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5. 要求事項
5.1 タイヤ タイヤは,引合いと注文の際に添付される発注者の図面に指定した,形状,寸法及び物理
的要求事項を満足しなければならない。寸法及び表面粗さが発注書又は図面に記載されていない場合は,
5.1.1を適用する。
5.1.1 寸法要求事項
5.1.1.1 機械加工なし状態(4.1.1参照)に関する寸法は,表5-1に示す。
5.1.1.2 粗加工及び半仕上状態(4.1.2及び4.1.3参照)に関する寸法は,表5-2に示す。
5.1.1.3 仕上げ及び組立用状態(4.1.4参照)に関する寸法及び表面粗さは,5.3.1.2,5.3.2,5.3.3に示す。
5.2 輪心 輪心は,引合いと注文の際に添付される発注者の図面に指定した,形状,寸法,及び物理的
要求事項を満足しなければならない。寸法及び表面粗さ及び許容残留不釣合いが発注書及び図面に記載さ
れていない場合は,5.2.1から5.2.4の規定に従う。
5.2.1 寸法要求事項
5.2.1.1 機械加工なし状態(4.2.1参照)と,輪心の黒皮部についての寸法は,表6[及び表7の脚注4)
参照]に示すとおりである。
5.2.1.2 粗加工状態(4.2.2参照)と,輪心の粗加工部についての寸法は妥当な範囲で,受渡当事者間で合
意すること。
5.2.1.3 仕上げ(4.2.4参照)及び輪心の仕上部についての寸法は,表7のとおりとする。組立用(4.2.5.1
及び4.2.5.2参照)についての軸孔とリムについては,表8の寸法による(5.3.1.1参照)。
5.2.1.4 輪心に対し,その公差が製造中に満たされる場合は,加工は必要ない。
5.2.2 表面粗さ 受渡当事者間で合意のない限り,仕上げ及び組立用状態の加工表面の,算術平均粗さ
Ra は表1に示すとおりとする。
表1 輪心の表面粗さ
算術平均粗さ1)
部位 状態
Ra (
軸孔 仕上げ ≦12.5
車軸圧入時 1.63.2
リム 仕上げ ≦12.5
タイヤ組込み時 ≦3.2
リムの面2) 仕上げ ≦12.5
タイヤ組込み時 ≦3.2
その他の部位 仕上げ又は組立時 ≦12.5
注1) 全高さ粗さRy (ISO 468) を用いる場合は,規定
値を受渡当事者間で合意する。
2) タイヤ組込み時は,タイヤに止め輪を取り付け
る場合に適用する。
5.2.3 残留静的不釣合い
5.2.3.1 最大静的不釣合いの要求がある場合,受渡当事者間で合意のない限り,貨車以外の付随車両用の
輪心に対する静的不釣合いは,仕上げ及び組立用状態で,表2に示す種別Aに示す値を超えないこと。特
別に合意した場合は,種別Bの値も適用できる。
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表2 輪心の静的不釣合い
走行速度v 最大静的不釣合い (g・m)
(km/h) 種別A 種別B
v≦100 250 −
100120 5.2.3.2 動力車用の輪心に対して必要な場合は,静的不釣合い値を引合い及び注文時に受渡当事者間で合
意しておく。
5.2.3.3 不釣合いの修正が必要な場合は,ISO 1005-4に従って行うものとする。もし,発注書か又はその
添付書に指定されている場合は,不釣合いの位置と量を輪心に適切に刻印する(ISO 1005-4参照)又は不
釣合いが重い方の位置に直径10mmの丸印を表示する。表示方法は,受渡当事者間で合意しておく。
5.2.4 油圧溝 発注者が,組立用輪心の軸孔内に油圧溝を指定した場合は(ISO 1005-7参照),溝及び油
圧穴とそのねじ部を仕上げ又は組立用状態で,引合書又は発注書に添付の発注者図面に従って加工する。
溝と軸孔内面のつなぎは,ねじ滑らかになるよう特に留意する。
5.3 タイヤ付車輪 タイヤ付車輪は,形状,寸法,物理的要求事項及びその組立方法が,引合い及び発
注時に添付される注文書か発注者の図面を満足する。加工取りしろ,寸法公差,表面粗さ,許容される不
釣合い及び輪心へのタイヤ取付方法の詳細が,発注書や図面に記載がない場合は,5.3.15.3.8の規定を適
