JIS H 8641:2021 溶融亜鉛めっき | ページ 2

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H 8641 : 2021
− シーム(めっき表面に生じた線状の凸部)
− ざらつき(めっき表面に凹凸があるもの)
注記2 めっきの目的は,耐食性の付与にあり,装飾の目的で施されるものではないため,外観の規
定は,美観的要求事項を満足させるものではない。また,めっきは,素材表面を滑らかにす
るものではない。
a) 不めっき及び離 使用上支障がある不めっき及び離は,あってはならない。ただし,不めっき及
び離が生じた場合には,次のいずれかによる。
1) 幅5 mm以下の不めっき及び離は,あってもよい。幅5 mm以下の不めっき及び離の許容する
数又は面積は,受渡当事者間の協定による。
2) 不めっき又は離の幅が5 mmを超える場合は,それらの総面積が有効面の面積の0.5 %以下であり,
かつ,各々の不めっき及び離の面積が10 cm2以下であるときには,それを補修した面があっても
よい。不めっき及び離の補修の方法は,高濃度亜鉛末塗料を用いるか,又は受渡当事者間の協定
による。
3) 不めっき又は離の幅が5 mmを超え,それらの総面積が有効面の面積の0.5 %を超える場合,又は
各々の不めっき及び離の面積が10 cm2を超える場合は,注文者から指定があった場合を除き,加
工業者の判断によって再度めっきを施すか,受渡当事者間の協定による。
注記3 不めっき又は離が小さい場合は,周辺亜鉛の犠牲的保護作用によって,耐食上大きな影
響はない。犠牲的保護作用の効果が及ぶ不めっき部の幅は,5 mmまでであることが実験
的に確認されている。
b) たれ 使用上支障がある接合部のたれ,かん(嵌)合部のたれ及び鋭利なたれは,あってはならない。
ただし,使用上支障がある接合部のたれ,かん合部のたれ及び鋭利なたれは,加工業者の判断によっ
て,グラインダ,やすりなどを使用して除去してもよく,それらを除去した後,使用上支障のないた
れは,残っていてもよい。使用上支障があるたれの程度,箇所及び仕上げの仕様は,受渡当事者間の
協定による。
c) かすびき 使用上支障があるかすびきは,あってはならない。ただし,かすびきは,加工業者の判断
によって,やすりなどを使用して除去してもよい。

7.3 膜厚

  めっきは,8.2によって試験を行い,その膜厚は,表2による。ただし,有効面の形状によって8.2によ
る試験が困難な場合は,8.3によって試験を行う。この場合,試験片は,注文者から提供を受ける。提供を
受ける試験片は,JIS H 0401の箇条6(付着量試験)によって採取する。
表2−種類の記号及び膜厚
単位 μm
種類の記号 膜厚
HDZT 35 35以上
HDZT 42 42以上
HDZT 49 49以上
HDZT 56 56以上
HDZT 63 63以上
HDZT 70 70以上
HDZT 77 77以上

――――― [JIS H 8641 pdf 6] ―――――

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8 試験

8.1 めっき浴組成

  めっき浴組成の分析は,JIS H 0401の箇条4(めっき浴組成の分析)による。

8.2 電磁式膜厚計による膜厚

  電磁式膜厚計による膜厚試験は,JIS H 0401の箇条5(膜厚試験)による。

8.3 付着量による膜厚

  付着量による膜厚試験は,次による。
a) 付着量の測定は,JIS H 0401の箇条6(付着量試験)による。
b) 付着量試験の結果は,めっき皮膜の密度を7.2 g/cm3として,次の式によって膜厚に換算する。膜厚に
換算した値は,小数第1位をJIS Z 8401に規定する規則Bによって丸めて,整数で表す。
A
t=
7.2
ここに, t : 膜厚(m)
A : 付着量(g/m2)

9 検査

  検査は,次による。検査の頻度は,加工業者の決定又は受渡当事者間の協定による。
a) 外観は,7.2の規定に適合しなければならない。
b) 膜厚は,7.3の規定に適合しなければならない。

10 表示

  加工業者は,この規格の全ての要求事項に適合するめっき加工した製品に,荷札,送り状(納品書を含
む。)などを使用して,次の事項を表示する。表示する単位は,1包装ごと,1結束ごとなどとする。ただ
し,受渡当事者間の協定によって,表示する単位及び表示事項を変更してもよい。
a) この規格番号(JIS H 8641)及び種類の記号
b) 加工年月
c) 加工業者名又はその略号

