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F 9101 : 2015 (ISO 25862 : 2009)
附属書B
(規定)
船用磁気コンパスの試験及び証明
B.1 製造業者又は輸入業者の宣誓書
製造業者は,型式試験中に確認できない要件に関して書面による製造業者又は輸入業者の宣誓書を作成
しなければならない(B.4参照)。製造業者又は輸入業者の宣誓書には,次の要点を含めなければならない。
a) 指北磁石の保磁力及び磁気モーメント
b) コンパス内側の塗料は良質であり,2年間にわたって,−30 ℃+60 ℃の範囲の温度変化,その他
の原因によってコンパスが使用不能になるほど劣化することがほとんどあってはならない(例えば,
目盛の明瞭性は変色又は膨れで損なわれてはならない。)。
c) )で記載した状況下において,コンパス液は,磁気コンパスが使用不能になるほどひどく変色するこ
とがほとんどあってはならない。
d) 強化又は非強化ガラスを上面及び底面のガラス蓋に用いているかどうか,及びその厚さ。ガラスを用
いていない場合は,4.5 mm厚の非強化ガラスと同程度の強度でなければならない。
e) コンパスカードの材料はひずまない。
f) 指北装置の慣性モーメントは,軸針の宝石の座面を通る全ての水平軸の回りでほぼ同じである。
g) 指北装置の磁針の面中心とコンパスの内側ジンバル軸との間の垂直距離。
h) 20 ℃における軸針の支持力。
i) ジンバルリングの内側及び外側の軸受は同じ形式である。
j) 指北装置を形成する,棒磁石の長さ又は輪形磁石の直径。
上記の製造業者又は輸入業者の宣誓書が要件を満たしていることを確認するため,抜取検査を行うこと
がある。
B.2 表示
表11に示す表示であることを確認する。
B.3 磁気コンパス及びジンバルリングの検査及び試験
B.3.1 構造及び材料
B.3.1.1 コンパスボウルの状態
磁気コンパスは,無きずかつ機械的に完全であることを確認するために検査しなければならない。液は
無色で,濁り及び綿状沈殿物があってはならない。液漏れがあってはならない。塗料は,コンパスカード
に塗られたものも含み,ひび割れ又は膨れがあってはならない。
B.3.1.2 非磁性特性(型式試験だけに適用)
製造業者が保証を宣言しているので,サンプル確認だけ必要である。
コンパスボウル及びジンバルは,その非磁性特性の検証のために試験をしなければならない。
B.3.1.3 高温における状態
磁気コンパスは,室温から(60±2) ℃までゆっくり温められ,少なくとも8時間この温度を維持しなけ
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ればならない。この時間後,磁気コンパスには,いかなる機械的損傷,漏れ又は気泡を生じてはならない。
コンパス液及び塗料は,劣化しないものとし,指北装置は変形してはならない。磁気コンパスは満足に作
動し,4.1.6の要件を満たさなければならない。
指北装置は常に軸針に接触していなければならない。
B.3.1.4 低温における状態
クラスA磁気コンパスは,(−30±2) ℃までゆっくり冷やさなければならない。クラスB磁気コンパス
は,(−20±2) ℃までゆっくり冷やさなければならない。いずれの場合も,少なくとも8時間この温度を
維持しなければならない。この時間後,磁気コンパスは機械的損傷,変形,漏れ又は気泡を生じてはなら
ない。ボウル内の液体は凍結,変色及び成分を分離してはならない。液中に綿状沈殿物又は氷を生じては
ならず,また指北装置は変形してはならない。磁気コンパスの機能に低下はないものとし,4.1.6の要件を
満たさなければならない。
指北装置は,常に軸針に接触していなければならない。
B.3.1.5 上面及び底面ガラス蓋の厚さ(型式試験だけに適用)
マイクロメータで測定した上面及び底面ガラス蓋の厚さは,4.1.5の要件を満たさなければならない。こ
れはコンパスを開く必要があるので,他の試験を行った後で行わなければならない。
B.3.1.6 発信装置
発信装置は,方位測定具によるカードの読取り又は方位の測定を妨げてはならない。
B.3.2 コンパスジンバル
B.3.2.1 ジンバル軸の平面(型式試験だけに適用)
ジンバル軸を検査しなければならない。4.1.4に定めたように,1 mmの許容差以内で同一平面になけれ
ばならない。
この試験は,適切な物差しを用いて,固定した水平な基準面から行ってもよい。
B.3.2.2 ジンバル軸の角度及びジンバル軸を通る垂直面の交点(型式試験だけに適用)
軸の角度の測定は,試験台の目盛を用いて行ってもよく,その場合,コンパス支持を回転させることに
よって,ジンバル軸が交互に目盛の中心を通る垂直面に交わる。
ジンバル軸のいずれかに対して垂直な方向におけるコンパス支持の変位を測定することによって,試験
台の上で交点線を判断してもよい。
試験結果は,4.1.4の要件を満たさなければならない。
B.3.2.3 ジンバルリング内の運動の自由度
ジンバルリングが水平面にある場合,コンパスボウルは内側の軸を自由に回転しなければならない。上
