JIS F 9002:1997 規格概要
この規格 F9002は、設計指針は,700総トン以上の内航船及び外航船に搭載する統合ブリッジシステムに必要な機能,操作,機器構成,レイアウト及び機器間接続について規定。
JISF9002 規格全文情報
- 規格番号
- JIS F9002
- 規格名称
- 統合ブリッジシステム―設計指針
- 規格名称英語訳
- Shipbuilding -- Guidelines for design of integrated bridge systems
- 制定年月日
- 1997年4月21日
- 最新改正日
- 2017年11月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 47.020.70
- 主務大臣
- 国土交通
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1997-04-21 制定日, 2002-05-07 改正日, 2007-09-18 確認日, 2012-10-31 確認日, 2017-11-20 確認
- ページ
- JIS F 9002:1997 PDF [28]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
F 9002-1997
統合ブリッジシステム−設計指針
Shipbuilding−Guidelines for design of integrated bridge systems
1. 適用範囲 この設計指針は,700総トン以上の内航船及び外航船に搭載する統合ブリッジシステム(以
下,システムという。)に必要な機能,操作,機器構成,レイアウト及び機器間接続について規定する。
備考1. トラッキング機能については,附属書1による。
2. 船橋情報(主として警報)については,附属書2による。
3. マン・マシン・インターフェイスについては,附属書3による。
4. ブリッジレイアウトについては,附属書4による。
5. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS F 0417 船用警報‐等級
JIS X 0201 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
IEC 945 Marine navigational equipment − General requirements − Methods of testing and required test
results
IEC 1162 Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems−Digital interfaces
IEC 1162-1 Maritime navigation and radiocommunication equipment and systems−Digital interfaces Part 1 :
Single talker and multiple listeners
IMO Resolution A224(7) erformance standards for echo sounding equipment
IMO Resolution A342(9) erformance standards for automatic pilots
IMO Resolution A422(11) erformance standards for automatic radar plotting aids
IMO Resolution A424(11) erformance standards for gyro compasses
IMO Resolution A477(12) erformance standards for radar equipment
IMO Resolution A478(12) erformance standards for devices to indicate speed and distance
IMO Resolution A686(17) ode on alarms and indicators
IMO Resolution A817(19) erformance standards for electronic chart display and information systems
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 統合ブリッジシステム 統合ブリッジシステムは,システムを構成するセンサ又は機器を統合し,主
に操作場所で集中的に操作できるようにしたシステム。
(2) トラッキング航行 あらかじめ設定された航路に沿って,定められた偏差の範囲内で自動的に航行す
る方法。
(3) 電子海図 内容・構成・フォーマットについて,標準化されている海図に関するデータベースのこと
――――― [JIS F 9002 pdf 1] ―――――
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をいう。
備考1. データベースとは,複数の適用業務分野を支援するデータの集まりであって,データの特性
とそれに対応する実体との間の関係を記述した概念的な構造に沿って編成されたものをいう。
2. ENC (electronic navigational chart),ERC (electronic reference chart) などがある。
(4) 電子海図ユニット 電子海図を表示させる装置。
備考 IMO (1) で規定されたECDIS (electronic chart display and information system),ECS(electronic chart
system,簡易電子海図表示装置ともいう。)などがある。
注(1) nternational maritime organizationの略語。
