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E 5007 : 2019
種別1
表3−種別1の固体材料の温度限度
RTE(相対熱的耐久性指数) 耐熱クラス 浸せきタイプの最高温度a)乾式タイプの最高温度b)
又は
ATE(実績熱的耐久性指数) ℃ ℃
RTE又はATE<90 70 規定しない 規定しない
90105 120 130 155 180 200 220 250 注a) 浸せきタイプの絶縁システムの温度限度は,絶縁材料の酸化が抑制されるので乾式タイプの絶縁シス
テムより高い。ただし,セルロースを基にした絶縁システム(105 ℃クラス及び120 ℃クラス)は例
外で,温度限度がIEC 60076-7に規定されている。
b) 乾式タイプの最高温度は,IEC 60076-12:2008の表2による。
種別2
表3A−種別2の固体材料の温度限度
冷却方式 耐熱 温度限度
クラス 長期間運転温度上昇(巻線平均) 短時間最高温度(ホットスポット)
K ℃
浸せきタイプ A 85 170
特別A 125 270
乾式タイプ F 155 195
H 180 220
注記 浸せきタイプのA種及び特別A種は強制導油循環式を前提とし,この表で規定する温度限度に十分
耐える材料で構成された耐熱クラスをいう。例えば,A種の場合は,耐熱処理紙などで構成されたも
のをいう。特別A種の場合は,シリコーン油,ポリアミド絶縁物などで構成されたものをいう。
幾つかの絶縁材料を組み合わせた場合の温度限度は,受渡当事者間の協定があれば,表3と異なる値を
採用してもよい。
一つの絶縁システムの中で異なった耐熱クラスの材料を組み合わせて使用するときは,熱容量について
の総合的な評価が特に必要である。絶縁寿命は,附属書B及び附属書Cを参考に評価する。
10.3 液体材料の温度限度
液体材料の温度は,表4に示す限度値を超えてはならない。
表4−液体材料の温度限度
単位 ℃
項目 鉱油 合成エステル油 シリコーン油
(JIS C 2320) (IEC 61099) (JIS C 2320)
燃焼点等級(IEC 61039) O K K
長期間負荷状態での最高温度 105 130 155
――――― [JIS E 5007 pdf 11] ―――――
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E 5007 : 2019
この温度値は,IEC 60076-14に基づく。推奨の温度限度は特定の環境下の絶縁システムにも有効である。
密閉システムでは,代表的な劣化要因である酸化及び吸湿による影響を抑制している。開放システムでは,
確実な保守が必要である。
10.4 他の部品の温度限度
タンクの表面最高温度については,受渡当事者間で協定する。
いかなる場合でも,変圧器又はリアクトルの鉄心又はその他の部分の温度が上昇して,隣接部品の損傷
及び絶縁油に過度の劣化を与えないようにしなければならない。
11 機械設計
設計の妥当性は,受渡当事者間で協定した有限要素法(FEA)による数値解析(設計法,モデル校正,
疲労限度など)又は振動及び衝撃試験によって立証する。FEAで実施する場合は,静的負荷解析,60 Hz
以下のモーダル解析及び入力値として,JIS E 4031に定義された加速度スペクトル密度(ASD)負荷を基
にした疲労解析を実施するのが望ましい。このような損傷調査は,広く認められている規格の方法(例え
ば,シングルモーメント,レイリー法など)で実施する。このときの材料データは,この規格に適合する
ものを使用して,計算は,溶接を考慮する必要がある。安全率は,受渡当事者間で協定した適切な規格に
従ったものを使用しなければならない。流体についても考慮し,シミュレーション方法も実証する。
12 銘板
受渡当事者間の協定がない限り,独立して扱われる各装置は少なくとも次の項目を示す銘板を付けなけ
ればならない。
a) 製造業者名
b) 製造社形式名又は番号
c) 製造番号
d) 製造年及び製造所
e) 結線図
f) タップ
g) 各巻線の定格容量,定格電圧及び定格周波数
h) 定格電流(実効値又は平均直流電流)
i) インダクタンス値(一つ又はそれ以上の指定基準電流値にて)
j) 冷却媒体の内容量及び種類(油入だけ記載)
k) 冷却媒体の名称(油入だけ記載)
l) 冷却方式
m) 総質量
変圧器及びリアクトルが最終的に車両などに搭載された場合,それらに付けた銘板は,通常の保守作業
時における清掃作業及び調査が容易な位置に取り付ける。
13 試験
13.1 試験の種類
13.1.1 一般
試験は,次の3種類とし,13.1.213.1.4による。
