JIS D 8005:2009 自動車―圧縮着火式内燃機関―排出ガスの不透過率測定及び光吸収係数測定用の機器 | ページ 3

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る環境条件も無視して),基準圧力 100 kPa 及び基準温度373 K (100 ℃)が使用されなければならない。特
記事項として,絶対及び実用単位は,ISO 1585及びISO 3046-1(エンジン吸入空気圧力 100 kPa)で与え
られたエンジン性能の基準条件と一致している。

7.2 基本仕様

7.2.1  測定するガスは,内面が無反射性の容器,又は同等な光学環境に閉じ込められるか,又は通過する
ものでなければならない。
7.2.2 ガスを通過する有効光路長さ LA を決定するときに,光源及び受光部の保護に使用されているデバ
イスが及ぼし得る影響について,説明されなければならない。
7.2.3 有効光路長さは,機器上に表示し,かつ,製造業者のデータとして規定されなくてはならない。
7.2.4 製造業者が,非常に低い光吸収係数だけを測定するのに適した不透過率メータであると明示した場
合を除き,不透過率メータの指示部は,光吸収係数 k が0 m110 m1 以上の絶対単位の目盛をもたなけ
ればならない(6.1.2による不透過率目盛に加えて)。
7.2.5 光吸収係数 k における指示部目盛は,少なくとも0.01 m1 の分解能をもつものとする。
7.2.6 測定器のゼロ及びフルスケール調整点は,1時間又は試験の全時間のいずれか短い時間において,
0.025 m1 又はフルスケールの2 %のいずれか小さい値を超えてドリフトしてはならない。

7.3 設計仕様

7.3.1  一般
7.3.1.1 設計は,定常状態(SS)運用条件の下で,測定室がフリンジ効果(fringe effects)を除いて,均一の不
透過率のスモークで満たされるようなものとする。6.2.1.1の通気要件に加えて,7.3.1.2及び 7.3.1.3の要
件に適合している場合には,この条件を満足しているものとする。測定室が常に試料で洗い流されること
を製造業者が示さない場合,機器内のサンプル変動を防ぐために通気確認を実行しなければならない。
7.3.1.2 一定温度で,光吸収係数 k が約1.7 m−1 で一定(フルスケールが 2 m−1 未満の場合,フルスケ
ールの約90 %)のスモークでの,1秒の応答時間の記録計で測定される不透過率メータの10秒間の指示
部出力の変化は,±0.075 m−1(不透過率メータのフルスケールが 2 m−1 未満の場合,フルスケールの±
4 %)以下である。
7.3.1.3 スモーク室が分割されている場合,光吸収係数が約 1.7 m−1 のときにおいて,左右のスモーク室
間の流れの不均等が指示値に,0.05 m−1 を超えて影響してはならない。
7.3.2 光源及び受光部
これらは6.2.2,6.2.3及び6.2.4に従う。ただし,6.2.4.1に代わる手段として,7.3.3を使用してもよい。
7.3.3 スモーク室及び不透過率メータのケース
内部反射又は散乱影響による受光部での迷光の悪影響は,最小限に抑えなければならない(例えば,つ
や消し黒の内面仕上げ又は適切な全体レイアウトによる。)。
全表面がつや消し黒でない,又は光束が6.2.4に示す平行性がない場合,スモーク室が1.7 m−1前後の光
吸収係数をもつスモークで満たされるとき,光学的全体レイアウトは,散乱及び反射の組合せによる影響
が k 目盛で 0.075 m−1を超えてはならない(又は,フルスケールが2 m−1未満の場合,フルスケールの約
90 %のスモークでフルスケールの4 %を超えてはならない。)。
7.3.4 有効光路長さ LA の決定
不透過率メータ形式の有効光路長さを,直接幾何学的に算定できない場合には,次のいずれかの方法で
決定してもよい。
− 11.6.5.3 に規定する方法による。

