JIS F 0075:2003 船舶及び海洋技術―フリートマネジメントシステムネットワークの実施のための指針 | ページ 2

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F 0075 : 2003 (ISO 15849 : 2001)
2.16 検証 (verification)デジタルコンピュータシステムを開発する過程の各段階での結果が,前段階ま
でに設定された必要条件を満足していることを確認する手順。
試験するモジュールの内部構造に関する知識を基にした試
2.17 ホワイトボックス試験 (white box test)
験計画に基づいて行われる試験(2.3参照)。
2.18 ワークステーション (workstation) ある特定のタスクを実施するための入出力機器 (I/O) として配
置されたコンピュータ及び附属の画像表示装置(モニタ)。
3. 略語 この規格の目的で,次の略語を使用する。
ANSI (American National Standards Institute) アメリカ規格協会
API (Application Program Interface) アプリケーションプログラムインタフェース
CCITT (Consultative Committee for International Telephony and Telegraphy) 国際電信電話諮問委員会
現ITU(International Telecommunication Union) 国際電信電話諮問委員会の前身
DAC (Discretionary Access Control) 任意アクセス制御
DBMS (Data Base Management System) データベース管理システム
FMS (Fleet Management System) フリートマネジメントシステム
FMSN (Fleet Management System Network) フリートマネジメントシステムネットワーク
IBS (Integrated Bridge Systems) 統合化ブリッジシステム
IEV (International Electrotechnical Vocabulary) 国際電気技術用語
LAN (Local Area Network) ローカルエリアネットワーク
NOS (Network Operating System) ネットワークオペレーティングシステム
LITP (Land-based Information Technology Platform) 陸上情報技術基盤
NMEA (National Marine Electronics Association) 全米舶用電子機器協会
SITP (Shipboard Information Technology Platform) 船上情報技術基盤
STEP (STandard for the Exchange of Product model data) 製品モデルの表現と交換に関する標準(ISO)
VDU (Visual Display Unit) 画像表示装置
WAN (Wide Area Network) 広域ネットワーク
4. フリートマネジメントシステムネットワーク構成
4.1 一般構成 フリートマネジメントシステム (FMS) の構成の概要を,図1に示す。FMSは,不特定
多数の船上情報技術基盤 (SITP) と,単一又は複数の,海運企業に管理サービス業務を提供する陸上情報
技術基盤 (LITP) から構成された企業広域ネットワークの上に構築されている。全体としてSITPは,複数
の船上コンピュータシステムがお互いにデータを共用したり,陸上管理システムや他の船舶との情報交換
することを可能にする。
FMSは,ネットワーク,コンピュータ,ワークステーションとその周辺装置との間の異機種接続性,分
散処理及び電子データの交換を提供するものである。さらに,このFMSは,海上での安全,環境保護,船
舶/船隊のライフサイクルを通じての運航効率を増進するためのデータベースと,コンピュータアプリケ
ーションソフトウェアを維持するものである。FMSは,陸上通信ハブへの接続のための,衛星通信ゲート
ウェイ機能に対応することが可能である。これによって,ファクシミリ,電子メール,インターネットサ
ービス及び拡張衛星サービスなどの陸上の通信網へのアクセスを提供する。

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F 0075 : 2003 (ISO 15849 : 2001)
Office B
Ship B LITP
SITP
Office C
Ship A 複数アクセス機能
LITP
FMSネットワーク
(アプリケーション)
office A
SITPサービス
(透過的な接続性) FMSネットワーク
(アプリケーション)
ゲートウェイ
SITPサービス
(透過的な接続性)
船内情報システム
(FNS以外) システム間でデータを共用
船上システム
図 1 FMSの構成
4.2 ネットワーク設計 通信ネットワークはFMSの基礎になると考えられる。FMSの機能によって,電
子的又は光学的形式でデータの送受が可能なノード又はデバイス間でのデータ交換を提供する通信ネット
ワークが可能となる。この機能はハードウェア及びソフトウェアが装備すべきルールを定めた通信プロト
コルにより実現される。
4.3 ネットワーク管理 FMSは,広く地理的に分散され,そして断続的に,ブリッジとゲートウェイ機
器によって,無線通信を通してリンクされる多くのローカルエリアネットワーク (LAN) から成り立つ広
域ネットワーク (WAN) に基づいている。FMSの管理を担当するグループは,通常陸上側にあることが原
則である。 ネットワーク管理システムの主要な仕事は,多くの異なったベンダで構成されることもあるネ
ットワークの運用の監視と報告である。
適切な安全性と健全性及び環境の業務を確立して,そして種々の各国法規の適用性を決定することは,
この規格のユーザの責務である。
4.4 ネットワークのセキュリティ 次のセキュリティ機能を備えなければならない。
a) データの機密性
b) データの完全性
c) データ認証
d) アクセス制御

