JIS E 5012-3:2015 鉄道車両―電力用コンデンサ―第3部:電気二重層キャパシタ | ページ 2

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E 5012-3 : 2015
注記 対応国際規格 : IEC 61287-1,Railway applications−Power convertors installed on board rolling
stock−Part 1: Characteristics and test methods(MOD)
JIS E 5012-1 鉄道車両−電力用コンデンサ−第1部 : 紙及びフィルムコンデンサ
注記 対応国際規格 : IEC 61881-1,Railway applications−Rolling stock equipment−Capacitors for
power electronics−Part 1: Paper/plastic film capacitors(MOD)
JIS E 5012-2 鉄道車両−電力用コンデンサ−第2部 : アルミニウム非固体電解コンデンサ
注記 対応国際規格 : IEC 61881-2,Railway applications−Rolling stock equipment−Capacitors for
power electronics−Part 2: Aluminium electrolytic capacitors with non-solid electrolyte(MOD)
IEC 60571,Electronic equipment used on rail vehicles及びAmendment 1
IEC 62236-3-2,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 3-2: Rolling stock−Apparatus
IEC 62497-1,Railway applications−Insulation coordination−Part 1: Basic requirements−Clearances and
creepage distances for all electrical and electronic equipment
IEC 62498-1,Railway applications−Environmental conditions for equipment−Part 1: Equipment on board
rolling stock

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001によるほか,次による。
3.1
キャパシタ素子,素子(capacitor element)
電解液を含浸したセパレータによって分離している二つの電極(代表的に炭素)からなるキャパシタの
最小単位。
注記 この規格では,capacitorをこれまで日本で定着しているコンデンサではなく,キャパシタと呼
称した。キャパシタは,構造面でも電極材料(電導体)と電解液の間の界面に形成する電気二
重層で電荷を蓄積する能力をもち,その構造から正式名称は,電気二重層キャパシタという。
このキャパシタは,基本的に直流電圧で動作するように設計されている。
3.2
キャパシタセル,セル(capacitor cell)
1個以上のキャパシタ素子を同じケースに収め,引き出し端子を付けて組み立てた部品(附属書A参照)。
3.3
キャパシタモジュール,モジュール(capacitor module)
附属する電子部品の有無にかかわらず,セル同士が電気的に接続した2個以上のセルを組み立てた部品
(附属書A参照)。
3.4
キャパシタバンク,バンク(capacitor bank)
2個以上のモジュールを組み立てた部品(附属書A参照)。
3.5
キャパシタ(capacitor)
素子,セル,モジュール又はバンクという用語を区別して引用する必要がない場合の一般的な総称。
3.6
キャパシタ装置(capacitor equipment)

――――― [JIS E 5012-3 pdf 6] ―――――

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E 5012-3 : 2015
回路網への接続を目的とした,バンク及びそれらの附属部品を組み立てた部品(附属書A参照)。
3.7
パワーエレクトロニクス用キャパシタ(capacitor for power electronics)
パワーエレクトロニクス装置に用いて,正弦波,非正弦波のリプル電流及び電圧の下で連続的に使用す
ることができるキャパシタ。
注記 この規格のキャパシタは,直流用である。
3.8
圧力弁(Pressure relief structure)
キャパシタの内部圧力が規定値を超えた場合に,その圧力を開放する機構。
3.9
放電デバイス(discharge device)
キャパシタが回路網から開放された後,一定時間内にその端子間の電圧を,実質的にゼロに減少するた
めにモジュール中又はバンク中に組み込むデバイス。
3.10
定格直流電圧(定格電圧),UR[rated d.c. voltage(or rated voltage)]
カテゴリ上限温度及び下限温度の範囲で,キャパシタに連続的に印加できる最高直流電圧。
注記 代表的なトラクション応用では,キャパシタに印加する最高直流電圧は,直流電圧と交流電圧
又はピークパルス電圧との和になる。
3.11
絶縁電圧,Ui(Insulation voltage)
端子とケース又は大地との間に印加する基準となる正弦波電圧の実効値。特別の規定がない場合,絶縁
電圧の実効値は定格電圧を2で除した値である。
3.12
最大ピーク電流,Ip(maximum peak current)
連続運転中に発生するピーク電流の最大値。
3.13
定格電流,IR(rated current)
キャパシタが規定温度で連続的に運転できる最大許容電流の実効値。
注記 製造業者が,キャパシタの冷却条件を決めてもよい。
3.14
最大サージ電流,Is(maximum surge current)
スイッチング又はシステムの外乱によって誘発する単発的なサージ電流。発生回数が限られ,そのサー
ジ電流幅が規定時間より短い場合に許容されるピーク電流。
3.15
動作温度(operating temperature)
温度平衡状態にあるキャパシタのケース面での最高温度(3.22参照)。
3.16
周囲温度(ambient temperature)
発熱していないキャパシタの周囲の空気温度,又は発熱しているキャパシタでも,その発熱の影響が無
視できる距離で,開放された空間の空気温度。

