この規格ページの目次
4
H 1610 : 2008
の大きさ以上の量を採取する。この場合,ベルトの進行方向に幅60 mm以上で,ベルトの全流幅にわ
たって全量を1インクリメントとして採取する。ただし,全流幅を採取できない場合には,ベルト上
又はその落ち口において,全流幅の中でランダムな位置を選び,規定のインクリメント採取用具によ
ってインクリメントを採取する。
6.2.6 インクリメントのまとめ方
1ロット分のすべてのインクリメントを集めて大口試料とする。
なお,インクリメントごとに縮分した後,これらを集めて大口試料としてもよい。この場合の縮分方法
は,6.3.1による。
6.3 試料調製方法
6.3.1 試料の縮分方法
試料の縮分方法は,次のいずれかの方法又は両方法の併用による。
a) 二分器による方法
1) 試料の粒度に応じ,通常,表1に規定する二分器の種類を選定する。
二分器の形式,寸法及び構造は,JIS M 8100の6.5.3(二分器による方法)の (2) 及び付図3(二
分器の形式と寸法)による。
表1−試料の粒度及び二分器の種類
単位 mm
試料全量通過の粒度 二分器の種類 溝の幅
22.4を超え 31.5以下 60号 60±1
16.0を超え 22.4以下 50号 50±1
10.0を超え 16.0以下 30号 30±1
5.00を超え 10.0以下 20号 20±1
2.80を超え 5.00以下 10号 10±0.5
2.80以下 6号 6±0.5
2) 試料を混合して試料供給容器に入れ,二分器の本体に均一に落下させ,試料を2分割する。
そのいずれか一方をランダムに選んで縮分後の試料とする。
b) 縮分機による方法 縮分機は,JIS M 8100の附属書7(縮分機の偏り及び精度をチェックする実験方
法)によって,精度が十分であること及び偏りがないことを確認しておく。
6.3.2 試験室試料Aからのブリネル硬さ測定用試料及び分析用試料の調製方法
試験室試料Aは,ブリネル硬さの測定並びにナトリウム,マグネシウム及び塩素以外の化学成分の分析
に用いる。ブリネル硬さ測定用試料及び分析用試料の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.1 c) で得た試験室試料AをJIS H 0511の5.1 b)[非消耗電極式不活性ガスアーク溶解法(円柱状試
料の調製)]によってアーク溶解するか又は5.1 c)[プラズマアーク溶解法(円柱状試料の調製)]に
よって溶解する。得た円柱状試料の上面及び下面をそれぞれ10 mm以上切断して除去する。
b) ) で得た,上面及び下面を切断除去した円柱状試料から,2 mm以上,5 mm以上及び15 mm以上の
厚さでそれぞれ1枚の試料を切り出し,それぞれ窒素・炭素・水素・酸素の分析,蛍光X線分析及び
/又は発光分光分析並びにマンガンなどの分析用試料とする。残部をブリネル硬さ測定に用いる(図
2参照)。
――――― [JIS H 1610 pdf 6] ―――――
5
H 1610 : 2008
単位 mm
10
a
60
e
a : 切断除去部
50
b : 窒素・炭素・水素・酸素の分析に用いる
d
1
部分
c : 蛍光X線分析及び/又は発光分光分析に
2 5
c 用いる部分
b 0 d : マンガンなどの分析に用いる部分
a
1
e : ブリネル硬さ測定に用いる部分
図2−円柱状試料からの試料切り出しの例
c) 水素分析用試料は,b) で得た試料を適切な工具を用いて一辺が5 mm以下のブロック又は直径5 mm
以下の円柱状に切り出した後,次の手順によって研磨する。
1) あらかじめチタンでこすった中目若しくは細目のやすり又は研磨紙(布)で新しい面が出るまで研
磨する。この場合,摩擦熱によって試料の温度が上がらないように,一定方向にゆっくりと研磨す
る。
2) 研磨した試料をアセトン中で超音波洗浄する。
3) 洗浄した試料は,送風乾燥してアセトンを除去した後,はかり瓶などに入れてデシケーター中に保
存する。
d) 炭素・窒素・酸素分析用試料並びに7.3.2及び8.3.2によってチタン合金鋳塊及び/又はチタン合金加
工材から採取する硫黄分析用試料は,b) で得た試料を適切な工具を用いて一辺が5 mm以下のブロッ
ク又は直径5 mm以下の円柱状に切り出し後,c) 又は次の手順によって研磨する。
1) 試料を,硝酸 (1+1) 100 mLと,ふっ化水素酸5 mLとの混酸に,約20 ℃で約50秒間浸して研磨
する。
2) 研磨した試料を,超音波洗浄器を用いて水,エタノール及びアセトン中で1分間ずつ順次洗浄する。
3) ) 3) に従って試料を保存する。
e) マンガンなどの分析用試料は,b) で得た試料を旋盤を用いて切削する。この場合,回転数毎分300
500回及び切削速度毎分3040 mmを標準とする。
なお,旋盤を用いる代わりにボール盤を用いてドリリングしてもよい。この場合には,回転数毎分
145150回及び削り速度毎分1.55.0 mmを標準とするが,二酸化炭素雰囲気中又はアルゴン雰囲気
