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確認する必要がある。
4.1 VDRで要求される入力信号の種類
IMO決議A.861(20)及びIEC 61996で要求されている入力イン
タフェースは,次による。
4.1.1 IEC 61162シリーズに準拠する信号
1) EC 61162 IEC 61162シリーズの信号は現在4種類あり,IEC 61996では一般的にはIEC 61162-1
及びIEC 61162-2が示されている。IEC 61162-3(未発行) 及びIEC 61162-4はマルチトーカ/マルチリ
スナであり,ネットワーク対応の通信形式であり,この規格では説明を省く。VDRへの信号接続に
当たっては,採用しようとするVDR信号がIEC 61162シリーズのどれであるかを確認する必要が
ある。附属書2にIEC 61162-1及びIEC61162-2で規定されている信号発信器,信号受信器の仕様を
示す。VDR装備においては,信号受信器はVDRであり,従って,信号受信器の仕様はVDR製造
業者の仕様であり,また,信号発信器は各センサ製造業者であり,信号発信器の仕様は各センサ製
造業者の仕様となる。装備に関しては,信号発信器側(センサ側)の信号仕様とVDRの信号仕様
を確認し,接続が可能となるよう信号を決める必要がある。
2) EC 61162-1/IEC 61162-2 IEC 61162-1及びIEC 61162-2はシングルトーカ/マルチリスナの通信形
式であり,2つの大きな違いは,通信速度(IEC 61162-1 : 4 800bps,IEC 61162-2 : 38.4kbps)であ
る。現在,一般的に使用されているのはIEC 61162-1である。IEC 61162-1とIEC 61162-2の信号仕
様の比較を附属書2に示す。
4.1.2 マイクロフォンからの音響信号
マイクロフォンの接続仕様はIEC 61996の5.6.1で示され,マイ
クロフォンはVDR装置に含まれると規定されている。マイクロフォンは船橋に装備され,船橋の可聴信
号(会話音,音声指令・応答音,警報音等)を集音する。集音された信号は信号処理機で処理され,カプ
セル内の最終記録媒体に記録される。IEC 61996に,マイクロフォン装備場所として操船時の主要な当直
任務を行う船橋ワークステーションを示している。ただし,マイクロフォンの装備台数に関しては特に言
及されてない。
4.1.3 VHFからの音声信号
VHFの接続仕様はIEC 61996の5.7.1で示される。記録信号は操船に関す
るVHFの送受信信号であり,IEC 61097-7による。VHF送受信機は通常複数台装備されているがVDRと
の接続台数に関しては特に言及されていない。
4.1.4 レーダ指示器の表示画像
IEC 61996では,複数装備されているレーダのうち,主レーダ指示器を
VDRへ接続することが示されている。レーダ指示器の表示画像接続仕様はIEC 61996の5.8.1に示され,
画像信号の基準としてはVESA DMTS及びオプション仕様として製造業者独自の仕様が認められている。
VDRの装備が要求される3 000GT以上の客船以外の船及びほとんどの客船では,レーダは通常2台又はそ
れ以上装備されている。ただし,レーダ指示器のVDRとの接続台数に関しては特に言及されていない。
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4.1.5 IEC 61162以外の信号(基準にない信号,信号が出ていないもの)
4.1.1でIEC 61162として規定
されている信号について示したが,ここでは,それ以外のIEC 61162で規定されていない信号を接続する
場合について説明する。接点信号,アナログ信号(電圧,電流,シンクロ信号,パルス信号等)等IEC 61996
で規定されていない信号形式,つまりIEC 61162で規定されていない信号形式の場合は,一般的には,デ
ジタル信号へ変換する必要があると考えられる。(VDRの基準であるIMO決議A.861(20)では,この指針
の4.1.14.1.4で要求されている信号が必要であり,通常,型式認定されたVDRはこの指針を満足するも
のと考えられ,可聴信号,レーダ画像信号以外はデジタル信号を要求している上,記録メディアの関係で
信号は最終的にはデジタル信号へ変換する必要があると考えられる)。VDRによっては,内部に信号変換
器を持っているもの,又は外部接続の信号変換器をもつもの等があり,IEC 61996で要求される信号以外
の信号に対しても,かなりの範囲で対応可能であろうと考えられる。しかし,各センサ(装置)から出力
されるアナログ信号等の電圧,電流等はいろいろな場合が予想され,信号変換器の変換機能を含め,VDR
仕様に対応しているかどうかの確認が必要であり,また,出力信号が出ていない場合も含め,当該VDR
の接続仕様に基づき,当事者間で協議する必要がある。
4.2 警報信号に関して
警報信号に関しては,IMO決議A.861(20)の5.4.9に示され,船橋における強制
警報が示されている。船橋での強制警報の項目はIEC 61996の附属書Bに,SOLASII-1及びII-2で求ら
れている船橋警報を示している。船橋警報に関しては,IMO決議A.686(17)及びIMO決議A.830(19)で述
べられている。IEC 61996の4.6.9では,警報を可聴音で記録し,可能ならば警報をデータとして記録する
としている。しかし,可聴音だけでの警報記録は判別が難しいことが考えられ,IEC 61996の附属書Bに
示された警報信号を接続し,警報の確認を確実にすることが可能となり,警報接続の統一化も図られると
考えられる。
警報接続では次の注意が必要である。同一装置に複数のユニットがある場合(舵取機,主機遠隔操縦装
置等)は,装置のユニットごとに警報を接続する必要がある。また,接続する警報は,客船,Ro-Ro客船,
貨物船で若干異なるため,船種ごとの警報の確認が必要である。
なお,警報に関しては,主管庁又は,適用船級へ確認されることが望ましい。
