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8.3 船橋情報ユニットは,運航モードに応じた情報表示を行うため,少なくとも港内モード及び港外モ
ードにそれぞれ独立して切り替えられること。
8.4 それぞれの運航モードに対し,少なくとも次に示す情報は,船橋情報ユニットにおいて航海中常時
表示されること。
(1) 港内モードは,8.1(1)(11)の情報。
(2) 港外モードは,8.1(1)(5),(7),(8)及び(11)(13)までの情報。
(3) 8.4の規定にかかわらず,(2),(4),(7),(8),(9)の情報が,他の計器によって操船作業場所から視認で
きる位置に常時表示されている場合には,船橋情報ユニットに常時表示することを必要としない。
(4) 8.4に規定する情報以外の情報は,呼び出し操作によって表示できること。
(5) 8.4(2)(4)及び(6)(8)までの情報は,棒グラフなどのグラフィック表示と数値表示を併用するのが望
ましい。
(6) 船橋情報ユニットに表示される文字は,制御装置に関連する表示にあっては,少なくとも制御場所か
ら読み取ることができること。
(7) 船橋情報ユニットは,いかなる場合でも警報要因の発生に際し,これを表示できること。ただし,画
面の警報表示区分に警報の内容を表示しきれない場合には,その区分に警報の等級及び分類までを表
示し,警報の確認動作によって,その内容を表示できるものでも差し支えない。
(8) 各情報の表示色は,附属書2表3によるものとする。
附属書2表3 各情報の表示色
表示内容 表示色
一般情報 黄及び赤以外の色
セカンダリ警報 黄
非常及びプライマリ警報 赤
(9) 船橋情報ユニットに対し,操作方法などに精通するためのマニュアルを備えること。
――――― [JIS F 9002 pdf 16] ―――――
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附属書3(規定) マン・マシン・インターフェイス
(標準化へのガイドライン)
1. 適用範囲 この附属書は,統合ブリッジシステムにおける,マン・マシン・インターフェイス(標準
化へのガイドライン)の詳細事項について規定する。
2. 基本的な考え方 統合ブリッジシステムにおいて,同システムと運転員との間での情報のやりとりや
操作で使用されるマン・マシン・インターフェイスの期待される機能は,次のようなことであり,インタ
ーフェイスの設計に当たって考慮する必要がある。
・インターフェイスの使用に当たって,運転員の作業負担が軽い。
・誤認識,誤判断,誤操作を招きにくい。
・例え過ちを犯しても,それに気付きやすく,過ちの修正が容易である。
これらのことは,運転員がインターフェイスを通して,その背後にある統合ブリッジシステムの機能の
理解が容易であり,また,運転員の意思が運航支援システムに伝えることも容易であることに相当する。
インターフェイスを通して,運航支援システムが,あたかももう一人のパートナとして存在するように感
じられるならば,理想的なインターフェイスといえよう。逆に,どのように統合ブリッジシステムの機能
が優れていても,インターフェイス部分の機能が悪ければ,システムとして十分な役割を果たすことがで
きないばかりか,運転員の過誤を誘発することもあり得る。
統合ブリッジシステムの機能とインターフェイス機能との関係は,複雑になることが予想されるが,そ
れぞれの機能を十分に発揮させるためには,インターフェイスの標準化が重要となってくる。インターフ
ェイスの標準化に際しては,インターフェイスの機能と運転員の人間としての機能とのマッチングをとる
ことが重要である。
3. インターフェイスの機能 統合ブリッジシステムのためのインターフェイスの機能を,支援する作業
で分類して考えてみると,次のようになる。
(1) 監視作業支援 監視作業支援は,ほとんどが情報提示であり,支援する内容によって次のように分類
できる。
・安全表示(システムの状態が安全であることの表示)
・警報表示(注目すべき警報点とその程度の表示)
・状態量表示(スカラー,ベクトル,数字,図形など)
・チャート表示(海図,多次元表示など)
情報の提示は,CRT画面,専用表示盤,音声,音響などを利用するが,インターフェイスからどの
距離にいる運転員にまで確実に情報を伝えるかは,インターフェイスの使用方法によって異なるので,
どの方法を選択するのかはよく考慮しなければならない。
(2) 判断作業支援 判断作業支援も情報提示が主となる。
・複合情報提示(判断の基となる複数の情報の関連付け表示)
