JIS K 0400-28-20:1999 水質―一価フェノール類の定量―第1部:溶媒抽出濃縮後のガスクロマトグラフ法 | ページ 2

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K 0400-28-20 : 1999 (ISO 8165-1 : 1992)
6.4 抽出液を濃縮するための蒸留装置 丸底フラスコ250mlにテーパー付きの先端,ガス導入管,蒸留
ヘッド,温度計,冷却管,アダプター,丸底フラスコ50mlなどの留出液の受器からなるもの(図1参照)。
6.5 ガラスカラム 内径12mm,長さ20cmの底部にテーパーの付いた管でシリカゲル(5.8)5cmを詰めた
もの。ジエチルエーテル(5.7)であらかじめ洗浄しておく。
6.6 振とう器 垂直振とう器 (linear shaker)
6.7 分液漏斗 容量100ml, 250ml, 1 000mlの四ふっ化エチレン樹脂 (PTFE) 製のコック付きのもの。
6.8 全量フラスコ 容量5ml, 10ml, 1 000ml
6.9 ビーカー 容量100ml, 250ml, 1 000ml
6.10 ビグリュウカラム 50cm
6.11 テーパー付き目盛丸底フラスコ 容量10ml
6.12 PTFE張りセプタム付きの試料瓶 容量2ml, 5ml又は抽出液を貯蔵できる容量のもの。
6.13 メスシリンダー 容量250ml
6.14 エバポレータ 例えば,クデルナダニッシュ濃縮器
6.15 ガスクロマトグラフ 流路系がすべてガラス製で水素炎イオン化検出器又は電子捕獲検出器(ポリ
クロロフェノール類用)付きで,製造業者の取扱説明書に従ってガスが供給されるもの。
6.16 試料注入用シリンジ 1 5 10 50 100
6.17 ガスクロマトグラフ用キャピラリーカラム(表2参照)
図1 等温蒸留条件でのエーテル抽出液からのフェノールの濃縮装置

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表2 分離条件例
キャピラリーカ 流量
キャピラリーカラムのサイズ キャリヤーガス
キャピラリーカ 昇温プログラム
ラムの名称(1)
ラムの組合わせ 長さ m 内径 mm ml/min
1 a 3060 0.250.32 H2又はHe <5 一般に :
b 3060 0.250.32 H2又はHe <5 60℃(1分150℃(15℃/min昇
2 c 3060 0.250.32 H2又はHe <5 温)240℃(2)(5℃/min昇温)
d 3060 0.250.32 H2又はHe <5
3 e 3060 0.250.32 H2又はHe <5
f 3060 0.250.32 H2又はHe <5
注(1) カラムの商品名は表3を参照。
(2) 昇温プログラムは各分離プログラムと適合しなければならない。
表3 表2に示したカラムの内容
表2に示した名称 商品名(1) 固定相
a, c, e, DB5 95%−ジメチル/5%ジフェニルポリシロキサン
b DB1701 86%−ジメチル/14%−シアノプロピルフェニルポリシロキサン
d DB225 50%−シアノプロピルメチル/50%メチルフェニルポリシロキサン
f FFAP “遊離脂肪酸相”ジニトロテレフタル酸
注(1) 商品名はこの規格の使用者の便宜のために示したもので,この名称の製品をJIS (ISO) とし
て認めるものではない。同様な結果が得られるならば,同等の製品を使用してもよい。

7. サンプリング方法及び試料調製

− あらかじめ試料1 000mlにつき硫酸(5.1)2mlを加えてある褐色のガラス瓶(肩が円すい状の)1001
000mlに試料をとり,瓶を完全に試料で満たす。
− これらの瓶は分析するまで約4℃で貯蔵する。pHは2未満が望ましい。そうでないときは更に酸を加
える。
− もし,酸化性物質が含まれる疑いがある場合,特に遊離塩素が存在する場合は,試料1l当たり亜硫酸
ナトリウム(5.4)約0.1gを加える。
− できれば,48時間以内に濃縮操作を行う。

8. 手順

8.1 濃縮

8.1.1  一般的な手順
− 酸性とした試料800mlを分液漏斗にとる。
− 内標準液(5.12)1mlを加えて1時間混ぜ合わせ均質にする。
− ジエチルエーテル(5.7)180mlを加える。
− 混ぜ合わせ,コックをあけて分液漏斗中の圧力を希圧にした後,振とう器で5分間振り混ぜて抽出す
る(振り混ぜはおよそ100min−1とすることが望ましい。)。
− 相分離のため30分間静置し,水相を捨てる。
− エーテル相を分液漏斗250mlに移す(必要ならば,あらかじめジエチルエーテルで洗浄した石英ガラ
スウールを詰めたものでジエチルエーテルをろ過する。)。
− 抽出液を水酸化ナトリウム溶液II(5.3)35mlずつと,2度振り混ぜ,洗浄する。
− 二相を分離するために約30分間静置し,分液漏斗(6.7)100mlにアルカリ性の水相を移す。
− 硫酸(5.1)2mlを加え分液漏斗を水で室温まで冷やす。ジエチルエーテル(5.7)15mlを加えて5分間振り