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F 0075 : 2003 (ISO 15849 : 2001)
4.5 暗号化 SITPとLITPとの間の無線通信は電子的傍聴にさらされ,そして平文で伝達されるメッセ
ージは,盗聴と改ざんにさらされるであろう。 データ暗号化は,このような改ざんに対しての最も有効な
保護であって,そしてセキュリティに敏感な通信に適応可能とすべきである。 暗号化による保護は,複数
のアルゴリズムと,異なったデータに対する独立したアルゴリズムを適用することが望ましい。 暗号化プ
ログラムの重要な要素は,データ暗号化と,データ暗号化キーの管理である。 このシステムは,キーの発
給,利用,記録,割当及び削除に対する責任がある。
4.6 データベースモデル データベースの維持と可用性は,FMSの主要な特性である。SITP及びLITP
は,それぞれ別個のデータベースで維持する。 それぞれのサイトは,SITP又はLITP装備の一部として,
複製能力を含めて,データベース管理システム (DBMS) を含む。このDBMSは,核となる管理ソフトウ
ェアとは独立すべきである。データモデル化には,同じデータモデルを使用しているアプリケーション間
のデータの交換を可能にすべく,データはアプリケーションソフトウェアから独立した中立的なフォーマ
ットで構造化されるべきである,というコンセプトを取り入れる。
4.7 データベース管理システム (DBMS)
4.7.1 一般 データベース管理システムは,デジタル形式のデータの保管をサポートし,そして次の管理
をする。
a) システムで集められたデータの保管の継続
b) 要求時やスケジュール,イベント駆動による,データの複製
c) 複数の遠隔サイトの情報の統合
d) 開放型データベースの接続性
e) クエリー言語
f) 同時利用/複数ユーザ
g) 参照の完全性
h) 適用可能データモデルの翻訳
4.7.2 データベースのセキュリティ DBMSは,次に対する保護を組み込んだものである。
− 不正なアクセス
− データの不正な改ざん(データの完全性を保証)及び
− アクセスの不正な拒否
これには,次の特性を備えること。
a) 運用上の完全性 これは処理の直列化と独立化の特性を指す。
直列化とは,一連の処理を同時並行処理する場合と,同じ処理をシーケンシャルに行う場合とで同じ
結果が得られることを意味する。
b) データの論理的完全性 許容範囲
c) 報告責任と監査 データにアクセスしたすべての読み書きの記録
d) 秘匿性 雇用管理,医療記録など
e) 境界設定 (Delimitation) プログラム間の情報伝送管理

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F 0075 : 2003 (ISO 15849 : 2001)

5. 船舶情報技術基盤 (SITP : Shipboard Information Technology Platform)

