JIS G 0551:2013 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法

JIS G 0551:2013 規格概要

この規格 G0551は、鋼のフェライト又はオーステナイトの結晶粒度を測定するための顕微鏡試験方法について規定。

JISG0551 規格全文情報

規格番号
JIS G0551 
規格名称
鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
規格名称英語訳
Steels -- Micrographic determination of the apparent grain size
制定年月日
1956年1月19日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 643:2003(MOD)
国際規格分類

ICS

77.040.99, 77.080.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 熱処理 2020
改訂:履歴
1956-01-19 制定日, 1959-01-11 確認日, 1961-12-16 確認日, 1968-02-01 確認日, 1971-01-01 確認日, 1974-04-01 確認日, 1977-08-01 改正日, 1983-02-01 確認日, 1988-10-01 確認日, 1994-06-01 確認日, 1998-02-20 改正日, 2003-05-20 確認日, 2005-01-20 改正日, 2009-10-01 確認日, 2013-01-21 改正日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS G 0551:2013 PDF [40]
                                                                                   G 0551 : 2013

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 記号・・・・[3]
  •  5 原理・・・・[4]
  •  6 試験片の採取及び調製・・・・[5]
  •  6.1 試験片の採取・・・・[5]
  •  6.2 フェライト結晶粒界の現出・・・・[5]
  •  6.3 オーステナイト及び旧オーステナイト結晶粒界の現出・・・・[5]
  •  7 結晶粒度の評価方法・・・・[7]
  •  7.1 一般事項・・・・[7]
  •  7.2 結晶粒度標準図との比較による評価方法(比較法)・・・・[7]
  •  7.3 総合判定方法・・・・[8]
  •  8 結晶粒度の表示・・・・[8]
  •  8.1 フェライト結晶粒度の表示・・・・[8]
  •  8.2 オーステナイト結晶粒度の表示・・・・[8]
  •  9 報告・・・・[9]
  •  附属書A(規定)結晶粒度標準図・・・・[10]
  •  附属書B(規定)計数方法による評価・・・・[19]
  •  附属書C(規定)切断法による評価・・・・[23]
  •  附属書JA(規定)熱処理粒度試験方法によるオーステナイト粒界現出方法・・・・[27]
  •  附属書JB(規定)フェライト結晶粒の切断法による評価方法・・・・[30]
  •  附属書JC(規定)混粒組織の評価方法及び表示方法・・・・[32]
  •  附属書JD(規定)フェライト−パーライト混在組織の評価方法・・・・[33]
  •  附属書JE(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[36]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 0551 pdf 1] ―――――

G 0551 : 2013

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
  これによって,JIS G 0551:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS G 0551 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
                                                                              G 0551 : 2013

鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法

Steels-Micrographic determination of the apparent grain size

序文

 この規格は,2003年に第2版として発行されたISO 643を基に,技術的内容を変更して作成した日本工
業規格である。
  なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JEに示す。

1 適用範囲

  この規格は,鋼のフェライト又はオーステナイトの結晶粒度を測定するための顕微鏡試験方法について
規定する。また,この規格は,結晶粒界の現出方法及び一様に結晶粒が分布する試験片の平均結晶粒度の
求め方について規定する。
    注記1 実際の結晶粒の形状は,立体的(三次元)であるため,顕微鏡試料の切断面は,結晶粒の端
            部から最大直径の部分までの任意の箇所になり得る。たとえ結晶粒が完全に同じ大きさであ
            っても,平面上(二次元)に現れる結晶粒の大きさは,ある範囲にばらつく。
    注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
            ISO 643:2003,Steels−Micrographic determination of the apparent grain size(MOD)
              なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
            ことを示す。
    警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の試験室での作業に精通していることを前提とする。
          この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。
          この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する措置をとらなければならない。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS G 0561 鋼の焼入性試験方法(一端焼入方法)
    ISO 3785 Steel−Designation of test piece axes

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
結晶粒(grain)
  顕微鏡観察のために研磨及び調製された試験片の平らな断面上に現出する,多少湾曲した側面を伴う閉

