JIS G 1216:1997 鉄及び鋼―ニッケル定量方法 | ページ 2

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(b) この溶液を煮沸近くまで加熱した後,溶液中のニッケル予想量10mgにつき10mlの割合でジメチル
グリオキシム溶液 [2.(18) ] をかき混ぜながら少量ずつ加える。アンモニア水を加えて中和し,さら
に過剰に約2mlを加え,35分間溶液をかき混ぜ,30分間から数時間静置する(4)(5)。
(2) 調製した試料溶液中にコバルト5mg以上を含む場合
(a) 4.1の(1),(2)(b)又は(3)で得た溶液に,くえん酸溶液 [2.(14) ] 又はL (+) -酒石酸溶液を試料はかり
採り量が3.0gのときには30ml,試料はかり採り量が1.0g及び0.50gのときには10ml加えた後,さ
らに溶液中のクロム量0.1gにつき20mlを追加し,水で液量を200mlとする。
(b) アンモニア水を加えて中和し,さらに過剰に約2ml加えた後,酢酸を加えて弱酸性とする。臭素酸
カリウム13gを加え,加熱して液温を80℃に約10分間保持してコバルトを酸化した後,温水で
液量を300mlとする。以下,(1)(b)の操作を行う。ただし,ジメチルグリオキシム溶液 [2.(18) ] は,
溶液中のニッケルとコバルトとの予想合量10mgに対して10mlの割合で加える。
(3) 調製した試料溶液中に銅5mg以上を含む場合 4.1の(1),(2)(b)又は(3)で得た溶液に,L (+) -アスコ
ルビン酸溶液 [2.(16) ] 20mlを加えてかき混ぜ,510分間静置する。くえん酸溶液 [2.(14) ] 又はL (+)
-酒石酸溶液を試料はかり採り量が3.0gのときには30ml,試料はかり採り量が1.0g及び0.50gのとき
には10ml加えた後,さらに溶液中のクロム量0.1gにつき20mlを追加し,さらに10ml過剰に加え,
水で液量を200mlとする。アンモニア水を加えて中和し,さらに過剰に約2ml加えた後,温水で液量
を300mlとする。以下,(1)(b)の操作を行う。ただし,ジメチルグリオキシム溶液 [2.(18) ] は,溶液
中のニッケルと銅との予想合量10mgに対して10mlの割合で加える。
(4) 調製した試料溶液中にコバルト2mg以上及び銅5mg以上を同時に含む場合
(a) 4.1の(1),(2)(b)又は(3)で得た溶液に,くえん酸水素二アンモニウム溶液5mlを加え,水で液量を約
150ml(6)とする。アルミニウム片 [2.(9) ] 約1gを加え,穏やかに加熱して二クロム酸を還元した後,
さらに35分間加熱を続ける。析出した金属銅を残ったアルミニウム片と共に,ろ紙(5種B)を
用いてろ別し,ろ紙及び残さを温水で7,8回洗浄する。ろ液と洗液をビーカー (500ml) に集め,
硝酸10mlを加え,加熱して5,6分間煮沸し,鉄などを酸化する。
(b) くえん酸溶液 [2.(14) ] 又はL (+) -酒石酸溶液を試料はかり採り量が3.0gのときには30ml,試料は
かり採り量が1.0g及び0.50gのときには10ml加えた後,さらに溶液中のクロム量0.1gにつき20ml
を追加し,水で液量を200mlとする。以下,(2)(b)の操作を行う(7)。
注(4) ニッケル含有率が多い試料の場合には,沈殿生成後30分間以上静置して,またニッケル含有率
が少ない試料又は沈殿の生成が不完全と認めた場合には,数時間静置して,沈殿を熟成させる。
(5) 生成した沈殿にジメチルグリオキシムニッケル以外の不純物を含有するおそれのある場合には,
沈殿をろ紙(5種A)を用いてこし分けた後,沈殿を硝酸 (1+2) 30mlで溶解し,ろ紙を温水で
洗浄し,ろ液と洗液を元のビーカーに集め,温水約50ml及びくえん酸溶液 [2.(14) ] 又はL (+)
-酒石酸溶液10mlを加え,水で液量を200mlとする。アンモニア水を加えて中和し,さらに過
剰に約2ml加え,温水で液量を300mlとした後,(1)(b)の操作を行う。ただし,沈殿を静置する
時間は,3060分間でよい。
(6) 注(2)を適用した場合には,過塩素酸濃度が0.51.0mol/lになるように適宜液量を減らす。
(7) 溶液中のコバルト量が25mgの場合には,(2)(b)の操作を行うかわりに,アンモニア水を加え
て中和し,さらに過剰に約2ml加え,温水で液量を300mlとした後,(1)(b)の操作を行ってもよ
い。

