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附属書1 トラッキング機能(規定)
1. 適用範囲 この附属書は,レーダ・電子海図表示装置などによって,計画された航路に沿って航路保
持する機能(トラッキング機能)について規定する。
2. 用語の定義
(1) トラッキング機能 オートパイロット,ジャイロコンパス,GPS・DGPSなどの連携によって,電子
海図上の計画航路に沿って航路を保持すること。
備考 航路から外れた場合は,航路に自動復帰するようオートパイロットを制御する機能。
3. 基本要求
3.1 追従性能 使用海域(沿岸,大洋など)によって,設定可能なこと。
3.2 変針動作 変針動作は,次の(1)(2)による。
(1) 変針確認スイッチを設けること。
(2) 当直者が周囲の安全を確認し,この変針確認スイッチが押されるまでは変針動作を行わないこと。
3.3 緊急操だ 動作中に,簡単にコース変更ができる装置を備えるか,又は一つの動作で手動操だに切
り替えることができること。
3.4 警報 次の3.4.13.4.5を備えること。
3.4.1 オフトラック警報 オフトラック警報は,次による。
(1) 航路幅を,最大1マイルの範囲で設定可能なこと。
(2) 航路から外れた場合には,可視・可聴の警報を発すること。
3.4.2 変針点接近警報 変針点接近警報は,次による。
(1) 距離又は時間で,設定できること。
(2) 変針点に接近した場合には,可視・可聴の警報を発すること。
3.4.3 変針点通過警報 変針点通過警報は,次による。
(1) 変針動作をせずに変針点を通過した場合には,可視可聴の警報を発すること。
(2) (1)の場合,変針せずに航行中の針路で直進すること。
(3) (2)の状態で1分間経過した場合には,可視・可聴の減速警報を発し,警報転送システムに警報を転送
すること。
3.4.4 最終目的地通過警報 最終目的地通過警報は,次による。
(1) トラッキングを中止せずに最終目的地を通過した場合には,可視・可聴の警報を発すること。
(2) (1)の場合,変針せずに航行中の針路で直進すること。
(3) (2)の状態で1分間経過した場合には,可視・可聴の減速警報を発し警報転送システムに警報を転送す
ること。
3.4.5 測位装置異常警報 測位装置異常警報は,次による。
(1) 測位装置の故障や連続した位置が得られなかった場合,測位装置異常警報を発すること。
(2) (1)の場合,変針せずに航行中のコースで直進すること。
――――― [JIS F 9002 pdf 11] ―――――
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4. 操作方法(参考例)
4.1 予定航路の入力方法 予定航路の入力方法は,次による。
(1) 希望する変針点の位置にカーソルを合わせ,セットスイッチを押す。
(2) 続けて希望する位置にカーソルを合わせ,セットスイッチを押すと変針点番号が赫され,直線で変針
点間が結ばれる。旋回半径を指定できる装置では,旋回半径のカーブが表示される。
(3) (1)及び(2)の操作を最終目的地まで繰り返す。
(4) 座礁予防機能がある装置の場合は,危険がないかチェックする。
(5) 作成した航路を,記録する。
4.2 航路選択方法 航路選択方法は,次による。
(1) 登録されている航路リストを,表示する。
(2) (1)の中から,目的の航路を選択し表示させる。
4.3 確認作業 航路幅,接近警報範囲等が希望どおり設定されていることを確認する。
4.4 動作方法 動作方法は,次による。
(1) 電子海図表示器上で予定航路を表示させ,最初に向かう変針点を指定する。
(2) オートパイロットの操だモードを切り替える(外部コントロールとなる。)。トラッキング機能が準備
完了になっているときには,準備完了ランプを点灯する。
(3) トラッキング作動スイッチを押す。準備完了ランプが点灯していない場合には,作動しないこと。
(4) 作動中に避航のため一時中断する場合には,システムで用意されている切り替えスイッチ又は操だス
タンドで,手動操だに切り替えて避航操船を行う。
(5) 避航操作完了後,トラッキング作動スイッチを押し,トラッキング航行に復帰する。
4.5 変針点での操作 変針点での操作は,次による。
(1) 変針点接近警報が発生した場合,周囲の状況を確認し変針確認スイッチを押す。
(2) 変針点通過警報が出てから変針確認スイッチを押した場合には,新たに破線で次の変針点までの予定
航路を表示し変針を開始する。
――――― [JIS F 9002 pdf 12] ―――――
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附属書2. 船橋情報(主として警報)(規定)
1. 適用範囲 この附属書は,船橋情報(主として警報)について規定する。
2. 用語の定義 この附属書で用いる主な用語の定義は,次による。
(1) 航海者 航海,操船及び船橋の機器の操作を行う者。
(2) 支援航海者 船橋において,支援が必要となる場合に呼び出しを受けるよう船長に指定された者(通
常は,士官のことをいう。)。
(3) 操船作業場所 航海,操船を行うのに必要な作業を行う場合で,これに必要な機器などが集中配置さ
れた場所。
(4) オフトラック あらかじめ立案してある航路から逸脱すること。
3. 警報の等級 警報の等級は,次による。
(1) 非常警報 人命又は自船の船体にとって差し迫った危険が存在し,直ちに対処の行動をとらねばなら
ないことを示す警報。
(2) プライマリ警報 非常事態を防止するために,迅速な対応が求められている状況にあることを示す警
報。
(3) セカンダリ警報 非常警報及びプライマリ警報に含まれない警報ではあるが,装置にとってはできる
限り敏速な注意が望まれていることを示す警報。
4. 警報の分類 警報の分類は,次による。
(1) 船体関連警報
(2) 機関関連警報
(3) 荷役装置関連警報
(4) 航海装置関連警報
(5) 通信装置関連警報
5. 警報管理 警報管理は,次による。
(1) 船橋情報ユニットにおいて,4.で分類された警報を等級付けしたうえで,その内容を表示すること。
(2) 警報の等級及び内容は,JIS F 0417及びIMO Resolution A686(17)を満足すること。
(3) 航海装置関連警報は,5.(2)に加えて附属書2表1に示すシステム各機器の異状に関する警報及び附属
