JIS G 1211-3:2018 鉄及び鋼―炭素定量方法―第3部:燃焼-赤外線吸収法 | ページ 2

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磁器燃焼ボートは,あらかじめ電気炉に入れて空気中又は酸素中で,使用する磁器燃焼ボートに適した
条件(例えば,1 000 ℃以上で2時間以上)で強熱する。一度に多数強熱した場合は,放冷した後,若干
の余熱をもつ状態から使用直前までグリースなどを塗らないデシケーター中に保存する。
6.5 精製ユニット 不活性セラミックス(粘土焼結粒子)(5.4)を詰めた二酸化炭素吸収管及び過塩素酸
マグネシウム(5.5)を詰めた脱水管を接続して,酸素を精製するもの。

7 試料のはかりとり

  分析試料は,用いる検量線ごとに次に指定される量を1 mgの桁まではかりとる。
a) 試薬又は炭素標準液による検量線のうち,炭素含有率(質量分率)1.0 %以下の場合 : 1 g
b) 試薬又は炭素標準液による検量線のうち,炭素含有率(質量分率)1.0 %超えの場合 : 0.5 g
c) 鉄鋼認証標準物質による検量線を用いる場合 : 採用する検量線作成に用いた鉄鋼認証標準物質のはか
りとり量とほぼ同等となる量。
注記 鉄鋼認証標準物質のはかりとり量は,0.5 g又は1 gとする場合が多い。
炭素及び硫黄を同時に定量できる機能を併置した装置を用い,鉄鋼認証標準物質による検量線を使用す
る場合で,はかりとり量による検量線作成範囲が重複しているときは,硫黄の定量を考慮してはかりとり
量を決めてもよい。

8 操作

    警告1 燃焼分析に関する危険は,多くはるつぼ又は磁器燃焼ボートの事前強熱及び分析の際の火傷
である。全ての場合,燃焼るつぼはさみなどを使用する。使用済みのるつぼ又は磁器燃焼ボ
ートは,高温になっているが,その高温に耐え,かつ,外部に熱の影響を及ぼさない適切な
容器に入れて,放冷する。
警告2 酸素ボンベの操作については,適切な安全対策をとらなければならない。燃焼過程から排出
される酸素は,閉鎖された室の中で酸素濃度が高くなり,火事の危険が増すので,装置から
外気に効果的に放散させる。

8.1 装置の調整

  精製ユニット(6.5)を用いて供給する酸素(5.2)を精製し,待機中は酸素を流さない。ダスト捕集器と
して,石英ガラスウールフィルター又はステンレス鋼網を設ける。必要であれば,これらを清掃又は交換
する。炉室,受台及びフィルタートラップは,付着した酸化物を取り除くため,頻繁に清掃しなければな
らない。
装置を長時間使用しなかった後は,主電源を入れたときに,装置の各部が安定化するまで装置製造業者
が推奨する時間だけ待機する。
炉室を清掃した後,及び/又はフィルターを交換した後,又は装置を長時間稼働させなかった後は,分
析を始める前に分析試料と同種類の数個の試料を燃焼させて装置を安定化させる。
装置に酸素を流してゼロ合わせを行う。
使用する装置が炭素含有率の直読方式の場合は,次のように各検量線範囲に対して装置の読み値を調整
する。
検量線作成用試料の最大炭素含有率に近い炭素含有率の鉄鋼認証標準物質(5.11)を選んで,8.2の手順
に従って操作する。

――――― [JIS G 1211-3 pdf 6] ―――――

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得た読み値を認証値に合わせる。
この調整は,箇条10に規定する検量線の作成の前に行わなければならない。

8.2 定量操作

a) 高周波誘導加熱炉を使用し,試薬又は炭素標準液による検量線を用いる場合
1) すずカプセル(6.2)1個をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ(6.3)に入れ,カプセ
ルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,はかりとった試料(箇条7)及び助燃剤(5.8)を加
える。
2) 1)のるつぼ及び内容物を受台に載せ,燃焼位置まで上昇させて燃焼管を閉じる。
3) 炉の操作は,製造業者の指示書に従う。
4) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて読み値を記録する。
b) 高周波誘導加熱炉を使用し,鉄鋼認証標準物質による検量線を用いる場合
1) はかりとった試料(箇条7)をるつぼ(6.3)に移し入れる。
2) 助燃剤(5.8)をはかりとって1)のるつぼ中の試料の上に載せる。
3) 2)のるつぼ及び内容物を受台に載せ,燃焼位置まで上昇させて燃焼管を閉じる。
4) 炉の操作は,製造業者の指示書に従う。
5) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて読み値を記録する。
c) 管状電気抵抗加熱炉の場合
1) はかりとった試料(箇条7)を磁器燃焼ボート(6.4)に移し入れる。
2) 助燃剤(5.8)をはかりとって1)の磁器燃焼ボート中の試料の上に載せる。
3) 燃焼管の酸素入口部を開いて,試料及び助燃剤の入った磁器燃焼ボートを燃焼管内に入れ,燃焼管
内の適切な位置に挿入し,直ちに気密に閉じる。
4) 適切な量の酸素(5.2)を流し,生成した燃焼生成ガスを酸素とともに赤外線吸収検出器に送り込む。
5) 燃焼及び測定のサイクルが終了した後,磁器燃焼ボートを取り除いて読み値を記録する。

