JIS H 1612:1993 規格概要
この規格 H1612は、チタン及びチタン合金中の窒素定量方法について規定。
JISH1612 規格全文情報
- 規格番号
- JIS H1612
- 規格名称
- チタン及びチタン合金中の窒素定量方法
- 規格名称英語訳
- Methods for determination of nitrogen in titanium and titanium alloys
- 制定年月日
- 1961年8月1日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 77.120.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 金属分析 II 2019
- 改訂:履歴
- 1961-08-01 制定日, 1964-08-01 確認日, 1968-04-01 確認日, 1971-05-01 確認日, 1973-07-01 改正日, 1976-08-01 確認日, 1979-07-01 確認日, 1984-10-01 確認日, 1990-04-01 確認日, 1993-11-01 改正日, 1998-10-20 確認日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS H 1612:1993 PDF [10]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
H 1612-1993
チタン及びチタン合金中の窒素定量方法
Methods for determination of nitrogen in titanium and titanium alloys
1. 適用範囲 この規格は,チタン及びチタン合金中の窒素定量方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 1611 チタンの分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS Z 2613 金属材料の酸素定量方法通則
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS H 1611による。
3. 定量方法の区分 窒素定量方法は,次のいずれかによる。
(1) アンモニア蒸留分離アミド硫酸滴定法 この方法は,窒素含有率0.002% (m/m) 以上0.10% (m/m) 未
満の試料に適用する。
(2) 不活性ガス融解−熱伝導度法 この方法は,窒素含有率0.005% (m/m) 以上0.03% (m/m) 未満の試料
に適用する。
4. 試料の調製 試料の調製は,次のいずれかによる。ただし,塊の場合には,やすり研磨又は化学研磨
を用い,切粉の場合には化学研磨を用いる。
(1) やすり研磨
(a) あらかじめチタン又はチタン合金でこすった中目又は細目のやすりで新しい面が出るまで研磨する
(1)。
注(1) 摩擦熱によって試料の温度が上がらないように,ゆっくりとやすり研磨する。
(b) やすり研磨した試料を,アセトン中で超音波洗浄する。
(c) 洗浄した試料は,送風乾燥してアセトンを除去した後,はかり瓶などに入れてデシケーター中に保
存する。
(2) 化学研磨
(a) 試料を硝酸 (1+1) 100mlとふっ化水素酸5mlとの混酸に,約20℃で,切粉の場合には10秒間,塊
の場合には約50秒間浸す。
(b) 化学研磨した試料を,超音波洗浄器を用いて,水,エタノール及びアセトン中で1分間ずつ順次洗
浄する。
――――― [JIS H 1612 pdf 1] ―――――
2
H 1612-1993
(c) (1)(c)に従って試料を保存する。
5. アンモニア蒸留分離アミド硫酸滴定法
5.1 要旨 試料を塩酸とふっ化水素酸とで分解した後,水酸化ナトリウムを加えて水蒸気蒸留を行う。
水蒸気とともに留出したアンモニアをほう酸に吸収させ,アミド硫酸溶液で滴定する。
5.2 試薬 試薬は,次による(2)。
(1) 塩酸 (1+1,1+9)
(2) ふっ化水素酸 (1+1)
(3) 硫酸
(4) ほう酸溶液(5g/l)
(5) ほう酸溶液(1g/l)
(6) 水酸化ナトリウム溶液(500g/l)
(7) 硫酸カリウム
(8) 硫酸銅(II)五水和物
(9) アミド硫酸溶液(500 最一一 ‰ ミド硫酸 (JIS K 8005) 3.466gを水約100mlに溶解した後,1 000mlの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液1mlは,窒素500
(10) アミド硫酸溶液(100 最一一 ‰ ミド硫酸 (JIS K 8005) 0.693gを水約100mlに溶解した後,1 000mlの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液1mlは,窒素100