面ガラス蓋又はバージリング上の傾斜計を置いて測定してもよい。試験結果は,4.2.1の要件を満たさなけ
ればならない。
B.3.2.4 水平位置
コンパスボウルは,ジンバルリングを水平に固定した場合,バージリング又は上面ガラス蓋が水平面に
あるように平衡が保たれていなければならい。このことは,方位測定具,その他の附属装置又は拡大鏡が
装備されても満足しなければならない。
上面ガラス又はバージリング上に適切な感度のアルコール水準器を置いて測定を行うものとし,結果は,
4.1.7の要件を満たさなければならない。
B.3.2.5 内側ジンバル軸の摩擦
ジンバルリングが水平な位置に保たれ,コンパスボウルを±5度傾けたとき,コンパスボウルは水平面
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から2度以内に戻らなければならない。
試験は,傾斜計又はアルコール水準器を用いて行ってもよい。
B.3.2.6 内側及び外側のジンバル軸受(型式試験だけに適用)
内側及び外側のジンバル軸の軸受は同じ形のものでなければならない。目視検査を行わなければならな
い。
B.3.3 コンパスボウル
B.3.3.1 相対方位リングの目盛(ある場合だけに適用)
標準コンパスに船首を基準とする相対方位の測定のため,度の目盛がある場合は,この目盛は右回りに
360度目盛られていなければならない。このとき,方位測定具を通して見えるゼロは船首の方向を示して
いなければならない。
この目盛は,検査しなければならない。
B.3.3.2 方位リング目盛の偏心誤差(方位リング目盛のある場合だけに適用)
相対方位リングがある場合,その目盛面の中心を通る垂直線は,軸針から0.5 mm以内でなければなら
ない。
コンパスボウルを取り外したとき,試験台の中央に軸針を置き,コンパスボウルを回転させ,試験台の
望遠鏡によって相対方位リングの偏心を観察することによって試験することができる。
もう一つの方法として,目盛の直径を測定し,組み立てた磁気コンパスを試験台に置いて方位誤差を読
み取ることによって試験を行ってもよい。最大許容方位誤差を目盛直径の関数として,表B.1に示す。
表B.1−最大許容方位誤差
目盛直径 最大許容方位誤差
mm 度(°)
115 0.5
142 0.4
190 0.3
280 0.2
B.3.3.3 方位測定具の心合わせの精度(型式試験だけに適用)
方位測定具(ブリッジ形又はリング形)の回転軸と軸針を通るコンパスカードの鉛直回転軸との間の距
離は,0.5 mmを超えてはならない。
方位測定具の構造によって,回転軸は,コンパスの上面ガラス蓋上の刻み目又は中心ボス,バージリン
グの内側又は外側の中心,若しくはコンパスボウルの外周によって規定することがある。
試験は,コンパス試験台上で,水平時にコンパス軸針点を合わせるのに必要な変位,及び試験台の回転
軸と次々に合致する方位測定具の回転軸を測定することによって行ってもよい。
B.3.4 コンパスカードの軸受
B.3.4.1 軸針軸受の高さ(型式試験だけに適用)
軸針点は,内側ジンバル軸を通る水平面から1 mm以上外れてはならない。軸針軸受が垂直支持ばねを
備えている場合,指北装置が完全に液体内にあるときにこの条件を満たさなければならない。
コンパスボウルが開けられているとき,この試験は,コンパス外周を基準面として深さゲージを用いて
行うことができる。
B.3.4.2 指北装置の移動防止
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コンパスボウルに取り付けられている指北装置は,ボウルを逆にした後に正常な姿勢に戻したとき,軸
針上の元の位置に戻るような構造でなければならない。
これは検査によって確認できる。
B.3.4.3 指北装置の傾斜の自由度
指北装置及びコンパスボウルは,コンパスボウルを次の角度でどの方向に傾けても,指北装置が自由に
回転して正常位置に戻るような構造でなければならない。
a) コンパスボウルが外側ジンバル装置をもち,4.3.2に規定する要件を満たす場合 : 10度
b) 4.2.2の要件を満たすその他の場合 : 30度
試験は,傾斜が調整可能な回転プラットフォームを用いて行ってもよい。
B.3.5 船首指標
B.3.5.1 船首指標の数
各磁気コンパスには,船首の方向を示す船首指標(主船首指標)を付けていなければならない。この主
船首指標は,明確に識別できるものとし,船首尾線方向にあるジンバル軸から0.5度以内になければなら
ない。
その他の船首指標は,それぞれ船の船尾線及び横方向を示すものも認められる。これらの船首指標は,
4.1.2に規定する要件を満たさなければならない。
B.3.5.2 船首指標の見やすさ
4.1.2に規定するように,主船首指標は,コンパスボウルが傾いても,操舵位置から船首指標に対してカ
ードが読み取られるような設計のものでなければならない。ジンバル付磁気コンパスの場合,プレート基
線の使用を認める(4.4.3参照)。
4.1.2の試験と併せて,目視検査による試験を行ってもよい。
B.3.5.3 船首指標の幅
船首指標の幅は,カードの目盛の0.5度の幅より大きくてはならない。目視検査による試験を行っても