用する。
5.3.1 輪心へのタイヤの取付け タイヤは焼は(嵌)めによって,輪心を車軸へ圧入する前か後に,ISO
1005-7又はJIS E 4504に従って組み立てる。
5.3.1.1 輪心 発注者の図面の要求に従って,輪心のリム部に最終仕上げを施す。この際,注文書,表7
の寸法要求事項及び5.2.2及び5.2.3の表面粗さと釣合いの要求規定に従う。
5.3.1.2 タイヤ タイヤは,注文時に提出された発注者の図面の要求に従って,内径,段及び止め輪溝を
加工する。内径面は,表面粗さRa'<3.2 杞 0.075mm以内であること。この際,内径と止め輪溝の
小R部については,いずれも発注者の図面どおりに加工するよう留意する。タイヤの表面は,仕上寸法で
も,部分仕上げでもよいが,止め輪溝をかしめるのに良好な表面状況であること(5.3.1.4参照)。タイヤの
内径は,公差0.0,−0.12mmで加工し,輪心のリムとの締めしろが両方ともに室温で測定した数値を用い
て,次の算式に合致している。
xa
c a
1000
ここに, c : タイヤ内径
a : 輪心のリム外径
x : 1.11.5の範囲で,輪心の形状や剛性などを考慮して選ぶ。
5.3.1.3 止め輪 止め輪は,圧延品を用いる。適正な長さに切断し,発注者の指定によって,端部は直角
にするか,又は面取りを行う。その後,ねじれが生じないような方法で,適正な直径にロールで(曲げ)
加工する。
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5.3.1.4 組立 組立の直前,タイヤの内径及びその対応する輪心のリムの防せい塗料,さび,異物をきれ
いに取り去る。タイヤは,はめ込みに十分な膨張が得られるよう均一に加熱するが,300℃を超えてはなら
ない。輪心は室温に保持する。タイヤを輪心に挿入し,輪心の反フランジ側リム側面をタイヤの段(カラ
ー)に確実に接触させる。その後,タイヤを静止した空気中で冷却させ,収縮させる。水冷は行わない。
止め輪が確実に溝底に届くように,タイヤがまだ熱いうちに,止め輪を差し込む。その後,タイヤのかし
め部を止め輪の上に,加圧装置で徐々に回転圧下する。タイヤの温度は200℃以下であること。かしめが
完了した時点で,止め輪の両端のギャップは3mmを超えてはならない。詰め物をしてはならない。かし
め完了後,かしめが完全であること,及びかしめ部にき裂がないことを確認すること。
5.3.2 寸法要求事項
5.3.2.1 “仕上げ”及び“組立用”状態におけるタイヤ付車輪(4.3.2参照)の寸法要求は,表7及び表8
の該当部分に示すとおりとする(5.3.2.1.1及び5.3.2.1.2参照)。
5.3.2.1.1 表8に示されていない関連の形状品質(例えば,表9に示す形状品質)に関して製造業者は,
タイヤ付車輪を車軸に組み立てる際に,ISO 1005-7で要求されている公差を,加工をなしで達成すること。
5.3.2.1.2 特別な場合,6.3.7.4に示すような難しさがあるものの,車輪を注文どおりに製造するために,
5.3.2.1.1の要求の代わりに,特別な公差を適用することがある。この場合は受渡当事者間で合意を要する。
ほかに合意のない限り表9の公差を適用する。
5.3.3 表面粗さ
5.3.3.1 受渡当事者間で特別に合意のない限り,仕上げと組立用状態に加工された表面に対する算術平均
粗さRa は表3に示すとおりとする。
表3 タイヤ付車輪の表面粗さ
部位 状態 算術平均粗さ1)
Ra (
軸孔 仕上げ Ra≦12.5
車軸圧入時 1.6≦Ra≦3.2
その他の部位 仕上げ又は組立時 Ra≦12.5
注1) 全高さ粗さRy (ISO 468) を用いる場合は,規定
値を受渡当事者間で合意する。
5.3.3.2 仕上げ及び組立用状態の機械加工なし表面に関する表面品質については,引合いと発生時に合意
しておく[表6の脚注4)と表7の脚注4)参照]。
5.3.4 残留静的不釣合い
5.3.4.1 最大静的不釣合いが要求された場合,受渡当事者間で合意のない限り,貨車以外の付随車両用の
タイヤ付車輪の静的不釣合いは,仕上げ及び組立用状態で,表4に示す種別Aの値を超えないこと。特別
