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め,シートベルトカッタ導入部の長さは,入口からシートベルトカッタ刃部まで15 mm以上とする(図
2参照)。
単位 mm
図2−シートベルトカッタの形状・寸法
6.3 材料
材料は,次による。
a) ガラス破砕突起部の材料は,鉄若しくは鉄系合金又は超鋼合金として,容易に腐食しないものとする。
鉄又は鉄系合金のものは,ガラス破砕突起部全体が硬化する熱処理を行う。
b) 鉛,水銀,カドミウム,六価クロムなどの有害物質を含んではならない。
7 試験方法
試験は,7.17.8の順番で行い,次による。ただし,7.27.8の試験は,一つの同じ供試品に対してこれ
らの試験を実施し,途中の試験で不適合になった供試品は,その時点で不適合と判定する。
7.1 ガラス破砕突起部の硬さ試験
ガラス破砕突起部の硬さ試験は,次による。
a) 脱出支援用具の供試品は,3個とする。
b) 硬さ試験は,JIS Z 2244に規定するマイクロビッカース硬さ試験とする。
c) ガラス破砕突起部は,ガラス破砕突起部をそのまま樹脂に埋め込んで保持するか,又は最先端部(ガ
ラスに衝突する頂点部)が残存するように切断し,最先端部が残存している方を樹脂に埋め込んで保
持する。ガラス破砕突起部をそのまま樹脂に埋め込んだものは,図3に示すように実線の箇所で切断
する。
d) )のいずれの場合もガラス破砕突起部の最先端部を,測定面まで研磨する(図3参照)。
e) 測定は,1断面当たり最先端部から0.1 mmの位置の3か所(中心線上の1か所及びその周辺2か所)
(図4参照)について,マイクロビッカース硬さ試験を0.980 7 N [{100.0 gf}]の試験力で行う。
f) 3供試品の測定結果の平均値を求める。
――――― [JIS D 5716 pdf 6] ―――――
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樹脂に埋め込んで,実線の箇所を切断し,中心線の測定面の位置まで研磨する。
図3−ガラス破砕突起部の切断・研磨位置
単位 mm
図4−マイクロビッカース硬さ試験の測定箇所(A−A断面図)
7.2 シートベルトカッタの形状・寸法試験
シートベルトカッタの形状・寸法試験は,7.1で使用した供試品とは別に1個を用意して,次による。
a) 6.2 g)を確認するため,シートベルトカッタの開口部の幅を隙間ゲージ,ノギスなどで測定する(図2
参照)。その際,開口部の隙間の幅を,シートベルトカッタの入口の縦方向から,及び奥行きまで含め
て横方向から測定しなければならない。
b) 6.2 h)を確認するため,シートベルトカッタ導入部の長さ(入口からシートベルトカッタ刃部までの長
さ)をノギスなどで測定する(図2参照)。
7.3 耐寒性及び耐熱性試験
脱出支援用具は,自動車内に保管中の環境温度によって変形して本来の機能を発揮できなくなるおそれ
があるため,耐寒性及び耐熱性試験を行う。
耐寒性及び耐熱性試験は,7.2で試験した供試品を用いて,次による。
a) 脱出支援用具を恒温槽に入れ,−30 ℃±2 ℃で96時間保持する。
b) 96時間経過後,恒温槽から取り出し,使用する部分及び機能部分の変形,外れ,緩み,割れなどの有
無を目視で確認する。
c) 同じ供試品について,その後,室温に1時間以上放置し,再度,恒温槽に入れる。
d) 槽内温度を90 ℃±2 ℃で96時間保持した後,供試品を恒温槽から取り出し,使用する部分及び機能
部分の変形,外れ,緩み,割れなどの有無を目視で確認する。
7.4 温湿度サイクル試験
脱出支援用具は,自動車内に保管中の温湿度サイクルによって変形して本来の機能を発揮できなくなる
――――― [JIS D 5716 pdf 7] ―――――
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おそれがあるため,温湿度サイクル試験を行う。
温湿度サイクル試験は,7.2及び7.3で試験した供試品を用いて,次による。
a) 供試品を恒温恒湿槽にセットする。
b) 図5に示す24時間の温湿度変化を1サイクルとして,5サイクルの温湿度変化を加える。
c) 24時間の温湿度変化は,温度23 ℃±2 ℃で4時間,温度55 ℃±2 ℃及び湿度95 %99 %で10時
間,最低温度−30 ℃±2 ℃で2時間,更に最高温度90 ℃±2 ℃で2時間を加え,残りは温湿度調節
時間とする。
d) 5サイクルの温湿度変化の試験後,使用する部分及び機能部分の変形,外れ,緩み,割れなどの有無
を目視で確認する。
θH : 最高温度 90 ℃±2 ℃
θC : 最低温度 −30 ℃±2 ℃
図5−温湿度サイクル試験
7.5 シートベルト切断試験