――――― [JIS G 0551 pdf 3] ―――――

2
G 0551 : 2013
じた多角形の形状。結晶粒は,次のように区別する。
3.1.1
オーステナイト結晶粒(austenitic grain)
  面心立方の結晶粒。焼なまし双晶を含むことがある。
3.1.2
フェライト結晶粒(ferritic grain)
  体心立方の結晶粒。焼なまし双晶は含まない。
    注記 フェライト結晶粒は,通常は炭素含有率が0.25 %(質量分率)以下の炭素鋼又はフェライト系
          ステンレス鋼に対して適用している。フェライト結晶粒と同等の寸法のパーライトの島が存在
          する場合は,その島をフェライト結晶粒としている。
3.2
粒度番号(index)
  試験片断面の1 mm2当たりの平均結晶粒数mを用いて,次の式で計算されるGの値。正数及びゼロ又は
負数の場合もあり得る。
                         m   8 2G
    注記 定義に従って,mが16の場合,Gは1となる。結晶粒度標準図との比較による評価方法(比較
          法)においては,0.5単位及び総合判定においては,平均粒度番号を小数点以下一桁で表す場合
          もある。
3.3
捕捉結晶粒数(intercept),N
  直線又は曲線の試験線が通過又は捕捉した結晶の数。試験線が直線の場合,通常,両端は,結晶粒内で
終わる(図1参照)。
    注記 直線の両端部分各々は,捕捉結晶の1/2として計数する。Nは,さまざまな位置で無作為に適
          用した試験線が捕捉した結晶粒の数を多数回計数して得た平均値である。Nを測定に用いた線
          長LTで除することによって単位長さ(通常はmm単位)当たりの捕捉結晶粒数 Nを得る。
                                                                                   L
3.4
交点の数(intersection),P
  結晶粒界と一本の直線又は曲線の試験線との交点の数(図1参照)。
    注記 Pは,さまざまな位置で無作為に適用した試験線と結晶粒界とが交わった回数について,多数
          回計数して得た平均値である。Pを測定に用いた線長LTで除することによって,単位長さ(通
          常はmm単位)当たりの結晶粒界の交点数 Pを得る。
                                                  L
3.5
細粒鋼及び粗粒鋼
  細粒鋼は,粒度番号5以上の鋼。粗粒鋼は,粒度番号5未満の鋼。細粒鋼と粗粒鋼との判定は,特に指
定のない限り,6.3.2(浸炭粒度試験方法)による。
3.6
混粒
  1視野内において,最大頻度をもつ粒度番号の粒からおおむね3以上異なった粒度番号の粒が偏在し,
これらの粒が約20 %以上の面積を占める状態にあるもの,又は,視野間において3以上異なった粒度番号
の視野が存在するもの。

――――― [JIS G 0551 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
                                                                                   G 0551 : 2013
          単相結晶粒組織上の直線による捕捉結晶粒数(N)の計数。ここでは,矢印点16までが結晶粒
        を捕捉していて線の両端部分が結晶粒内で終わっている(2×1/2=1)。したがって,N=7である。
          単相結晶粒組織上の直線による交点の数(P)の計数。ここでは,矢印点7までが交点の数。した
        がって,P=7である。
                         図1−捕捉結晶粒数(N)及び交点の数(P)の例