――――― [JIS E 5012-3 pdf 7] ―――――

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E 5012-3 : 2015
3.17
カテゴリ上限温度(upper category temperature)
連続的に動作できるように設計されたキャパシタの最高周囲温度。
注記 適用によってカテゴリ上限温度は違ってくる。トラクションの電力貯蔵への適用では,連続運
転は定格電流を基準とする。系統を安定にする他の適用では定格電圧が基準になる。
3.18
カテゴリ下限温度(lower category temperature)
連続的に動作できるように設計されたキャパシタの最低周囲温度。
注記 適用によってカテゴリ下限温度は違ってくる。トラクションの電力貯蔵への適用では,連続運
転は定格電流を基準とする。系統を安定にする他の適用では定格電圧が基準になる。
3.19
ケース温度上昇,ΔTcase(case temperature rise)
(この規格に使用されていない用語なので不採用とした。)
3.20
冷却空気温度,Tamb(cooling-air temperature)
温度平衡状態における冷却風の入口で測定した冷却空気の温度。
3.21
最高動作温度,Tmax(maximum operating temperature)
キャパシタが動作できるケースの最高温度
注記 動作温度は,カテゴリ上限温度とは異なる。
3.22
温度平衡状態(steady-state conditions of temperature)
一定の出力と一定の冷却温度条件とで到達するキャパシタ周辺温度の安定状態
3.23
内部抵抗,Rs(internal resistance)
端子の接続(内部配線を含む),電解液,電極など,キャパシタ内部で損失になる直流抵抗。

4 使用条件

    注記 JIS E 5004-1参照。

4.1 標準使用条件

4.1.1  一般
キャパシタの標準使用条件は,4.1.2及び4.1.3とし,この状態で使用する。
4.1.2 標高
標高は1 400 mを超えないものとする。IEC 62498-1のクラスA1参照。
注記 標高が1 400 mを超える場合は,空気の冷却特性及び絶縁距離に関して標高の影響を受ける。
この場合,受渡当事者間の協定によって,ディレーティング又は適切に対応した設計をするの
が望ましい。
4.1.3 温度
周囲温度は,JIS C 60721-3-5の表1(気象条件の分類)の分類5K2に規定する−25+40 ℃の温度範
囲を用いる。周囲温度が,この温度範囲を外れる場合には,受渡当事者間で協定する。

――――― [JIS E 5012-3 pdf 8] ―――――

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E 5012-3 : 2015
注記 温度の分類は,IEC 62498-1の表2参照。

4.2 特殊使用条件

  受渡当事者間の協定がない場合,特殊使用条件は,4.1に規定する標準使用条件以外に次のいずれかに該
当する場合とする。特殊使用条件の場合には,それがこの規格の条件に適合するかを保証するための追加
の測定が要求される。
そのような特殊な使用条件が存在する場合には,発注者はキャパシタの製造業者にあらかじめその旨を
通知しなければならない。
− 機械的な異常衝撃及び振動を受ける場所で使用する場合。
− 冷却水に腐食性及び研磨性粒子(海水,硬水)が含まれる場合。
− 冷却空気中に腐食性及び研磨性粒子[海水,硬水の飛まつ(沫)]が含まれる場合。
− 冷却空気中のじんあい(塵埃),特に導電性のじんあいのある場所で使用する場合。
− 爆発性のじんあい又はガスのある場所で使用する場合。
− 油蒸気,水蒸気又は腐食性物質中で使用する場合。
− 放射線を受ける場所で使用する場合。
− 貯蔵又は輸送時に異常な温度を受ける場合。
− 著しい湿潤な場所(熱帯又は亜熱帯地域)で使用する場合。
− 過大で急激な温度変化(1時間当たり5 Kを超える)又は湿度変化(1時間当たり5 %を超える)を受
ける場所で使用する場合。
− 標高1 400 mを超える場所で使用する場合。
− 強い電磁界のある場所で使用する場合。
− 箇条6に規定する限度を超える過大な過電圧を受ける場合。
− 空気を通さない(換気が乏しい)場所に取り付けて使用する場合。

