JIS H 1632-1:2014 チタン―ICP発光分光分析方法―第1部:一般要求事項及び試料の分解 | ページ 2

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表3−短時間安定性,BEC値及びDL値
適用成分 検量線最大濃度 BEC値 DL値
短時間安定性
% mg/L mg/L
パラジウム 1.0 3.0 0.06
マンガン 1.0 0.6 0.02
鉄 1.0 1.2 0.03
マグネシウム 1.0 0.6 0.02
けい素 1.0 2.0 0.04
アルミニウム 1.0 2.0 0.04
バナジウム 1.0 0.6 0.02
ニッケル 1.0 1.5 0.03
クロム 1.0 1.5 0.03
すず 2.0 1.5 0.40
銅 1.0 2.0 0.04
モリブデン 1.0 3.0 0.05
ジルコニウム 1.0 3.0 0.05
ニオブ 1.0 6.0 0.10
タンタル 2.0 5.0 0.20
コバルト 1.0 1.0 0.05
イットリウム 1.0 0.4 0.01
6.4 検量線の直線性
検量線の直線性は,相関係数を求めることでチェックする。相関係数は,0.999より大きくなければなら
ない。

7 分析用試料の調製

  分析用試料の調製は,JIS H 1610による。

8 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,1.0 gとし,1 mgの桁まではかる。

9 操作

9.1 試料溶液の調製

  試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。ただし,けい素の定量にはc)だけを,イットリ
ウムの定量にはb)だけを適用する。また,ジルコニウム,ニオブ及びタンタルの定量にはb)を適用しない。
a) 硝酸・ふっ化水素酸で分解する場合
1) 試料をはかりとって,ポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れる。
2) ポリエチレン製時計皿で覆い,硝酸(1+1)50 mL及びふっ化水素酸(1+1)10 mLを少量ずつ加
え,水浴上で穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱して窒素酸化物を追い出す。
3) 常温まで冷却した後,ポリエチレン製時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を100 mL
のポリエチレン製全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,水で標線まで薄める前に,内標準元素として
コバルト溶液(5.8)又はストロンチウム溶液(5.10)1.0 mLを加える。ただし,コバルトの定量の

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場合は,ストロンチウム溶液(5.10)だけとする。
b) 硫酸・ふっ化水素酸で分解する場合
1) 試料をはかりとって,ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)製ビーカー(200 mL)
に移し入れる。
2) TFE製時計皿で覆い,硫酸(1+1)20 mL及びふっ化水素酸(1+1) 4 mLを加え,穏やかに加熱
して分解する。試料の分解が不十分な場合には,ふっ化水素酸(1+1)を追加する。室温まで冷却
した後,硝酸(1+1)4 mLを滴加して数分間加熱する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除
き,穏やかに加熱して濃縮し,少しずつ温度を上げて硫酸の白煙を5分間発生させる。室温まで放
冷した後,少量の水でPTFE製ビーカーの内壁を洗浄し,よく振り混ぜる。再び加熱して硫酸の白
煙を23分間発生させる。
なお,残存する硫酸が発光強度に影響を与えるので,複数の試料を分解する場合は,残存する硫
酸量を目視の範囲で同じ量にする。残存する硫酸量が同じ量にならないときは,強度比法によって
測定しなければならない。
3) 放冷した後,少量の水及び塩酸(1+1)20 mLを加えて塩類を溶解する。常温まで冷却した後,溶
液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,水で標線まで薄める前に,内標準元素として
ランタン溶液(5.6),スカンジウム溶液(5.7),コバルト溶液(5.8)又はイットリウム溶液(5.9)
のいずれか1.0 mLを加える。ただし,コバルトの定量の場合はコバルト溶液を,イットリウムの定
量の場合はイットリウム溶液を使用しない。
c) 塩酸・ふっ化水素酸・硝酸で分解する場合
1) 試料をはかりとって,ポリエチレン製ビーカー(200 mL)に移し入れる。
2) ポリエチレン製時計皿で覆い,塩酸(1+1)40 mL及びふっ化水素酸 2 mLを加え,水浴上で穏や
かに加熱して分解する。硝酸(1+1)3 mLを加えてチタンなどを酸化する。
3) 常温まで冷却した後,ビーカーの内壁及び時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を
100 mLのポリエチレン製全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
なお,発光強度の測定に強度比法を用いる場合は,内標準元素としてコバルト溶液(5.8)又はス
トロンチウム溶液(5.10)1.0 mLを加える。ただし,コバルトの定量の場合はコバルト溶液を使用
しない。

9.2 検量線用溶液の調製

  検量線用溶液の調製は,次の手順によって行う。通常,単成分で調製するが,互いに共存元素の影響が
ない場合は,複数成分を合わせて調製してもよい。
なお,試料溶液の調製を9.1 b)による場合は,残存する硫酸量を目視の範囲で試料と同じ量にする。残
存する硫酸量が同じ量にならないときは,強度比法を用いる。
a) チタン(5.5)1.0 gを1 mgの桁まで6個はかりとり,試料と同じ試薬で,同じ方法で分解する。各溶
液を最少必要量の水を用いて,試料と同じ方法で100 mLの全量フラスコに移し入れる。ただし,試
料の溶液の調製を9.1 a)及びc)で行った場合は,ポリエチレン製全量フラスコとする。
b) ピペットを用いて,測定成分の標準液を段階的に加える1)。
注1) 測定成分ごとの標準液添加量は,JIS H 1632-2に記載している。
c) 強度比法を用いる場合は,ピペットを用いて,試料溶液と同じ内標準元素の溶液を同じ量加える。
d) 水で標線まで薄める。