――――― [JIS E 5007 pdf 12] ―――――
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E 5007 : 2019
a) 形式試験
b) 受渡試験
c) 調査試験
13.1.2 形式試験
形式試験は,同一設計の装置の1台について行う。この試験は,最初の製品ロットの中から1台を選ん
で実施する。量産品の場合は,製造業者がそれ以前に製造した同一の装置についての形式試験成績書の提
出によって,形式試験に合格したものとみなす。任意の形式試験は,発注書に明記された場合に限り行う。
13.1.3 受渡試験
受渡試験は,同一発注の全ての装置について行う。ある特定の装置については,受渡当事者間で協定し
て,受渡試験に代えて任意に抜き取った数台の装置に対して試験を行ってもよい。
13.1.4 調査試験
調査試験は,追加情報を得るために1台の装置に対して行われる任意の特別な試験である。これは発注
時に,発注書に明記されている場合に限り行う。発注書に特別の協定が示されていない限り,この試験の
結果を装置の受渡しの条件とはしない。
13.2 変圧器に関する試験
注記 この細分箇条は変圧器に関する規定であるが,リアクトルについても共通することが多く,13.3
では多くの箇所でこの細分箇条を参照する記載となっている。
13.2.1 試験項目
変圧器の検査,測定及び試験の項目は,表5による。また,表5に試験の種類及び該当する箇条番号を
示す。変圧器から切り離せないリアクトルの場合,その試験は可能な限り当該変圧器の試験と同時に実施
する。この規格の要求を全て満足することを保証するために,必要な場合には,これらのリアクトルを別
個の装置として実施すべき試験について,受渡当事者間で協定しなければならない。
表5−変圧器に適用する試験項目,試験の種類及び該当箇条番号
試験項目 試験の種類 該当箇条番号
形式 受渡 調査
目視調査 ○ ○ − 13.2.3
機能試験 △ △ − 13.2.3
質量 ○ △ − 13.2.4
巻線抵抗測定 ○ ○ − 13.2.5
変圧比,極性及び位相変位測定 ○ ○ − 13.2.6
無負荷一次電流及び無負荷損失の測定 ○ ○ − 13.2.7.2,13.2.7.3
インピーダンス電圧又は短絡インピーダンスの ○ ○ − 13.2.8
測定
基本負荷損の測定 ○ ○ − 13.2.9.2,13.2.9.3
全損失の算定 ○ − − 13.2.10
温度上昇試験 ○ − − 13.2.11
絶縁抵抗試験 △ △ − 13.2.12
耐湿性試験 ▲ ▲ ▲ 13.2.13.1
誘導耐電圧試験 ○ ○ − 13.2.13.2
商用周波耐電圧試験 ○ ○ − 13.2.13.3
雷インパルス耐電圧試験 ○ − − 13.2.13.4
――――― [JIS E 5007 pdf 13] ―――――
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表5−変圧器に適用する試験項目,試験の種類及び該当箇条番号(続き)
試験項目 試験の種類 該当箇条番号
形式 受渡 調査
層間絶縁試験 △ − − 13.2.13.5
ケーブル耐電圧試験 ○ ○ − 13.2.13.6
部分放電試験 ▲ ◎ 13.2.14
短絡強度試験 △ − − 13.2.15
振動及び衝撃試験 △ − − 13.2.16
電圧移行率VTR △ − − 13.2.17
騒音測定 ○ − − 13.2.18
漏れ磁束密度測定 △ − − 13.2.19
周波数応答分析FRA − − ○ 13.2.20
突入電流測定 △ − − 13.2.21
注記 ○ : 実施, : 乾式タイプだけ実施,◎ : 油入タイプだけ実施,△ : 任意,▲ : 乾式タイプだけ任意
13.2.2 裕度
製造業者がこの規格によって定格及びその他の特性を保証する場合に,適用できる裕度を表6に示す。
表中の裕度の片側が記載されていない場合は,その側には制限を設けていないことを意味する。
表6−裕度
項目 参照箇条 裕度
1 巻線抵抗 13.2.5 +10 %以下 a)
2 損失 13.2.7, 全損失の+10 %以下。
a) 全損失 13.2.9, 全損失に対する裕度を超えないことを条件に各部分
b) 部分損失 13.2.10 機器の損失の+15 %以下。
3 定格タップにおける無負荷変圧比 13.2.6 銘板に記載の保証値の±0.5 %又は定格負荷時の%イ
(定格電圧比) ンピーダンス電圧の1/10のうち,いずれか少ない値。
13.2.8
4 インピーダンス電圧(定格タップ) 定格タップに対するインピーダンス電圧の保証値の
±10 %。