4 記号

  使用する記号を表1に示す。

――――― [JIS G 0551 pdf 5] ―――――

4
G 0551 : 2013
                                           表1−記号
  記号                                 定義                                       式及び値
  a     平均結晶粒面積(単位 : mm2)                                           1
                                                                             a
                                                                                m
 AF     観察視野の面積(単位 : mm2)
 d      平均結晶粒径(単位 : mm)                                               1
                                                                             d
                                                                                  m
 D                                                                           79.8 mm
        顕微鏡のすりガラススクリーン上の円の直径,又は試験片の試験面の画像を囲い込
        む顕微鏡写真上の円の直径                                             (面積=5 000 mm2)
 g      顕微鏡倍率                                                           通常は100倍
 G      粒度番号
 K      長さ倍率gから長さ倍率100への変換係数                                     g
                                                                             K
                                                                                 100
 l      結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長(単位 : mm)        l /1 NL /1 PL
 L      試験線を倍率で除した長さ(単位 : mm)
 LT     測定に用いた試験線長さを倍率で除した長さ(単位 : mm)
 m      観察した試験面の1 mm2当たりの結晶粒の個数                           m=2n100(倍率 100)
                                                                            m=2K2ng(倍率 g)
 M     gが100でない場合の,最も近い標準図粒度番号
 n1     直径Dの円の中に完全に入っている結晶粒の数
 n2     直径Dの円周と交差している結晶粒の数
 n100   直径Dの円内で試験した結晶粒の等価総数(倍率 100)                            n2
                                                                             n100n1
                                                                                      2
 ng     直径Dの画像上で検査した結晶粒の等価総数(倍率 g)
  N     単位長さL当たりの,捕捉した結晶粒の平均数
  NL    試験線の単位線長さ当たりの,捕捉した結晶粒の平均数                       N
                                                                             NL  TL
 Nx     圧延方向の1 mm当たりの捕捉数
 Ny     圧延直角方向の1 mm当たりの捕捉数
 Nz     厚さ方向の1 mm当たりの捕捉数
  P     結晶粒界と無作為に適用した試験線との交点の数の平均数
  LP
        試験線の単位長さ当たりの結晶粒界の交点の平均数                           P
                                                                             PL  TL
   Nx,Ny及びNzの方向を指定する方法は,ISO 3785による。
    注記 ISO 3785(試験片の軸の定義)は,特に金属材料の延性及びじん(靱)性を測定する試験片に
          対して,その結晶粒の展伸方位及び試験片の位置を定義する方法を提供するために作成された
          ものである。金属材料に座標軸が存在するものと仮定して,金属材料の試験片の方向の指定方
          法を規定している。次に,その主な座標軸の定義について示す。
          a)   軸 : 結晶粒の主展伸方位と一致する方向(圧延方向)
          b)   軸 : 主加工力が働く方向(厚さ方向)
          c)   軸 : X軸及びZ軸に垂直な方向(圧延直角方向)

5 原理

  結晶粒の大きさを,鋼種又はその他の情報によって,適切な方法で処理された試験片の研磨面で,顕微
鏡によって測定する。
  鋼材規格又は受渡当事者間の合意によって結晶粒の現出方法を規定していない場合,結晶粒の現出方法

――――― [JIS G 0551 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
                                                                                   G 0551 : 2013
は,製造業者が決定する。
  平均結晶粒度は,特に指定のない場合,製造業者の任意によって,次のa)又はb)によって測定する。
a) 次に示すいずれかによって得られた粒度番号
  1) 結晶粒度標準図と比較する(7.2参照)
  2) 単位面積当たりの結晶粒の平均数を測定する(計数方法 : planimetric method)(附属書B参照)
b) 結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長(切断法)(附属書C参照)
      結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長から,表B.1によって粒度番号を算出する。
      なお,切断法によるフェライト結晶粒度の測定に,附属書JBを用いてもよい。

6 試験片の採取及び調製

6.1 試験片の採取

  試験片の数及び製品から試験片を採取する箇所が,鋼材規格又は受渡当事者間の合意によって定められ
ていない場合は,これらを製造業者が決める。
    注記 評価する試験片の数を増すと測定精度が良くなることが判明している。したがって,二つ以上
          の切断部分を評価することが望ましい。製品の端,又は試験片を採取するためにせん断加工し
          たものなどに見られる,激しく変形した部分は避け,試験片が製品の大半を代表するように注
          意する。
  試験片の研磨面が鋼材規格又は受渡当事者間の合意によって定められていない場合,研磨面は,圧延方
向,すなわち,製品における主加工方向に平行な面とする。結晶粒が等軸でない場合,横方向断面での測
定は差異を生じる。

6.2 フェライト結晶粒界の現出

  フェライト結晶粒界は,体積分率2 %5 %ナイタル[指定された体積分率の硝酸(質量分率60 %61 %),
以下硝酸という,を含むエタノール溶液],又は適切な腐食液を用いることで現出させる。

