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附属書1表1 許容差
単位 % (m/m)
種類 室内再現許容差 室間再現許容差
低炭素フェロモリブデン D (n) 0.14] D (n) 0.18]
高炭素フェロモリブデン D (n) 0.15] D (n) 0.32]
注(5) 許容差計算式中のD (n) は,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4による。nの値は,
室内再現許容差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与
した分析室数である。
参考 この許容差は,モリブデン含有率60.8% (m/m) の低炭素フェロモリブデン及びモリブデン含有
率60.4% (m/m) の高炭素フェロモリブデンの試料を用いて共同実験した結果から求めたもので
ある。
附属書1付図1 還元器
――――― [JIS G 1317 pdf 6] ―――――
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G 1317 : 1998
附属書2(規定) モリブデン定量方法−
8−キノリノールモリブデン重量法 (ISO 4173)
1. 適用範囲
この附属書2は,フェロモリブデン中のモリブデンを,8−キノリノールモリブデン重量法で定量する方
法について規定する。
この方法は,モリブデン含有率50% (m/m) 以上80% (m/m) 以下のフェロモリブデンに適用する。
参考1 原文には,単に“重量法”と記載されているが,JISの定量方法の名称に準拠して“8−キノ
リノールモリブデン重量法”とした。
なお,原文における試薬名は,“8−ヒドロキシキノリン”と記載されているが,IUPAC命
名法に従って,JIS試薬名の“8−キノリノール”を使用した。
参考2 原文には,“フェロモリブデン中に含まれる標準的なモリブデン含有率”と記載されているが,
フェロモリブデンの製品規格に規定されているモリブデンの含有率範囲から具体的に数値を
記載することにした。
2. 引用規格
ISO 3713, Ferroalloys−Sampling and preparation of samples−General rules(脚注1))
参考 原文には,脚注1)として“現在規格案文作成中”と記載してあるが,この規格は,1987年に発
行されている。
3. 原理
試料を分解し,水酸化ナトリウムで鉄を分離する。モリブデンをエチレンジアミン四酢酸二水素二ナト
リウム二水和物(以下,EDTA2Naという。)及びしゅう酸アンモニウムを共存させて,8−キノリノール塩
として沈殿させる。こし分け,乾燥して8−キノリノールモリブデン塩の無水物 [MoO2 (C9H6NO) 2] とし
てひょう量する。
4. 試薬
分析に際しては,特に規定しない限り,認証された分析級の試薬及び蒸留水又はそれに相当する純度の
水だけを使用する。
4.1 硫酸 50% (V/V) 溶液
水400mlを冷却しながら,その中に硫酸( 最一 量ずつ注ぎ入れながら,かき
却し,水で液量を1 000mlとする。
4.2 硝酸 25% (V/V) 溶液
硝酸( 最一 え,水で液量を1 000mlとする。
4.3 ふっ化水素酸 ( 最一
4.4 塩酸 50% (V/V) 溶液
塩酸( 最一 え,水で液量を1 000mlとする。
――――― [JIS G 1317 pdf 7] ―――――
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G 1317 : 1998
4.5 水酸化ナトリウム溶液 (460480g/l)
ポリエチレンビーカーに水酸化ナトリウム460480gをはかり採って加え,ビーカーの外側を流水で冷
却しながら水に溶解し,水で液量を1 000mlとする。この溶液は,ポリエチレン瓶に貯蔵する。
4.6 EDTA2Na溶液 (10g/l)
EDTA2Na10gを水に溶解し,水で液量を1 000mlとする。
4.7 アンモニア水溶液 50% (V/V)
アンモニア水( 最一 え,水で液量を1 000mlとする。
4.8 8−キノリノール溶液 (30g/l) 中性溶液
8−キノリノール3gを酢酸12mlに溶解し,水60mlを加え,約40℃に加熱する。アンモニア水(4.7)を滴
加してこれ以上変化しない沈殿をわずかに生じさせる。次に酢酸を,加え過ぎないように注意して滴加し,
沈殿を再溶解する。冷却し,水で液量を100mlとする。
4.9 硝酸 最一
4.10 塩酸 最一
4.11 しゅう酸アンモニウム
5. 装置及び器具
通常の分析室で使用する装置及び器具を使用する。
6. 試料
試料は,ISO 3713に従って調製された160 田 を通過した粉末のものを使用する。
7. 操作
7.1 試料のはかり採り量
フェロモリブデンは,不均質であるので,160 田 過した試料を更に7580 田
ふる(篩)って,分析にはふるい上及びふるい下を比例配分して使用する。
試料は,75% (m/m) フェロモリブデンの場合は1gを,50% (m/m) フェロモリブデンの場合は1.25gをは
かり採る。
7.2 定量
はかり採った試料(7.1)をポリテトラフルオロエチレン (PTFE) ビーカー (150ml) に移し入れ,硫酸
(4.1)10mlを加え,沸騰しないように加熱する。硝酸(4.9)を試料が分解するまで滴加し,更にその0.5mlを
過剰に加える。ふっ化水素酸(4.3)5mlを加え,硫酸白煙が発生するまで濃縮する。白煙の発生を15分間継
続した後,冷却し,塩酸(4.10)5ml及び硝酸(4.9)5mlを加え,10分間加熱して約50mlに薄める。
トールビーカー(体積650800ml)に水酸化ナトリウム溶液(4.5)50ml及び水50mlを入れ,沸騰させ,
ビーカーの口に漏斗を置く。
注− 75mm漏斗の脚部を,直径約1mmの噴射型にするように引き伸ばしたものが望ましい。