――――― [JIS G 1216 pdf 6] ―――――

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4.3 沈殿のひょう量 4.2の(1)(b),(2)(b),(3)又は(4)(b)で得た沈殿を,あらかじめ115±5℃で乾燥して
恒量としたガラスろ過器 (3G) でこし分け,アンモニア性洗浄水 [2.(12) ] で十分に洗浄する。沈殿をガラ
スろ過器とともに115±5℃で約1時間乾燥し,デシケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。恒
量となるまでこの操作を繰り返し,得た質量からガラスろ過器の質量を差し引いてジメチルグリオキシム
ニッケルの質量とする。
5. 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6. 計算 計算は,次のいずれかによる。
(1) 試料中のニッケル含有率が5% (m/m) 未満の場合
m1 m2 .0203 2
Ni 100
m
ここに, Ni : 試料中のニッケル含有率 [% (m/m) ]
m1 : 4.3で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量 (g)
m2 : 5.で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
(2) 試料中のニッケル含有率が5% (m/m) 以上の場合
m1 m2 .0203 2
Ni 100
B
m
250
ここに, Ni : 試料中のニッケル含有率 [% (m/m) ]
m1 : 4.3で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量 (g)
m2 : 5.で得たジメチルグリオキシムニッケルの質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)
7. 許容差 許容差(8)は,附属書1表2による。
附属書1表2 許容差
単位% (m/m)
ニッケル含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.1以上 19.6以下 D [0.002 7× (Ni) +0.004 9] D [0.008 5× (Ni) −0.010 5]
注(8) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4による。nの値は,
室内再現許容差の場合は同一室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した
分析室数である(n=2のとき,D=2.8である)。
また, (Ni) は,許容差を求める試料中のニッケル含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,日本鉄鋼認証標準物質の認証値決定の集計値から,ジメチルグリオキシムニッ
ケル重量法による定量値を集計して解析して求めたものである。

――――― [JIS G 1216 pdf 7] ―――――

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附属書2 ジメチルグリオキシム沈殿分離エニチレンジアミン
四酢酸二水素二ナトリウム・亜鉛逆滴定法
1. 要旨 試料を適切な酸で分解し,くえん酸又はL (+) -酒石酸を加え,アンモニア水でアルカリ性とし
た後,ジメチルグリオキシムを加え,生成するジメチルグリオキシムニッケルの沈殿をこし分ける。沈殿
を硝酸で溶解し,一定量のエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,EDTA2Naという。)を加
えてニッケルとの錯体を生成させ,pHを調節した後,亜鉛標準溶液で過剰のEDTA2Naを滴定する。
2. 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1, 2+100)
(3) 硝酸
(4) 硝酸 (1+2)
(5) 過塩素酸
(6) 過塩素酸 (2+100)
(7) ふっ化水素酸
(8) アンモニア水
(9) アンモニア水 (1+1)
(10) アルミニウム片 約1.73mmの薄片状に切削したもの。
(11) 臭素酸カリウム
(12) 二硫酸カリウム
(13) アンモニア性洗浄水 温水約500mlにアンモニア水1,2滴を加え,かき混ぜる。この洗浄水は,使
用の都度調製する。
(14) 酢酸
(15) くえん酸溶液 くえん酸一水和物500gを水に溶解し,水で液量を1 000mlとする。
(16) (+) -酒石酸溶液 (500g/l)
この溶液は,使用の都度調製する。
(17) (+) -アスコルビン酸溶液 (10g/l)
(18) 酢酸アンモニウム溶液 (200g/l)
(19) くえん酸水素二アンモニウム溶液 (100g/l)
(20) 酒石酸ナトリウム溶液 酒石酸ナトリウム二水和物10gを水に溶解し,水で液量を1 000mlとする。
(21) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム [(CH3)2C2 (NOH)2] 10gをエタノール (95) 1 000ml
に溶解する。
又は,ジメチルグリオキシム5gを水酸化ナトリウム溶液 (20g/l) 250mlに溶解し,水で液量を500ml
とする。
(22) 0.02mol/l EDTA2Na標準溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物
(C10H14N2Na2O8・2H2O) 7.5gをはかり採り,水約100mlに溶解し,溶液を1 000mlの全量フラスコに水
を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液のファクターは,次のようにして決める。