(5) オーバライド トラッキング航行又は自動航行中に,手動操作にモードを切り換えずに,操だ(舵)
スタンド以外の場所で手動で操船できる機能。
(6) ウイングユニット 着離桟時,ウイングで操船する場合に必要な操船機能と操船に必要な情報とを表
示するユニット。
3. 基本要求事項 システムの基本要求事項を,次に示す。
(1) 構成機器 システムを構成する各機器は,IMO要求事項を満たしていること。
また,耐環境性能は,IEC 945に準じること。
(2) 操作 システムを構成する機器のマン・マシン・インターフェイスは,附属書3に従って統一された
思想に基づいて設計されていること。システムの基本機能は簡単な操作で行え,一定の有資格者(2)が
特別な教育訓練なしに操船に関する基本機能を使えるように設計されていること。
また,システムを理解し,十分な性能が発揮できるような手段(取扱説明書・ビデオ・講習会など)
が用意されていること。
注(2) レーダを操作できる資格をもった者など。
(3) 安全性 主要構成機器は,自己診断機能を備えていること。
また,安全性及び信頼性の確保のため,機器の一つが故障してもシステムの基本機能を大きく損な
わないこと。
特に,操船にかかわるシステムの機能の一部が故障した場合,それに代わる機能のバックアップが
十分考慮されていること。
4. 機能要求 システムの機能は,次の4.14.4による。
4.1 システムの機能 システムの機能は,運航に必要な一般機能並びに各機器が連携して一つの機能を
実現する統合機能及び各機器がもっている個別機能の3種類に分類される。
4.2 一般機能 操船場所から,次の事項を容易に行えるものとする。
(1) 船位,針路,船速,及び航跡の視認
(2) 船舶ふくそう(輻奏)度の判断
(3) 衝突回避操船の決定
(4) 変針操作
(5) 変速操作
(6) 船内通信及びVHFを使用した船外通信
(7) 汽笛信号の操作
(8) 音響信号の聴取
――――― [JIS F 9002 pdf 2] ―――――
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(9) 針路,船速,プロペラ回転速度(CPPの場合は,翼角。),だ(舵)角,風向風速などの航海情報の監
視
4.3 統合機能
4.3.1 データ共有機能 データ共有機能は,次による。
(1) システム内で使用する船位・船首方位・船速などの運航にかかわるデータは,共通のデータを使用す
る。
(2) 使用している計画航路を複数のブラウン管 (CRT) で表示する場合には,同じデータを使用して表示
する。
4.3.2 警報管理機能 システム内で発生する警報を一括管理し,可視可聴警報又は音声警報を発し,警報
発生機器を船橋情報ユニットに表示すること。
4.3.3 トラッキング航行機能 トラッキング航行機能は,次による。
(1) 計画航路に従って航路を保持できること(潮流などによるドリフトを自動的に補正すること)。
(2) 変針点に接近した場合には,接近警報を発生すること。
(3) 安全確認操作の後に,変針すること(安全確認操作を経ず自動的に変針を行わないこと)。詳細は,附
属書1による。
4.3.4 緊急操だ機能 トラッキング航行中又は自動航行中に避航操船が容易に行える手段(オーバライ
ド)を備えていること。
4.3.5 重畳機能 重畳機能は,次による。
(1) 電子海図ユニット又はレーダ上で電子海図とレーダ映像とを重畳させる機能をもつこと。この場合,
重畳させた情報は,単一操作で除去できること。
(2) 電子海図とレーダ映像を,手動又は自動で一致させる修正機能をもつこと。修正中であることを明確
に表示すること。
(3) 電子海図上に,少なくとも選択された他船の位置,進路,船速などをベクトルで表示できること。
4.3.6 船位決定機能 船位決定機能は,次による。
(1) システムは,少なくともGPS及びDGPS (differential global positionning system) を含む2台の測位装置
と接続できること。
(2) PS及びDGPSが使用できない場合でも,他の測位装置から連続した位置情報が得られること。ジャ
イロコンパスとスピードログによる推測航法でもよいが,その場合には明確に推測航法で使用してい
ることを表示できること。
4.3.7 データ収録機能 データ収録機能は,次による。
(1) 自船航跡を,1分間隔で最低12時間前まで記録/再生できること。
(2) 時刻,位置,船首方位及び速力を1分間隔で最低12時間前まで記録し,印字できること。
4.3.8 通信機能 他のシステムとデータを共有するための通信手段をもつこと。
4.4 個別機能
4.4.1 電子海図ユニット 電子海図ユニットがECDISの場合は,次の機能を備え,IMO Resolution A817
(19)を満足すること。
(1) 電子海図表示機能
(a) 電子海図(ENCなど)を表示できること。
(b) 自船位置及び自船ベクトルを明確に表示できること。
(2) 航海計画立案機能
――――― [JIS F 9002 pdf 3] ―――――
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(a) 電子海図上で計画航路を立案できること。
(b) あらかじめ立案してある航路を呼び出し利用できること。
(3) 航行監視機能
(a) 選択した航路を表示できること。
(b) 自船航跡を表示できること。
(c) 距離,方位及び緯度経度を計測できること。
4.4.2 No.1/No2レーダ レーダは,2台を装備し,次による。
なお,レーダ切替器を装備することが望ましい。
(1) レーダ機能
(a) ノースアップ,コースアップ,ヘッドアップ表示ができること。
(b) 衝突予防援助装置 (ARPA) を装備するレーダでは,真運動,相対運動表示ができること。
(c) レーダ干渉除去機能をもっていること。
(2) 衝突予防機能