変圧器内の同じ種類の巻線間では,受渡当事者間の協
定がなければ,各巻線は平均値の±3 %とするb)。
5 無負荷電流 13.2.7 無負荷電流の保証値の+30 %以下
6 総質量 13.2.4 形式試験
±10 %(100 kg>総質量)
±5 %(1 000 kg>総質量≧100 kg)
±3 %(総質量≧1 000 kg)
量産品 : ±3 %
注a) 量産品では,導体サイズ及び巻線の工作精度が向上するので,裕度は小さくなることが期待される。こ
のため製造業者が裕度を小さく決めることができる。
b) 受渡当事者間の協定によって,更に厳しい裕度を設定することができる。
13.2.3 目視調査(形式試験及び受渡試験)及び機能試験(任意の形式試験及び任意の受渡試験)
寸法,記号,構成配置及び銘板を目視確認する。また,油流計,電圧・電流測定装置,冷却装置などの
附属品の機能試験を行う。受渡当事者間の協定によって,さらに,形式試験の内容を追加してもよい。
13.2.4 質量(形式試験及び任意の受渡試験)
変圧器の質量は,注文書類に含まれる全ての附属品を含む。附属品を含めた全質量を測定できない場合
――――― [JIS E 5007 pdf 14] ―――――
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は,各附属品の質量は個別に測定する。
13.2.5 巻線抵抗測定(形式試験及び受渡試験)
各巻線の測定可能な端子間の抵抗を,冷状態のときに直流電源で測定する。自己誘導の影響を最小化し,
巻線の温度を正しく測定するために,注意を払わなければならない事項は,IEC 60076-1を参照すること
が望ましい。測定時の温度も記録する。
巻線抵抗は,表7(IEC 60076-1:2011の附属書E)に示す基準巻線温度に換算する。
種別1
表7−基準巻線温度
単位 ℃
絶縁システムの耐熱クラス 基準巻線温度
105(A) 85
120(E)
130(B) 130
155(F) 150
180(H)
200(N)
220(R)
250
なお,10.2で表3Aを選択した場合は,次による。
種別2
表7A−基準巻線温度
単位 ℃
絶縁システムの耐熱クラス 基準巻線温度
A 85
特別A,F,H 150
IEC 60076-1及びIEC 60076-11に示される表7及び表7A以外の基準巻線温度を,受渡当事者間の協定
によって変圧器及びリアクトルに使用できる。
形式試験の場合は,次による。
a) 巻線に主回路の電圧調整用のタップがある場合,その巻線の活線部の全抵抗を各タップについて測定
する。
b) 補助巻線が,幾つかに分割されている場合,各々の抵抗を測定する。
受渡試験の場合は,次による。
c) )の測定は巻線の定格タップについてだけでもよい。
d) )の測定は補助巻線全体についてだけでもよい。
13.2.6 変圧比,極性及び位相変位測定(形式試験及び受渡試験)
一次巻線と対となる巻線間の測定可能な全てのタップに対して,変圧比を測定する。
変圧比測定とともに実施する極性試験及び位相変位測定は,IEC 60076-1によって実施する。
13.2.7 無負荷一次電流及び無負荷損失の測定(形式試験及び受渡試験)
13.2.7.1 一般
測定は,印加電圧波形を正弦波とし,定格周波数にて行う。
――――― [JIS E 5007 pdf 15] ―――――
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JIS E 5007:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60310:2016(MOD)
JIS E 5007:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS E 5007:2019の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
- JISC4003:2010
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- JISE4031:2013
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- 鉄道車両―電気品―第1部:一般使用条件及び一般規則
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- JISZ8736-2:1999
- 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第2部:スキャニングによる測定