書2表2に示す追加の航海装置関連警報を含めること。
――――― [JIS F 9002 pdf 13] ―――――
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附属書2表1 システム各機器の異状に関する警報
警報 装置名称 警報の原因 警報の表示 警報の時期
の等 可視・可聴 個別・代表表
監視場所
級 の別 示の別
電子海図ユニット 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
所及び機側 (1)
No.1レーダユニット 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
所及び機側 (1)
No.2レーダユニット 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
セ 所及び機側 (1)
カ 船橋情報ユニット 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 常時
ン 所 (1)
ダ 測位装置 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
リ 所及び機側 (1)
警 センサ 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
報 所 (1)
ネットワーク 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
所及び機側 (1)
船橋安全システム 異状 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
所及び船長 (1)
室
注(1) 操船作業場所における警報は,可視警報とする。
附属書2表2 追加の航海装置関連警報
警報 装置名称 警報の原因 警報の表示 警報の時期
の等 監視場所 可視・可聴 個別・代表表
級 の別 示の別
プ ARPA 衝突の危険 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
ラ 所及び機側 (1)
イ 船橋安全システム 設定時間を超過 船長室,支援可視・可聴個別 船橋ワンマ
マ 航海者個室,(1) ンワッチ中
リ 公室
情 エコサウンダー 設定以下の水深 操船作業場 可視・可聴個別 航海中
報 所及び機側 (1)
自動操だ装置 オフトラック 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
所及び機側 (1)
セ
変針点の通過 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
カ
所及び機側 (1)
ン
最終目的地の通 操船作業場 可視・可聴 個別 航海中
ダ
過 所及び機側 (1)
リ
航海装置用分電盤 供給電力の喪失 操船作業場 可視・可聴 個別 常時
警
所
報
船橋安全システム リセット要求 操船作業場 可視・可聴 個別 船橋ワンマ
所 ンワッチ中
(4) 可聴警報を止める装置が設けられる場合には,可聴警報を止めても可視警報は同時に消滅しないもの
であること。
6. 追加要件
――――― [JIS F 9002 pdf 14] ―――――
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6.1 一般 通常の運行条件下で,一人当直で運行するよう計画された船舶は,6.26.5を満足すること。
6.2 航海者の対応が必要な警報の確認は,船橋だけで可能なものでなければならない。
6.3 航海者の対応が必要な警報が,30秒以内に船橋で確認されなかった場合は,自動的に船長,支援航
海者及び公室に転送されること。
6.4 航海者が操作することによって,6.3に示す場所に明りょうな可聴警報を発生させる装置を備えるこ
と。
6.5 7.に示す船橋安全システムを備えること。
7. 船橋安全システム 船橋安全システムは,次による。
(1) 船橋に警戒態勢の航海者がいることを,定期的に確認できるものであること。
(2) 通常の操作方法以外では,操作されないように設計及び設備されていること。
(3) 12分までの確認間隔を調整できるもので,かつ,船長だけが適当な間隔を設定できるように製作,据
付け及び配置されていること。
(4) 設定された確認間隔が経過した場合に,船橋のいかなる場所でも聴取できる可視・可聴警報を発する
ものであること。
(5) 操船作業場所及び適切な見張りを行うことができる船橋の適当な場所で,航海者による確認がなされ
ること。
(6) (4)に規定された警報は,6.3に規定された場所に転送されること。
8. 船橋情報の表示
8.1 次に示す情報を,船橋情報ユニットに見やすい方法によって表示すること。
(1) 針路及び設定針路(2)
(2) だ角及びだ角指令値(2)
(3) 船速(対水,対地)(2)
(4) 主機回転速度及び回転方向(可変ピッチプロペラにあっては,主機回転速度及び翼角)(2)
(5) 船位(経度,緯度)(2)
(6) 水深
(7) 風向(真方位,相対方位)(2)
(8) 風速(真風速,相対風速)(2)
(9) 回頭角速度(10 000総トン以上の船舶の場合)(2)
(10) スラスタ翼角及びスラスト方向(スラスタが,設備されている場合。)
(11) 日付及び時刻(UTC標準時及び船内時間)(2)
(12) 気温,気圧,海水温度
(13) 航程積算値
(14) 平均船速計算値
(15) 残航程
(16) 5.に示す警報
注(2) 常時表示する項目を示す。
8.2 情報の表示方法は,監視漏れ,操作の煩雑さ,誤認などを避けるため,表示内容によって画面を区
分すること。
――――― [JIS F 9002 pdf 15] ―――――
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JIS F 9002:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.70 : 航海及び制御設備
JIS F 9002:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF0417:2006
- 船内警報及び表示装置適用基準
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合