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混ぜ,15分間放置する。
− エーテル相を栓付きフラスコにとり,水相を捨てる。
8.1.2 混入 (contaminated water) した水の抽出
− エーテル相を精製するために,シリカゲルカラム(6.5)に約2ml/minの流量でエーテル相を通す。
− エーテル相を蒸留装置(6.4)の濃縮フラスコに集める。
− 受器及びガラスカラムをジエチルエーテル(5.7)10mlで洗い,洗液を抽出液と合わせる。
8.1.3 濃縮
− ジエチルアミン(5.9)100 え,0.04MPa(原国際規格では0.4barの記述。),室温(水浴,2022℃)
で等温蒸留を行って,エーテル溶液(8.1.1及び8.1.2参照)を濃縮する。
− 溶液には窒素を通す。これは沸騰が遅くなることを防ぎ,フェノール化合物を保持するのに役立つ。
− 個々の気泡が認められるようにチューブのクリップによって窒素流量を調節する。
− 抽出液を100200 杯 縮する。
− 圧力を平常にし,送気管をジオキサン(5.6)100200 杭 う。同時に濃縮容器も注意深く回しながら
その壁を洗う。
− 濃縮液が集まるまでフラスコに栓をする(これには約20分を要する。)。
− 濃縮液をシリンジにとってその体積をはかり,これを小さい試料瓶に移す。
− できるだけ早くガスクロマトグラフ分析に供する。分析しない場合は,抽出液を−20℃で凍結保存す
る。最大許容保存期間は一週間である。
備考1. 減圧には水流ポンプを用いてもよい。
2. 他のタイプの蒸留装置も使用できる(例えば,クデルナダニッシュ濃縮器)。
3. 最初の試料800ml,最終液量200 杯 縮率は4 000である。試料体積を変えることによって
濃縮率を約104に増すことができ,また,高濃度の場合はジオキサン(5.6)で薄めて濃縮率を
減らすことができる。

8.2 ガスクロマトグラフ法

− 分離カラムの適合性を確認する(製造業者の取扱説明書を参照)。
− キャピラリーカラムは,ピークがテーリングを示さないかほとんど示さず,ピークがベースラインに
接するまで分離するものが適している。
− 起こり得る妨害を考慮し,対象物質は極性の異なった2種のカラムで同定する。
− 通常は,水素炎イオン化検出器を使用する。これは対象物質の濃度と検出器のシグナル間に直線関係
を示す。ポリクロロフェノール類には,高感度の点から電子捕獲検出器が更に適している。この検出
器は直線性の範囲は限られている。固有の応答ファクターは測定する各物質について定めなければな
らない。
− 確実な同定をする場合には,質量選択検出器による方法を適用してもよい。
− 分離条件例として表2を参照する。
備考4. 同時に注入するには,二つのキャピーラリーカラムを試料導入部につながねばならない。こ
の方法によっても,すべての場合についてはピークが重なるのを避けることはできない。ピ
ークの重なりが起きたとき,異なった定量結果が得られる。小さい値が多分正しいものに近
い。このような場合,ほかの検出器系を用いることが望ましい。例えば,質量分析計の使用
及び誘導体化の手法を同定又は定量に適用することが望ましい。

8.3 空試験

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− 分析前に,又は必要ならば分析途中に,水を用いて空試験を行う(5.を参照)。
− 空試験は,すべての分析手順,すなわち,サンプリングに始まり,ガスクロマトグラムの評価までの
全段階について行う。
− 空試験の値は無視できる程度に低くなければならない。例えば,最小測定値の10%未満。もし,空試
験値が低くない場合は,各段階の手順を行ってその原因を見出し,空試験値を(例えば,エーテル前
抽出操作による。)低くする。測定値からの空試験値の差し引きによる補正は,空試験の標準偏差が全
手順を行ったものの標準偏差を超えないときだけ行うことができる。そうでなければ,空試験値はで
きるだけ小さくしなければならない。

