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F 9101 : 2015 (ISO 25862 : 2009)
5.1 A1形ビナクル
A1形ビナクルは,コンパスの指北装置の磁針がビナクル甲板取付け面の下面より1.0 m以上の高さであ
り,5.1.15.1.5に記載した要件を満たさなければならない。
5.1.1 構造及び材料
5.1.1.1 ビナクル,ヘルメット,箱,ブラケット及び取付けボルトの構造には,十分な強度のある高品質
な非磁性材だけを用いなければならない。
5.1.1.2 船の船首尾線に対する据付誤差を4度以上6度以下で修正できる設備をビナクルに備えていなけ
ればならない。
5.1.2 自差修正装置(クラスBコンパスでも装備されている場合)
5.1.2.1 材料
修正用磁石を使用する場合,それらは高い残留磁気及び11.2 kA/m以上の保磁力をもつ適切な磁性材で
なければならない。
誘導磁界を修正するのに使用する材料は,高い透磁率をもち,低い保磁力及び無視し得る残留磁気をも
つものでなければならない。
組込み式磁石は,中立位置に置くか又は取り外しができるものでなければならない。係数B及び係数C
の修正用の組込み磁石は,傾船差を生じさせてはならない。
5.1.2.2 水平永久磁気に対する修正
ビナクルには,船の永久的な磁気の水平成分による自差を修正するための装置がなければならない。こ
の装置は少なくとも(720/H) 度までの係数Bと,少なくとも(720/H) 度までの係数Cとを修正できなけれ
ばならない(ここでのHは,4.3.4で定義したもの。)。
ビナクルは,どの針路においても,15度の横傾斜又は縦傾斜に対して,磁界を乱して(20/H) 度を超える
偏角を与えるほど,指北装置にこの修正用磁石が近づかないような構造でなければならない。
5.1.2.3 傾船差に対する修正
ビナクルには,傾船差を修正する装置が設置されていなければならない。この装置は,指北装置の磁針
の位置に少なくとも+75 Tから−75 Tの範囲にわたって垂直磁界を与え,修正が可能でなければならな
い。
ビナクルは,どの針路においても,15度の横傾斜又は縦傾斜に対して,磁界を乱して(20/H) 度を超える
偏角を与えるほど,指北装置にこの修正用磁石が近づかないような構造でなければならない(ここでのH
は,4.3.4で定義したもの。)。
5.1.2.4 船内の軟鉄成分に地磁気の水平成分が影響して生じる誘導磁気の水平成分に対する修正
ビナクルには,船内の軟鉄成分に地磁気の水平成分によって生じる誘導磁気が原因となる水平磁界を修
正するための装置が設置されていなければならない。この装置は,係数Dを最大10度まで修正できるも
のでなければならない。
この修正を鉄球で行う場合,ビナクルが垂直に立っているとき,その装置の中心は指北装置の磁針を通
る水平面から15 mm以上の高低差があってはならない。
5.1.2.5 船内の軟鉄成分に地磁気の垂直成分が影響して生じる誘導磁気の水平成分に対する修正
ビナクルには,船内の軟鉄成分に地磁気の垂直成分によって生じる誘導磁気が原因となる水平磁界を修
正するための装置が設置されていなければならない。フリンダースバーを用いている場合,棒の直径の
40 %を超えない中空のものであってもよい。
ビナクルが垂直に立っているとき,その修正装置の磁極が指北装置の磁針の中心と同じ水平面内になけ
――――― [JIS F 9101 pdf 11] ―――――
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ればならない。フリンダースバーを用いている場合,その磁極は,棒の端からその長さの1/12のところに
なければならない。
5.1.2.6 修正装置の位置及び取付け
ビナクルには,5.1.2.25.1.2.4で記載した修正装置の位置を記録するための用意がなされていなければ
ならない。
修正装置は修正後,十分に固定されるようになっていなければならない。
5.1.2.7 消磁装置に対する補償コイル
船に消磁装置が装着されている場合,これによって生じる自差を修正するための補償コイルが取り付け
られるようになっていてもよい。
5.1.3 船首尾線マークの精度
ビナクルに船首尾線マークが施されている場合,それらは船首尾ジンバル軸受の軸から0.5度以内の同
一垂直面になければならない。
5.1.4 照明
ビナクルには,船内電源及び非常灯電源によってカード及び船首指標を照明する適切な手段を備えてい
なければならない。
投影式及び反映式ビナクルにおいては,操舵員の位置で明確にカード及び船首指標の映像が読めるよう
に照明する手段を備えていなければならない。
船内主電源からの灯光を加減する手段を備えていなければならない。
電灯,部品及び給電線は,指北装置に影響を与えてはならない。
