JIS F 0600-1:2015 船舶及び海洋技術―船舶の防汚方法に関するリスク評価―第1部:船舶の防汚方法に用いる殺生物性活性物質の海洋環境リスク評価法 | ページ 5

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F 0600-1 : 2015 (ISO 13073-1 : 2012)
B.4.2 評価基準
段階2のレベル1において,殺生物性活性物質が表B.2の評価基準(a)又は(b)のいずれかを満たす場合,
“比較的低リスク”と暫定的に評価される。
PEC/PNECの評価基準については,正確性の低いPECの場合(例 検討される海洋環境タイプに制限が
ある場合,評価対象媒体のPECの計算が困難な場合,使用したモデルの再現性が低い場合,溶出速度を決
定するための試験方法の結果にかなりの差がある場合など),評価基準を1未満にしてもよい。
表B.2−段階2のレベル1の評価基準
(a) (b)
生物濃縮性 魚類及び水生無脊椎動物における生物濃縮係数
魚類及び水生無脊椎動物における生物濃縮係数
(BCF又はBCFp)の最高値が100未満 (BCF又はBCFp)の最高値が1 000未満
分解性 分解性試験から計算した究極分解の半減期が分解性試験から計算した究極分解の半減期が
60日未満,かつ 15日未満,かつ
殺生物性活性の消失が見られる。 殺生物性活性の消失が見られる。
底質への蓄積 土壌吸着係数(Kp)の最高値が2 000未満
リスク比 PEC/PNECが1未満
注記1 生物濃縮の評価基準では,BCFの代わりにlog POWによって近似されたBCF(BCFp)を使用できる。
注記2 究極分解は,一連の表層水混合分解シミュレーション試験で定めている無機化を意味する。一次分解は殺
生物性活性物質の変化を意味する。
注記3 物質がシミュレーション生分解試験で定義している“究極分解”と判明している場合,上記の分解の半減
期の評価基準を満たすとみなされる。
B.4.3 暫定的評価
段階2のレベル1の評価結果は暫定的である。殺生物性活性物質がB.4.2の評価基準を満たす場合でも,
申請者はレベル1の承認日からの“保留期間”内にレベル2の評価を再度申請するものとする。
B.5 段階2のレベル2
B.5.1 必要な追加データ及び情報
段階2のレベル2では,段階1及び段階2のレベル1で得たデータに加え,分解生成物の同定及び定量
に関する情報が必要である。
さらに,段階2のレベル1で満たされなかった評価基準によっては次のデータ及び情報が必要となるこ
とがある。log POWによって近似された生物濃縮係数(BCFp)は使用できない。
a) 分解生成物のリスクキャラクタリゼーション(B.5.2参照)。
b) 暴露試験によって推定される魚類又は水生無脊椎動物における生物濃縮係数(BCF)
c) 追加の慢性毒性データによるPNECの改善
d) 水/底質分解
e) 二次的影響による捕食者のリスク評価及び環境経由で暴露した人間のリスク評価
− 鳥類
− 哺乳類
B.5.2 分解生成物のリスクキャラクタリゼーションに必要な追加データ及び情報
殺生物性活性物質の分解生成物のリスクキャラクタリゼーションのプロセスを図B.2に示す。このプロ
セスでは,殺生物性活性物質の初期投与量の10 %以上の分解生成物に対して次のデータが必要である。
B.3.1 c)で説明した方法に従って分解性試験を行わなければならない。