中でドリリングするなど変質しないような特別な方法を用いる場合には,回転数及び削り速度を増加
してもよい。
f) ブリネル硬さ測定用試料は,b) で得た試料をJIS H 0511の箇条5(硬さ測定用試料の調製方法)によ
って調製する。ただし,JIS H 0511の5.1 a)[非消耗電極式不活性ガスアーク溶解法(ボタン状試料の
調製)]によって硬さを測定するときは,a) で得た試験室試料Aから100 gのボタン状試料を2個又
は4個調製する。
――――― [JIS H 1610 pdf 7] ―――――
6
H 1610 : 2008
g) 蛍光X線分析用試料の調製は,切断機を用いてディスク状に切断する。切断加工した試料の分析面を,
研磨ベルト(粒度はJIS R 6256のP60以上のもの)で研磨する。
なお,切削機械で表面を仕上げてもよい。
6.3.3 試験室試料Bからの分析用試料の調製方法
試験室試料Bは,ナトリウム,マグネシウム及び塩素の分析に用いる。
なお,窒素,けい素及びマンガンの分析にも用いることができる。
試験室試料B及び分析用試料の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.1 c) で得た試験室試料Bを粒度が偏らないように注意して清浄なダイスに入れ,上部からパンチを
差し込み,圧縮機によって約300520 MPaに達するまで圧縮した後,圧縮塊をダイスから取り出す。
ただし,ダイスと試料が接触する部分は,すべてエタノール又はアセトンで清浄にしなければならな
い。また,圧縮塊は,素手,汚れた器具などでつかんではならない。
b) ) で得た圧縮塊を旋盤を用いて切削し,圧縮塊の表面部分約5 mmまでの切粉は捨てる。引き続き圧
縮塊の質量の1/4以上の切粉が得られるまで切削する。この場合には,回転数毎分200400回及び切
削速度毎分2040 mmを標準とする。
なお,旋盤で切削する代わりにボール盤でドリリングしてもよい。この場合には,回転数毎分145
150回及び削り速度毎分1.55.0 mmとし,圧縮塊の表面部分約5 mmは捨て,ドリルの先端が圧縮
塊の底部から約5 mmに達するまでの切粉を試料とする。二酸化炭素雰囲気中又はアルゴン雰囲気中
でドリリングするなど変質しないような特別な方法を用いる場合には,回転数及び削り速度を増加し
てもよい。また,切粉の質量が圧縮塊の質量の1/4となるようにドリルの直径及びドリリングの数を
定める。
c) ) で得た切粉をステンレス鋼製容器に移し入れ,よく混ぜ合わせる。ただし,切粉が多量のときには,
JIS M 8100の6.5.3(二分器による方法)又はJIS M 8100の6.5.4(円すい四分方法)によって縮分す
る。また,切粉の径が4 mmを超えた場合には,粉砕機を用いて試料を粉砕する。このときは,使用
する粉砕機の内面部分にさびがないことを確認し,試料を供給する前に内部を清掃する。前回粉砕し
た試料と異なるロットの試料を粉砕する場合には,あらかじめ,今回粉砕するロットから別に採取し
た適切な量の試料を粉砕機に通して粉砕機内面を共洗いすることが望ましい。さらに,粉砕機の発熱
などによって,試料が変質しないようにする。
7 チタン及びチタン合金鋳塊のサンプリング方法
7.1 試料採取位置
試料採取位置は,製品の品質を代表する箇所とする。
7.2 試験室試料の採取方法
採取位置の表層部を旋盤,シェーパなどで分析する成分の分析精度に影響しない深さまで切削して除去
した後,次のいずれかの方法によって試験室試料を採取する。
a) 切削法 旋盤,フライス盤,シェーパなどを用いて,切削して試験室試料とする。
b) コアドリル法 ドリル直径4070 mm,コア径515 mmのコアドリルを用いて切削して試験室試料
Cとする。コア部は,たがねなどで切り取って,ブロック状の試験室試料Dとする。
c) ドリリング法 平ドリルなどを用いて,ドリリングして試験室試料とする。
d) チッピング法 チッパーを用いてチッピングして試験室試料とする。
――――― [JIS H 1610 pdf 8] ―――――
7
H 1610 : 2008
7.3 分析用試料の調製方法
7.3.1 水素及び酸素の分析用試料
7.2のa) 若しくはd) によって採取した試験室試料又はb) によって採取した試験室試料Dから,適切
な工具を用いて,一辺が5 mm以下のブロックを切り出した後,水素の分析用試料は,6.3.2 c) によって研
磨を行い,酸素の分析用試料は,6.3.2 d) によって研磨を行う。
7.3.2 水素及び酸素以外の化学成分分析用試料
7.2のa),c) 若しくはd) によって採取した試験室試料又はb) によって採取した試験室試料Cは,必要
があれば適切な工具を用いて切断する。
なお,炭素,窒素及び硫黄の分析用試料は,7.3.1で切り出したブロックを6.3.2 d) によって研磨しても
よい。
7.3.3 蛍光X線分析用試料及び/又は発光分光分析用試料