9. 内標準を用いた全手順をとおしての校正

− この手順を適用したとき,濃度の測定は,試料の注入誤差,又はある程度までの抽出溶媒の体積(抽
出溶媒と試料の体積比)による影響は受けない。対象物質iと内標準lの回収率がほぼ同じでも,定
量はマトリックスに影響されることがある。
内標準には,対象物質と物理−化学的に性状(抽出効率,蒸気圧,保持時間,検出器の測定シグナ
ル,ECDの応答性)が類似した物質を選択する。この化合物又は類似した物質は,試験液に含まれて
いないものでなければならない。分析前に内標準lは既知濃度になるように測定試料に加える。適切
な物質の選択はしばしば困難であり,その適用性は,各測定時ごとに検討しなければならない。幾つ
かの内標準の適用が可能である。
この分析手順では,次の内標準が使用できる。
− 1, 4−ジブロモフェノール又は
− 1, 5−ジブロモフェノール
− ある物質のために求めた校正関数は規定した濃度範囲でだけ使用し,これはまたガスクロマトグラフ
の状態によるので定期的に確認しなければならない。
− 全手順を通じて校正を行うときは,一定の量(例えば,1.0 柿 の内標準をアセトンに溶かしたものを
測定試料(例えば,800ml)に加える。
− 質量濃度 び測定試料について同じにしなければならない。内標準を添加する場合は,溶媒
の体積は1ml/lを超えてはならない。
− 表4に式(1),(2)及び後述で使用した添字の説明を示す。
表4 記号として使用した添字の説明
見出し 意味
i 対象物質
e 検量線作成における測定値
l 内標準
− 内標準を添加して検量線用溶液を調製し,引き続き抽出,ガスクロマトグラフ定量を行う。横軸にと
った対象物質の質量濃度と内標準濃度の比 ( 椀攀 ‰鉛 と内標準のピーク高さ(又はピーク面
積)の比 (yie/yle) に対してプロットして検量線を作成する。
yie ie
=mi1 +bi1 (1)
yie 1
ここに, yie : 検量線における対象物質iの値,これは 椀 潮
定モードによる。例えば,ピーク面積。
yle : 検量線における内標準lの値,これは 潮 定

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モードによる。例えば,ピーク面積。
椀 検量線用溶液中の対象物質iの質量濃度 ( 最一
検量線用溶液中の内標準lの質量濃度 ( 最一 5.による水で
は,添加された濃度は常に同じ。)。
mil : 質量濃度比 椀攀 数としてのyie/ylからなる検量線のこう
配(しばしば応答係数Flと呼ばれる。)。
bil : 縦軸上の検量線の切片。

10. 評価

10.1 それぞれの結果 (single results) の定量
測定試料中の物質iの質量濃度 椰 内標準の濃度が常に一定であれば,式(2)から計算される。
yi
bi1
y1
i= 1 (2)
mi1
ここに, 槿 測定試料中の物質iの質量濃度 ( 最一
yi : 測定試料の抽出物中の物質iの測定値(校正と測定試料
の測定に適用した同一操作条件による。)。単位は用いた
方法,例えば,面積値による。
yl : 測定試料の抽出物中の内標準の測定値,単位は用いた方
法による。
mil, bil,槿 式(1)を参照。
10.2 回収率の測定上の注意
− 難しいマトリックスを含む試料で,回収率がばらつくために評価が確かでない場合は,マトリックス
の影響は既知物質の標準添加によって確認することができる。
− 高い回収率は測定結果に良好な再現性を得る必要条件である。これらの結果の数値からの大きい変動
は多分抽出手順の難しさによる。
− ここで得られた回収率は,ここで使用した試料と溶媒量の比の場合についてだけ有効である。試料と
溶媒の体積比を変えたときは,回収率を再測定しなければならない。
10.3 結果のまとめ
− 異なった極性のカラムを用いた測定で,得られたそれぞれの結果から定量値を計算する。これらの結
果は,異なったカラムから得た結果の間の相違が測定法の標準偏差よりも小さい間は使うことができ
る。
− 大きな相違がある場合,分離されない混合物が変動の原因と考えられるので,低いほうの値を結果と
して採用する。このことは結果とともに明記しなければならない。

11. 結果の表現

 結果の記載に当たっては,選んだ検出器の相対感度を考慮しなければならない。水素炎
イオン化検出器の場合は,10 最一汎 下で1 一 物 出器の場合は,1 最一汎 下
程度の値とする。また,有効数字は2けた以下とする。
例 2−メチルフェノール 15 最一泰
最一
2, 4, 6−トリクロロフェノール 0.2

12. 試験報告

 報告書には,次の事項を含めなければならない。

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