――――― [JIS G 1216 pdf 8] ―――――

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コニカルビーカー (200ml) に0.02mol/l亜鉛標準溶液 [2.(23) ] を正確に25ml取り,水で液量を100ml
とした後,ビュレットを用いて0.02mol/l EDTA2Na標準溶液20.0mlを加える。水酸化ナトリウム溶液
(100g/l) でpHを68に調節し,アンモニア性塩化アンモニウム緩衝液[調製は,JIS K 8001の4.2
表4(試薬溶液)による。]2ml及びエリオクロムブラックT溶液[調製は,JIS K 8001の4.4表8(沈
殿滴定,酸化還元滴定,錯滴定用など)による。]数滴を指示薬として加え,引き続き先のビュレット
を用いて0.02mol/l EDTA2Na標準溶液で滴定し,溶液の色が赤から青に変わった点を終点として
EDTA2Na標準溶液の使用量を求め,次の式によってファクターを算出する。
F2 25
F1
V
ここに, F1 : 0.02mol/l EDTA2Na標準溶液のファクター
F2 : 0.02mol/l 鉛標準溶液のファクター
V : 0.02mol/l EDTA2Na標準溶液の使用量 (ml)
(23) 0.02mol/l亜鉛標準溶液 JIS K 8005で規定する亜鉛をJIS K 8005の4.表1(乾燥条件)に従って処理
した後,その1.31gを0.1mgのけたまではかり採ってビーカー (300ml) に移し入れる。時計皿で覆い,
水約50ml及び塩酸 (1+1) 20mlを加え,更に臭素水5滴を加え,加熱して分解する。引き続き加熱し,
煮沸して臭素を追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,酢酸
20mlを加え,アンモニア水でpHを6.0±0.2に調節する。溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用い
て移し入れ,水で標線まで薄める。この標準溶液のファクターは,次の式によって算出する。
m A
F2
.1307 8 100
ここに, F2 : 0.02mol/l亜鉛標準溶液のファクター
m : はかり採った亜鉛の質量 (g)
A : 亜鉛の純度 [% (m/m) ]
(24) キシレノールオレンジ溶液 調製は,JIS K 8001の4.4表8(沈殿滴定,酸化還元滴定,錯滴定用な
ど)による。
3. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,附属書2表1による。
附属書2表1 試料はかり採り量
ニッケル含有率 試料はかり採り量
% (m/m) g
0.1以上 0.5未満 3.0
0.5以上 2 未満 1.0
2 以上 30 以下 0.50
4. 操作
参考 警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があ
る。過塩素酸の蒸発処理は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で行わなけれ
ばならない。
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) 酸で分解容易な試料 試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸20ml
及び硝酸5mlを加え,加熱して分解する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,引き続き穏
やかに加熱して蒸発乾固(1)する。放冷した後,塩酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して塩類を溶解し,温