(a) 少なくとも1台のレーダには,衝突予防援助装置 (ARPA) 又は簡易衝突予防援助装置 (ARPA) を装
備すること。
(b) 20物標以上捕捉できること。
(c) 手動又は自動捕捉ができること。
(3) データ出力機能 捕捉目標の方位,距離,真針路,真速度,CPA,TCPAを出力できること。
4.4.3 船橋情報ユニット 船橋情報ユニットは,次による。
(1) 船橋情報表示機能 針路,船速,プロペラ回転速度(CPPの場合は,翼角),だ角,風向・風速,水
深などの航海に必要な情報を常時一か所で得られること。このほか,船橋情報表示機能の詳細は,附
属書2による。
(2) 警報管理機能 一人当直をする場合には,4.3.2の警報管理機能のほか,次の機能を備えること。
(a) 居眠り防止機能(船橋安全システム) 定期的に当直状態を確認し,不在又は居眠りをチェックで
きること。
(b) 警報転送システム 一定時間内に警報が確認されない場合には,警報を指定場所に転送する機能を
もつこと。
(3) 画面切替え機能 少なくとも電子海図ユニットに表示される内容が,表示できることが望ましい。
4.4.4 操縦ユニット 操縦ユニットは,次による。
(1) 次の制御機能をもつこと。
(a) 船速制御(機関回転速度又はCPP翼角)機能をもつこと。
(b) 変針(針路設定など)機能をもつこと。
(2) 通信機能
(a) 機関室,操だ室などと通話できる手段としての直通電話をもつこと。
(b) 汽笛吹鳴スイッチをもつこと。
4.4.5 操だスタンド 操だスタンドは,次による。
(1) 手動操だによる変針ができること。
(2) 操だモードの切替えができること(自動操だ,手動操だ,NF,リモート)。
(3) 操だ位置から操船に必要な情報が得られること。
――――― [JIS F 9002 pdf 4] ―――――
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5. 操作 各機器の操作は,附属書3による。
6. 標準システムの構成
6.1 一般 統合ブリッジシステムの標準システム構成機器は,次の6.26.6によって構成する。
6.2 システムブロック図 システムのブロック図は,図1のとおりとするほか,次による。
(1) システムの主要構成品は,電子海図ユニット,No.1/No.2レーダ(レーダのうち一台は,ARPA又は簡
易ARPA付きとする。),航海情報の表示や警報管理機能を担当する船橋情報ユニット,操船に必要な
機器を装備した操縦ユニット,操だスタンド及びセンサ機器で構成する。
(2) システムの信頼性を上げるため,レーダ切替器,CRT切替器,GPS又はDGPS以外の測位装置及び2
系統の操だ装置を装備することが望ましい。
(3) 各ユニット間でデータを共有するための通信は,ネットワークを経由して必要な情報を授受するほか,
各ユニットの基本動作に不可欠な信号(船位,船首方位など)は,そのユニットと直接接続する(ネ
ットワークがダウンした場合でも,各ユニットの基本動作を可能にするため。)。
(4) 基本動作以外に必要な信号で,複数のユニットで使用する信号(水深センサなど)は,ネットワーク
に接続し,データを共有する。
(5) 航海記録や航海日誌を設定時間ごとに自動的に印字するプリンタを設置することが望ましい。
(6) 電子海図ユニットで,海図とレーダ映像を重畳する場合には,レーダユニットからアナログレーダ信
号を電子海図ユニットへ送出する。
(7) 電子海図表示ユニットとは別の場所で航海計画を立案する場合には,海図端末(プランニングターミ
ナル)を設置する。
(8) 左右ウイングユニットを設ける場合には,操縦ユニットと接続して操縦権をウイングユニットに移動
して,ウイングでも操船可能とする。この場合,操船に必要な情報は,ウイングユニット又はその近
くに表示する。
6.3 主要構成機器 主要構成機器は,次の(1)(6)による。
なお,(1)(6)の機器は,単独又は機能の複合されたものでもよい。
(1) 電子海図ユニット
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution A817(19),ただし,ECDISの場合を示す。
(2) o.1レーダシステム
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution A477(12)及びA422(11)。
(3) o.2レーダシステム
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution A477(12)及びA422(11)。
(4) 船橋情報ユニット
(5) 操縦ユニット(オートパイロット,ジャイロコンパスを含む。)
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution A342(9)及びA424(11)。
(6) 操だスタンド
6.4 センサ機器 センサ機器は,次の(1)(9)による。
(1) ジャイロコンパス
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution A424(11)。
(2) 速力ログ(ドップラーログ又は電磁ログ)
参考 関連するIMO規則 : IMO Resolution M478(12)。
――――― [JIS F 9002 pdf 5] ―――――
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JIS F 9002:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.70 : 航海及び制御設備
JIS F 9002:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF0417:2006
- 船内警報及び表示装置適用基準
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合