JIS Z 2244:2009 ビッカース硬さ試験―試験方法

JIS Z 2244:2009 規格概要

この規格 Z2244は、試験力が98.07mN以上の主に金属材料のビッカース硬さ試験方法について規定。

JISZ2244 規格全文情報

規格番号
JIS Z2244 
規格名称
ビッカース硬さ試験―試験方法
規格名称英語訳
Vickers hardness test -- Test method
制定年月日
1952年6月21日
最新改正日
2018年10月22日
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対応国際規格

ISO

ISO 6507-1:2005(MOD), ISO 6507-4:2005(MOD)
国際規格分類

ICS

77.040.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 非鉄 2021, 溶接 I(基本) 2021, 溶接 II(製品) 2021, 熱処理 2020
改訂:履歴
1952-06-21 制定日, 1955-06-21 改正日, 1961-02-01 改正日, 1964-05-01 確認日, 1966-10-01 確認日, 1969-10-01 確認日, 1972-11-01 確認日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1981-05-01 改正日, 1986-06-01 確認日, 1992-07-01 改正日, 1998-02-20 改正日, 2003-03-20 改正日, 2008-02-20 確認日, 2009-01-20 改正日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS Z 2244:2009 PDF [60]
                                                                                   Z 2244 : 2009

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 原理・・・・[2]
  •  4 記号及び硬さの表示・・・・[2]
  •  4.1 記号及び内容・・・・[2]
  •  4.2 硬さの表示・・・・[2]
  •  5 装置・・・・[3]
  •  6 試料(試験片)・・・・[3]
  •  7 試験・・・・[3]
  •  8 測定結果の不確かさ・・・・[5]
  •  9 試験報告書・・・・[5]
  •  附属書A(規定)試料(試験片)の最小厚さ-試験力-硬さの関係・・・・[6]
  •  附属書B(規定)曲面の試験における硬さの補正係数・・・・[8]
  •  附属書C(参考)使用者による試験機の日常点検・・・・[11]
  •  附属書D(規定)ビッカース硬さの算出表・・・・[12]
  •  附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[103]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 2244 pdf 1] ―――――

Z 2244 : 2009

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄鋼
連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の
審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS Z 2244:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 2244 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 2244 : 2009

ビッカース硬さ試験−試験方法

Vickers hardness test−Test method

序文

  この規格は,2005年に第3版として発行されたISO 6507-1及び第1版として発行されたISO 6507-4を
基に作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,試験力が98.07 mN以上の主に金属材料のビッカース硬さ試験方法について規定する(表1
参照)。
表1−試験力の範囲
試験力(F)の範囲 硬さの記号 分類
N
F≧49.03 HV5以上 ビッカース硬さ試験
1.961≦F<49.03 HV0.2以上,HV5未満 低試験力ビッカース硬さ試験
0.098 07≦F<1.961 HV0.01以上,HV0.2未満 マイクロビッカース硬さ試験
この規格で規定するビッカース硬さ試験は,くぼみの対角線長さの範囲0.020 mm1.400 mmに適用す
る。ただし,くぼみの対角線長さが0.020 mm未満,及び試験力が98.07 mN未満のビッカース硬さ試験を
行う場合は,受渡当事者間の協定によって,この規格に従って行ってもよい。また,特定の金属材料及び
製品については,それぞれの規格による。
注記1 くぼみの対角線長さが0.020 mm未満の試験では,測定の不確かさが大きくなることを考慮
することが望ましい。
注記2 通常,試験力の低下に伴い,測定の結果のばらつきは大きくなる。くぼみの対角線長さを測
定するという試験の原理から,特に低試験力ビッカース硬さ試験及びマイクロビッカース硬
さ試験に対して考慮が必要となる。マイクロビッカース硬さ試験については,くぼみの平均
対角線長さの測定の精確さは,±0.001 mmより良くなるとは考えられない。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6507-1:2005,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method
ISO 6507-4:2005,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 4: Tables of hardness values
(全体評価 : MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。