(11) メチルレッド・メチレンブルー混合溶液 調製方法は,JIS K 8001の4.4(指示薬)のメチルレッド−
メチレンブルー溶液による。
注(2) 使用する水は,JIS K 8001の3.6(3)(二酸化炭素を含まない水)とする。
5.3 水蒸気蒸留装置 水蒸気蒸留装置(3)は,水蒸気発生フラスコ(a),トラップ(b),蒸留フラスコ(c),漏
斗(d),球室(f)及び蛇管冷却器(e)からなる。トラップ(b)の底部の小管には,ピンチコックを付けたゴム管を
接続し,トラップ(b)中に挿入した水蒸気導入管の先端(g)には小穴2個を開ける。
また,蒸留フラスコ(c)の中に挿入した水蒸気導入管は途中でゴム管(h)で接続し,先端部(i)を交換できる
ようにする。各部はすり合せ連結を行い,スプリング又はクランプで固定する。受器には三角フラスコ
(300ml)を使用する。水蒸気蒸留装置の例を,図1に示す。
注(3) 装置の新しいもの又は引き続き使用しなかったものは,あらかじめ蛇管冷却器(e)に水を流さな
いで23時間水蒸気を通じて洗浄する。
――――― [JIS H 1612 pdf 2] ―――――
3
H 1612-1993
図1 水蒸気蒸留装置の例
5.4 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,5.0gとし,10mgのけたまではかる。
5.5 操作(4)
注(4) 操作は,大気中に窒素化合物を含まない室内で行う必要があり,また,使用する水は,窒素化
合物を含まないものとする。
――――― [JIS H 1612 pdf 3] ―――――
4
H 1612-1993
5.5.1 試料溶液の調製 試料をはかり取って,ポリエチレンビーカー(300ml)に移し入れる。ポリエチレ
ン時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 80mlを加えた後,ふっ化水素酸 (1+1) 8mlを少しずつ添加して,水浴中で
加熱して分解する(5)(6)(7)。
注(5) できるだけ穏やかに分解する。
(6) 試料の分解が困難な場合には,ふっ化水素酸を追加して分解する。ただし,空試験溶液にも同
量を加える。
(7) 不溶解残さがある場合には,塩酸 (1+9) で5回,次いで水で2回洗浄したろ紙(5種B又は5
種C)を用いてこし分け,ろ紙及び残さを水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は,別のビーカ
ー(300ml)に受け,主液として保存する。残さは,ろ紙とともに三角フラスコ(500ml)又は丸底フ
ラスコ(500ml)に入れ,硫酸カリウム10g,硫酸銅(II)五水和物1g及び硫酸20mlを加え,穏やか
に加熱して水分を蒸発させた後,フラスコの口に漏斗をはめて約1時間煮沸する。室温まで放
冷した後,水約80mlを少量ずつ振り混ぜながら加え,しばらく煮沸して二酸化硫黄を除去し,
室温まで冷却してから保存した主液に合わせる。
5.5.2 アンモニアの蒸留 アンモニアの蒸留は,次の手順によって行う。
(1) 水蒸気蒸留装置(5.3)の漏斗(d)から蒸留フラスコ(c)に水酸化ナトリウム溶液70ml(8)を入れ,漏斗(d)の
内壁を少量の水で洗浄する。
(2) 受器の三角フラスコ(300ml)にほう酸溶液(9)20mlを入れ,蛇管冷却器(e)の先端が液中に入るようにす
る。
(3) 漏斗(d)から蒸留フラスコ(c)に5.5.1で得た試料溶液を入れ,少量の水でビーカーの内壁,時計皿及び
漏斗(d)の内壁を洗浄する。さらに,水を加えて蒸留フラスコ(c)中の液量を250350mlとし,漏斗(d)
のコックを閉じる。
(4) 水蒸気発生フラスコ(a)の電源を入れ,トラップ(b)の下部のピンチコックを閉じて水蒸気を送り(10),
水蒸気蒸留を行う。受器の三角フラスコ中の全液量が約120mlに達したら,三角フラスコを下げて蛇
管冷却器(e)の先端を液面から離し,しばらく蒸留を続け,蛇管冷却器(e)の内部を洗浄する。水蒸気発
生フラスコ(a)の電源を切って,水蒸気の発生を止め,さらに,蛇管冷却器(e)の先端の外部を水で洗っ
た後,受器の三角フラスコを取り出す(11)。
注(8) 注(7)による残さ処理をした場合には,130mlとする。
(9) 使用するほう酸溶液は,窒素含有率に応じて,表1による。
(10) 水蒸気発生フラスコ(a)には水を入れ,あらかじめ沸とう(騰)させておく。
(11) 水蒸気発生フラスコ(a)の電源を切ると,トラップ(b)内は直ちに減圧となり,蒸留残液は蒸留フ
ラスコ(c)からトラップ(b)に逆流するので,これをトラップ下部のピンチコックを開いて抜き取
り,次の蒸留に備える。
