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K 2180-6 : 2013
a) 炉 水平(横形)又は垂直(縦形)に設置でき,全ての試料を熱分解し,全ての硫黄を二酸化硫黄(SO2)
に酸化するのに十分な高温を保てるもの。
b) 燃焼管 石英製で,試料を酸素及び不活性ガスの気流中で完全に燃焼させることができるもの。
c) 流量調整器 酸素及び不活性ガスを規定流量で流すことができるもの。
d) 滴定セル 検出電極,参照電極及び一対の発生電極を内蔵したマグネチックスターラ付きのガラス製
電解液槽。検出電極及び参照電極は,二酸化硫黄の吸収によって生じた三よう化物イオンの濃度変化
を検出できるもの。発生電極はこの濃度変化量に相当する三よう化物イオンを発生できるもの。
e) 微量電量計 検出電極と参照電極との間にあらかじめ設定した電位差と,滴定中の両電極間の電位差
とを連続的に比較し,差があればこれを補償するのに必要な電流を発生電極に供給できるもの。
f) マイクロシリンジ 容量550 μLで正確に注入することができるもの。針の長さは,測定装置の製造
業者の取扱説明書に準拠する。垂直に注入するときには四ふっ化エチレン樹脂(PTFE)のピストン棒
によるシリンジがよい。
g) 試料注入システム 分析する試料を,1 μL/s以下の一定速度で,マイクロシリンジから内部キャリア
ガス流に直接注入できるシステム。水平(横形)又は垂直(縦形)のいずれかで取り付ける。
h) 天びん 質量を0.1 mgの桁まではかることができるもの。
i) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する100 mLを含む適切な容量の全量フラスコ。硫黄標準液の調製
に用いる。
6 手順
6.1 測定装置の準備
測定装置の準備は,次による。
a) 電解液で滴定セル内を洗浄した後,再度電解液を各電極が十分に浸る程度に入れる。
b) 検出電極,参照電極及び発生電極のそれぞれの端子を微量電量計の回路に接続する。
注記 縦形測定装置の場合は,この段階で終点電位を設定する。
c) 燃焼管出口部の端に滴定セルのガス導入管を連結し,テープヒータに通電し,滴定セルのガス導入管
を100 ℃以上に保温する。
d) 酸素及び不活性ガスの流量,燃焼炉の温度,微量電量計などを測定条件に設定する。測定条件の例を
表2に示す。
表2−測定条件の例
項目 縦形測定装置 横形測定装置
酸素流量 mL/min 320 160
不活性ガス流量 mL/min 80 40
燃焼炉温度 入口部 ℃ 850 700
中央部 ℃ 950 900
出口部 ℃ 300 800
微量電量計 バイアス電圧(電位差) mV − 160
終点電位 mV 250 −
ゲイン 目盛23 低(約200)
6.2 回収係数の測定
回収係数の測定は,次による。
――――― [JIS K 2180-6 pdf 6] ―――――
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a) 試料の硫黄分概略値に対応した硫黄標準液を表3から選択し,表3に示す量をマイクロシリンジには
かりとる。
表3−硫黄標準液の種類及びはかりとり量
試料の概略硫黄濃度 種類 はかりとり量
(mg/kg) (L)
1以上 100未満 硫黄標準液(20 μg/ml) 10100
100以上 300以下 硫黄標準液(250 μg/ml) 10
b) マイクロシリンジにとった硫黄標準液を,次の方法によって燃焼管へ導入する。
1) 縦形測定装置 マイクロシリンジの針先を試料注入口を通して燃焼管入口まで差し込み,硫黄標準
液を1.01.2 μL/sで注入し,注入量1) を正確に読み取る。
なお,試料を一定速度で注入するにはディスペンサー又は自動注入器を用いるとよい。
注1) 硫黄標準液の注入前後にマイクロシリンジ内に同量の空気を吸引し,その読みの差から注
入量を求め,針先からの揮散量を補正した正しい値を求める。
2) 横形測定装置 マイクロシリンジの針先を試料注入口へ通し,硫黄標準液を試料ボートに注入し,
注入量1) を正確に読み取る。次に,試料ボートを燃焼管入口部手前まで移動する。そのまま2060
秒間保持した後,燃焼管入口部へ送入する。
なお,横形測定装置であっても,硫黄標準液を直接注入する場合には1)の操作による。ただし,
注入速度は0.20.3 μL/sとする。
注記 試料ボートを燃焼管入口部手前で保持させずに送入すると,試料が不完全燃焼を起こし,
正確な測定値が得られない。
c) 硫黄量表示器に表示された値を読み取り,次の式によって回収係数を算出し,JIS Z 8401によって小
数点以下2桁に丸める。
b
f
V N
ここに, f : 回収係数
b : 硫黄量(ng)
V : 硫黄標準液の注入量(μL)
N : 硫黄標準液の濃度(μg/mL)
d) 回収係数を繰り返し測定し,その回収係数が0.650.95の範囲2) の任意の値で安定した連続する3回
の測定値を平均して,平均回収係数(F)とし,試料の硫黄分の算出に用いる。
なお,試料の測定時における平均回収係数の確認は,一連の試験ごとに1回,一連の試験が4時間
を超える場合は4時間ごとに1回行う。平均回収係数との差が0.05を超えた場合は,平均回収係数を
求め直す。
注2) 回収係数がこの範囲内に入らない場合は,硫黄標準液を再調製し,再測定する。再測定の結
果がこの範囲内に入らない場合には,装置及び操作方法を点検する。
6.3 試料採取及び測定
6.3.1 試料のはかりとり手順
JIS K 2180-1の附属書Aの手順によって測定用試料を採取する。試料のはかりとり手順は,次による。