・将来値予測表示(操作をしないと現状がどのように変化するかの表示)
――――― [JIS F 9002 pdf 17] ―――――
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・仮定した操作の結果予測提示(操作量と予測される結果の対応表示)
・支援機器の知的判断結果表示(支援機器の判断したいくつかの選択肢表示)
(3) 操作作業支援 操作作業支援は,情報入力支援及び機器調整作業,マクロ命令実行が主となる。
・項目選択支援(モード選択,ON-OFF入力,スイッチ)
・数値,方位入力支援(ディジタル数値入力,数値セット)
・数値,方位入力支援[アナログ入力,だ(舵)輪,スライド]
・位置入力支援(2次元アナログ入力,マウス入力,ジョイスティック)
・機器調整支援(輝度調整,制御系調節)
・マクロ命令支援(音声指令)
4. 人間の機能(特にネガティブの意味で) 前述のように,インターフェイスの設計では,人間の機能
に十分な配慮を払わなければインターフェイスの機能,ひいては運航支援システムの機能を十分に発揮す
るものとはならない。その際に配慮する人間の機能とは,次のような点である。
・作業の信頼性が高い緊張した状態は長くは続かない。
・同時に並行できる作業は少なく,それぞれの作業の信頼性も低下する。
・同時に複数の事象又は複数の変数の動きを理解することは難しい。
・高次の現象や高次の動きを理解したり予測することは難しい。
・一べつ(瞥)で理解できないものは,他の誤りを導く可能性がある。
・大きな事象の陰の小さな事象は見付けにくい。
・軽い作業の結果は軽いと判断しやすい。
・いつもの作業と少し変えた作業は間違えやすい。
・人間は不在のときもある。
・作業における過ちは必ず発生する。
機械側は,インターフェイスを通して,人間側の誤りを見付け,これを修正するための行動を起こせる
機能をもつことが理想である。同様に,人間側は,インターフェイスを通して,機械側の誤り(故障,不
動作など)を見付けて,修正するための行動を起こせることも重要である。
このように,人間側及び機械側ともにインターフェイスを通して相手側の過誤を相互にチェックできる
ように十分に配慮することが,人間−機械系を構成している運転員と運航支援システムとによって行われ
る航行の安全性を向上させる。
また,上述の人間の特性をかんがみて,複雑で誤解を招く表示,操作手順,調節は,インターフェイス
の標準化のときは避けなければならない。
5. インターフェイスの注意点
(1) 情報表示一般 情報表示に対する一般的な注意は,次のとおりである。
・情報の表示開始と表示停止条件
警報の表示開始の条件は,警報を受けてから,運転員が間違いなく処置をとれるように,余裕をも
って,注意喚起の表示をする。警報の対象,状態,程度などのような附属の情報も,警報とともに表
示する。警報の表示は,必ずそれに対する確認を要求するようにする。
運転員の不在の場合をも考慮し,警報に対する確認がなく,緊急の処置を要する場合には,機械側
があらかじめ決めておいた必要な処置をとれるようにする。
――――― [JIS F 9002 pdf 18] ―――――
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警報停止の条件は,単なる警報確認の有無ではなく,警報表示開始の条件の解除まで,警報を出し
続ける。ただし,警報の種類によっては,確認後は,音響による表示は停止し,視覚への表示だけを
残すなど,運転員の注意力をそがないように工夫する。
情報の表示開始及び表示停止の条件の設定には,誤作業の防止の観点にたつとともに,他の種類の
誤作業の誘発を招かないように注意する。
・情報表示媒体の併用
情報の表示には,できる限り複数の表示媒体を併用する。情報の伝達を確実にする目的だけでなく,
2種類以上の関連情報を併用して冗長表示することによって,新たな表示の効果,臨場感を表現する
ことも可能である。また,前述の警報の表示のように,確認後の表示を変える際に便利である。
・情報加工機能
情報誤解を防ぐために,理解しやすい形に加工した情報を表示する。複数の情報を組み合わせると
新たな意味をもつ場合には,そのような複数の情報から抽出された情報を表示する機能をもつように
努力する。
・表示機能の診断
表示機能が正しく動作していることを診断したり,正しく動作していないときにはそれを補償でき
る機能を付ける。
備考 表示機能の分類は,次のようになる。
(1) 文字情報
・表示媒体と表示位置
表示媒体全体のどの部分にどのような種類の情報を表示するかは,運航支援システムの各サブシス
テムごとに決める必要がある。