試料溶液を漏斗を通して,沸騰している水酸化ナトリウム溶液が入っているビーカーの中に少しずつ移
し入れる。PTFEビーカーを熱水 (8590℃) で洗浄し,洗液を漏斗に移す。漏斗及びトールビーカーの上
部表面を洗浄し,溶液を23分間沸騰させ,約450mlに薄めて冷却する。
溶液を500mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。元のトールビーカーを乾燥し,全量フ
ラスコ内の溶液を移し入れ,1520分間静置する。
――――― [JIS G 1317 pdf 8] ―――――
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G 1317 : 1998
溶液の一部を乾いた迅速ろ紙を用いてろ過し,その100mlを分取してビーカー (400ml) に移し入れる。
水で液量を約200mlとし,EDTA2Na溶液(4.6)10ml及びしゅう酸アンモニウム(4.11)3gを加える。穏やかに
加熱してしゅう酸アンモニウムを溶解し,室温まで冷却する。塩酸(4.4)及びアンモニア水(4.7)を添加して
pHメーターを使用してpHを4.0に調節する。
溶液を沸騰させながら8−キノリノール溶液(4.8)20mlを添加する。
注− 沈殿の生成は,沸騰溶液中で行うことを原則としている。もし,沈殿の生成が沸騰点以下で行わ
れれば,生成される沈殿は洗浄しにくくなり,最初は高値が得られ,恒量まで乾燥すると(23
日かかる),低値が得られる結果となる。
510分間,8090℃に,ときどきかき混ぜて静置し,質量既知のガラスろ過器(多孔質,510 (こ
の質量をm2とする。)を用い,穏やかに吸引してろ過する。ビーカー壁に付着した沈殿は,ゴム付きガラ
ス棒でこすり落とし,ろ過器に移し,ろ過器内の沈殿を熱水 (8090℃) 約100mlで洗浄する。
参考 原文の表現では,理解しにくいのでこの文章を追加した。
注− ろ過をしている間,つねに,ろ過器の半分程度を溶液で満たしておく必要がある。このことは,
ろ過器の洗浄を効率的にし,しかも可溶性塩類を含まない沈殿とするためである。
− 夜間,125℃で乾燥し,冷却した後,ひょう量する。再び乾燥して恒量とし,8−キノリノール
モリブデン塩の無水物として質量を測定する。この質量をm1とする。
参考 原文の表現では,理解しにくいのでこの文章を追加した。
注 −ガラスろ過器の取扱い及び冷却については,次のような処置をするのがよい。
a) 吸引洗浄した後,ろ過器の外壁は,熱水で洗浄し,ろ紙の上に置いて乾燥し,この時点から
素手で触らないようにする。ろ過器は,ピンセットで取り扱うか又は手袋をはめた手で最短
期間取り扱うようにする。
b) 乾燥器で乾燥した後,空のろ過器及び8−キノリノール塩を含むろ過器を適切なデシケータ
ーの中に置き,ひょう量前に1時間室温に静置する。
c) ろ過器は,使用する前に熱水,硝酸(4.2),最後に水で数回洗浄し,125℃で乾燥する。適切な
デシケーター中で室温まで放冷して,恒量となったことを確認して質量既知のろ過器として
使用する。
参考 質量既知のろ過器を理解しやすくするために,この文章を追加した。
使用した後のろ過器は,水流で沈殿の固形物を取り除き,硫酸(4.1)が510ml入っている小型ビーカー
に移し入れ,硝酸(4.9)をろ過器に満たす。ビーカーを加熱し,硫酸白煙が発生するまで濃縮し,冷却する。
ろ過器をビーカーから取り出し,熱水約100mlを穏やかに吸引してろ過器を通す。洗浄したろ過器は,上
述a)及びb)のように処理する。
8. 結果の表示
試料中のモリブデン含有率 [% (m/m) ] を,次の式によって算出する。
(m1−m2 ) 23.05
m0
ここに, m1 : 8−キノリノールモリブデン塩の無水物を含むガラスろ過器
の質量 (g)
m2 : 使用したガラスろ過器の質量 (g) [注c)参照]
m0 : 最終的に分取した溶液中の試料の質量 (g)
――――― [JIS G 1317 pdf 9] ―――――
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G 1317 : 1998
参考 原文の表現では理解しにくいので,この表現を追加した。
9. 再現精度
この方法の共同実験は,異なった7分析室で実施した。各分析者が2個の試料について5回の分析を行
った。得られた結果から,95%信頼限界 (2s) を求めて表示した。
表−アロイの品種に応じた再現精度
アロイの品種 モリブデン含有率 標準偏差 室間再現許容差
% (m/m) Sb Sw 指標2s
50% (m/m) フェロモリ 50.33 0.081 0.090 0.24
ブデン
75% (m/m) フェロモリ 75.34 0.085 0.100 0.26
ブデン
10. 試験結果の報告
試験結果の報告書には,次の情報を記載する。
a) この附属書に準拠した事項
b) 試料の識別に関する事項
c) 分析結果
d) 定量時に注目された非定常的な事項
e) この附属書に規定されていない操作又は任意的な操作の詳細な事項
――――― [JIS G 1317 pdf 10] ―――――
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JIS G 1317:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4173:1980(MOD)
JIS G 1317:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1317:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1301:2016
- フェロアロイ―分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則