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F 0600-1 : 2015 (ISO 13073-1 : 2012)
a) 初期投与量の10 %以上の分解生成物の同定及び定量
b) 次の全ての水生生物の急性試験結果(LC50及び/又はEC50)又は定量的構造活性相関(QSAR)アプ
ローチによって得られた結果
− 魚類
− 無脊椎動物
− 藻類
c) 魚類又は水生無脊椎動物の慢性試験結果(NOEC,LOEC及び/又はMATC)又は定量的構造活性相
関(QSAR)アプローチによって得られた結果
d) EC及びその計算法
e) アセスメント係数及びその根拠
f) PNEC及びその計算法
B.5.3 評価基準
段階2のレベル2では,表B.3の評価基準(a)又は(b)のいずれかを満たす殺生物性活性物質は“比較的低
リスク”と評価される。
表B.3−段階2のレベル2の評価基準
(a) (b)
生物濃縮性 BCFが1 000以上2 000未満 BCFが1 000未満
及び
PEC/PNEC(捕食者,哺乳類)が1未満
底質への蓄積 Kpが2 000未満
又は
究極分解の半減期が15日未満(水/底質シミュレーション試験)又はPEC/PNEC
(底質)が1未満
分解性 殺生物性活性の消失が見られる。
リスク比(分解生成物) 全ての分解生成物が初期投与量の10 %未満である。
又は
PEC/PNECが1未満(分解生成物が初期投与量の10 %以上)
リスク比(殺生物性活性物質) PEC/PNECが1未満
注記1 究極分解は,一連の表層水混合分解シミュレーション試験で定めている無機化を意味する。一次分解は殺
生物性活性物質の変化を意味する。
注記2 分解生成物の評価では,全ての主要な代謝物(殺生物性活性物質の初期投与量の10 %超)のリスク評価を
行う。分解とは一次分解のことをいう。QSARアプローチによって分解生成物の毒性データのPNECを得
ることができる。
段階2のレベル1で“比較的低いリスクとして暫定的に分類される”と決定したとしても,レベル1の
決定日から一定の期間後,段階2のレベル2において暴露方法によって推定された生物濃縮係数を示し,
分解生成物のリスクキャラクタリゼーションを行わなければならない。
B.5.4 評価
物質がB.5.3の評価基準を満たさない場合,“リスク懸念”と評価される。物質がB.5.3の評価基準を満
たす場合,“比較的低リスク”と評価される。例えば,リスク評価が低精度のPECによって十分信頼でき
ない場合(検討される海洋環境タイプが制限される,目標海域のPECの計算が困難である,使用したモデ
ルの再現性が低い,溶出速度を決定する試験の方法間の結果のばらつきが大きい場合などによる),追加結
果による再評価を行う間,特定の船への適用を制限することも可能である。

――――― [JIS F 0600-1 pdf 22] ―――――

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F 0600-1 : 2015 (ISO 13073-1 : 2012)
図B.1には次の注記を適用する。
注記1 究極分解は,一連の表層水混合分解シミュレーション試験で定めている無機化を意味する。
一次分解は殺生物性活性物質の変化を意味する。
注記2 記号“#n”(n=14)のいずれかの評価基準を満たしていない場合,同じ記号のある次の段
階の評価基準が見るべき唯一の要件である。
注記3 段階2のレベル1には,log POWによって近似されたBCFpを使用できる。ただし,POWの推
定が難しい場合はこの近似は認められない。これらの化学物質には,容易に代謝可能な化合
物,タンパク質などの脂肪には容易に溶けないが体内の特定成分への親和性によって人体に
取り込むことができる化合物,有機金属及び表面活性剤が含まれる。
注記4 半減期の評価基準での分解とは,シミュレーション生分解試験で定義している“究極分解”
のことをいう。

