JIS D 5711:2004 自動車用緊急保安炎筒 | ページ 2

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図 2 起爆感度試験装置

7.4 発炎剤の安定度

 発炎剤の安定度の試験は,次による。
a) 点火部を取り除いた試料を恒温器内の棚の上に置き,温度102±2 ℃で72時間静置し,発火の有無を
調べる。
b) ) の試験が終了した試料を常温まで放冷して点火したとき,正常に燃焼するかどうかを調べる。

7.5 水分

 水分の試験は,JIS K 4809の6.1(水分)による。

7.6 保安炎筒の安定度

 保安炎筒の安定度の試験は,次による。
a) 試料を恒温器内の棚の上に置き,温度72±2 ℃で48時間静置し,発火の有無を調べる。
b) ) の試験が終了した試料を常温まで放冷して点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼するか
どうかを調べる。

7.7 保安炎筒の耐湿性

 保安炎筒の耐湿性の試験は,次による。
a) 試料を温度30±2 ℃,湿度95 %以上の装置内 (1) に8時間以上放置する。
注(1) この装置内の雰囲気は,JIS D 0203に規定するM1に相当する。
b) 装置内から取り出して直ちに点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼するかどうかを調べる。

7.8 保安炎筒の耐衝撃性

 保安炎筒の耐衝撃性の試験は,次による。
a) 試料を高さ1 mから厚さ3 mm以上の鉄板又はコンクリート床上に軸方向,及び軸方向に垂直な方向
に各1回落下させて発火の有無を調べる。
b) ) の試験が終了した試料に点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼するかどうかを調べる。

7.9 保安炎筒の耐振動性

 保安炎筒の耐振動性の試験は,次による。
a) 試料に振動加速度45 m/s2及び振動数67 Hzの振動を軸方向に4時間,軸方向に直交し互いに直交する
2方向に各々2時間加える。
b) ) の試験 (2) が終了した試料に点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼するかどうかを調べ
る。
注(2) この試験は,JIS D 1601に規定する振動耐久性試験の3種A種段階45に相当する。

7.10 保安炎筒の燃焼時間

 保安炎筒の燃焼時間の試験は,試料を無風に近い条件下で図3に示すように,
鉛直から約20度傾けて行う。点火から赤色炎が見えなくなるまでの時間を測定し燃焼時間とする。

――――― [JIS D 5711 pdf 6] ―――――

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図 3 燃焼装置の一例

7.11 保安炎筒の光度

 保安炎筒の光度の試験は,次による。
a) 試料を図4に示すような装置 (3) によって煙の影響のない条件下で,JIS C 1609に規定する一般形A
級,一般形AA級又は精密級照度計を用いて30秒ごとに照度を測定する。
注(3) この装置の内面は,光が反射しないようにつやなしの黒に仕上げる。
b) 次の式によって30秒ごとの光度を求め,その平均値を炎の平均光度とする。ただし,燃焼時間の初期
30秒と後期30秒とを除く。
I ED2
ここに, I : 光度(cd)
E : 照度(lx)
D : 照度計の受光部と保安炎筒の発光部の距離(m)

――――― [JIS D 5711 pdf 7] ―――――

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図 4 光度測定装置の一例

7.12 保安炎筒の色度

 保安炎筒の色度の試験は,JIS Z 8724による。

7.13 保安炎筒の耐雨性

 保安炎筒の耐雨性の試験は,次による。
a) 図5に示すような装置によって一定の水圧下で散水し,雨量計を用いて雨量が約50 mm/hの地点を求
めた後,雨量計を取り除く。
b) 同地点に試料をほぼ鉛直に置いて点火し,正常に着火するかどうか,及び燃焼中断の有無を調べる。

――――― [JIS D 5711 pdf 8] ―――――

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図 5 耐雨性試験装置の一例

7.14 保安炎筒の耐風性

 保安炎筒の耐風性の試験は,次による。
a) 図6に示すような風洞を用いて風速18 m/sの位置を求める。
b) 同位置に試料を置いて点火し,正常に着火するかどうか,及び燃焼中断の有無を調べる。

――――― [JIS D 5711 pdf 9] ―――――

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図 6 耐風性試験装置の一例

7.15 保安炎筒の劣化促進試験

7.15.1 高温多湿試験 高温多湿試験は,試料を恒温恒湿器内に入れ,温度72±2 ℃,湿度95 %以上で
72時間静置し,続いて室内に10日間放置した後点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼するか
どうかを調べる。
7.15.2 温度サイクル試験 温度サイクル試験は,試料を恒温器内に入れ,温度60±2 ℃で1時間30分,
続いて別の恒温器内に入れ,温度−20±5 ℃で1時間30分静置する。以上の操作を1サイクルとして20
サイクル繰り返した後,常温で点火したとき正常に着火し,かつ,正常に燃焼するかどうかを調べる。

8. 検査

 検査は,6.によって試料を採取し,7.によって試験を行い,表1の規定に適合しなければならな
い。この場合,抜取個数は,発炎剤の落つい感度及び発炎剤の摩擦感度については1個,その他の項目に
ついては3個とし,すべて合格しなければならない。

9. 表示

 保安炎筒のケースには,法令に規定するところによるほか,燃焼時間,有効期限,及び取扱注
意事項を明記しなければならない。
a) 燃焼時間 燃焼時間は,5分,10分,15分などのように分単位で表示する。
b) 有効期限 有効期間は製造後4年間とし,有効期限年月を表示する。
c) 取扱注意事項 取扱注意事項は,次による。
1) 使用目的 踏切上や高速道路上などで,非常信号用具として使用するものであることを明記する。
2) 危険防止 点火するとき,筒先を顔,体などに向けると危険なので注意するとともに,ガソリン,
可燃物などのそばでは使用しないように明記する。

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