6.3 オーステナイト及び旧オーステナイト結晶粒界の現出

6.3.1  一般事項
  常温で単相又は二相のオーステナイト[オーステナイト母相中のデルタ(δ)フェライト]組織をもつ鋼
の場合は,腐食液を用いて,結晶粒界を現出する。
  単相のオーステナイト系ステンレス鋼に対して通常よく使われる腐食液は,グリセレジア(Glyceregia),
カーリング(Kalling)試薬(No.2)及びマーブル(Marble)試薬である。
  単相又は二相のオーステナイト系ステンレス鋼に対する最良の電解腐食の方法は,結晶粒界は現出する
が双晶が現出しないように硝酸中で直流1.4 Vを60120秒負荷することである。
    注記 質量分率10 %しゅう酸水溶液を用い,直流6 Vを60秒まで負荷する方法は,よく用いられる
          が,硝酸を用いる方法より粒界は明瞭ではない。
  常温でオーステナイト組織でない鋼に対しては,次に規定する6.3.2又は6.3.3のいずれかの方法を適用
する。
6.3.2  浸炭粒度試験方法[925 ℃での浸炭によるマッケイドエーン(McQuaid-Ehn)法]
6.3.2.1  適用
  これは,925 ℃で,一定時間保持して浸炭することによってオーステナイト結晶粒を現出する方法であ
る。その他の実際の熱処理条件で形成される結晶を現出する方法としては,適切でないことがある。

――――― [JIS G 0551 pdf 7] ―――――

6
G 0551 : 2013
6.3.2.2  熱処理
  試験片は,脱炭層又は表面のさびを除去する。冷間,熱間,機械的などの前処理が,結晶粒の形状に影
響を及ぼすことがある。これらの事項を特に指定することが望ましい場合は,受渡当事者間によって,測
定前に実行すべきこれらの処理を規定するものとする。
  浸炭剤を充した容器の中に試験片を埋めて封入し,電気炉又はその他の適切な加熱炉に装入して加熱
する。約2時間で925 ℃に昇温し,この温度に6時間保持した後,徐冷し,浸炭層の結晶粒界に過共析セ
メンタイトを析出させる。600 ℃まで30150 ℃/hで徐冷することが望ましい。通常,約1 mmの浸炭層
が得られる。
  浸炭剤は,乾燥した粒状木炭質量分率60 %80 %,炭酸バリウム質量分率40 %20 %混合物を用いる。
ただし,鋼種によっては,これ以外の混合比を用いてもよい。浸炭剤の使用量は,試験片体積の30倍以上
が望ましい。浸炭剤は,その都度,新しいものを使用する。
6.3.2.3  調製及び腐食
  浸炭した試験片を,浸炭表面に直角に切断し,顕微鏡試験用に調製する。その断面を,次のいずれかの
腐食液を用いて腐食させるのが望ましい。
a) アルカリ性ピクリン酸ナトリウムで腐食させる。必要に応じて,電解腐食(直流6 Vで60秒間)を適
    用する。
b) 体積分率2 %5 %ナイタルによって腐食させる。
c)   )又はb)と同一の結果が得られる場合は,ピクリン酸−エタノール溶液又はその他の試薬を使用して
    もよい。
    注記 アルカリ性ピクリン酸ナトリウムの例として“le ChatelierとIgewski”試薬(ピクリン酸2 g,
          水酸化ナトリウム25 g,水100 mL)がある。
6.3.3  熱処理粒度試験方法
  熱処理粒度試験方法には,表2に示す方法がある。これらは,鋼の焼なまし,焼ならし,焼入れ,固溶
化熱処理など実際の熱処理に当たり,最高加熱温度における粒度測定に適用する。各試験方法の詳細を附
属書JAに示す。
                                 表2−熱処理粒度試験方法の種類
        熱処理粒度試験方法の種類                         適用鋼種                      附属書
  ピクリン酸飽和水溶液で腐食する                                                      JA.2参照
                                     主として,0.005 %以上のりんを含むマルテンサイト,焼戻
  Bechet-Beaujard法                  しマルテンサイト及びベイナイト鋼
  初析フェライト法                   主として,炭素含有率0.25 %0.6 %の粗粒炭素鋼      JA.3参照
                                     低合金鋼。例,マンガン−モリブデン鋼,1 %クロム−モ
                                     リブデン鋼,1.5 %クロム−ニッケル鋼
                                                                                      JA.4参照
                                     主として,炭素含有率0.025 %を超える非安定化オーステ
  オーステナイト系ステンレス及びオース
  テナイトマンガン鋼a) の鋭敏化熱処理法
                                     ナイト又は二相ステンレス鋼
  徐冷法                                                                              JA.5参照
                                     主として,炭素含有率中位以上の亜共析鋼。ただし,過共
                                     析鋼の場合は,Accm点以上の温度における粒度を測定する
                                     場合に限る。
  焼入焼戻し法                       主として,機械構造用炭素鋼及び構造用合金鋼       JA.6参照
  一端焼入法                                                                          JA.7参照
                                     主として,焼入性の低い鋼種で,炭素含有率中位以上の亜
                                     共析鋼及び共析鋼
  酸化法                             主として,機械構造用炭素鋼及び構造用合金鋼       JA.8参照
  焼入法                             主として,高速度工具鋼及び合金工具鋼             JA.9参照
  注a) オーステナイトマンガン鋼は,482704 ℃で鋭敏化すると,粒界に微細な炭化物が析出する。