9 空試験

  空試験は,次の手順で行う。空試験は複数回行うことが望ましい。ただし,空試験値が安定している場
合は,空試験は1回だけでよい。
検量線の校正時には空試験を行う。ただし,空試験値が安定している場合は,省略して直近に行った空
試験値で代用してもよい。空試験値は,炭素量として0.005 mgを超えてはならない。また,複数回行った
空試験値間の差が炭素量として0.003 mgを超えてはならない。
空試験値又は複数回行った空試験値間の差が異常に大きい場合には,汚染の原因を調査して排除しなけ
ればならない2)。
注2) るつぼ又は磁器燃焼ボートを酸素気流中で,1 350 ℃で約20分間強熱すると,空試験値又は複
数回行った空試験値間の差が下がる場合がある。
a) はかりとった試料(箇条7)と同量の鉄(5.3)をるつぼ(6.3)又は磁器燃焼ボート(6.4)に入れて,
助燃剤(5.8)で覆う。助燃剤の種類及び量は,試料に加えるものと同一とする。
8.2 a)による場合は,すずカプセル(6.2)1個をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼに
入れて,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄及び助燃剤を加える。
b) るつぼ又は磁器燃焼ボート及び内容物を,8.2 a)の2)4),8.2 b)の3)5)又は8.2 c)の3)5)の手順に
従って操作する。

――――― [JIS G 1211-3 pdf 7] ―――――

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c) 空試験の読み値を,検量線(箇条10)を用いて炭素の質量(mg)に変換する。
空試験値は,空試験によって求めた炭素の質量(mg)から使用した鉄中の炭素の質量(mg)を差し引
いて求める。
鉄の代わりに,炭素含有率(質量分率)が0.001 0 %以下の鉄鋼認証標準物質(5.11)を用いて空試験値
を求めてもよい。
鉄を入れた空試験値と,鉄を入れずに助燃剤だけを入れて求めた空試験値との差が,分析試料の定量値
に影響を及ぼさないレベルであることが確認できた場合は,鉄を入れずに空試験を行ってよい。
空試験値(m0)は,測定した空試験値の平均値とする。

10 検量線の作成

10.1 試薬又は炭素標準液による検量線の作成

10.1.1 炭素含有率(質量分率)が0.003 %以上0.010 %未満の定量の場合
10.1.1.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個の250 mLの全量フラスコを準備し,それぞれに表2に示す量の炭素標準液A(5.9)又は炭素標準
液B(5.10)を移し入れ,二酸化炭素を除いた水(5.1)で標線までうすめる。
ピストン式ピペット(6.1)を用いて,各希釈溶液の100 取して5個の別々のすずカプセル
(6.2)の中に移し入れる。完全に乾燥するまで90 ℃で徐々に蒸発させ,グリースなどを塗らないデシケ
ーター中で常温まで放冷する。
表2−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.003 %以上0.010 %未満対応]
炭素標準液A(5.9)又は希釈溶液中の すずカプセル(6.2)はかりとり試料中
炭素標準液B(5.10)の量 炭素の質量 に入れた炭素の質量 の炭素含有率
mL mg/mL mg [質量分率(%)]
0 a) 0 0 0
1.0 0.10 0.010 0.001
2.0 0.20 0.020 0.002
5.0 0.50 0.050 0.005
10.0 1.00 0.100 0.010
注a) ゼロメンバー
10.1.1.2 測定
10.1.1.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.1.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.1.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.2 炭素含有率(質量分率)が0.010 %以上0.100 %未満の定量の場合
10.1.2.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個の50 mLの全量フラスコを準備し,それぞれに表3に示す量の炭素標準液A(5.9)又は炭素標準液