よい。
注記 救命艇/救助艇用磁気コンパスの船首指標の幅は,H.2.2に規定する。
B.3.5.4 船首指標とカードの外縁との距離
船首指標とカードの外縁との距離は,投影式コンパス以外は1.5 mm3 mmの間としなければならない,
投影式磁気コンパスの場合は,0.5 mm1.5 mmの間になければならない。
この試験は,ボウル外周の上に設置されたミラーゲージを使用するか,又は可動形顕微鏡によるか,磁
気コンパスが分解されている場合は直接測定によって行ってもよい。
半球形磁気コンパスの場合,これは型式試験だけに適用となり,磁気コンパスが解体さている場合に確
認できる。
B.3.6 指北装置
B.3.6.1 コンパスカード
B.3.6.1.1 目盛
カードは,北から始まって上から見て時計回りに360度の目盛を付けなければならない。四方点は“N”,
“S”,“E”及び“W”の大文字で表示されなければならない。四偶点も同様に表示してよい。また,北は
適切な標識で表示してもよい。カードは,表3に示すように数字を記さなければならない。
コンパスカードが両面印刷されている場合,目盛は0.2度の許容差に一致していなければならない。試
験は目視で行わなければならない。
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B.3.6.1.2 カード直径
ビナクル用コンパスカード直径を目視検査する。結果は,4.4.2の要件を満たすものでなければならない。
B.3.6.1.3 読みやすさ
操舵磁気コンパスでは,線の太さ及び数字並びに文字の高さは,正常な視力の人が,昼光でも人工光で
もカードを読み取ることができなければならない。
反映式及び投影式磁気コンパスに対しては,主船首指標が目視できなければならない。
拡大鏡を用いてもよい。
試験は,目視によって行わなければならない。
結果は,4.4.3の要件を満たさなければならない。
B.3.6.1.4 コンパスカードの縁と軸針受との関係(型式試験だけに適用)
バージリングと方位測定具の取付け座が共に水平な場合,カードの目盛の縁,船首指標(一点のとき),
軸針点,外側ジンバル軸は,ボウルに固定されたジンバル軸を通る水平面から全て1 mm以内になければ
ならない。コンパスボウルが開いている場合にだけこの測定を行うことができる。固定基準面から深さゲ
ージを用いて行うことができる。
B.3.6.2 指北装置の磁針
B.3.6.2.1 磁気モーメント
指北装置の磁針の磁気モーメントは,カード直径によって,図1に示す値より少なくてはならない。
試験は,磁力計(偏角法),その他の適切な手段を用いて行ってもよい。
B.3.6.2.2 感応誤差(型式試験だけに適用)
感応誤差は,次による。
a) 指北装置の磁極は,修正装置の影響によって過剰な六分円誤差又は八分円誤差が生じないように配置
されなければならない。この基準は,八分円係数と四分円係数との比H/Dであり,0.08を超えてはな
らない。
試験は,Meldauの4修正法,その他の同等な方法で行わなければならない。
Meldau法を用いて試験する場合,磁気コンパスをスタンド上に装備し,二つの軟鉄修正具は回転中
心に対して直径上の相反する対称位置に置かなければならない。次に,二つの軟鉄修正具を付けた装
置を固定した磁気コンパスの周りを回転させ,係数Dを計算する。
四分円誤差を相殺するため,二つの新たなほとんど同じ修正具を,元の組に対して直角に,中心か
ら同じ距離に置かなければならない。
次に,四つの軟鉄修正具を磁気コンパスの周りに回転させ,係数Hを計算する。
これらの値から,係数Hの係数Dに対する比を得る。
試験結果は,4.5.5 a)の要件を満たさなければならない。
b) 磁針と同一水平面で,指北装置の中心に対し約40 cmの距離で直角に置かれた,長さ50 mm未満の小
磁石によって生じる六分円誤差の係数Fは,半円差の自差係数Bの0.01倍より小さい。
試験結果は,4.5.5 b)の要件を満たさなければならない。
B.3.6.2.3 保磁力(型式試験だけに適用)
指北装置で使用する磁石は,高い残留磁気及び高い保磁力のある適切な磁性材でなければならない。
B.3.6.2.4 鉛直磁束密度が変化したときの傾斜の変化(型式試験だけに適用)
ボウル内で平衡が保たれ,組み立てられている指北装置カードの傾斜は,E-W方向に0.5度,N-S方向
に(0.5+0.03δ)度を超えてはならない。ここでのδは,ある場所ともう一つの場所における鉛直磁束密度
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JIS F 9101:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 25862:2009(IDT)
JIS F 9101:2015の国際規格 ICS 分類一覧
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JIS F 9101:2015の関連規格と引用規格一覧
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