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5. VDRのセンサ接続
5.1 センサ接続信号の概要
IMO決議A.861(20)でVDR接続に要求される各信号のチェックシートを次
のページに示し,当事者間で協議を行う場合のチェックシート機能として使用できるものとした。チェッ
ク内容は,IEC 61996に示されたものを元にしている。また,信号が基準と異なる場合や信号が出ていな
い場合も想定し,通常使用されている信号例を示した。
5.2 センサ及びVDR間接続基準
VDR用として示される(IMO決議A.861(20)及びIEC 61996による)
接続信号の種類とセンテンスを表1に示す。
表 1 VDRのインタフェースに使用される信号とセンテンス(IEC 61996の附属書Aによる)
No. 要求信号 IEC 61996項目 センテンス 備考
1 日付と時刻 4.6.1 ZDA
2 船位と参照測地系 4.6.2 GNS,DTM
3 船速(対水又は対地) 4.6.3 VBW
4 船首方位(真方位) 4.6.4 HDT
5 4.6.4
船首方位(磁気方位,自差及び HDG
偏差)
6 水深(測深儀) 4.6.8 DPT
7 警報 4.6.9 ALR
8 4.6.10
操だ(舵) 指令/応答(手動) RSA 備考1
9 4.6.10
操だ(舵) 指令/応答(自動) HTC,HTD
10 主機 指令/応答 4.6.11 RPM,XDR 備考1及び2
11 船体開口,水密戸,防火戸 4.6.12,4.6.13 XDR 備考2
12 加速度/船体応力 4.6.14 XDR, ALR 備考2
13 風速/風向 4.6.15 MWV
14 VDR警報出力 $VRALR 備考3
(IEC 61996の附属書Aによる)
備考1 現行センテンスRSAとRPMは,指令フィールドがない。応答だけ。
備考2 現行センテンスXDR(センサ信号発信器用)は,VDR要求仕様になっていない。
備考3 VDRからの警報信号発信の要求はない。もし,追加仕様で警報信号を送る場合は,センテ
ンスALRが適当である。
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5.3 信号別インタフェースチェックシートの詳細
次の装置ごとに設けたチェックシートを用い,VDR
に接続される信号の確認を行う。
5.3.1 日付と時刻
1) 標準 UTC(協定世界時)に照合した日付と時刻情報は,出来れば船外の信号源(例えば,電子測
位装置又は無線時刻信号)から得るか,又は,少なくとも1時間に1回船内からの時刻を得るもの
とする。また,記録に使用された信号源も記録する。記録時の時間管理は,すべての記録データ項
目の記録時刻を1秒以内の分解能で,詳細に事故履歴を再現できるものとする。
記録すべきデータ名 要求基準 IEC 61162 備 考
IMO決議 IEC 61996 (協議後の信号形態)
A.861(20)
日付と時刻 5.4.1 4.6.1 ZDA
センテンス $--ZDA,hhmmss.ss,xx,xx,xxxx,xx,xx*hh<CR><LF>
2) 上記の基準信号が得られない場合の代わりの参考信号を示す。
記録すべきデータ名 基準 信号仕様 協議後の信号形態
船内時計
EPFS(電子測位装置)
3) 実態 1)の基準信号がない場合,2)の信号形式を含め確認される信号を記入する。
【確認者名 : 】 【使用資料・図番 : 】 【日付 】
項 目 内 容 備 考
情報源 信号形式
場所
製造会社(情報供給者)
機器型式
インタフェース適用基準
バージョン等の識別
ヘッダ
センテンス詳細
信号出力間隔
入力端子までの電線長
電線の種類・芯数
接続事項
4) 上記1),2)に該当する信号が出ていない(予備の信号も含め)場合は,上記1),2)を参考に出力信
号の仕様を当事者間で決め,協議した仕様を3)に記入する。この時,VDR入力信号の形式(含む代
替信号形式)が分かっている場合は,それに対応した信号を選択する方がよい。
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5.3.2 船位
1) 標準 緯度,経度や使用される測地系,出来れば本船の測位装置として指定された電子測位装置
(EPFS)又は統合化航法装置(INS)から得るものとする。記録の再生時には,記録信号源や装置
の状態が常に確認できなければならない。船位は,できれば,0.0001分の分解能より悪くない値で
記録されるものとする。
記録すべきデータ名 要求基準 IEC 61162 備 考
IMO決議 IEC 61996 (協議後の信号形態)
A.861(20)
船位 5.4.2 4.6.2 GNS/DTM
センテンス 船位 $--GNS,hhmmss.ss,III.II,a,yyyyy.yy,a,c---c,xx,x.x,x.x,x.x,x.x,x.x*hh<CR><LF>
測地系データ $--DTM,ccc,a,x.x,a,x.x,a,x.x,ccc*hh<CR><LF>
2) 上記の基準信号が得られない場合の代わりの参考信号を示す。
記録すべきデータ名 基準 信号仕様 協議後の信号形態
製造業者センテンス NMEA 専有センテンス : 信号電圧 V
船位 IEC 61162 GGA,GLL,RMC等
3) 実態 1)の基準信号がない場合,2)の信号形式を含め確認される信号を記入する。
【確認者名 : 】 【使用資料・図番 : 】 【日付 】
項 目 内 容 備 考
情報源 信号形式
場所
製造会社(情報供給者)
機器型式
インタフェース適用基準
バージョン等の識別
ヘッダ
センテンス詳細
信号出力間隔
入力端子までの電線長
電線の種類・心数
接続
4) 上記1),2)に該当する信号が出ていない(予備の信号も含め)場合は,上記1),2)を参考に出力信
号の仕様を当事者間で決め,協議した仕様を3)に記入する。この時,VDR入力信号の形式(含む代
替信号形式)が分かっている場合は,それに対応した信号を選択する方がよい。
――――― [JIS F 9005 pdf 10] ―――――
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