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− 有効光路長さが判明している他の不透過率メータとの相関性による(11.6.5.2参照)。
− 他の同等の方法による。
7.3.5 測定器の調整及び校正
6.2.5.2の追加要件として,6.2.5.2で要求される中間点チェック用遮光板が,指定された測定器の有効光
路長さで計算された吸収係数(3.4で定義)1.5 m−12 m−1の間で同等でない場合,追加の中間点チェック
をしなければならない。この追加された中間点チェックは,不透過率換算値に対する吸収係数が1.5 m−1
2 m−1で,その精度が±0.05 m−1の遮光板又はNDフィルタの方式において行う。光源と受光部との間に
挿入されたフィルタに対する指示部の指示は,吸収係数換算で±0.15 m−1 相当の精度でなければならない。
自動ガス温度補償付きの測定器は,このチェックの間は,373 K (100 ℃)となるよう温度を設定しなくて
はならない。
7.3.6 測定対象ガス及び掃気の圧力
7.3.6.1 スモーク室内の排出ガス圧力は,大気圧に対し,0.75 kPa (7.5 mbar)を超える差があってはならな
い。吸収係数が約1.7 m−1のガスの場合で,スモーク室内の測定ガス及び掃気ガスの圧力変動は,光吸収
係数 k に対し,0.05 m−1を超える(又は,フルスケール 2 m−1 未満の不透過率メータの場合は,フルス
ケール指示の2 %を超える)影響を与えてはならない。
7.3.6.2 設計的にスモーク室内の圧力と大気圧との差が(不透過率メータの動作限界内において)0.75 kPa
を超えることができないことが証明される場合を除き,不透過率メータはスモーク室内の圧力を測定する
適切な装置を備えなくてはならない。
その装置は,少なくとも 0.2 kPaの精度及び0.1 kPaの分解能をもつものとする。測定器は,外部計器に
よって校正する手段をもたなくてはならない。
大気圧で測定することが困難な場所の場合(例えば,インライン測定で排出管出口からの距離があるな
ど),不透過率メータの指示値は,式(2)によって大気圧に補正する。
patm
kcor kobs (2)
pobs
7.3.6.3 測定ガス及び掃気ガスの圧力変動の範囲は,測定器によって自動的にチェックされなくてはなら
ない。
7.3.6.4 光源及び受光部を保護すること(6.1.4参照)によって,有効光路長さ LA が2 %以上変化しない
ことを設計的に証明できる場合を除き,不透過率メータは,その方式が仕様範囲内で動いているかを確認
するための適切な装置をもつものとする。測定器は,その装置を校正するための外部計器を備えなければ
ならない。
エンジンが制御された大気中(例えば,減圧チャンバ)で試験される場合,不透過率メータをエンジン
のさらされる雰囲気圧力と同じ雰囲気圧力の場所に設置することが保証のために不可欠である。これがな
されない場合,不透過率メータの指示は,エンジンと不透過率メータとの間の圧力差で補正されるものと
する。
7.3.7 測定ガスの温度
7.3.7.1 結露を防ぐためには,排出ガスの温度は,排気管及び測定システムのすべての点で露点温度を十
分に超えていなければならない(例えば,プローブ及び測定器を通過する間における取り付けられたプロ
ーブの上流)。排気管を出たときに373 K(100 ℃)のガスが,測定セルに達するときに343 K (70 ℃)を超え
ていれば,この条件を満足するとみなす。
測定システムの出口までのガス収容システムの壁温度が低いと思われる場合,システムを適切な温度に

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加熱しなくてはならない[例えば,373 K (100 ℃)]。
7.3.7.2 ガス温度又はスモーク室温度(該当する場合)が限界未満に低下した場合,測定器はその測定を
禁止しなくてはならない。不透過率メータは,スモーク室内の平均温度 Tm を評価する適切なデバイスを
装備し,そして製造業者は,動作限界を規定しなくてはならない。平均温度は,5 Kの精度で表示しなく
てはならない。測定器は,ガス温度測定用のデバイスを外部計器において校正する手段を備えなくてはな
らない。
平均温度に補正されたTm が,373 K (100 ℃)以外の場合,不透過率メータの指示は,式(3)(下に定義す
る限界内において)で373 K (100 ℃)に換算しなくてはならない。
Tm
kcor kobs (3)
373
補正が不可能なときは,k に与えられた温度を添えて,kxxx と記載しなくてはならない(例えば,k500)。
7.3.7.3 上記の式(3)を使うための排出ガス温度は,測定室のすべての点で 343 K (70 ℃)553 K (280 ℃)
の範囲内とする。もし,温度がこの範囲外であるならば,その指示値を補正なしで記録し,温度を書き添
えなくてはならない。
上記の温度範囲は,通常の全負荷スモーク中では,すべての水分が乾燥蒸気の形で存在し,また,すべ
ての他の凝縮(液化)していない非固体の微粒子(例えば,非凝縮物の総量が未燃燃料又は潤滑油)が微
量であることを考慮している。これらの条件下で温度影響に対する修正式は有効である。排出ガスが異常
な割合の非固体の構成要素を含む場合,修正式は有効でないこともある。例えば,高い硫黄含有量をもつ
重油によって運転されるエンジンの 373 K (100 ℃)の排出ガスの場合,酸性の硫化物の飛まつ(沫)(小滴)
を含む可能性があり,その式は適用されない。これらの,より拘束力のある約 373 K (100 ℃) の温度範囲
との比較用途が必要な場合,又はもしそれらの飛まつ(沫)の測定を避けることが必要なら,それらのエ
ンジンの排出ガスは,413 K (140 ℃) 以上を保たなくてはならず,比較のための公称基準値を与える要求
がある場合には,373 K (100 ℃) に補正しなくてはならない。