7.2 b) によって採取した試験室試料Dを蛍光X線分析用試料及び/又は発光分光分析用試料とする。
なお,7.2 a) によって採取した試験室試料又は7.2 b) によって採取した試験室試料Cが35 g以上得られ
た場合には,6.3.2 a) によってアーク溶解して円柱状試料を作製し,蛍光X線分析用試料及び/又は発光
分光分析用試料としてもよい。
8 チタン及びチタン合金の加工材のサンプリング方法
チタン及びチタン合金の加工材のサンプリング方法は,次による。
8.1 試料採取位置
試料採取位置は,製品の品質を代表する箇所とする。
8.2 試験室試料の採取方法
表面の付着物をエタノール,アセトンなどで清浄にし,必要があれば,更にブラシなどで表面の酸化物
などを除いた後,次のいずれかの方法によって採取する。
a) 切削法 7.2 a) による。
b) コアドリル法 7.2 b) による。
c) ドリリング法 7.2 c) による。
d) チッピング法 7.2 d) による。
e) 切断法 切断機,金ばさみなどを用いて適切な大きさに切断して試験室試料とする。
なお,この方法は,板,線などの試料の採取に適用する。
8.3 分析用試料の調製方法
8.3.1 水素及び酸素の分析用試料
8.2のa),d) 若しくはe) によって採取した試験室試料又はb) によって採取した試験室試料Dから,適
切な工具を用いて,一辺が5 mm以下のブロックを切り出した後,水素分析用試料は,6.3.2 c) によって研
磨を行い,酸素分析用試料は,6.3.2 d) によって研磨を行う。ただし,炭素,窒素及び硫黄の分析には,
8.3.2の分析用試料を用いてもよい。
8.3.2 水素及び酸素以外の化学成分分析用試料
8.2のa),c),d) 若しくはe) によって採取した試験室試料又はb) によって採取した試験室試料Cを,
必要があれば適切な工具を用いて切断する。ただし,8.2 e) によって採取した試験室試料は切断しなくて
もよい。
なお,炭素,窒素及び硫黄の分析用試料は,8.3.1で切り出したブロックを,6.3.2 d) によって研磨して
――――― [JIS H 1610 pdf 9] ―――――
8
H 1610 : 2008
もよい。
8.3.3 蛍光X線分析用試料及び/又は発光分光分析用試料
8.2 b) によって採取した試験室試料D又は8.2 e) によって採取した試験室試料を蛍光X線分析用試料及
び/又は発光分光分析用試料とする。
9 チタン及びチタン合金鋳物のサンプリング方法
9.1 試料の採取方法
試料の採取方法は,次のいずれかによる。
a) 溶湯から製品を鋳込む場合には,別に準備した小形の鋳型に流し込んで冷却した後,鋳型を外し,試
料とする。
b) 製品の鋳型の一部に棒状の空げき(隙)を設け,溶湯を鋳込んで冷却した後,棒状部分を切り出し,
試料とする。
9.2 試験室試料の採取方法
9.1で得た試料の鋳肌を旋盤,シェーパなどで切削加工して除去し,必要があれば,表面の付着物をエタ
ノール,アセトンなどで清浄にした後,次のいずれかの方法によって採取する。
a) 切削法 7.2 a) による。
b) コアドリル法 7.2 b) による。
c) ドリリング法 7.2 c) による。
d) チッピング法 7.2 d) による。
e) 切断法 切断機などを用いて適切な大きさに切断して試験室試料とする。
9.3 分析用試料の調製方法
9.3.1 水素及び酸素の分析用試料
9.2のa),d) 若しくはe) によって採取した試験室試料又はb) によって採取した試験室試料Dから,適
切な工具を用いて,一辺が5 mm以下のブロックを切り出した後,水素分析用試料は,6.3.2 c) によって研
磨を行い,酸素分析用試料は,6.3.2 d) によって研磨を行う。
9.3.2 水素及び酸素以外の化学成分分析用試料
9.2のa),c),d) 若しくはe) によって採取した試験室試料,又はb) によって採取した試験室試料Cを
適切な工具を用いて切断する。
なお,炭素及び窒素の分析用試料は,9.3.1で切り出したブロックを,6.3.2 d) によって研磨してもよい。
9.3.3 蛍光X線分析用試料及び/又は発光分光分析用試料
9.2 b) によって採取した試験室試料D,又は9.2 e) によって採取した試験室試料を蛍光X線分析用試料
及び/又は発光分光分析用試料とする。
JIS H 1610:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.50 : チタニウム及びチタニウム合金
JIS H 1610:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0511:2015
- チタン及びチタン合金―スポンジチタンのブリネル硬さ試験方法
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISM8100:1992
- 粉塊混合物―サンプリング方法通則
- JISR6256:2006
- 研磨ベルト