11 報告

  加工業者は,あらかじめ注文者から要求がある場合には,試験報告書を提出する。試験報告書には,加
工業者名,種類の記号,外観の検査結果及び次のいずれかの膜厚を記載する。
a) 電磁式膜厚計による膜厚(8.2参照)
b) 付着量による膜厚(間接法又は直接法の別を含む。)(8.3参照)

――――― [JIS H 8641 pdf 7] ―――――

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附属書JA
(規定)
めっき用素材
JA.1 めっきに適した素材の設計
JA.1.1 事前協議
めっきに適さない表面状態及び構造である場合は,使用上支障がある欠陥を生じるため,注文者は設計
時及び/又は加工前に,めっき技能士(国家資格)などの専門的知識をもつ者と協議することが望ましい。
JA.1.2 鋳造品
鋳造品の表面には,通常の酸洗では除去されない鋳型の砂(砂かみ),黒鉛(すす)などが付着している
ことがあるため,めっき前にブラスト処理などで除去する。
JA.1.3 素材の寸法及び質量並びに空気抜き及び亜鉛抜き
素材の寸法及び質量並びに空気抜き及び亜鉛抜きは,次による。
a) 素材の寸法 めっき槽より大きい素材に,めっきを施してはならない。ただし,受渡当事者間の協議
によって,めっき槽より大きな素材に二度漬けによるめっきを施してもよい。
b) 素材の質量 めっきする素材は,クレーンを用いてつり上げ,前処理槽,めっき浴及び冷却槽の各槽
に順次浸せき(漬)する。そのため,めっき工場のクレーンでつることが可能な最大質量を確認して
おく。
c) 空気抜き·亜鉛抜き 素材は,形状によって(JA.1.6参照),空気抜き孔又は亜鉛抜き孔がなければな
らない。
注記 空気抜き孔がない場合,形状によっては,部材のポケット部が空気だまりとなり,浮力を受
けた素材がめっき浴中に浸せきしないか,又は浸せきした場合においても空気だまりの部分
が不めっきとなる。また,亜鉛抜き孔がない場合,亜鉛がたまるなどの不具合が生じる。
JA.1.4 素材の化学成分
素材に含まれるけい素及びりんの含有量は,亜鉛と鉄との合金反応に影響を与えるため,確認すること
が望ましい。注文者が加工業者に素材を提供する場合,注文者は,加工業者に素材の化学成分の情報を提
供することが望ましい。
注記 素材のけい素濃度が,0.05 %(質量分率)0.12 %(質量分率)の範囲及び0.24 %(質量分率)
以上の場合には,合金層が著しく発達し,めっき皮膜の離,やけ,ざらつきなどの外観異常
が生じるおそれがある。また,素材のりん濃度も,けい素との複合作用によって合金層の発達
に大きく影響するおそれがある。
JA.1.5 素材の表面
素材は,次に示す表面状態であってはならない。
a) 2枚板,深いロールきずなどの材料きずがあるもの。
b) なし肌状,孔食状などの甚だしい腐食があるもの。
c) 素材の表面にさび,汚れ,付着物(油,塗料)などがあり,前処理工程の脱脂又は酸化物の除去処理
を行っても除去されないもの。
d) 極端な赤さび,異常酸化層などによって,地肌が平滑でないもの。
e) レーザ切断,高周波曲げなどによって,平滑であるが,酸化層の異常が激しいもの。

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f) 鋳物の砂かみ,巣,溶接部のピットなどのあるもの。
JA.1.6 素材の構造
素材は,次に示す構造であってはならない。
a) 作業中破損又は変形のおそれのある構造のもの。
b) ブラスト処理するときに,死角をもつ構造のもの。
c) 空気を密閉した中空体のもの。
d) 溶融亜鉛が容易に流入及び流出しないもの。
e) めっき浴中に浸せきしても空気の一部が逃げない構造のもの。
JA.2 予防処置を必要とする素材
めっきを施す素材の注文者は,単一素材又は組合せ素材の状態によって,表JA.1によって処置を行う。
ただし,受渡当事者間の協定によって,処置してもよい。
表JA.1−素材の状態及びその処置
単一素材又は組合せ素材の状態 処置
重ね合せ面,突合せ面のある場合 重ね合せ面の油類及び水分を完全に除去し,密接する面
は完全に連続溶接する。
管類又は丸棒の周りに鋼板を巻いたものがある場合 管類又は丸棒,及び鋼板の油類を加工前に完全に除去す
る。
板厚に大きな差のある組合せ部材で溶接部がある場合極端な板厚の差は避ける。
アーク溶接部がある場合 スラグをブラスト処理,たがねを用いた方法などで完全
に除去する。
鋳物と熱間圧延鋼材との組合せがある場合 鋳鉄又は鋳鋼と熱間圧延鋼材とを組み合わせたものは,
ブラスト処理などによって酸化物を除去する。
管又は部分的な袋状の箇所を含む場合 管の両端又は一端を必ずあける。袋状の構造の箇所はコ
ーナ部をあける。
古い素材と新しい素材との組合せがある場合 さびた古い素材と新しい素材との組合せを避ける。
機械加工をする前にブラスト処理などを行う。
厚い酸化物のある素材の一部に新たに機械加工を施す場