――――― [JIS G 0551 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
                                                                                   G 0551 : 2013

7 結晶粒度の評価方法

7.1 一般事項

  結晶粒度の評価の方法には,結晶粒度標準図との比較(7.2参照)又は単位面積当たりの結晶粒数を計数
して求めた粒度番号(附属書B参照)によって評価する方法と,試験線1 mm当たりの捕捉する結晶粒数
(N)又は交点の数(P)によって評価する切断法(附属書C参照)とがある。
  粒度番号は,切断法で求めた1 mm当たりの平均捕捉結晶粒数( N)又は1
                                                            L      mm当たりの平均交点数( LP)
から結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長(l)を求め,表B.1を用いて求めることがで
きる。
  粒度番号は,3.2に従い,次の式(1)で定義する。
                         m   8 2G   (1)
  式(1)から得られる式(2a)又は式(2b)によって,粒度番号を算出する。
                            log m
                        G         3   (2a)
                            log 2
                            log m
                        G         3   (2b)
                            .0301
                      ここに,    m :  試験片断面の1 mm2当たりの平均結晶粒数
                                  G :  粒度番号

7.2 結晶粒度標準図との比較による評価方法(比較法)

  投影像(又は顕微鏡写真)の試験視野を,結晶粒度標準図又はオーバーレイ[結晶粒度測定用に設計さ
れた接眼鏡の標準図がこの規格又は対応する国際規格(ISO 643)にトレーサブルであれば,利用すること
ができる。]と比較する。倍率が100倍の結晶粒度標準図(附属書A参照)に付けられた,−1(00)から10
までの数字は,粒度番号Gを表す。
  結晶粒度標準図プレートの種類は,測定中に変更しないことが望ましい。
  試験片の試験視野の粒度に最も近い粒度をもつ結晶粒度標準図を決定する。附属書AのプレートIVの
場合は,粒度番号の中間に相当すると認めるとき,低位の粒度番号に0.5を加えるものとする。
  各試験片について,無作為に選択された少なくとも3視野(510の視野数が望ましい。)を評価する。
  投影像又は顕微鏡写真の画像倍率gが100でない場合,粒度番号Gは,次の計算式によって,最も近い
結晶粒度標準図番号Mを倍率比係数で修正した値になる。
                                        g
                        G   M   .664 log     (3)
                                       100
  通常使用する倍率に対する各粒度番号間の関係を表3に示す。
                               表3−画像倍率及び各粒度番号の関係
            画像倍率         標準図番号で識別された画像に対する,金属結晶の粒度番号
               25      −3     −2     −1       0       1       2       3       4
               50      −1       0       1       2       3       4       5       6
              100        1       2       3       4       5       6       7       8
              200        3       4       5       6       7       8       9      10
              400        5       6       7       8       9      10      11      12
              500        5.6     6.6     7.6     8.6     9.6    10.6    11.6    12.6
              800        7       8       9      10      11      12      13      14

――――― [JIS G 0551 pdf 9] ―――――

8
G 0551 : 2013
  なお,フェライト−パーライト混在組織の場合は,受渡当事者間の協定によって附属書JDを適用して
もよい。この場合,表示方法についても受渡当事者間の協定によるものとする。

7.3 総合判定方法

  比較法,計数方法又は切断法によって得た各視野の判定結果から,次の式によって平均粒度番号を算出
し,これを鋼の結晶粒度とする。平均粒度番号は,小数点以下一桁に丸める。
  視野数は,510が望ましい。表4に例を示す。
                                a  b
                        G
                                 b
                      ここに,    G :  平均粒度番号
                                  a :  各視野における粒度番号
                                  b :  同一粒度番号を示す視野数
                                 表4−平均粒度番号算出方法の例
                     各視野における粒度番号 視野数             平均粒度番号
                              a               b        a×b         G
                              6                2        12       65
                                                                     5.6
                              6.5              6        39       10
                              7                2        14
                             合計             10        65
  なお,混粒の場合は,附属書JCによる。