5 試験

5.1 試験要求事項

5.1.1  一般
ここでは,キャパシタに対する試験要求事項を示す。
5.1.2 試験条件
特別の規定がない場合,試験条件は,JIS C 5101-1の4.2.1[測定及び試験のための標準大気条件(標準
状態)]による。
注記 JIS C 5101-1の4.2.1は,測定及び試験に対して,次の標準の環境条件を規定している。
− 温度 : 1535 ℃
− 相対湿度 : 2575 %
− 気圧 : 86106 kPa
5.1.3 測定条件
キャパシタの測定条件(例えば,静電容量,内部抵抗,漏れ電流など)は,JIS C 60068-1の5.3[測定
及び試験のための標準大気条件(標準状態)]によるほか,次による。
− 温度 : 25±2 ℃
5.1.4 電圧処理
直流電源でキャパシタを定格電圧まで充電し,その状態を30分間保持する。その後,適切な放電デバイ

――――― [JIS E 5012-3 pdf 9] ―――――

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スを通じて放電する。
5.1.5 温度処理
キャパシタが温度平衡状態になる時間まで,5.1.3で規定される温度の環境に放置する。
注記 測定条件に到達するまでのキャパシタの放置時間は,一般にセルに対しては14時間,モジュ
ール及びバンクに対しては424時間である。

5.2 試験の分類

5.2.1  一般
試験は,形式試験,受渡試験及び受入試験に分類する。
形式試験及び受渡試験の試験項目を,表1に示す。
表1−試験の分類
該当する細別番号
番 形式試験 受渡試験
試験項目
号 モジュール又は モジュール又は
セル セル
バンク バンク
1A 静電容量の測定 5.3 5.3 5.3 5.3
1B 内部抵抗の測定 5.3 5.3 5.3 5.3
2A 漏れ電流の測定 5.4.1 − − −
2B 自己放電の測定 5.4.2a) 5.4.2 − −
5.5.1.1a)
端子一括とケースとの間 5.5.1.2a)
3 (要求があり,適 5.5.2.1 5.5.2.2
の耐電圧試験 (適用する場合)
用する場合)
4 封止試験 5.6 − − −
5 短絡試験 5.7 5.7 − −
6 温度変化試験 5.8.1 5.8.1 − −
5.8.2
5.8.2
7 高温高湿(定常)試験 (モジュール − −
(適用する場合)
に適用)
5.9.1
8 端子の機械的強度試験 5.9.1 − −
(適用する場合)
9 外観検査 5.9.2 5.9.2 5.9.2 5.9.2
10 振動及び衝撃試験 5.9.3 5.9.3 − −
11 耐久試験 5.10 − − −
12 耐久サイクル試験 5.11 5.11b) − −
13 圧力弁試験 5.12 − − −
14 耐炎性試験 5.13 − − −
15 EMC試験 − 5.14 − −
注a) 受渡当事者間の協定によって,この試験は,モジュール又はバンクで代替してもよい。
b) 受渡当事者間の協定によって,この試験は,セルで代替してもよい。
5.2.2 形式試験
形式試験は,キャパシタ設計の健全性及び安全性,並びにこの規格に示される条件における運転の適合
性を示すための試験である。
形式試験は,製造業者が行い,要求があれば発注者に試験結果を示す個別の試験成績書を提出する。
これらの試験は,契約に基づくキャパシタと同等設計のキャパシタで行う。

――――― [JIS E 5012-3 pdf 10] ―――――

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JIS E 5012-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61881-3:2013(MOD)

JIS E 5012-3:2015の国際規格 ICS 分類一覧

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規格名称
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