5.1   一般 SITPは,クライアント/サーバ モデルに基づいて分散型コンピュータネットワークをサポー
トするために必要とされるソフトウェアとハードウェアで構成される。一般に,SITPは単一のLITPに対
応するために最適化される。SITPが複数の陸上プラットホームに対応する場合,階層を定義すべきである。
SITPは,コンピュータサービスのレイヤ及びネットワークオペレーティングシステム及びデータベース管
理システムを含む基本システムサービスのレイヤで構成される。
5.2 SITPデータ取得サービス SITPデータ取得サービスは,運用上のデータを取得するために,種々の
船上制御システム又はデータ収集ユニットと通信する責務をもつ。SITPデータ取得サービスは,データ取
得のために,サーバとサポートされたワークステーションで,SITP対応ソフトウェアプロセスの規則正し
い登録,管理,監査及び監視に責務をもつ。SITPデータ取得サービスは,多様な制御システムとデータ取
得ユニットにユーザインタフェースが開発できる枠組を提供すべきである。 制御システムからのデータ
は,SITPデータベース内にストアされ,ネットワーク上の解析及び診断アプリケーションソフトウェアで
利用可能とすべきである。このデータは,また,制御システムとの隔離が必要な場合は,一方向の通信の
ためのゲートウェイを使って,通信ネットワークを通して陸上の監視サービスに送られることができる。
SITPの一つの重要な目的は,船上システムの間でデータの共用を容易にすることである。
SITPデータ取得サービスは,船上フリートマネージメントシステムが,他の保護されたシステム,例え
ば航海及び制御システム内のセンサやデータベースからの情報を取得することを可能にするものである。
保護されたシステムは船の安全性のために重要であるので,これらのシステムへのアクセスは,通常,保
護されたシステムの完全性を保証することができるファイアウォールを通すべきである。ファイアウォー
ルは通常保護されたシステムの一部であると考えられ,そして,それ故に,適切な船級規則と法規制に従
う必要がある。これらの規則などはこの規格では扱われない。
フリートマネージメント上要求されるが,他のシステムから直接入手できない,いかなる船上データも,
手入力できるものでなければならない。
5.3 SITP実行サービス
5.3.1 一般 標準的なSITP実行サービスは,図2で示すように,全体的なコマンドとSITPのコントロ
ールを提供するために必要とされる。
SITP実行サービスは,SITPを監視して,そしてプラットホームサービスとして運用する分散プロセス
をコントロールするという全体的な責務をもっている。SITP実行サービスそれ自体は,それぞれが特定の
タスクに関して責務がある一連のサービスである。SITPは,高レベルプロセス及び低レベルプロセスの間
に,隔離と管理のレイヤを備える。 それは,メッセージ交換のために,構造化されたAPIのセットと内
部通信チャネルを利用する。
次の項にSITP実行サービスによって提供されるサービスを記述する。これらのサービスは,それらの
特定の機能のためにサポートされたワークステーションとサーバ上の,SITP対応ソフトウェアプロセス
の,正規の登録,管理,監査及び監視に関して責務がある。 SITP実行プロセスを通して記録されたすべ
ての管理データは,他のあらゆるSITP対応プロセスに適応可能である。

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F 0075 : 2003 (ISO 15849 : 2001)
フリートマネジメント
アプリケーション 安全管理 保守管理 通信とメッセージ
API s アプリケーションプログラムインタフェース (API)
ゲートウェイ
通信サービス 実行サービス データアクセス
SITPサービス “ファイアウォール”
サービス
基本システム NOS DBMS 監視,警報
サービス 制御システム
SITP
図 2 SITPの構成
5.3.2 プロセス管理 プロセス管理は,プロセスの開始,実施,中断,再開及び終了に関係する。SITP
プロセスは,SITPの内部のプロセス,ネットワークオペレーティングシステムのプロセス,又はSITP対
応アプリケーションであってもよい。プロセス管理は,SITP APIを通してSITP対応プロセス及びプロセ
ス管理データベースとインタフェースする。SITPの中の,個々のコンピュータは,プロセス管理機能をも
っている。すべてのSITPプロセスは,プロセスの重要な属性を記述するプロセス管理データベースに登
録されている。すべてのプロセス管理情報は,SITPアプリケーションに適応可能である。
5.3.3 メッセージ交換管理 SITPメッセージ交換管理は,SITP WAN上に登録されたすべての実体間でデ
ータを伝送するために,SITP APIを通して,SITP対応プロセスとインタフェースする。これは,アプリケ
ーションが,他のあらゆるSITPアプリケーションと任意のデータの送受を可能にする。これには,船か
ら陸,船から船,陸から船を含む。メッセージ交換管理は通信の末端(通信の相手方)の整然とした分類
が可能であるべきである。メッセージ交換管理は,アプリケーション間メッセージのため伝送機構として,
通信機能を用いる。メッセージ交換管理によって提供される通信(の概念)は,将来使われるであろう伝
送技術の追加を可能にするものである。
参考 例えば,MS-Exchange,Lotus Notesなど
5.3.4 複製管理 SITP複製管理は,SITPアプリケーションプロバイダが,SITP環境で稼働する分散アプ
リケーションを構築することを可能にする一般化された機構を使う。このサービスは,同じく,データベ
ースソフトウェアを通して提供される。 提供されたサービスには,次のことを含む。
a) 規則性に基づく分散 船舶と陸上基地のシステムサイト間の,テーブルを用いた,処理の構成可能な
分散。 SITPは,システムサイト間でのすべての,又は,選択された情報のサブセットにフレキシブ
ルな間隔で送るように構築されることができる。さらに,再分散機能で,システム構築要素に基づく
多数のサイトへの転送処理を可能にする。
b) 分散制御機構 データの完全性を維持するために,すべての入出力について,順序付け,ログ及びア

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