ナット及びめねじ付き部品を含む場合 ナット及びめねじは,大きめにタップを立てておくか又
はめっき後ねじ部をさらう(ボルトおねじ類を別にめっ
きしてはめ合せる場合)。
異種金属との組合せがある場合 異種金属の組合せを,できるだけ避ける。
可動部分がある場合 素材に可動部分がある場合は,十分な隙間を設ける。
品質に大きな支障を与える残留応力がある場合 適切な熱処理によって残留応力を取り除く。
JA.3 高温切断の影響
フレーム切断,レーザ切断,プラズマ切断などの高温で切断された切断面は,正常なめっき皮膜が形成
されない場合があるため,切断面をグラインダなどで研削することが望ましい。
参考文献
ISO 14713-2,Zinc coatings−Guidelines and recommendations for the protection against corrosion of iron and
steel in structures−Part 2: Hot dip galvanizing

――――― [JIS H 8641 pdf 9] ―――――

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H 8641 : 2021
H8
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附属書JB
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(参考)
1 : 2
JISと対応国際規格との対比表
021
JIS H 8641:2021 溶融亜鉛めっき ISO 1461:2009,Hot dip galvanized coatings on fabricated iron and steel articles−
Specifications and test methods
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 素材に防食の目的で 1 鉄鋼製品に施した溶融 変更 ISO規格が適用外としている素材 鋼管類のJISでこの規格を引用し
施す溶融亜鉛めっき 亜鉛めっきの一般的性 ていることを考慮した。
の一部を,JISは適用範囲に含めた。
の有効面の品質を規 質及び試験方法を規定。
定。
3 用語及び JIS Z 0103によるほ 3 ISO 2064によるほか, 削除 ISO規格の用語及び定義を一部採 JISとして必要な用語及び定義を
定義 か,10の用語及び定義 17の用語及び定義を規 追加 用し,JISに必要な用語及び定義を規定したものであり,実質的な技
を規定。 定。 追加した。 術的差異はない。
4 種類 めっきの種類の記号 − − 追加 我が国で使用されている素材に応 JISとして必要な項目を追加した
を規定。 じためっきの種類数及び種類の記 ものであり,実質的な技術的差異
号を追加した。 はない。
5 素材 素材の要件を附属書 4.1 鋼材の性質がめっきの 削除 ISO 14713-2の一部を採用し,必要実質的な技術的差異はない。
JAで規定。 品質に及ぼす影響を 追加 事項を追加した。
ISO 14713-2で規定。
6 めっき浴 6.1 めっき浴に使用す 4.2 ISO 752 変更 亜鉛地金中の不可避不純物含有量 我が国の使用実態を踏まえ,めっ
る亜鉛の品質を規定。 を変更した。 き浴に使用する亜鉛地金の品質を
規定した。
6.2 めっき浴の亜鉛の 4.2 亜鉛浴 変更 ISO規格では,すず及び鉄を除いた我が国の使用実態を踏まえ,めっ
純度を規定。 亜鉛浴中の他元素の総 他元素の総計を規定しているが, き浴の亜鉛純度を規定した。
計は1.5 %を超えてはな JISでは,すず及び鉄も含めた添加
らない。 元素を規定しているため,めっき浴
中の亜鉛純度を変更した。

――――― [JIS H 8641 pdf 10] ―――――

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JIS H 8641:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1461:2009(MOD)

JIS H 8641:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8641:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH0401:2013
溶融亜鉛めっき試験方法
JISH0401:2021
溶融亜鉛めっき試験方法
JISH2107:2015
亜鉛地金
JISZ0103:1996
防せい防食用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方