JIS G 0551:2013 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法 | ページ 7

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G 0551 : 2013
JA.8 酸化法
あらかじめ研磨仕上げした試験片を,管状電気炉又はその他適切な加熱炉に入れ所定の温度に所定時間
加熱し,必要な時間酸化させた後,取り出して水中に焼入れる。この際,酸化は,加熱時間の最後に行う
ものとし,酸化時間以外の加熱時間中は,被検面を鉄板などで覆って過度の酸化を防止するのがよい。試
験片表面に付着している酸化物を,結晶粒界に形成された網目状の酸化物が保たれるように注意しながら,
細かい研磨剤を使って軽く研磨し除去する。その後,体積分率15 %塩酸−エタノール溶液などの適切な腐
食液を用いて結晶粒界を現出させる。
注記 ISO 643には,コーン(Kohn)法が同等の方法として規定されている。
JA.9 焼入法
任意の大きさの試験片を,所定の焼入温度に所定時間保持した後,速やかに油冷する。冷却後の試験片
の焼入変質層を完全に研削除去した後,試験片の軸と平行な面を研磨仕上げし,ナイタルなどで腐食させ,
結晶粒界を現出させる。

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G 0551 : 2013
附属書JB
(規定)
フェライト結晶粒の切断法による評価方法
JB.1 適用範囲
この附属書は,切断法によるフェライト結晶粒度判定方法を規定する。通常,結晶粒度標準図との比較
によるが,フェライト結晶粒が著しく展伸している場合又は精密を要する場合には,切断法によるのがよ
い。
JB.2 測定方法
腐食面に現れた粒度を顕微鏡で観察するか又は顕微鏡写真に撮影し,一定の長さの直交する二つの線分
で切断されるフェライト結晶粒の数を計数する。
この場合,線分の両端にあって一部分しか切断されないフェライト結晶粒は,一方だけを数え,切断さ
れないフェライト結晶粒が線分の一端だけの場合は,これを数えない。また,1本の線分で切断されるフ
ェライト結晶粒の数は,1視野で少なくとも10個以上になるように顕微鏡の倍率を選定し,総計50個以
上になるまで数視野測定する。
注記 顕微鏡で観察する方法は,目視観察によるほかに,顕微鏡写真上又はすりガラススクリーン上
での観察がある。
次の式によって粒度番号を算出する。粒度番号は,小数点以下一桁に丸める。
2
g I1 I2
n 500
100 L1 L2
log n
G 1 (JB.1)
.0301
ここに, G : 粒度番号
n : 顕微鏡の倍率100倍における25 mm平方中の結晶粒
の数
g : 顕微鏡の倍率
L1(又はL2) : 互いに直交する線分のうち1方向の線分長さの総和
(単位mm)
I1(又はI2) : L1(又はL2)によって切断された結晶粒数の総和
注記 図JB.1は,式(JB.1)のnとGとの関係をグラフにしたものである。
JB.3 各視野における評価方法
各視野における評価方法は,次による。
a) 顕微鏡で測定したフェライト結晶粒の数から式(JB.1)又は図JB.1によって粒度番号を判定する。
b) パーライトなどが多量に混在する場合は,適切な方法1) によって,混在組織とフェライト結晶粒との
面積百分率を求め,次に,切断法によって,腐食面の100倍における25 mm平方中の結晶粒の数を測
定し,これを25 mm平方当たりのフェライト結晶粒の数に換算して,式(JB.1)又は図JB.1によって粒
度番号を判定する。
注1) 点算法,重量法,光電管法,リニアルアナリシス法などがある。

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25 mm平方当たりの結晶粒の数n(倍率100倍において)
図JB.1−粒度番号と結晶粒の数との関係

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G 0551 : 2013
附属書JC
(規定)
混粒組織の評価方法及び表示方法
JC.1 適用範囲
この附属書は,混粒組織の評価及び表示の方法について規定する。
JC.2 評価方法
混粒の場合,大粒部と小粒部との面積割合を目測によって算出し,その総合平均値によって混粒の割合
を判定する。この場合,混粒の程度に応じて,視野数は,判定の結果が信頼し得る程度に十分に多くなけ
ればならない。
JC.3 表示
JC.3.1 一般
7.3の総合判定結果に従い,結晶粒の種類による記号・粒度・視野数・最高加熱温度(熱処理粒度試験方
法の場合)並びに保持時間及び混粒の面積割合を次の例に従って表示する。
JC.3.2 混粒の場合のフェライト結晶粒度の表示例
FG−[3(70 %)+6(30 %) ](10) (10視野全部が混粒で総合判定において粒度3が70 %,粒度6
が30 %ある場合)
JC.3.3 混粒の場合のオーステナイト結晶粒度の表示例
例1 混粒を含む視野が一部ある場合
Gf6.3(13)+[{6.8(67 %)+2.5(33 %)}](7) (920 ℃×1.5h) (附属書JAの徐冷法で920 ℃に1.5時
間保持したとき,視野数20のうち13
視野の総合判定による粒度が6.3で,残
りの7視野が混粒で,粒度6.8が67 %,
粒度2.5が33 %ある場合)
例2 各視野に混粒を含まないが,総合判定において混粒の場合
Gf6.3(3)+2.5(7) (920 ℃×l.5h) (附属書JAの徐冷法で920 ℃に1.5時間保持したとき,
視野数10のうち3視野の総合判定による粒度が6.3で,7
視野の総合判定による粒度が2.5である混粒の場合)
例3 各視野が全部混粒の場合
Gf[{6.8(67 %)+2.5(33 %)}](20) (920 ℃×1.5h) (附属書JAの徐冷法で920 ℃に1.5時間保
持したときの20視野が全部混粒で,総合判
定において粒度6.8が67 %,粒度2.5が33 %
ある場合)

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附属書JD
(規定)
フェライト−パーライト混在組織の評価方法
JD.1 適用範囲
この附属書は,フェライト−パーライト組織が混在する場合の結晶粒度評価方法について規定する。
JD.2 判定方法
フェライト結晶粒にパーライトなどが多量に混在する場合は,混在する状態が帯状又は粒状のものに限
り,混在組織とフェライト結晶粒との面積百分率を目測によって求め,次に,フェライト結晶粒の部分だ
けについて,附属書Aの標準図(プレートI)と比較して,その相当する粒度番号を判定する。
注記 パーライト相混在組織の例を,図JD.1に示す。

――――― [JIS G 0551 pdf 35] ―――――

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JIS G 0551:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 643:2003(MOD)

JIS G 0551:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0551:2013の関連規格と引用規格一覧