に合意した場合は,種別Bの値も適用できる。
表4 タイヤ付車輪の静的不釣合い
走行速度v 最大静的不釣合い (g・m)
(km/h) 種別A 種別B
v≦100 250 −
100120 5.3.4.2 動力車両用のタイヤ付車輪に対して,静的不釣合いが必要な場合は,その値を引合いと発生時に
合意しておく。
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5.3.4.3 タイヤ付車輪の不釣合いの修正が必要な場合は,通常ISO 1005-4に従って行う。発注書又はその
添付書類に指定されている場合,タイヤ付車輪の不釣合いの位置と量は,適切なカラーペイントで,約
15mmの幅で径方向の線で示し,不釣合いの値は線の下にg・mの数字で表す。又は不釣合い量が重い方の
位置に直径10mmの丸印を表示する。表示方法は,受渡当事者間で合意しておく。
5.3.5 油圧溝 発注者が,組立用タイヤ付車輪の軸孔内に油圧溝を指定した場合は(ISO 1005-7参照),
溝及び油圧穴とそのねじ部を,仕上げ又は組立用状態で,引合書又は発注書に添付の発注者図面に従って
加工する。溝と軸孔内面のつなぎは滑らかになるよう特に留意する。
5.3.6 外観 黒皮部分と加工部位の境界は滑らかでなければならない。
加工表面の仕上げについては,発注書又はその添付書類の指定に従い,比較見本によるか,又は5.3.3によ
る。
輪心の表面には,発注書又はその添付書類に指定された位置以外の場所に刻印をしない。
5.3.7 健全性 タイヤ付車輪は全体が健全で,使用上支障のある欠陥がないこと。
5.3.8 商標刻印 各タイヤ付車輪には,JIS E 5401-1及びISO 1005-4のそれぞれの要求に従って,タイヤ
と輪心に刻印を行うとともに更に次の表示を行う。
a) タイヤが車輪に取り付けられ,仕上加工が行われた後,検査員の刻印をタイヤ付車輪に刻印する。
b) タイヤを輪心に取り付けた後に,静的不釣合いの調整を行う場合,発注書又はその添付書類に指定さ
れている場合は,残留不釣合いの位置と量を5.3.4.3に従い,車輪上に表示する。
6. 検査
6.1 タイヤ 寸法特性の検査については,表5-1又は表5-2及びJIS E 5401-1を適用する。
6.2 輪心
6.2.1 寸法特性 寸法特性の検査については,表6,表7及びISO 1005-4を適用する。
6.2.2 表面粗さ 表面粗さに関する検査証明を要求する場合は,検査を行うべき輪心の数とそのほかすべ
ての詳細について,引合いと発注の際に合意すること。
6.2.3 残留不釣合い 残留不釣合いの検査が必要な場合は,JIS E 5402-1を適用する。
6.3 タイヤ付車輪
6.3.1 検査の責任と種類
6.3.1.1 発注者は,組立方法(5.3.1参照),寸法,表面粗さ及び釣合い要求(5.3.2及び5.3.4)を満足して
いることを確認する検査を,次のどちらで行うべきかを発注書に指定する。
a) 製造業者の認定部門による委任検査
b) 発注者若しくは発注者の指定した代理人による検査,又は機関の立会いによる検査
注文書の指定を除いて,表10の4欄の規定を適用する。
6.3.1.2 発注者は,製造業者の認定部門に検査を委任しても,発注者の製造管理,試験及び点検方法の有
効性を監視する権利は保有する。
この観点から発注者は,製造業者の責任のもとに行うどの試験にも立ち会い,記録された結果を検証す
ることができる。
6.3.2 製造監査 製造監査が,製造業者の認定部門の責任か,発注者の責任かについては,6.3.2.1及び
6.3.2.2による。
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6.3.2.1 JIS Z 9901又はJIS Z 9902の品質システムの認証を取得していない製造業者は,注文の製品を完
成させるために用いる,主な製作工程について発注者に通知する。その後,基本的な製作工程を変更する
際,タイヤ付車輪の品質に影響を及ぼす可能性がある場合は,その旨発注者に通知し,事前の承認を得な
ければならない。
