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Z 2244 : 2009
b) 試験力は,表3による。ただし,表3以外の試験力を用いてもよい。
注記 他の試験力として,例えばHV2.5 (24.52 N)を使用することがある。
表3−硬さ記号と試験力
ビッカース硬さ試験a) 低試験力ビッカース硬さ試験マイクロビッカース硬さ試験
硬さ記号 試験力 (F) 硬さ記号 試験力 (F) 硬さ記号 試験力 (F)
N N N
HV5 49.03 HV0.2 1.961 HV0.01 0.098 07
HV10 98.07 HV0.3 2.942 HV0.015 0.147 1
HV20 196.1 HV0.5 4.903 HV0.02 0.196 1
HV30 294.2 HV1 9.807 HV0.025 0.245 2
HV50 490.3 HV2 19.61 HV0.03 0.294 2
HV100 980.7 HV3 29.42 HV0.05 0.490 3
HV0.1 0.980 7
注a) 980.7 Nを超える試験力を適用する場合もある。
c) 試料(試験片)は,堅固な支持台の上に載せ,支持台の表面は,異物(スケール,油,汚れなど)の
ない状態にしておく。試料(試験片)は,試験中にずれないようにする。
d) 圧子を試験面と接触させてから,その面に対して垂直の方向に試験力を加える。そのとき,衝撃及び
振動のないようにして,規定の試験力に到達させる。規定の試験力に到達するまでの所要時間は,2 s
8 sとする。
低試験力ビッカース硬さ試験(試験力49.03 N未満)の場合は,この時間が10 sを超えないように
し,圧子の接近速度は,0.2 mm/sを超えないようにする。
マイクロビッカース硬さ試験(試験力1.961 N未満)の場合は,圧子の接近速度は,15 μm/s70 μm/s
の範囲とする。ただし,使用する試験機に適切な条件が推奨されている場合には,その条件によるの
がよい。
試験力の保持時間は,10 s15 sとする。ただし,時間依存性のため,この範囲が不適切な金属材料
を除く。規定の保持時間よりも,長い保持時間としてもよいが,適用した保持時間を,硬さの表示に
含める(4.2の例参照)。
e) 試験中,試験機は衝撃及び振動を受けないようにする。
f) 硬さを測定するくぼみの中心間の距離,及びくぼみの中心から試料(試験片)の縁までの距離は,く
ぼみの平均対角線長さdに対して,表4の条件とする。
表4−くぼみの位置
試料(試験片)の材質 鋼,ニッケル合金,チタン合軽金属(チタン合金を除く),
金,銅及び銅合金 鉛,すず及びそれらの合金
くぼみの中心間の距離a) 3d以上 6d以上
くぼみの中心から試料(試験2.5d以上 3d以上
片)の縁までの距離
注a) 隣り合う二つのくぼみの大きさが異なる場合には,dは大きい方のくぼみの平均対角線長
さとする。
g) 2方向の対角線の長さを測定して,その平均値から,ビッカース硬さを計算する。
――――― [JIS Z 2244 pdf 6] ―――――
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表面が平たんな試料(試験片)の場合,2方向の対角線長さの差は,対角線長さの5 %を超えるこ
とは通常ないため,この差がそれより大きい場合には,そのことを試験報告書に記載する。
顕微鏡の倍率は,対角線長さが視野の25 %を超え,75 %未満になるようにするのがよい。
h) 表面が平たんな試料(試験片)の硬さ値の決定は,附属書Dに規定する表を用いて行う。
8 測定結果の不確かさ
不確かさの完全な評価は,“計測における不確かさの表現のガイド (GUM) 1]”に従って行うことが望ま
しい。要因のタイプには関係なく,硬さの不確かさの評価は,次の二つの方法によって行うことができる。
a) 直接検証にかかわるすべての要因の評価を基にする方法(EAガイドライン[2]が,参考になる。)。
b) 硬さ基準片(認証標準物質)を使用した間接検証を基にする方法([2][5]を参照)。
注記 ISO 6507-1の附属書D(参考)に不確かさを求めるためのガイドラインが記載されている。
9 試験報告書
試験報告書が必要な場合には,報告する事項は,次のうちから,受渡当事者間の協定によって選択する。
a) この規格によって試験した旨の表示
b) 試料(試験片)の識別に必要な表示
c) 得られた結果
d) この規格に規定されていない作業,又は任意とみなされているすべての作業
e) 結果に影響を及ぼしたかもしれないことがあれば,その詳細
f) 試験の温度[箇条7のa)に規定した範囲外の場合]
注記1 硬さ値の厳密な比較ができるのは,同一の試験力を用いる場合に限る。
注記2 ビッカース硬さを他の硬さ及び引張強さに正確に換算する一般的な方法はないので,そのよ
うな換算は,比較試験によって信頼できる換算基準が得られない限り避ける。
