JIS F 9005:2004 航海情報記録装置の装備に関する指針 | ページ 7

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F 9005 : 2004

8. インタフェース難度判定指標

 SOLAS第V章の20規則では,“主管庁は,Ro-Ro客船を除く2002年
7月1日以前に建造された船舶に対して,現存設備とVDRとのインタフェースが不合理かつ現実的でない
ことが証明される場合は,VDRの装備を免除することができる”と規定しているが,このインタフェース
することが不合理かつ現実的でない事例を挙げ判定の指標とする。
VDRへ信号を供給する機器とVDR本体とのインタフェースの難易度の具体的な判定は,実現するため
の技術レベルと,改造に要する手間と費用が大きな要素となるが,この要因は製品別の開発時期や国際標
準の発効時期,生産ロット,利用者要求による改造等,各製造業者の実態によることが多い。インタフェ
ースの問題は信号を送る側と受ける側の仕様の相違によるものである。相違については次図に示すように
各種の形態があるが,更に,違いがあった場合にどの程度の違いかの正しい判定の根拠を明らかにし,当
事者同士共通の理解をすることと,場合によっては検査当局に,その理由を説明する必要がある。
既存機器との接続に際しては,それらの機器が物理的に接続端子を用意しているか,用意できる場合に,
電気的又はソフトウェア的に対応できるか,その変更,改造によって従来機能に影響を及ぼさないか等等
の技術的な問題と,実施者は誰か,費用負担は誰か,今後も含め品質保証の責任所掌範囲はどう定めるの
か等を明確にして実施する必要がある。解決策基準を設けるとすれば,開発及び市場投入時期,影響度(他
の同一信号受信機器),費用,カタログ表示,マニュアルの性能限界記述等が目安になるのではないかと思
う。このため基礎資料は製品ごとの製造業者提出のデータが必要となる。
インタフェース不具合対策チェックシート
チェック 相違の性質 困難要因・理由 対処方法(記述欄) 結論
1-1 電気的特性 電気的信号源がない
1-2 アイソレーション
1-3 電線長
1-4 電圧・電流レベル
1-5 分解能・直線性・再現性
2-1 ソフトウェア フォーマット
2-2 センテンス
2-3 ビットチェック
2-4 シリアル伝送
2-5 ソフトプログラム
3-1 構造・機構 材料・部品
3-2 ハードウェア 構造・スペース
3-3 型式承認品
4-1 その他 互換性
4-2 同一シリーズ
4-3 同一ロット
4-4 後のメンテナンス
4-5 費用対効果
4-6 型式検定再受検

――――― [JIS F 9005 pdf 31] ―――――

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[VDR入力インタフェース条件]
VDR規定による製 [困難な理由] [変更の可能性]
造者明示との相違
の分類
電気的信号源がない
アイソレーション
電気的特性 電線長
要因 電圧・電流レベル
分解能・直線性・再現性
フォーマット
ソフトウェア センテンス
要因 ビットチェック
シリアル伝送
ソフトプログラム
構造・機構 材料・部品
ハードウェア 構造・スペース
要因 型式承認品
互換性
同一シリーズ
その他の
同一ロット
要因
後のメンテナンス
費用対効果
型式検定再受検
受け入れ 難しい
られる程度か? ができるか?
No
No
確認又は承認者 不可能

――――― [JIS F 9005 pdf 32] ―――――

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附属書1(参考)VDRで使用されるIEC 61162-1及びIEC 61162-2で規定
されているセンテンスの説明
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
1. 承認センテンス(Approved Sentence)共通部説明
承認センテンス(Approved Sentence)共通部説明
1 2 3 4 56 7
$ aaccc , ・・・・・・・・・・・・・・* hh <CR><LF>
ASCII HEX 説明
1 $ 24 センテンスの始まり,スタート区切り記号。
2 aaccc アドレスフィールド
英数字でトーカの識別とセンテンスの形式を示す。最初の2文
字がトーカの識別,次の3文字がデータの型と連続するフィー
ルドの一連の書式を識別するセンテンスの形式コード。同コー
ドは使用者によって読み出しを容易にするために用いられる。
3 “,” 2C フィールドの区切り記号
アドレスフィールドとチェックサムフィールドを除いて各フィ
ールドの先頭に付く。又ヌルフィールドではフィールド内にデ
ータはないことを示す。
4 c---c データセンテンスブロック
アドレスフィールドに続く。送信されるデータのすべてを含む
一連のデータフィールドの並びは固定である。アドレスフィー
ルドの3文字によって識別される。データフィールドは可変長
の場合もある。“,”で区切られている。
5 “*” 2A チェックサムの区切り記号
最後のデータフィールドの後に付く。チェックサムの16進数値
を示す2文字が次に来る。
6 hh チェックサムフィールド
センテンス内の各文字(“$”と“*”を除く)の8データビットにつ
いてExclusive−ORを計算した結果の絶対値。上位4ビットと下位4
ビットをそれぞれ2つのASCII文字で表している。上位ビットが先に
送信される。チェックサムフィールドは必ず挿入する。
7 <CR><LF> 0D0A センテンスの終わり
センテンスのエンド区切り記号