a) 準備 JIS K 2180-1の附属書Aによって用意した試料容器を図2に示すように,試料容器出口(液側
又は底部バルブ)にニードル弁を接続し,ステンレス管,四ふっ化エチレン樹脂管などを用いて,四
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ふっ化エチレン樹脂製三方コックを用いてふっ素樹脂系などのプラスチックフィルム製のガス捕集袋
の導入口と接続する。
1 試料容器
2 元バルブ
3 試料容器出口
4 ニードル弁
5 ステンレス,四ふっ化エチレン樹
脂などの管(長さ50 cm以内)
6 三方コック
7 ガス捕集袋(容量15 L)
8 ガス捕集袋導入口
9 試料ガス採取口(セプタム付き)
図2−試料容器とガス捕集袋との接続の例
b) 共洗い 試料容器の元バルブを徐々に開き,ガス捕集袋が急速に膨らまないようにニードル弁で流量
を調整する。ガス捕集袋の中の容量が許容量の5070 %に達したとき,元バルブを閉じ,3分後に試
料ガスを排出し空にする。この操作を2回行う。
c) 試料のはかりとり b)と同様にして気化した試料を,ガス捕集袋の中へ採取する。元バルブを閉じて
から3分後に試料採取口のセプタムをとおしてガスタイトシリンジを2回又は3回試料ガスで共洗い
する。その後,試料ガスをはかりとる。
6.3.2 試料の測定
試料の測定は,次による。
a) 表4に従い,試料の硫黄含有量概算値に対応した試料のはかりとり量を6.3.1 c)によってガスタイトシ
リンジにはかりとり,これを測定装置の試料注入口から注入して,硫黄量表示器に表示される値を読
み取る。注入速度は0.22.0 mL/sとする。
なお,上記の手動注入手順に代えて自動試料採取及び注入器を用いることができる。
表4−試料のはかりとり量
試料の概略硫黄濃度 はかりとり量
(mg/kg) (mL)
1以上 100未満 10
100以上 300未満 5
b) 注入した試料温度として室温を測定する。
c) )及びb)の手順を用いて,適切な試料量を3回測定する。
d) 試料の完全な酸化を確認するため,燃焼管及びその他の流路構成部を観察する。コークス又はすすな
どの付着物を観察した場合は,次の手順を行う。
1) コークス又はすすが観察された場合には,製造業者の取扱説明書に従って燃焼管各部を清掃する。
清掃後及び/又は調整後,各部を組み立て,漏えい検査を行う。再測定を始める前に回収係数の測
定から行う。
2) 試料量を少なくする若しくは注入速度を遅くする,又はその両方を行って測定する。
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6.4 算出
全硫黄分Sは,次の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。
224. B
S
273
V M F
273 t
ここに, S : 全硫黄分(mg/kg)
B : 硫黄量(ng)
V : 試料注入量(mL)
t : 試料温度(室温とする。)(℃)
M : 試料(DME)1 mol当たりの質量(46.07)(g/mol)
F : 平均回収係数
7 精度
この測定方法によって得られた測定結果の許容差(確率0.95)は,次による。測定結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一装置で,引き続き短時間内に同一試料を2回測定
したとき,測定結果の差の許容差を表5に示す。
表5−精度
単位 mg/kg
成分名 範囲 室内併行許容差
全硫黄分 03.0 0.04 X
注記 Xは,測定結果の平均値
8 測定結果報告書
測定結果報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料名,試料採取場所,採取年月日及びロット番号
b) 規格番号(JIS K 2180-6)
c) 6.4によって得られた結果
d) 特記事項
参考文献 [1] JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス)
[2] JIS K 2541-2 原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第2部 : 微量電量滴定式酸化法
[3] ISO 16591,Petroleum products−Determination of sulfur content−Oxidative microcoulometry
method
[4] ISO 20846,Petroleum products−Determination of sulfur content of automotive fuels−Ultraviolet
fluorescence method
[5] ASTM D3246-96,Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Gas by Oxidative
Microcoulometry
JIS K 2180-6:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2180-6:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2180-1:2013
- 燃料用ジメチルエーテル(DME)―第1部:品質
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK9501:2019
- アジ化ナトリウム(試薬)
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方