注記3 異方性のある材料,例えば,強度の冷間加工が施されたものの場合,くぼみの2方向の対角
線長さに差が生じる。可能であれば,対角線が冷間加工の方向と約45°傾くようにする。製
品の仕様によっては,2方向の対角線長さの差について,許容限度が規定されている場合も
ある。
注記4 材料によっては,明らかに,変形の速度に敏感で,そのために降伏強度の値が若干変わって
くるものがある。くぼみ形成の最終段階で,同様の効果があると,硬さ値が変化することが
ある。
――――― [JIS Z 2244 pdf 7] ―――――
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附属書A
(規定)
試料(試験片)の最小厚さ−試験力−硬さの関係
序文
この附属書は,試験力及び硬さ値による試料(試験片)の要求される最小厚さを求めるための図を規定
する。
A.1 最小厚さの求め方
図A.1は,硬さ記号と硬さ値とから,試料(試験片)の厚さがくぼみの対角線の1.5倍になる厚さを求
めるための図である。使用する硬さ記号の直線とY軸の硬さ値との交点のX軸の値を,試料(試験片)の
最小厚さとする。
図A.2で示すノモグラムは,試料(試験片)の最小厚さがくぼみの対角線長さの1.5倍以上必要である
と仮定して作成しており,必要な試料(試験片)の厚さは,硬さ(左側の目盛)から試験力(右の目盛)
までの直線(図A.2では,一点鎖線で表示)と最小厚さの目盛とが交差した点とする。
X 試料(試験片)の最小厚さ (mm)
Y ビッカース硬さ値,HV
図A.1−試験力と硬さ値による最小試料(試験片)厚さ (HV 0.2HV 100)
――――― [JIS Z 2244 pdf 8] ―――――
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a ビッカース硬さ値,HV
b 試料(試験片)の最小厚さ,t (mm)
c くぼみの対角線の長さ,d (mm)
d 硬さ記号,HV
e 試験力,F (N)
図A.2−試料(試験片)の最小厚さのノモグラム (HV0.01HV100)
――――― [JIS Z 2244 pdf 9] ―――――
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附属書B
(規定)
曲面の試験における硬さの補正係数
序文
この附属書は,曲面の硬さ試験を行う場合の,硬さの補正係数について規定する。
B.1 球面
表B.1及び表B.2は,球面(凸面及び凹面)の試験を行うときの硬さの補正係数とする。
補正係数は,球の直径Dに対するくぼみの平均対角線長さdの比による。
例 凸球面の直径 D=10 mm
試験力 F=98.07 N
くぼみの平均対角線長さ d=0.150 mm
d .015
.0015
D 10
98.07
ビッカース硬さ(未補正値)=0.189 1× =824 HV10
.0152
表B.1からの補正係数(内挿による)=0.983
球面の硬さ=824×0.983=810 HV10
表B.1−凸球面の硬さ補正係数
d/D 補正係数 d/D 補正係数
0.004 0.995 0.086 0.920
0.009 0.990 0.093 0.915
0.013 0.985 0.100 0.910
0.018 0.980 0.107 0.905
0.023 0.975 0.114 0.900
0.028 0.970 0.122 0.895
0.033 0.965 0.130 0.890
0.038 0.960 0.139 0.885
0.043 0.955 0.147 0.880
0.049 0.950 0.156 0.875
0.055 0.945 0.165 0.870
0.061 0.940 0.175 0.865
0.067 0.935 0.185 0.860
0.073 0.930 0.195 0.855
0.079 0.925 0.206 0.850
――――― [JIS Z 2244 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2244:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6507-1:2005(MOD)
- ISO 6507-4:2005(MOD)
JIS Z 2244:2009の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2244:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7725:2010
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7725:2020
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正