8 結晶粒度の表示

  結晶粒の種類による記号・粒度番号・視野数・最高加熱温度(熱処理粒度試験方法の場合)及び保持時
間を次の8.1及び8.2に従って表示する。混粒の場合の表示方法は,附属書JCに規定する。

8.1 フェライト結晶粒度の表示

8.1.1  フェライト結晶粒度の表示記号
  フェライト結晶粒の記号は次による。
        FG
8.1.2  フェライト結晶粒度の表示例
        FG−3.5(10)       (10視野の総合判定による粒度が3.5の場合)

8.2 オーステナイト結晶粒度の表示

8.2.1  オーステナイト結晶粒度の表示記号
  オーステナイト結晶粒度の表示記号は,オーステナイト結晶粒界の現出方法によって,次の記号を用い
る。
        G    : 製品まま(6.3.1)
        Gc  : 浸炭粒度試験方法[925 ℃での浸炭によるマッケイドエーン(McQuaid-Ehn)法](6.3.2)
        Gb  : ピクリン酸飽和水溶液で腐食を行うBechet-Beaujard法(JA.2)
        Gp  : 初析フェライト法(JA.3)
        Gm  : オーステナイト系ステンレス及びオーステナイトマンガン鋼の鋭敏化熱処理(JA.4)
        Gf  : 徐冷法(JA.5)

――――― [JIS G 0551 pdf 10] ―――――

                                                                                              9
                                                                                   G 0551 : 2013
        Gh  : 焼入焼戻し法(JA.6)
        Gj  : 一端焼入法(JA.7)
        Go  : 酸化法(JA.8)
        Gq  : 焼入法(JA.9)
8.2.2  オーステナイト結晶粒度の表示例
a) 細粒鋼
      Gc8.5(10)   [6.3.2の浸炭粒度試験方法で10視野の総合判定による粒度が8.5(細粒鋼)の場合]
      Gf6.5(10)(920 ℃×l.5 h) [JA.5の徐冷法で920 ℃に1.5時間保持して10視野の総合判定による粒
    度6.5の場合]
b) 粗粒鋼
      Gc3.6(10)   [6.3.2の浸炭粒度試験方法で10視野の総合判定による粒度が3.6(粗粒鋼)の場合]

9 報告

  試験報告書が必要な場合には,次の事項から報告事項を受渡当事者間の協定によって選択する。
a) 試験された鋼材の種類の記号
b) 測定した結晶粒の種類(フェライト又はオーステナイト)
c) 試験方法(結晶粒度標準図による比較法,計数方法又は切断法),操作条件及び評価方法(例えば,手
    動又は自動画像解析)
d) 粒度番号又は結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長
      ただし,粒度番号で報告する場合は,箇条8の表示記号を用いる。

――――― [JIS G 0551 pdf 11] ―――――

10
G 0551 : 2013
                                          附属書A
                                          (規定)
                                      結晶粒度標準図
  この附属書は,結晶粒度標準図を規定する。
    注記 この結晶粒度標準図は,ASTM E 112 Plate I及びIVから引用したものである。通常,浸炭粒度
          試験方法[925 ℃での浸炭によるマッケイドエーン(McQuaid-Ehn)法]にはPlate IVが用い
          られる。

――――― [JIS G 0551 pdf 12] ―――――

                                                                                                                                                                                                                    11
                                                                                                                                                                                                          G 0551 : 2013
                                              粒度番号−1(00)                                                                                              粒度番号0
注記 この標準図は,ASTM E 112 Plate Iによる。
                                                                                     図A.1−結晶粒度標準図プレートI(倍率100)

――――― [JIS G 0551 pdf 13] ―――――

12
G 0551 : 2013
                                                粒度番号0.5                                                                                                 粒度番号1.0
注記 この標準図は,ASTM E 112 Plate Iによる。
                                                                                  図A.1−結晶粒度標準図プレートI(倍率100)(続き)

――――― [JIS G 0551 pdf 14] ―――――

                                                                                                                                                                                                                    13
                                                                                                                                                                                                          G 0551 : 2013
                                                粒度番号1.5                                                                                                 粒度番号2.0
注記 この標準図は,ASTM E 112 Plate Iによる。
                                                                                  図A.1−結晶粒度標準図プレートI(倍率100)(続き)

――――― [JIS G 0551 pdf 15] ―――――

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