JIS F 9002:1997 統合ブリッジシステム―設計指針 | ページ 5

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(4) 多変数離散値入力
・タッチパネル
入力の容易さから誤入力を生じやすいので,入力の確認及び入力修正が容易であること。
(5) 音声入力
音声の判別が容易なように,サブシステムごとに簡潔な言葉の標準化が必要である。入力の
確認のためのアンサバックなどの会話機能が必要である。
(6) 信号処理に伴う入力
・積分形
操作端が操作されている間,操作入力の時間積分値を入力とする形式。単純な2値入力で広
い範囲の入力ができる。
・微分形
操作入力の時間微分値を入力とする形式。パルス的入力を作るのが容易。2階微分方程式で
表される系の運動の制御に効果的である。
・2次微分形
操作入力を2回,時間微分したものを入力とする形式。正負の1組のパルス的入力を作るの
が容易。2階微分方程式で表される系の位置の制御に効果的である。
(7) マクロ命令に対応した入力操作端
入力に対する運転員へのフィードバックとして,結果の予測,現在の命令実行の段階などを
表示する。
7. インターフェイスの使い勝手 インターフェイスの使い勝手は,統合ブリッジシステム全体の中でも
重要な意味をもっている。インターフェイスの使い勝手をよくするためには,表示,操作のどちらのイン
ターフェイスも,次のようなことの検討が必要である。
・インターフェイスへの接近が容易。
・カストマイズできる。
複数人が同一のインターフェイスを使用するときは,運転員各個人の差,使用初期と熟練後の差などを
吸収できるように,使いやすくチューニングできるようにする。
・必要な情報,操作端が他のものと間違い難く,区別できる。
・入力操作端の大きさが適当で,隣の端子と十分離れている。
特に,インターフェイスへの接近は重要であるので,次のような検討が必要である。
(1) 必要な情報へのアクセス
・階層形
情報の階層の構成は,理解しやすくする。説明の会話機能が必要である。
階層のステップ数は4以下を目標とする。
・目次形
情報の目次は,内容を分かりやすくし,複数の表現で検索できるようにする。目次入力の操作での
誤りは,訂正できるようにする。
・全項目表示形
情報項目を機能で分類し,分類が分かりやすいように表示する。不必要な項目は一時的に削除でき
るようにする。重要度ごとに分類しておく。

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・文字入力形,音声入力形
目次形と同様に,複数の表現でアクセスできるようにする。入力の誤りは分かりやすく,かつ,修
正できるようにする。
(2) 判断支援の結果のチェックの容易さ 診断系や航路選択などの知的情報処理系などとの会話機能は,
判断結果の正しい理解と判断支援への正しい評価のために必要である。
(3) 必要な操作端へのアクセス
・簡単な操作手順
分かりやすく簡単であるだけでなく,操作の結果が自覚できることが必要である。
・操作制限などの設定,解除条件
操作に制限値などが設定されている場合は,制限があることと,制限の設定値,及び制限の理由が
容易に分かること。制限を解除してよい場合と解除の方法の明示も必要である。
・誤操作の回復手段
8. その他 一般に,インターフェイスの標準化では,次の点を考慮する必要がある。特に,統合ブリッ
ジシステムのインターフェイスの標準化に際して,配慮が必要である。
・標準化の範囲
・普遍性
・技術の進歩に伴う更新の可能性
・文化の違いによる人間の機能,特性の差異への配慮

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附属書4 ブリッジレイアウト(規定)
1. 適用範囲 この附属書は,システムのブリッジ形状,視界,コンソールの装備位置などについての指
針を規定する。
2. ブリッジレイアウト
2.1 一般 システムをブリッジに装備する場合,コンソールの位置やレイアウトは,船種,動線,運航
形態などのさまざまな条件を十分考慮したうえで,最適位置を決定する必要がある。
また,ブリッジの形状は視界確保の点からブリッジ全体の形状及び設備の配置についても考慮する必要
がある。特に,一人当直を行う船では,各操船位置からの視界は,IMOのInternational Regulations for
Preventing Collisions at Seaの条件を満たすこと。この附属書では,ブリッジ形状,視界,コンソールの装
備位置及びコンソールのレイアウトについての指針を2.22.5に示す。
2.2 ブリッジ形状 ブリッジ形状は,次による。
(1) 前方向,横方向の視界を確保するためには,附属書4図1のように従来のブリッジ−ウイングライン
が横一線形となっているものより,ブリッジ前面部が相対的にウイングより出張る形のほうが望まし
い。
附属書4図1
(2) 後方視界を確保するために,視界の妨げとなる煙突は必要最小限の大きさとする。
また,階段はてすりなどの採用によってオープン構造として背面に窓を設け,トイレ,収納スペー
スの上部などは可能な限りガラス窓とすることが望ましい。周囲のガラス窓は,左右,上下方向とも
に十分な大きさをとることが望ましい。フレームは,強度上問題がなければできる限り狭く,かつ,
少なくなるよう配置すること。
(3) ブリッジに装備する機器や物の配置は,視界を確保するため当直者の目線上に装備しないこと。
(4) 前方の窓は,附属書4図2のように垂直から10度以上25度以下の傾斜をもたせる。

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附属書4図2
2.3 視界 視界は,次による。
(1) 船首方向±10度の間で,附属書4図3のように船の長さの2倍又は500mのいずれか短い距離の前方
が見えること。この場合,目の高さは1800mmとして計算する。
附属書4図3
(2) 船橋内の2点から,360度の水平視界が確保できること。
(3) システムの操船位置からの個々の死角は,10度を超えないこと。これらの死角の合計は,20度を超え
ないこと。特に,船首方向の死角は両玄各10度の間では,5度を超えないこと。
(4) システムの操船位置から,附属書4図4の範囲が見通せること。
附属書4図4
(5) コンソール上部(天井)の塗色は,夜間CRTの反射を抑える塗料を選択すること。
(6) 昼間の直射日光を避けるため,遮光用設備を設ける。

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2.4 コンソールの装備位置 ブリッジにおけるシステムのコンソール位置は,船種,視界確保,運航形
態,動線などの条件を十分考慮したうえで,最適位置を決定する。コンソール位置は,大きく分けて次の
3種類が考えられるが,それぞれ次の利点と欠点があるので,参考として示す。
(1) ブリッジの中央前方(前窓に接する)
(2) ブリッジの右側前方(前窓に接する)
(3) ブリッジの中央前方(前窓との間に見張り・通行路確保)
(1) ブリッジの中央前方(前窓に接する)の場合,附属書4図5のようにブリッジ前方窓に接した形で,
中央部にコンソールを配置する。
・利点 : ブリヅジの横幅や縦方向の長さが短くても,配置が容易である。
通常の当直位置が比較的前にあるので,前方の視界も確保できる。
・欠点 : パナマ規則によるコーニングポジションの確保が,困難である。
船首尾線上に,方位をとるためのジャイロレピータ取付けが困難である。
前方からの射光に対して,フードが必要不可欠となる。
附属書4図5
(2) ブリッジの右側前方(前窓に接する)の場合,附属書4図6のようにブリッジ右側前方窓に接した形
で,コンソールを配置する。
利点 : ブリッジの縦方向がある程度短くても,余裕をもった配置が可能である。
通常の当直位置が比較的前にあるので,前方の視界も確保できる。
通常の当直位置から,中央前方までのアクセスが容易である。
欠点 : W/H横方向の狭い船では,窮屈な配置となる。
前方からの射光に対して,フードが必要不可欠となる。

――――― [JIS F 9002 pdf 25] ―――――

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