――――― [JIS F 9005 pdf 33] ―――――

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2. 承認センテンス説明
1) DA : 日付と時刻 センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3 4 5 6
ZDA $--ZDA,hhmmss.ss,xx,xx,xxxx,xx,xx*hh<CR><LF>
1 UTC
2 Day (01-31) (UTC)
3 Month (01-12) (UTC)
4 Year (UTC)
5 UTCに対する地域時間差(時)
6 UTCに対する地域時間差(分)
2) NS:GNSSの測位データ センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
GNS $--GNS,hhmmss.ss,III.II,a,yyyyy.yy,a,c---c,xx,x.x,x.x,x.x,x.x,x.x*hh<CR><LF>
1 測位時のUTC
2 緯度
3 N/S
4 経度
5 E/W
6 モード
7 使用衛星数(00-99)
8 HDOP(水平面内精度低下率)
9 アンテナ高さ(平均海面値レベル)
10 地球面誤差(平均海水面と地球だ(楕)円面の差)
11 ディファレンシャルデータの経過時間
12 ディファレンシャル局の識別番号
3) TM : 位置データの参照測地系 センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 34 5 67 8
DTM $--DTM,ccc,a,x.x,a,x.x,a,x.x,ccc*hh<CR><LF>
1 測地系データ(例 : W84→WGS84を示す)
2 測地系補助データ
3 緯度オフセット値
4 N/S
5 経度オフセット値
6 E/W
7 高さの補正値(m)
8 参照測地系データ

――――― [JIS F 9005 pdf 34] ―――――

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4) BW : 対水速力と対地速力 センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
VBW $--VBW,x.x,x.x,A,x.x,x.x,A,x.x,A,x.x,A,*hh<CR><LF>
1 船首尾方向対水船速(ノット)
2 横方向対水船速(ノット)
3 対水速度状態(A : データ有効 又は V : データ無効)
4 船首尾方向対地船速(ノット)
5 横方向対地船速(ノット)
6 対地速度状態(A : データ有効 又は V : データ無効)
7 船尾横方向対水速度(ノット)
8 船尾対水速度状態(A : データ有効 又は V : データ無効)
9 船尾横方向対地速度(ノット)
10 船尾対地速度状態(A : データ有効 又は V : データ無効)
5) DT : 船首方位(真方位) センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2
HDT $--HDT,x.x,T*hh<CR><LF>
1 船首方位(度)
2 True
6) DG : 船首方位(磁気方位,自差と偏差) センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3 4 5
HDG $--HDG,x.x,x.x,a,x.x,a*hh<CR><LF>
1 磁気センサ船首方位(度)
2 自差
3 E/W
4 偏差
5 E/W
7) PT : 水深 センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3
DPT $--DPT,x.x,x.x,x.x*hh<CR><LF>
1 深度(送受信器からの深さ,m)
2 (a)+: 送受信器と海面間距離, (b)-: 送受信器とキール間距離
3 使用レンジの最大値
8) LR : セットした警報の状態 センテンス先頭部と最終部は附属書1の1.を参照。
センテンス 1 2 3 4 5
ALR $--ALR,hhmmss.ss,xxx,A,A,c---c*hh<CR><LF>
1 警報状態変化時のUTC
2 警報番号
3 警報状態(基準値内 又は 基準値オーバー)
4 警報認知(Acknowledge)
5 警報に関する記述(text)

――――― [JIS F 9005 pdf 35] ―――――

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