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JIS G 1258-1:2014 規格概要
この規格 G1258-1は、鋼中の表1(けい素;マンガン;りん;ニッケル;クロム;モリブデン;銅;バナジウム;コバルト;チタン;アルミニウム;カルシウム;マグネシウム;ひ素;ジルコニウム;亜鉛)に規定する16成分の含有率についてICP発光分光分析方法によって定量する方法のうち,酸分解・二硫酸カリウム融解法について規定。鉄含有率(質量分率)が92%未満の鋼,各成分のうち1成分でも含有率が表1の定量範囲上限値を超える鋼,又は表1に規定されていない成分(炭素など)を質量分率1.0%以上(タングステンは質量分率0.1%以上)含む鋼には適用しない。
JISG1258-1 規格全文情報
- 規格番号
- JIS G1258-1
- 規格名称
- 鉄及び鋼―ICP発光分光分析方法―第1部 : 多元素定量方法―酸分解・二硫酸カリウム融解法
- 規格名称英語訳
- Iron and steel -- ICP atomic emission spectrometric method -- Part 1:Determination of various elements -- Decomposition with acids and fusion with potassium disulfate
- 制定年月日
- 2007年7月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 77.080.10, 77.080.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
- 改訂:履歴
- 2007-07-20 制定日, 2011-10-20 確認日, 2014-02-20 改正日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS G 1258-1:2014 PDF [14]
G 1258-1 : 2014
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[2]
- 3 一般事項・・・・[2]
- 4 要旨・・・・[2]
- 5 試薬・・・・[3]
- 6 ICP発光分光分析装置・・・・[6]
- 6.1 性能基準・・・・[6]
- 6.2 性能基準の調査頻度・・・・[8]
- 7 試料のはかりとり・・・・[8]
- 8 操作・・・・[8]
- 8.1 器具の洗浄・・・・[8]
- 8.2 試料溶液の調製・・・・[8]
- 8.3 発光強度の測定・・・・[9]
- 9 空試験・・・・[9]
- 10 共存成分のスペクトル重なり係数・・・・[9]
- 11 検量線の作成・・・・[10]
- 12 検量線の校正・・・・[10]
- 13 計算・・・・[11]
- 14 許容差・・・・[11]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS G 1258-1 pdf 1] ―――――
G 1258-1 : 2014
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS G 1258-1:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS G 1258の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS G 1258-0 第0部 : 一般事項
JIS G 1258-1 第1部 : 多元素定量方法−酸分解・二硫酸カリウム融解法
JIS G 1258-2 第2部 : 多元素定量方法−硫酸りん酸分解法
JIS G 1258-3 第3部 : 多元素定量方法−酸分解・炭酸ナトリウム融解法
JIS G 1258-4 第4部 : ニオブ定量方法−硫酸りん酸分解法又は酸分解・二硫酸カリウム融解法
JIS G 1258-5 第5部 : ほう素定量方法−硫酸りん酸分解法
JIS G 1258-6 第6部 : ほう素定量方法−酸分解・炭酸ナトリウム融解法
JIS G 1258-7 第7部 : ほう素定量方法−ほう酸トリメチル蒸留分離法
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日本工業規格(日本産業規格) JIS
G 1258-1 : 2014
鉄及び鋼−ICP発光分光分析方法−第1部 : 多元素定量方法−酸分解・二硫酸カリウム融解法
Iron and steel-ICP atomic emission spectrometric method-Part 1: Determination of various elements-Decomposition with acids and fusion with potassium disulfate
序文
この規格は,2007年に制定されたが,その後の適用対象元素の拡大に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1 適用範囲
この規格は,鋼中の表1に規定する16成分の含有率についてICP発光分光分析方法によって定量する
方法のうち,酸分解・二硫酸カリウム融解法について規定する。この方法は,各成分について表1に規定
する範囲の定量に適用する。ただし,鉄含有率(質量分率)が92 %未満の鋼,各成分のうち1成分でも含
有率が表1の定量範囲上限値を超える鋼,又は表1に規定されていない成分(炭素など)を質量分率1.0 %
以上(タングステンは質量分率0.1 %以上)含む鋼には適用しない。
表1−適用分析成分及び定量範囲
適用分析成分 定量範囲[質量分率(%)]
けい素 0.01 以上 0.60 以下
マンガン 0.01 以上 2.00 以下
りん 0.003以上 0.10 以下
ニッケル 0.01 以上 4.00 以下
クロム 0.01 以上 3.00 以下
モリブデン 0.01 以上 1.20 以下
銅 0.01 以上 0.50 以下
バナジウム 0.002以上 0.50 以下
コバルト 0.003以上 0.20 以下
チタン 0.001以上 0.30 以下
アルミニウム 0.004以上 0.10 以下
カルシウム 0.000 5以上 0.005 以下
マグネシウム 0.000 5以上 0.011 以下
ひ素 0.001以上 0.012 以下
ジルコニウム 0.010以上 0.060 以下
亜鉛 0.001以上 0.005 以下
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2
G 1258-1 : 2014
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 1258-0 鉄及び鋼−ICP発光分光分析方法−第0部 : 一般事項
JIS H 1363 アルミニウム合金中のジルコニウム定量方法
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部 : 精確さに関する値の実用的