――――― [JIS Z 2244 pdf 3] ―――――

2
Z 2244 : 2009

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験−試験機の検証
注記 この規格の改正時点では,JIS B 7725は,ISO 6507-2:1997に対応したものであるが,ISO
6507-2は,改正され2005年版が発行されている。

3 原理

  正四角すい(錐)のダイヤモンド圧子を,試料(試験片)の表面に押し込み,その試験力 (F) を解除し
た後,表面に残ったくぼみの対角線長さを測定する(図1参照)。
ビッカース硬さは,試験力を,底面が正方形で頂点の角度が圧子と同じ正四角すいであると仮定したく
ぼみの表面積で除して得られる値に比例する。
a) ビッカース圧子 b) ビッカース硬さくぼみ
図1−試験の原理

4 記号及び硬さの表示

4.1 記号及び内容

  記号及びその内容は,表2及び図1による。
表2−記号及びその内容
記号 内容
α 正四角すい(錐)圧子の対面角 (136°)
F 試験力 (N)
d くぼみの対角線長さd1とd2の平均値(図1参照)(mm)
HV 試験力
ビッカース硬さ=定数×くぼみの表面積
136
2F sin
2 F
.0102 .0189 1
d2 d2
注記 定数=0.102 1/9.806 65
ここで,9.806 65 : kgfからNへの変換係数

4.2 硬さの表示

  ビッカース硬さの表示は,次の方法による。

――――― [JIS Z 2244 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
Z 2244 : 2009

640 HV 30 /20
試験力の保持時間 (20 s)。ただし,規定の保持時間範囲 (10 s15 s) と異
なる場合に記載する。
試験力を表す数字。ここでは,30 kgf=294.2 N
硬さ記号
ビッカース硬さの値

5 装置

    注記 使用者による硬さ試験機の日常点検の推奨する手順を附属書Cに示す。
5.1 試験機 試験機は,JIS B 7725による。また,適用範囲内の試験力を負荷できるものとする。
5.2 圧子 圧子は,JIS B 7725に規定するものとする。
5.3 くぼみ測定装置 くぼみ測定装置は,JIS B 7725に規定されているものとする。

6 試料(試験片)

  試料(試験片)は,次による。
a) 試料(試験片)は,別途,材料規格などに指定されていない限り,平滑で,凹凸,酸化物膜(スケー
ル)及び異物がなく,特に潤滑剤のない表面とする。表面の仕上げは,くぼみの対角線長さを正確に
測定できるようにする。
b) 試料(試験片)の仕上げは,過熱,冷間加工などによる表面硬さの変化が,できるだけ生じないよう
にする。ビッカース硬さのくぼみはあまり深くないため,試料(試験片)の仕上げには特に注意する。
その材料の特性に適した研磨,又は電解研磨方法を用いるのがよい。
c) 試料(試験片)又は試験対象層の厚さは,くぼみの対角線長さの1.5倍以上とし(附属書A参照),試
験後の試料(試験片)の裏面には変形が認められないようにする。
d) 曲面を試験する場合には,表B.1表B.6の補正係数によって,見かけの硬さを平面の硬さに変換す
る。
e) 断面が小さいとき及び不規則な形のときには,試料(試験片)を何らかの形態で支持する。
注記 微小寸法の試料(試験片)及び複雑な形状の試料(試験片)に対する仕上げ及び試験時には,
特殊な保持具を用いるか,樹脂に埋め込むなどして,試料(試験片)が保持できるようにす
ることが望ましい。ただし,その方法は,試料(試験片)の硬さに影響を及ぼすものであっ
てはならない。試料(試験片)を樹脂に埋め込む場合には,樹脂の硬化に伴う発熱,プレス
成形の際の圧力,温度などが試料(試験片)の硬さに影響することがあるので,注意する必
要がある。

7 試験

  試験は,次による。
a) 試験温度は,通常,10 ℃35 ℃の範囲内とする。管理条件下で試験を行う場合には,23 ℃±5 ℃で
行う。

――――― [JIS Z 2244 pdf 5] ―――――

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