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水約50mlを加える。溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,ろ紙と残さを温めた塩酸 (2+100) と温
水で交互に数回洗浄する。ろ液と洗液をビーカー (500ml) に集める(2)。残さは捨てる。
(2) 酸で分解困難な試料
(a) 試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸20ml及び硝酸5mlを加え,
加熱して分解する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,引き続き穏やかに加熱して蒸発
乾固する。放冷した後,塩酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して塩類を溶解し,温水約50mlを加える。
溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,ろ紙と残さを温めた塩酸 (2+100) と温水で交互に数回洗浄
する。ろ液と洗液をビーカー (500ml) に集め,主溶液として保存する。
(b) 残さをろ紙と共に白金るつぼ(30番)に移し入れ,乾燥した後,強熱してろ紙を灰化する。放冷し
た後,二硫酸カリウム約2gを加え,加熱して残さを融解する。放冷した後,融成物を少量の塩酸 (1
+1) 及び温水で溶解し,溶液をろ紙(5種B)でろ過する。ろ紙は,温水で洗浄し,ろ液及び洗液
を先に保存しておいた主溶液に合わせる(2)。残さは捨てる。
(3) 多量のけい素,クロム,銅,コバルトなどを含む試料 試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し
入れ,時計皿で覆い,塩酸20ml及び硝酸5mlを加え,加熱して分解する。時計皿の下面を水で洗っ
て時計皿を取り除き,ふっ化水素酸数滴を加え,さらに過塩素酸を試料はかり採り量が3.0gのときに
は30ml,1.0gのときには20ml,0.50gのときには15ml加え,加熱して過塩素酸の白煙が発生するま
で蒸発する。乾いた時計皿で覆い,クロムが酸化されて二クロム酸になるまで加熱する(3)(4)。放冷し
た後,水を加えて液量を約100mlとし,塩類が溶解するまで加熱して煮沸する。溶液をろ紙(5種B)
を用いてろ過し,ろ紙及び残さを過塩素酸 (2+100) と温水で交互に数回,最後に温水で十分に洗浄
する。ろ液と洗液をビーカー (500ml) に集め,主溶液として保存する。以下,(2)(b)の操作を行う。
注(1) 試料を分解した溶液中に二酸化けい素,その他の残さが認められない場合には,蒸発乾固及び
ろ過操作を省略してもよい。
(2) 試料中のニッケル含有率が5% (m/m) 以上の場合には,溶液を常温まで冷却した後,250mlの全
量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液をニッケル量が1025mg
になるように分取し,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(3) 多量の銅とコバルトを含む試料で,ニッケルの沈殿の生成を4.2(4)の操作に従ってジメチルグリ
オキシムニッケルの沈殿を生成させる場合には,過塩素酸の残量が10ml以下になるまで蒸発さ
せる。
(4) 多量のクロムを含む場合には,過塩素酸の白煙を発生させながら,塩酸を滴加して大部分のク
ロムを二酸化二塩化クロムとして揮散させてもよい。
4.2 ニッケルの沈殿分離 ニッケルの沈殿分離は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) 調製した試料溶液中にコバルト及び銅を含まない場合
(a) 4.1の(1),(2)(b)又は(3)で得た溶液に,くえん酸溶液 [2.(15) ] 又はL (+) -酒石酸溶液を試料はかり
採り量が3.0gのときには30ml,試料はかり採り量が1.0g及び0.50gのときには10ml加えた後,さ
らに溶液中のクロム量0.1gにつき20mlを追加し,水で液量を200mlとする。アンモニア水を加え
て中和し,さらに過剰に約2ml加えた後,温水で液量を300mlとする。
(b) この溶液を煮沸近くまで加熱した後,溶液中のニッケル予想量10mgにつき10mlの割合でジメチル
グリオキシム溶液 [2.(21) ] をかき混ぜながら少量ずつ加える。アンモニア水を加えて中和し,さら
に過剰に約2mlを加え,35分間溶液をかき混ぜ,30分間から数時間静置する(5)(6)。
(2) 調製した試料溶液中にコバルト5mg以上を含む場合

――――― [JIS G 1216 pdf 10] ―――――

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JIS G 1216:1997の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4938:1988(MOD)
  • ISO 4939:1984(MOD)

JIS G 1216:1997の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1216:1997の関連規格と引用規格一覧