8 過渡特性の測定

8.1 一般

  過渡の測定では,何を測定しているかを明確にすることが必要である。つまり,排気管の出口に漂うよ
うに存在するスモークを測定する場合,又はガス速度を考慮に入れたうえで,排出されたスモークの量を
測定する場合がある。
通常は,排出されたスモークの量がそのまま測定値として評価される。しかし,ターボ車において,低
速時にターボが十分に機能せず,空燃比が適切になる前に発生するスパイクスモーク“short puff”では,
かなりの違いになり得る。経時測定システムの一つの例として,排気管の出口に直接取り付けられた全流
形不透過率メータがある。ごく少量の,ほとんど定常に近い,漂うようなスモークの場合,そのスモーク
の量は,大幅に少ないにもかかわらず,大量で流速の早いスモークと同じく大きなうねりとして測定され,
同レベルの指示値となる。時間軸上のスモークの排出特性は,例えば,無負荷加速試験のような場合,ガ
ス流速の変動によってゆがめられる。
この不透過率メータが,スモークが不透過率メータを通過する前に,ガスが最大スピードとなるような
長い延長管の先に取り付けられていた場合(8.3の遅れ時間 td 参照),それはガス速度の変化の影響を除
去することとなり,その波形はスモークの量を測定することに使用できる。
不透過率メータは,過渡状態での不透過率及び光吸収係数の測定に特に適しているが,それらは不透過

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率メータの応答性が,測定される過渡特性に比較して十分高速である場合に限られる。
過渡現象の測定には,次の二つの可能性が存在する。
a) スモーク対時間曲線の定義 このためには,総合応答時間は,過渡特性の時間の5分の1より短くな
ければならない。例えば,負荷加速試験中でのガス速度は,初期の低いガス速度に起因する過渡で存
在するスパイクスモーク“turbo puff”が与える高い重み付けを回避するために,考慮しなければなら
ない。
b) 最大値を取得するための過渡特性の平均値の定義(例 : EEC指令72/306又はUN/ECE規則No. 24参
照)2) ガス速度は,低いガス速度に起因する過渡で存在するスパイクスモーク“turbo puff”が与え
る高い重み付けを回避するために,考慮されなければならない。過渡的なパルスの幅が何であるかを
知らなければ,ピーク値測定の価値はほとんどないことに注意しなければならない。過渡特性でのス
モークの量は,そのようなピーク値の指示に減衰が加えられ測定される。
このために,総合応答時間 to(8.2.4参照)又は物理的応答時間 tp 及び電気的応答時間 te(8.2.2及び 8.2.3
参照)は,与えられた誤差範囲を含む値及び特性に固定されなければならない。また物理的遅れ時間 td(8.3
参照)は,与えられた値に固定されなければならない。異なった不透過率メータのすべての過渡の指示値
は,to 及び td が同様の値又は特性をもっているときだけ比較することができる。to の定義において,多
くの確立された設計の不透過率メータが,およそ0.4秒未満の tp を達成できないことに注意しなければな
らない。
注2) ディーゼルエンジンから排出されるスモーク規制について言及しているUN/ECE規則No. 24
及びEEC指令 72/306では,使用過程車のフリーアクセル試験中のスモーク測定は,物理的応
答時間は0.4秒以下,電気的応答時間は0.9秒1.1秒の間と規定されている。ISO 8178-9では,
無負荷運転用エンジンの適用において,応答時間は0.2秒以下に規定されている。

