ppm)
Df : 希釈率(CVS内の水分凝縮などによって,8を下回らないこ
とが望ましい。)
100
RTHCex 4 RTHCex 100 ROCex
1
2 4 ROCex
Df
CO 2e (THC e CO e )10 4
ここに,ROCex : 希釈空気中の酸素濃度(vol %)
(通常 20.9 %とする。)
RTHCex : 排出ガス中のTHCの水素炭素原子数比を
RTHCexとした場合の293.15 K,101.325 kPaに
おけるTHC 1 L当たりの質量は,排出ガスの
成分分析などにより求めた数値がない場合
は,次に示す値を用いてもよい。
――――― [JIS D 1012 pdf 19] ―――――
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ガソリン : 1.85
軽油 : 1.90
LPガス : 2.64
3) HCdens : 排出ガス中のTHC密度で,293.15 K,101.325 kPaのTHC 1L当たりのグラム数 (g/L)
.1008 RTHCex12.01 273.15
THCdens
224. 293.15
4) HCconc : THC正味濃度(vol ppmC)
希釈された排出ガス中のTHC濃度(vol ppmC)から希釈空気中のTHC濃度(vol ppmC)を差し引いた
値を等価炭素濃度で表した値。その値は,プロパンの3倍に相当する。
1
THC concTHC e THC d 1( )
Df
ここに, THCe : 希釈排出ガス中のTHC濃度(vol ppmC)
ガソリン又はLPガスを燃料とする自動車の場合は,バッ
グの希釈排出ガスを,FID分析計によって算出する。
軽油を燃料とするディーゼル自動車の場合は,専用サン
プルラインからの希釈排出ガスを,HFID分析計記録の積分
値を用いて次の式によって求める。
te
t
CTHCdt
0
THC e
e 0
tC
ここに, e0
THCdt : テスト中(te−0)のHFID分析記録の積分
値(vol ppmC)
THCd : 希釈空気中のTHC濃度 (vol ppmC)
5) O2dens : 293.15 K,101.325 kPaにおける1 L当たりのグラム数 (1.83 g/L)
6) O2conc : CO2の正味濃度(vol %)希釈された排出ガス中のCO2濃度(vol %)から希釈空気中のCO2濃
度(vol %)を差し引いた値。
1
CO 2e
CO 2conc CO 2d 1( )
Df
ここに, CO2e : 希釈排出ガス中のCO2濃度 (vol %)
CO2d : 希釈空気中のCO2濃度 (vol %)
7) mix : 293.15 K,101.325 kPaにおける1 km走行当たりの希釈排出ガス量であり,次の7.1)又は7.2)
によって求めた値 (L/km)。
7.1) 正置換形ポンプ(PDP)式CVSによる場合
PP 1
Vmix K1 Ve N
TP L
293.15
K1 2.893
101.325
ここに, K1 : 293.15 K,101.325 Paにおける絶対大気温度を大気圧で除した
値 (K/kPa)
Ve : 正置換形ポンプ1回転当たりに吐き出される希釈排出ガスの全
量 (L/回転)。この量は,正置換形ポンプ前後の圧力差によって
変化する。
N : 希釈排出ガスをバッグに採取している間の正置換形ポンプの
積算回転数
PP : 正置換形ポンプ入口における希釈排出ガスの絶対圧。大気圧か
――――― [JIS D 1012 pdf 20] ―――――
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JIS D 1012:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS D 1012:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISD0102:1996
- 自動車用語―自動車の寸法,質量,荷重及び性能
- JISD1030:1998
- 自動車―排気ガス中の一酸化炭素,二酸化炭素,全炭化水素及び窒素酸化物の測定方法
- JISK2202:2012
- 自動車ガソリン
- JISK2204:2007
- 軽油
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2255:1952
- 石油製品腐食試験方法
- JISK2255:2015
- 石油製品―ガソリン―鉛分の求め方
- JISK2258:1998
- 原油及び燃料油 ― 蒸気圧試験方法 ― リード法
- JISK2261:2000
- 石油製品―自動車ガソリン及び航空燃料油―実在ガム試験方法―噴射蒸発法
- JISK2265:1996
- 原油及び石油製品 ― 引火点試験方法
- JISK2280:1996
- 石油製品―燃料油―オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2536:1996
- 石油製品 ― 成分試験方法
- JISK2541:1996
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法