表1 使用するほう酸溶液及びアミド硫酸溶液の種類
窒素含有率 % (m/m) ほう酸溶液 アミド硫酸溶液
0.03未満 5.2 (5) 5.2 (10)
0.03以上 5.2 (4) 5.2 (9)
5.5.3 滴定 5.5.2(4)で得た留出液にメチルレッド・メチレンブルー混合溶液[5.2(11) ]5滴を指示薬として
加え,アミド硫酸溶液(12)で滴定し,溶液が緑色から赤紫色となった点を終点とし,アミド硫酸溶液の使用
量を求める。
注(12) 使用するアミド硫酸溶液は,窒素含有率に応じて表1による。
――――― [JIS H 1612 pdf 4] ―――――
5
H 1612-1993
5.6 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を行う。ただし,アミド硫酸溶液は,試料溶液の場合
と同じものを用いる。空試験のときのアミド硫酸溶液の使用量は,アミド硫酸溶液[5.2(10) ]を用いた場合
には0.4ml以下(13),アミド硫酸溶液[5.2(9) ]を用いた場合には0.08ml以下(13)であることが必要で,操作を
行う前に,空試験値がほぼ一致するまで少なくとも2回の空試験を行い,その平均値を採用する。
注(13) 注(7)による残さ処理をした場合で,アミド硫酸溶液[5.2(10) ]を用いた場合には0.7ml以下,アミ
ド硫酸溶液[5.2(9) ]を用いた場合には0.14ml以下であることが必要である。
5.7 計算 試料中の窒素含有率を,次にいずれかの式によって算出する。
(1) アミド硫酸溶液[5.2(10) ]を用いた場合
(V1 V2 ).000010
窒素 %(m/m) 100
m
ここに, V1 : 5.5.3で得たアミド硫酸溶液の使用量 (ml)
V2 : 5.6で得たアミド硫酸溶液の使用量 (ml)
m : 試料はかり取り量 (g)
(2) アミド硫酸溶液[5.2(9) ]を用い場合
(V1 V2 ).000050
窒素 %(m/m) 100
m
ここに, V1 : 5.5.3で得たアミド硫酸溶液の使用量 (ml)
V2 : 5.6で得たアミド硫酸溶液の使用量 (ml)
m : 試料はかり取り量 (g)
5.8 許容差 許容差は,表2による。
表2 許容差
単位 % (m/m)
室内再現許容差 室間再現許容差
D2[0.000 60×(N含有率)+0.000 22] D2[0.033 5×(N含有率)+0.000 20]
参考 この許容差は,窒素含有率0.002% (m/m) 以上0.028% (m/m) 以下の試
料を用いて求めたものである。
6. 不活性ガス融解−熱伝導度法
6.1 要旨 黒鉛るつぼを用いてヘリウム気流中で試料を浴金属と共にインパルス方式によって加熱融解
し,窒素を他のガスと共に抽出する。加熱した酸化銅(II)で抽出ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に,また,
水素を水に酸化した後,水を脱水管で除去する。二酸化炭素を二酸化炭素吸収管で除去して窒素だけを熱
伝導度検出器に導くか,窒素と二酸化炭素を分離管を通して分離して窒素だけを熱伝導度検出器に導き,
窒素による熱伝導度の変化を測定する。
6.2 材料及び試薬 材料及び試薬は,次による。
(1) 白金 JIS Z 2613の5.2(1)(白金)による。ただし,洗浄溶媒には,アセトンを用いる。
(2) ニッケル 窒素含有率0.003% (m/m) 以下の,カプセル,バスケット又はワイヤー状のもの。
(3) ヘリウム 99.99% (v/v) 以上のもの。
(4) 黒鉛るつぼ 使用するインパルス炉に適合するもの。その例を図2に示す。
(5) 検量線用試料 窒素含有率が既知のチタン又はチタン合金の認証標準物質,若しくは5. アンモニア蒸
留分離アミド硫酸滴定法で窒素含有率を求めたチタン又はチタン合金試料。検量線用試料は,2種類
以上を用意する。
――――― [JIS H 1612 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS H 1612:1993の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.50 : チタニウム及びチタニウム合金
JIS H 1612:1993の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1611:2008
- チタン及びチタン合金―分析方法通則
- JISH1611:2020
- チタン及びチタン合金―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISZ2613:1992
- 金属材料の酸素定量方法通則
- JISZ2613:2020
- 金属材料の酸素定量方法通則