シートベルト切断試験は,7.27.4で試験した供試品を用いて,次による(図6参照)。
a) IS D 4604に規定するシートベルトを用いる。
b) シートベルトを水平方向にたるみがないように引っ張り,シートベルトとシートベルトカッタ導入部
とが同一直線上になるようにセットする。
c) 供試品のシートベルトカッタ刃部がシートベルトに触れてから垂直方向に30 Nの力でシートベルト
を切断する。
d) その後,b)及びc)を30回繰り返し,切断の可否を確認する。
――――― [JIS D 5716 pdf 8] ―――――
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e) また,それぞれの切断に要した時間を測定する。
30 Nの力は,脱出支援用具及び治工具も含めて調整した質量の自重落下で代用できる。
力の起点は,シートベルトカッタ刃部がシートベルトに触れた点とする。
図6−シートベルト切断試験装置の例
7.6 ガラス破砕試験
ガラス破砕試験は,7.27.5で試験した供試品を用いて,次による。
なお,この試験はガラス破砕片が飛び散り危険なので,試験に携わる作業者がけがをしないように,周
囲を枠で囲い,ガラスにガラス破砕突起部が当たる部分だけを開けた覆いをする,防護具を着用するなど
の安全対策をしなければならない。
a) IS R 3211に適合したドアガラスパーツ品で,厚さ4.0 mm±0.2 mmのガラスを3枚用意する。
b) 図7及び図8に示す例のような試験装置にガラスをセットする。
c) 脱出支援用具の供試品をセットし,ガラスが試験の衝撃で動かないように保持する。
d) 脱出支援用具をガラス面に落下させる。この場合,ガラス破砕突起部の先端がガラス面に0.7 Jのエネ
ルギーで垂直に当たるようにする(図7参照)。操作は1回だけ行う。
e) ガラスが割れたら,残りの2枚のガラスにb) d) の手順を繰り返して試験する。
f) ガラスが3枚全て割れることを確認する。
注記 ダブルヘッド(ガラス破砕突起部が両端にあるもの)の場合は,それぞれのガラス破砕突起部
について同様に試験する。
――――― [JIS D 5716 pdf 9] ―――――
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M : ガラス衝突時の供試品と治工具とを合わせた質量(kg)
A : セット時のガラス破砕突起部の位置
B : ガラス衝突時のガラス破砕突起部の位置
H : 落下距離(H=A−B)(m)
エネルギー(J)=9.8×M×H
図7−ガラス破砕試験装置の例
図8−ガラス破砕試験装置にガラスを設置した例(試験装置を上から見た図)
7.7 衝撃試験
脱出支援用具の長期保管による劣化に対して,本来の機能を発揮できなくなるおそれがあるため,衝撃
試験を行う。
衝撃試験は,7.27.6で試験した供試品を用いて,衝撃試験装置で厚さ3 mm以上のコンクリート板を
0.7 Jのエネルギーでたたき,使用する部分及び機能部分の変形,外れ,緩み,割れなどの有無を目視で確
認する。
注記 衝撃試験装置は,ガラス破砕試験装置において,ドアガラスパーツ品をコンクリート板に替え
て試験できる装置でもよい。
7.8 落下試験
脱出支援用具のガラス破砕突起部と樹脂部との接合部分の強度を確認するため,落下試験を行う。
落下試験は,7.27.7で試験した供試品を用いて,次による。
a) 落下試験装置において,供試品の下端部を高さ1.5 mの位置にセットする。
b) 厚さ3 mm以上のコンクリート板を床にセットする。
c) 供試品の方向が変わらないようにコンクリート面上に落下させる。
d) 落下試験は,水平方向及び垂直方向(ガラス破砕突起部が下)に各1回行う。
e) 使用する部分及び機能部分の変形,外れ,緩み,割れなどの有無を目視で確認する。
――――― [JIS D 5716 pdf 10] ―――――
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JIS D 5716:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 43 : 自動車工学 > 43.040 : 自動車システム > 43.040.20 : 照明,信号及び警報装備
JIS D 5716:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISD4604:1995
- 自動車部品―シートベルト
- JISR3211:2015
- 自動車用安全ガラス
- JISR3211:2021
- 自動車用安全ガラス
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法