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B(5.10)を移し入れ,二酸化炭素を除いた水(5.1)で標線までうすめる。
ピストン式ピペット(6.1)を用いて,各希釈溶液の100 取して5個の別々のすずカプセル
(6.2)の中に移し入れる。完全に乾燥するまで90 ℃で徐々に蒸発させ,グリースなどを塗らないデシケ
ーター中で常温まで放冷する。
表3−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.010 %以上0.100 %未満対応]
炭素標準液A(5.9)又は希釈溶液中の すずカプセル(6.2)はかりとり試料中
炭素標準液B(5.10)の量 炭素の質量 に入れた炭素の質量 の炭素含有率
mL mg/mL mg [質量分率(%)]
0 a) 0 0 0
2.0 1.0 0.10 0.010
4.0 2.0 0.20 0.020
10.0 5.0 0.50 0.050
20.0 10.0 1.00 0.100
注a) ゼロメンバー
10.1.2.2 測定
10.1.2.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.2.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.2.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.3 炭素含有率(質量分率)が0.100 %以上1.00 %未満の定量の場合
10.1.3.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個のすずカプセル(6.2)を準備し,それぞれに表4に示す量の炭酸バリウム(5.6)又は炭酸ナトリウ
ム(5.7)を移し入れる。
表4−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)0.100 %以上1.00 %未満対応]
試薬のはかりとり質量 すずカプセル(6.2)
はかりとり試料中
炭酸バリウム(5.6) に入れた炭素の質量
炭酸ナトリウム(5.7) の炭素含有率
mg mg mg [質量分率(%)]
0 a) 0 a) 0 0
16.4 8.8 1.0 0.10
32.9 17.7 2.0 0.20
82.1 44.1 5.0 0.50
164.3 88.2 10.0 1.00
注a) ゼロメンバー
10.1.3.2 測定
10.1.3.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)1.000 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。

――――― [JIS G 1211-3 pdf 9] ―――――

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るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)4)の手順に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.3.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.3.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。
10.1.4 炭素含有率(質量分率)が1.00 %以上4.5 %以下の定量の場合
10.1.4.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
5個のすずカプセル(6.2)を準備し,それぞれに表5に示す量の炭酸バリウム(5.6)又は炭酸ナトリウ
ム(5.7)を移し入れる。はかりとった炭酸バリウム又は炭酸ナトリウムをすずカプセルの中に移し入れる
ことができない場合は,10.1.4.2の測定のときにすずカプセルとともにるつぼの底に直接置いてもよい。
表5−検量線作成用試料[炭素含有率(質量分率)1.00 %以上4.5 %以下対応]
試薬のはかりとり質量 すずカプセル(6.2)
はかりとり試料中
炭酸バリウム(5.6) に入れた炭素の質量
炭酸ナトリウム(5.7) の炭素含有率
mg mg mg [質量分率(%)]
0 a) 0 a) 0 0
82.1 44.1 5.0 1.0
164.3 88.2 10.0 2.0
246.4 132.3 15.0 3.0
369.7 198.6 22.5 4.5
注a) ゼロメンバー
10.1.4.2 測定
10.1.4.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ
(6.3)に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,鉄(5.3)0.500 gを加え,助燃剤(5.8)
で覆う。
るつぼ及び内容物を8.2 a)の2)4)に従って操作し,各試料の読み値を求める。
10.1.4.3 検量線の作成
各試料の炭素の質量(mg)に対して,10.1.4.2で求めた各試料の読み値からゼロメンバー(炭素添加量
がゼロの検量線作成用試料)の読み値を差し引いた値をプロットして,検量線を作成する。

10.2 鉄鋼認証標準物質を用いる検量線の作成

10.2.1 検量線作成用試料の選定
検量線を作成したい炭素含有率範囲に対して,その上下限近傍の含有率を含み,かつ,炭素含有率が段
階的に変化するように,鉄鋼認証標準物質(5.11)を少なくとも4,5個選定する。
注記 検量線作成用試料の選定数は,1桁の含有率範囲で2,3個とする場合が多い。
10.2.2 測定
8.2 b)又は8.2 c)の操作を,試料の代わりに10.2.1で選んだ鉄鋼認証標準物質を用いて行う。また,空試
験(箇条9)も同時に行う。検量線作成用の鉄鋼認証標準物質のはかりとり量は,検量線を作成する炭素
量範囲によって区分する。はかりとり量による検量線作成範囲の区分は,装置の特性を考慮して決める。
炭素及び硫黄を同時に定量できる機能を併置した装置においては,はかりとり量による検量線作成範囲を
重複させてもよい。
10.2.3 検量線の作成
各検量線作成用試料の炭素含有率と,はかりとり量及び空試験に用いた鉄(5.3)の炭素含有率と,はか

――――― [JIS G 1211-3 pdf 10] ―――――

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JIS G 1211-3:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15350:2000(MOD)
  • ISO 9556:1989(MOD)

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