8.2 不透過率メータの応答

8.2.1  総論
総合応答時間 to は,物理的応答時間 tp 及び電気的応答時間 te を合わせたものである。
a) 物理的応答時間 tp は,実際に測定領域にスモークが導入される時間と,(受光部の応答及び信号処理
といった)計測器固有のアナログ的な応答時間である。それらは,計測されたままの不透過率信号に
は必ず含まれているものである。tp を評価するためには,この未加工の不透過率信号を光吸収係数の
尺度へ変換することが必要である。以降,この補正がされていない変換された信号を,未加工 k- 信
号と呼称する。
b) 電気的応答時間 te は,アナログフィルタ処理(例えば,指数応答する簡単な抵抗及びコンデンサで構
成される回路)又はデジタルフィルタ処理(例えば,デジタル化されたサンプルに移動平均を適用)
に要する時間である。フィルタ処理は,未加工の不透過率信号,又は異なる有効光路長さに対応して
変換された後の不透過率に対して,若しくは不透過率から光吸収係数(未加工 k-信号)へと変換され
た後で適用することができる。
なお,フィルタを適用する場合,特に早い過渡特性の信号に対して,表示に重大な影響を及ぼす可
能性があることに注意しなければならない。
通常,追加フィルタ処理は,特定の応答時間に対応するよう設定されている。
8.2.2 物理的応答時間,tp
物理的応答時間は,測定中のガスの光吸収係数が0.01秒以内に変化したときに,未加工 k-信号が全変
化の10 %から90 %に至るまでの時間である。

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サンプリング式不透過率メータの物理的応答時間は,プローブ及びサンプルラインで規定される。異な
ったプローブシステム及びサンプルライン(複数のプローブ)をもつ計器においては,物理的応答時間は,
それらのすべての組合せについて設定されなければならない。
一定の直径のパイプで,その直線部分に測定領域があるような限定された全流形の不透過率メータにお
いては,物理的応答時間を,式(4)で推定することができる。
p V (4)
t 8.0
Q
これは,計器製造業者によって“計算物理的応答時間”3)と表示される。
このような計器において,ガスの速度は,90 %以上の測定領域を通過するときの平均速度で,50 %を超
える差があってはならない。
すべての不透過率メータで,物理的応答時間及び特性4)は,実験によって決定される(11.7.2参照)。
注3) 応答時間値を10 %から90 %に至る立上がり時間として実験的に決めるが,その結果に相応す
るものとして,係数0.8が使われる。
4) 長い応答時間及び異なった特性は,結果に影響を与える可能性がある。
8.2.3 電気的応答時間,te
8.2.3.1 総論
既定の不透過率メータには,一つ以上の電気的出力が備えられている(例えば,記録計出力,アナログ
表示,デジタル表示)。
既定用途で用いる場合,電気的応答時間は,どのような出力モードで使用する場合においても一致しな
ければならない(例えば,過渡状態を測定するときに,デジタル表示のピークホールドが使用されること,
及び8.2.3.4に規定する応答性が関連する。)。
電気的応答時間を表示することは,尺度(不透過率及び光吸収係数),有効光路長さ LA,及び応答特性
を明確にするために重要である。
8.2.3.2 記録計出力の応答時間
記録計出力は通常,未加工(追加フィルタ処理及び変換なし)の不透過率信号である。例えば,出力が k-
目盛である場合には,それは物理的応答時間である。
記録計出力の応答時間は,不透過率又は光吸収係数が0.01秒以内で変化したときに,その計器の記録計
出力が全変化の10 %から90 %に至るまでの時間である。
8.2.3.3 アナログ表示の応答時間
出力がアナログディスプレイ上にも表示されている場合,“アナログ表示の応答時間”は,不透過率又は
光吸収係数が 0.01秒以内で変化したときに,その計器のアナログ表示が全変化の10 %から90 %に至るま
での時間で定義される。
8.2.3.4 デジタル表示の応答時間
デジタル表示は,ピークをとらえる表示を除いては,過渡的な表示をするのには適していないと考えら
れる。ピーク値は,何らフィルタが付加されていない信号である。デジタル表示の応答時間は,不透過率
又は光吸収係数が 0.01秒以内に変化したときに,全変化の10 %から90 %に至るまでの時間である。
数値フィルタとして,異なるアルゴリズムを使用することができる。例としては,一次回帰フィルタ,
二次回帰フィルタ(ベッセルフィルタ),移動平均法がある。フィルタは,異なった物理的応答時間を調整
する第一段フィルタと,メインの電気式フィルタの二つの部分からなる。フィルタの設計を特定するもの
として,フィルタが適用される尺度(不透過率,光吸収係数については,温度及び圧力による補正の有無),

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JIS D 8005:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11614:1999(IDT)

JIS D 8005:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS D 8005:2009の関連規格と引用規格一覧