監査が発注者の責任である場合でも,発注者の代表者は,製造プロセスがこの規格及び事前の合意事項
に合致しているか確認するために,自由に監査できなければならない。
6.3.2.2 JIS Z 9901又はJIS Z 9902の品質システムの認証を取得していない製造業者は,承認申請に際し
て,この規格に規定された製造上の要求事項を満足していることを,証明しなければならない。
6.3.3 タイヤ付車輪の品質検査 表10は実施する試験の種類及び必す(須)か任意かを規定している。
6.3.3.2 立会い試験時の車輪の状態 立会い試験の時点で,タイヤ付車輪は最終納入状態であること。
6.3.4 発注者による検査の立会いへの供試 発注者[6.3.1.1 b)参照]は,書面によって(6.3.5.2参照)立
会い日時の申請を受け付ける。この申請書には,注文照合番号及び各ロットを構成する車輪の数量を記載
する。
6.3.5 証明
6.3.5.1 製造監査が製造業者の認定部門の責任であるか,発注者の責任であるかを問わず,製造業者はこ
の規格に規定されている製造上の要求事項を,満足していることを証明しなければならない。
6.3.5.2 製造業者は次の時点で,製造業者が責任をもつ試験検査証明書を提供しなければならない。
a) 製造業者がすべての試験の責任を委任されている場合は,納入時
b) 立会い時(6.3.4参照)
6.3.6 検査試験数 検査に供される試験ロットごとのタイヤ付車輪の数は,表10の第5列に示す。
6.3.7 試験方法
6.3.7.1 タイヤの輪心への組込み 組立品を検査し,輪心のタイヤ付車輪への組込み状態及び止め輪の組
込み状態が適正で,安全であることを確認する。
6.3.7.2 静的釣合い 各タイヤ付車輪の残留不釣合いの検査が必要な場合は,発注者の合意を得た適切な
装置によって検査する(5.3.4参照)。
6.3.7.3 外観検査 外観は,納入前に目視検査する。
6.3.7.4 寸法検査 製造作業中においては,幾つかの寸法は検査が事実上困難であるため,表69の検
査欄の最後の項に“o”のついている寸法については,引合いと発注の際に合意のある場合だけ検査する
(5.3.2.1.2も参照)。種々の寸法公差に関する用語の定義については,ISO 1101参照。
6.3.7.5 表面粗さ 表面粗さの要求が満たされていることを証明すべき場合は,検査すべき車輪数とその
他すべての必要事項の詳細を,引合いと発注の際に合意する。
6.3.8 合否の判定 タイヤ及び止め輪の組込み状況,外観,寸法,釣合いなどに欠陥が認められた場合,
タイヤ付車輪は不合格とする。
その他の結果が要求基準を満たさない場合は,ISO 404に従って,該当するロットを不合格とする。
納入前に合格したタイヤ付車輪は,すべて最終検査後に検査員によって,製造業者の刻印の横に検査員
の刻印を表示する。
6.3.9 再試験 受渡当事者間で合意のない限り,ISO 404の再試験の規定を適用する。
――――― [JIS E 5401-2 pdf 10] ―――――
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JIS E 5401-2:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1005-2:1994(MOD)
JIS E 5401-2:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS E 5401-2:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISE4504:2015
- 鉄道車両―輪軸―品質要求
- JISE5401-1:1998
- 鉄道車両用炭素鋼タイヤ―品質要求
- JISE5402-1:2015
- 鉄道車両―一体車輪―第1部:品質要求
- JISZ9901:1998
- 品質システム ― 設計,開発,製造,据付け及び付帯サービスにおける品質保証モデル
- JISZ9902:1998
- 品質システム ― 製造,据付け及び付帯サービスにおける品質保証モデル