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9.3 空試験液の調製

  チタン(5.5)を用いて,試料と併行して同じ操作で,全試薬の同量を用いて空試験液を調製する。

9.4 分光測定

9.4.1  装置の最適化
装置を始動させ,測定を行う前に,15分間以上作動状態に置く。
装置の全パラメータ,ガス流量(外部,中間部又は中央部),トーチ位置,入口スリット,出口スリット,
検出器(例えば,光電子増倍管),表2の分析線波長,予備噴霧時間,積分時間などの分光測定条件を,
検量線の最高濃度を測定するときに最適強度が得られるように,装置製造者推奨の操作手順及び附属書A
の規定に従って調整する。
表2に示す測定成分の分析線における強度の測定,平均値,標準偏差などを計算する自動計算処理シス
テムを立ち上げる。
強度比法を用いる場合は,表2に示す内標準元素の内標準線を使用して,測定成分の発光強度と内標準
元素の発光強度との強度比を計算する自動計算処理システムを立ち上げる。内標準元素の発光強度は,測
定成分の発光強度と同時に測定しなければならない。
6.26.4の装置性能基準を確認する。
9.4.2 発光強度の測定
表2に示す測定成分の分析線における発光強度又は発光強度比を測定する。測定は,検量線用溶液,空
試験液及び複数の試料溶液の順に行い,再び検量線用溶液,空試験液及び複数の試料溶液と続ける。各溶
液について2回以上の発光強度又は発光強度比を測定し,各溶液についての平均発光強度又は平均発光強
度比を計算する。
各溶液の平均発光強度又は平均発光強度比(Ii)と,ゼロメンバー(検量線用溶液において,適用成分
の標準液を添加していない溶液)の平均発光強度又は平均発光強度比(I0)とから,次の式によって正味
の発光強度又は発光強度比(IN)を得る。
IN=Ii−I0
9.4.3 検量線の作成
y軸上の正味の発光強度又は発光強度比とx軸上の検量線用溶液中の各測定成分の濃度(g/mL)の各点
から直線回帰を得る。
相関係数を計算する。この係数の値が6.4の規定に適合しなければならない。

10 計算

  検量線を基に,空試験液及び試料溶液の発光強度又は発光強度比を成分濃度(g/mL)に変換する。
成分の含有率[質量分率(%)]を,次の式によって算出する。
1,c 0,c100 100 1,c 0,c
Wc W0,c W0,c
10 6 m 100m
ここに, Wc : 成分の含有率[質量分率(%)]
ρc,1 : 試料溶液中の成分濃度(g/ mL)
ρc,0 : 空試験液中の成分濃度(g/mL)
m : 試料はかりとり量(g)
Wc,0 : チタン(5.5)中の成分含有率[質量分率(%)]

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附属書A
(規定)
装置性能基準の求め方
A.1 一般
装置性能基準の値は,室間の共同実験の結果から決定する。
装置(プラズマ及び電気回路)の電源を入れて安定化させる。安定化時間は装置によって異なるので,
ここでは厳密に規定できない。指針としては,一般的な実験室条件下において,通常,15分以内で安定す
る。これは,次に示す試験を行った後に短時間安定性を測定することによって立証できる。
分析対象元素の空試験液,検出限界(DL)測定液(0.20 mg/L)及び検量線最大濃度溶液を調製する。こ
れらの溶液は,分析する試料溶液と同じ酸及びマトリックス元素を共存させる。これらの溶液から求めた
検出限界などは,分析室での推定値又は特性値である。
検量線最大濃度溶液を噴霧し,安定した霧化状態を得るために,溶液がプラズマに到達してから10秒間
以上待つ。
測定元素に対する操作及び装置条件を設定し,選択した波長における検量線最大濃度溶液の発光強度が
有効数字4桁以上測定できるように検出器を調整して,一定の積分時間を設定する。
A.2 検出限界の測定
検出限界(DL)は,装置別に異なった方法で決定してよい。通常,次の手順による。
a) 空試験液を10秒間以上噴霧する。
b) あらかじめ設定した積分時間で10回の読みを得る。
c) L測定液を10秒間以上噴霧する。
d) あらかじめ設定した積分時間で10回の読みを得る。
e) 空試験液及びDL測定液の発光強度の読みから,空試験液の平均値Xb,DL測定液の平均値X1,及び
空試験液の標準偏差Sbを算出する。
f) DL測定液の正味の平均発光強度(Xn1)を算出する。
Xn1=X1−Xb
g) 測定成分の検出限界(DL)値(mg/L)は,次の式によって算出する。
DL値=3Sb(C1/Xn1)
ここに, C1 : DL測定液の濃度(mg/L)
A.3 バックグラウンド等価濃度の測定
バックグラウンド等価濃度(BEC)値(mg/L)は,次の式によって算出する。
BEC値=(Xb/Xn1) 1
A.4 短時間安定性の測定
検量線最大濃度溶液を10秒間以上噴霧する。あらかじめ設定した積分時間で10回の発光強度の読みを
得て,平均値X2を求める。
これらの読みと前もっての空試験液の読みから,正味の平均強度Xn1,Xn2 (X2−Xb)及び検量線最大濃度溶

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液の標準偏差S2をそれぞれ算出する。
相対標準偏差(RSD)を算出して短時間安定性(%)とする。
RSD=(S2/Xn2)×100
参考文献 JIS H 1632-2 チタン−ICP発光分光分析方法−第2部 : パラジウム,マンガン,鉄,マグネシ
ウム,けい素,アルミニウム,バナジウム,ニッケル,クロム,すず,銅,モリブデン,
ジルコニウム,ニオブ,タンタル,コバルト及びイットリウム定量方法

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