・情報内容の表示
サブシステムごとに表示する情報の種類とその表現を統一する必要がある。
・文字属性
サブシステムごとに,誤認識を招かないように,情報の重要度によって,文字の大きさ,字体,色
(背景色含む),プリンタの有無などを統一する必要がある。
(2) 画像情報 文字による表示を補佐し,一べつで誤りなく理解できるように,次のような画像情報を用
いたい。これもサブシステムごとに表示の統一が必要である。
・記号
・図形による象徴化(記号では表せない複雑な事象の表示)
・チャート(海図,多次元表示など)
・概念説明表示(図形及び文字による説明用表示。例 : フローチャート)
・動く図形(方向変化の表示,複雑な関係の解説,特に表示から予測したり,予測されたものの表
示に便利である)
・ビデオカメラの画像(現場の状況,運転員と違う視点からの画像,解説的な表示)
・立体表示(ウォークスルー,多次元表示,複雑な事象の理解の促進)
(3) 音響情報
・情報内容の表現(文字表示とは別に,聞いて誤解しない表現への統一)
・音響の種類(音声を含む)
・発音速度,ピッチ
――――― [JIS F 9002 pdf 19] ―――――
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(4) 高度の情報の表示 システムの情報量を単に表示するのではなく,表示の前に情報処理を施して表示
するのに次のようなものがあり,それぞれサブシステムごとに表示を統一する必要がある。
・高次の情報(2階微分方程式以上で表現される系の変数の微分値,2次微分値及びそれらが0にな
る点,将来予測値など。例 : 着離桟運転支援)
・示唆情報(診断,予測系の出力,誤操作・無操作に対して正しい操作を示唆する表示など)
・必要な操作を指示する情報(警報と併用して,必要な一連の作業を指示する表示)
・表示の選択(個人の選択した表示方式を記憶しておくことや,外的条件変化によって必要な表示
を自動選択する方式)
・誤操作である可能性の表示(会話機能も必要である)
・運転員不在のときの対処(警報などの表示場所の延長,無応答時の対策)
6. 入力操作一般 入力操作のインターフェイスについて特に注意することは,操作の誤りに対する対策
があらかじめたててあることである。例えば次の事項が必要である。
・操作の誤りの検出が,運転員にとって容易なこと。
・誤りの修正ができること(理想的には,誤操作の結果が進行していても回復の手段があること)。一般
に,入力操作インターフェイスには,誤操作を防止するために,次のことの検討が必要である。しかし,
その標準化には,詳細な規定をする必然性はあまりないので,統合ブリッジシステムの各サブシステムで,
操作の機能グループごとに,入力操作端をグループ化して,グループの位置などを規定する程度に余裕を
もたせたほうがよい。
・操作端の種類
・操作端の配置,形状,色
・操作結果を運転員に予測させるフィードバック機能
備考 入力操作端の種類は,次のように分類される。
(1) 二値入力
・押しボタン,キー
押した際に,入力したことが分かること。押し続けたときに同じ入力が複数回繰り返されな
いこと。ただし,連続入力モードに使用されるキーは,この限りではない。ON-OFF入力の場
合,早く続けて2度押ししても,入力が元に戻らないこと。
(2) アナログ−変数入力
・レバー,つまみ(回転),スライド
入力端を離したときに,その位置に固定されること。
・ホイール
0位置(中立位置)への復帰が容易で,0位置に復帰したことが分かること。
(3) アナログ二変数入力
・ジョイスティック
用途によって,スティックを離したときに0位置に復帰する形と,スティックを離したとき
にその位置に固定される形があるが,安全面を考慮すると前者の形式が望ましい。いずれの形
も,0位置が手の感触で分かるようにすること。
・マウス,ボール
ワンタッチで,標準位置へ出力信号が復帰できること。
――――― [JIS F 9002 pdf 20] ―――――
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JIS F 9002:1997の国際規格 ICS 分類一覧
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JIS F 9002:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF0417:2006
- 船内警報及び表示装置適用基準
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合