5.1.5 その他の要件
ビナクルは,JIS F 0812に規定する次の試験を満たさなければならない。
a) 高温高湿試験
b) 腐食試験(塩水試験)
5.2 A2形ビナクル
このビナクルは,船舶の設計によって大形ビナクルの設置が不可能な場合に,海上航行において使用さ
れる。
ビナクルが次の要件を満たせば,高さに関する要件は特にない。
5.2.1 構造及び材料
十分な強度のある高品質な非磁性材だけを用いなければならない。
5.2.2 自差修正装置の規定
5.2.2.1 材料
修正用磁石を使用する場合,それらは高い残留磁気及び11.2 kA/m以上の保磁力をもつ適切な磁性材で
なければならない。誘導磁界を修正するのに使用する材料は,高い透磁率をもち,低い保磁力及び無視し
得る残留磁気をもつものでなければならない。
5.2.2.2 水平永久磁気に対する修正
ビナクルには,船の永久的な磁気の水平成分による自差を修正するための装置がなければならない。こ
の装置は少なくとも(720/H) 度までの係数Bと,少なくとも(720/H) 度までの係数Cとを修正できなけれ
ばならない(ここでのHは,4.3.4で定義したもの。)。
ビナクルは,どの針路においても,15度の横傾斜又は縦傾斜に対して,(40/H) 度を超える偏角を与える
ほど,指北装置にこの修正用磁石が近づかないような構造でなければならない。
――――― [JIS F 9101 pdf 12] ―――――
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5.2.2.3 傾船差に対する修正
ビナクルには傾船差を修正する装置が設置されていなければならない。この装置は,指北装置の磁針の
位置に少なくとも+75 Tから−75 Tの範囲にわたって垂直磁界を与え,修正が可能でなければならない。
ビナクルは,どの針路においても,15度の横傾斜又は縦傾斜に対して,磁界を乱して(80/H) 度を超える
偏角を与えるほど,指北装置にこの修正用磁石が近づかないような構造でなければならない(ここでのH
は,4.3.4で定義したもの。)。
注記 5.2.2.2及び5.2.2.3で記載した装置によって生じる磁界は,指北装置が動く空間において可能な
限り均一とし,重大な六分円誤差をもたらしてはならない。
5.2.2.4 船内の軟鉄成分に地磁気の水平成分が影響して生じる誘導磁気の水平成分に対する修正
ビナクルには,船内の軟鉄成分に地磁気の水平成分によって生じる誘導磁気が原因となる水平磁界を修
正するための装置が設置されていなければならない。この装置は,係数Dを最大7度まで修正できなけれ
ばならない。
この修正を鉄球で行う場合,ビナクルが垂直に立っているとき,その装置の中心は指北装置の磁針を通
る水平面から15 mm以上の高低差があってはならない。
5.2.2.5 船内の軟鉄成分に地磁気の垂直成分が影響して生じる誘導磁気の水平成分に対する修正
ビナクルには,船内の軟鉄成分に地磁気の垂直成分によって生じる誘導磁気が原因となる水平磁界を修
正するための装置が設置されていなければならない。フリンダースバーを用いている場合,棒の直径の
40 %を超えない中空のものであってもよい。
ビナクルが垂直に立っているとき,その修正装置の磁極が指北装置の磁針の中心と同じ水平面内になけ
ればならない。フリンダースバーを用いている場合,その磁極は,棒の端からその長さの1/12のところに
なければならない。
カードの中心からフリンダースバーの垂直軸までの距離は,磁針の長さの少なくとも3.5倍でなければ
ならない。
5.2.2.6 修正装置の取付け
修正装置は修正後,十分に固定されるようになっていなければならない。
5.2.3 船首尾線マークの精度
据付が正確にできるように船首尾線マークが施されているものとし,それらは船首尾線上のジンバル軸
受の軸から0.5度(クラスBの場合は1.0度)以内でなければならない。
5.2.4 照明
ビナクルには,船内電源及び非常灯電源によってカードを照明する適切な手段を備えていなければなら
ない。投影式及び反映式ビナクルにおいては,操舵員の位置で明確にカードの映像が読めるように照明す
る手段を備えていなければならない。船内電源からの灯光を加減する手段を備えていなければならない。
電灯,部品及び給電線は,指北装置に影響を与えてはならない。
5.2.5 その他の要件(クラスAだけに適用)
ビナクルは,JIS F 0812に規定する次の試験を満たさなければならない。
a) 高温高湿試験
b) 腐食試験(塩水試験)
6 方位測定具[クラスA,及びクラスB(装備する場合)]
方位測定コンパス用の適切な方位測定具を1台備えていなければならない。A1形及びA2形ビナクルの
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場合,方位測定具にかえてビナクルより離れた所に適切な方位盤を備えてもよい。