――――― [JIS F 0600-1 pdf 23] ―――――

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F 0600-1 : 2015 (ISO 13073-1 : 2012)
開始
開始
段階1
段階1で必要なデータ
POW からの近似)
1 魚類/無脊椎動物の生物濃縮(暴露試験又はlog Pow
2 PEC算定のための一次分解性
(1) 加水分解 BCF又はBCFp < 100
(2) 光分解 かつ
(3) 海水中生分解 究極分解の半減期 < 15d
3 海水中生分解性 yes BCF < 100
(シミュレーション生分解性試験) es 低リスク
かつ
(4) シミュレーション生分解性試験による究極分解
4 急性毒性;L(E) C50 殺生物性活性の消失が見られる
(5) 魚類 かつ no
(6) 無脊椎動物 PEC/PNEC < 1
(7) 藻類
5 慢性毒性;NOEC, LOEC, MATC
(8) 魚類/無脊椎動物
no
6 初期投与後の分解プロセスにおける殺生物性活性
BCF又はBCFp
no リスク懸念
< 2 000
yes
段階2
レベル1
究極分解の
段階2のレベル1で必要なデータBCF又はBCFp BCF又はBCFp 半減期 < 15d
yes no
< 1 000#1 < 100#1 (シミュレーション
1 慢性毒性データの追加によるPNEC値の精緻化 yes
生分解性試験)
2 Koc
Kocのための吸着/脱着スクリーニング試験
(1) no yes
no
究極分解の
半減期 < 60d#2 Kp < 2 000#3
(シミュレーション生分解性試験)
かつ
かつ 殺生物性活性の消失が見られる
Kp < 2 000#3 yes
かつ
かつ PEC/PNEC < 1#4
yes
殺生物性活性の消失が見られる
かつ
PEC/PNEC < 1#4
no
no
レベル1の評価日から一定期間
比較的低リスクとして暫定的に分類
レベル2 活性物質の分解生成物のリスクキャラクタリゼーション過程に進む(図B.2)
段階2のレベル2で必要なデータ
分解生成物に関する一連のデータ(図B.2参照)
no yes
BCF < 2 000
no BCF < 2 000
必要に応じて
1 慢性毒性データの追加によるPNEC値の精緻化 BCF
no < 1 000#1 yes
2 魚類/無脊椎動物の生物蓄積(暴露試験)
3 水/底質分解性
4 環境を通じた二次的影響及びヒト暴露による捕食
yes
者のリスク評価
(1) 鳥類 捕食者と哺乳類の BCF
no PEC/PNEC#1 no < 1 000#1
(2) 哺乳類
<1
yes yes
究極分解の
半減期 < 15d#3
Kp < 2 000#3 (水/底質シミュレーション試験)
かつ no かつ no
PEC/PNEC < 1#4 PECsed/PNECsed < 1#3
and/or
PEC/PNEC < 1#4
yes
yes
殺生物性活性の
no
消失が見られる#2
yes
リスク懸念
比較的低リスク リスク懸念比較的低リスク
図B.1−有機殺生物性活性物質のリスクキャラクタリゼーションプロセス

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F 0600-1 : 2015 (ISO 13073-1 : 2012)
段階2
段階2
レベル1
レベル1
殺生物性活性物質の初期投与量の10%以上の分解
生物性活性物質の初期投与量の10 %以上の分解
生成物に対して必要なデータ
生成物に対して必要なデータ
分解生成物の同定と定量 全ての分解生成物が
すべての分解生成物が
(1)加水分解
初期投与の10%未満
初期投与の10%未満
(2)光分解
(3)海水中での生分解 yes
必要に応じて
1 急性毒性;L(E) C50
(1)魚類 no
(2)無脊椎動物
(3)藻類
2 慢性毒性;NOEC, LOEC, MATC
(4)魚類/無脊椎動物
分解生成物の全媒体の
分解生成物の全媒体の
no
PEC/PNEC比が1未満
PEC/PNECが1未満
yes
段階2
段階2
リスク懸念
レベル2へ
レベル2へ
注記1 QSARアプローチによって分解生成物のPNECの毒性データを得ることができる。
注記2 ここでいう分解とは一次分解のことである。分解生成物が殺生物性活性物質の初期投与量の
10 %以上の場合に全ての主要な代謝物のリスク評価を行う。
図B.2−有機殺生物性活性物質の分解生成物のリスクキャラクタリゼーションプロセス

――――― [JIS F 0600-1 pdf 25] ―――――

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