な使い方
3 一般事項
定量方法に共通な一般事項は,JIS G 1258-0及びJIS K 0116による。
4 要旨
試料を塩酸及び硝酸の混酸で分解した後,溶液をろ過する。残さは,二硫酸カリウム又は硫酸水素カリ
ウムによって融解して,ろ液に合わせる。定量を発光強度法による場合は,この溶液の一部を噴霧してICP
発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に導入し,定量成分の分析線の発光強度を測定する。定量を強度
比法による場合には,この溶液に内標準元素1) としてイットリウムを添加した後,ICP発光分光分析装置
のアルゴンプラズマ中に導入し,定量成分及びイットリウムの分析線の発光強度を測定して,定量成分の
発光強度のイットリウム発光強度に対する比を算出する。
注記 発光強度を測定する分析線については,JIS G 1258-0の5.1に規格群共通規定が記載されてい
る。表2に分析線の例を示す。
注1) 内標準元素及びその添加量については,JIS G 1258-0の5.2に規格群共通規定が記載されている。
表2−分析線の例
単位 nm
測定成分 分析線
けい素 251.61, 288.16
マンガン 257.61, 293.31
りん 178.29, 213.62, 214.91
ニッケル 231.60
クロム 267.72, 276.65
モリブデン 202.03, 281.62, 386.41
銅 324.75, 327.40
バナジウム 292.40, 311.07
コバルト 228.62, 346.35
チタン 334.94, 337.28
アルミニウム 308.22, 394.40, 396.15
カルシウム 393.37
マグネシウム 279.55
ひ素 189.04, 193.70
ジルコニウム 339.20, 343.82
亜鉛 213.86
イットリウム 371.03
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3
G 1258-1 : 2014
5 試薬
試薬は,次による。
カルシウムを定量する場合は,カルシウム含有率ができるだけ低い試薬を選んで使用する。また,カル
シウムの定量に関与する一連の溶液調製に使用する試薬は,全て同一ロットのものを使用する。水は同一
時期に精製したものを使用する。
注記 試薬のうち,標準液については,JIS G 1258-0の5.3に規格群共通規定が記載されている。
5.1 塩酸(1+1,1+2,2+100,1+100)
5.2 混酸(塩酸1,硝酸1,水2)
5.3 鉄 純度の高い鉄で,定量成分の含有率が,各成分の定量範囲下限値の1/10未満であることが保証
されているか,又は定量範囲下限値以下で値が特定されているもの。特定された値としては,妥当性が確
認されていれば,認証値でなくてもよい。ただし,カルシウムについては,その含有率(質量分率)が,
0.000 1 %未満であることが保証されているか,又は0.000 5 %以下でその値が認証されているもの。
5.4 二硫酸カリウム又は硫酸水素カリウム
5.5 イットリウム溶液(Y : 1 mg/mL)
酸化イットリウム(III)(Y2O3)(質量分率99.9 %以上)1.270 gをはかりとってビーカー(200 mL)に
移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)50 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,
時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水
で標線まで薄めてイットリウム溶液とする。
5.6 くえん酸溶液(100 g/L)又はL(+)-酒石酸溶液(100 g/L)
くえん酸一水和物10.9 gを水に溶解し,水で液量を100 mLとするか,又はL(+)-酒石酸10 gを水に溶
解し,水で液量を100 mLとし,くえん酸溶液又はL(+)-酒石酸溶液とする。
5.7 けい素標準液(Si : 250 μg/mL)
1 000 ℃で約1時間強熱した後,デシケーター中で常温まで放冷した二酸化けい素(質量分率99.95 %以
上)0.534 8 gをはかりとって白金るつぼ(30番)に移し入れ,炭酸ナトリウム2.5 gを加えて混ぜ合わせ,
加熱して融解する。放冷した後,白金るつぼを温水100 mLを入れたポリエチレン製ビーカー(200 mL)
中に浸して融成物を完全に溶解し,白金るつぼを水で洗って取り出す。常温まで冷却した後,溶液を1 000
mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めてけい素標準液とする。この標準液は,ポ
リエチレン製容器に入れて保存する。
5.8 マンガン標準液(Mn : 1 mg/mL)
マンガン(質量分率99.9 %以上)1.000 gをはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,
塩酸(1+1)30 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗っ
て時計皿を取り除き,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めてマンガ
ン標準液とする。
5.9 りん標準液(P : 100 μg/mL)
110 ℃で約1時間乾燥した後,デシケーター中で常温まで放冷したりん酸二水素カリウム0.439 3 gをは
かりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,水約100 mLを加えて溶解する。溶液を1 000 mLの全量フラ
スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めてりん標準液とする。
5.10 ニッケル標準液(Ni : 1 mg/mL)
ニッケル(質量分率99.9 %以上)1.000 gをはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,
硝酸(1+1)30 mLを加え,穏やかに加熱して分解し,引き続き加熱して窒素酸化物などを追い出す。常
――――― [JIS G 1258-1 pdf 5] ―――――
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JIS G 1258-1:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1258-1:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1258-0:2007
- 鉄及び鋼―ICP発光分光分析方法―第0部:一般事項
- JISH1363:2003
- アルミニウム合金中のジルコニウム定量方法
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方