6.1 方位測定
視野は視線の両側にそれぞれ少なくとも5度とし,水平線の下方5度から上方60度(クラスBの場合,
10度)までの高度の天体の方位,又は遠方物標の方位を測定できるものでなければならない。
要求される精度は,高度5度から50度の間で,附属書Cに記載した方位測定具のグループを満足する
ものでなければならない。
6.2 のぞき窓付方位測定具
水平線の下方5度から上方30度までの高度の遠方物標の方位を測定できるものでなければならない。
6.3 水準器
方位鏡又はプリズム計器は,水準器を備えていなければならない。
この水準器は1度以内の精度でなければならない。
7 表示
次の部品には,表示位置において表11に掲げる情報を表示しなければならない。
表11−表示要件
部品 製造業者名又は製造業者を 部品の製造番号の位置
識別する表示をする場所
磁気コンパス カード カード
バージリング バージリング
ジンバルリング
ビナクル 適切な場所(形表示を伴う。) 必要としない。
方位測定具 方位測定具の上面 方位測定具の上面
使用する液がエチルアルコール以外のものでは,その液名を注液口付近に表示しなければならない。
表示は,型式試験証明書に記載されたものでなければならない(附属書Dに示す。)。
8 形式表示
この規格に準拠する磁気コンパスは,次の順に従って,次の事項を表示しなければならない。
− コンパスの形式(反映式,投影式,方位発信形)
− この規格の番号
− ビナクルの形式
− ミリメートルで表したカードの直径
例 反映式クラスA磁気コンパス,A2形ビナクル付,カード直径180 mm
反映式磁気コンパス JIS F 9101 (ISO 25862)-A2-180
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附属書A
(規定)
船用磁気コンパス,ビナクル及び方位測定具の一般的な試験及び証明
A.1 はじめに
この附属書は,船用磁気コンパス,方位測定具及びビナクルに関する試験及び証明の一般情報を規定す
る。
次の機器の試験及び証明を記載する。
− 附属書Bに規定する磁気コンパス
− 附属書Cに規定する方位測定具
− 附属書Dに規定するビナクル
A.2 試験の適用範囲
附属書B,附属書C及び附属書Dは,型式試験及び個別試験方法を定め,この規格に示す一般仕様に磁
気コンパス,方位測定具及びビナクルが適合していることを述べる必要がある特性の許容限界を記載して
いる。
A.3 試験対象コンパスの形式
試験は,発信装置の有無にかかわらず,全てのクラスA及びクラスBの船用磁気コンパスで行わなけれ
ばならない。操舵コンパスとしてだけに用いるジンバルのないコンパスを除き,全ての磁気コンパスは,
ジンバルリング及び外側ジンバル軸受を付けて試験しなければならない。
A.4 試験条件
対象器具が通常出荷に入る前に,型式試験を行わなければならない。型式試験は新しい装置にだけ行う。
個別試験は,船に設置する前に行わなければならない。また,定期的に及び修理後に行う必要がある。
個別試験用に全ての機器は,試験用に提出するときは,清掃して使用可能な状態にしておかなければなら
ない。
特に指定のない限り,全ての試験は(20±3) ℃の温度で行わなければならない。
A.5 証明
型式試験又は個別試験に合格し,要件を満たしている装置は,試験当局の言語及び英語で証明されなけ
ればならない。
各型式試験証明書は,試験を受けた型式だけに有効である。この規格への適合性に影響する変更又は技
術の改良があった場合,その型式に新しい識別番号又は記号を付け,型式試験をやり直さなければならな
い。全ての変更は,最初の試験機関に提出して,新しい型式試験が必要かどうかを判定してもらわなけれ
ばならない(附属書B,附属書C及び附属書Dの最後の部分の証明書書式参照)。
証明書の写しは,請求があれば発行しなければならない。その場合,“写し”であることを明確に表示し
なければならない。
国家間の型式試験証明書及び個別試験証明書の承認は,双方の合意による。
――――― [JIS F 9101 pdf 15] ―――――
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JIS F 9101:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 25862:2009(IDT)
JIS F 9101:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.70 : 航海及び制御設備
JIS F 9101:2015の関連規格と引用規格一覧
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