この規格ページの目次
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K 2265-1 : 2007
CRM又はSWSを用いて行う試験器の検証手順及びSWSの調製手順は,附属書Bによる。
b) 検証によって得られた数値は,偏りを表すために用いてはならない。また,この後引き続きこの試験
器を用いて測定した引火点を,補正するために用いてはならない。
8 試料の採取方法及び調製方法
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に
よって採取及び調製する。自動サンプリングの場合は,ISO 3171によってもよい。
プラスチック容器(ポリエチレン製,ポリプロピレン製など)は,試料中の揮発性物質が容器の壁面を
透過して揮散する可能性があるので避ける。
9 試料の取扱い
試験に用いる試料及びメスシリンダは,27 ℃±5 ℃又は予期引火点より11 ℃低い温度のうち,いずれ
かの低い温度にあらかじめ冷却しておく。
10 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 液浴槽に,洗浄し,乾燥した試料カップを入れる。
b) 温度計を試料の予期引火点によって,表3から選び,温度計保持具を取り付ける。温度計をふたの温
度計差込み管に取り付けた後,ふたの内面及び温度計を布,紙などで清浄にする。
表3−温度計
試料の予期引火点 温度計番号及び温度計記号
℃
4未満 50(TAG)
4以上 49以下 50(TAG)又は30(PMF)
49を超え 30(PMF)
c) 試料50 mL±0.5 mLをメスシリンダにはかり,試料カップの最終液面から上部をぬらさないように注
意して,全量を試料カップに入れる。試料表面の気泡を取り除き,ふたをかぶせる。
d) ガス試験炎の場合は試験炎ノズルに点火し,炎の大きさを標準球に合わせる。電熱式引火源の場合は
引火源のスイッチを入れる。
e) 開閉器を作動して引火源を試料カップにのぞかせた後,元の位置に戻す。この操作は,約1秒間で円
滑に行う。この際,引火源を急激に上下させてはならない。
f) 試料の予期引火点によって,次の1)又は2)の操作を行う。
1) 試料の予期引火点が60 ℃未満の場合 試料の温度が60秒±6秒間に1 ℃の割合で上昇するように
浴液の加熱を調整する。試料の温度が予期引火点より5 ℃低い温度に達したら,e)の操作を行い,
それ以後は温度計の読みが0.5 ℃上昇するごとに引火源をのぞかせる。
注記 予期引火点が0 ℃より低い試料の場合は,ふたののぞかせ機構が凍りついて円滑に動作で
きないことがある。このような場合は,あらかじめ高真空用グリースを開閉器の滑り部分
に塗っておくと改善することができる。
2) 試料の予期引火点が60 ℃以上93 ℃以下の場合 試料の温度が60秒±6秒間に3 ℃の割合で上昇
――――― [JIS K 2265-1 pdf 6] ―――――
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するように浴液の加熱を調整する。試料の温度が予期引火点より5 ℃低い温度に達したら,e)の操
作を行い,それ以降は温度計の読みが1 ℃上昇するごとに引火源をのぞかせる。
g) 試料カップの内部に明らかな引火を認めたら,その温度を測定引火点として記録し,直ちに加熱を止
める。引火点近くの温度になって引火源の周りに青白い輪が現れることがあるが,これを引火と見誤
ってはならない。
h) 引火源をのぞかせ始めたときから引火が認められるまでの間に,試料の温度上昇速度が規定の範囲を
超えた場合は,試料を取り替えて試験をやり直す。また,測定引火点と予期引火点との差が2 ℃を超
えている場合は,その結果は無効とする。新しい試料を用い,引火源のぞかせ開始温度を変更して,
測定引火点と予期引火点との差が2 ℃以内になるまで試験をやり直す。
i) 気圧計を用いて,試験時における試験器周辺の気圧を記録する。
11 計算方法
11.1 気圧読取値の変換
気圧の読取値がキロパスカル(kPa)以外の場合,次の式のいずれかを用いてキロパスカルに変換する。
a) ヘクトパスカル(hPa)単位の読取値×0.1=kPa
b) ミリバール(mbar)単位の読取値×0.1=kPa
c) 水銀柱ミリメートル(mmHg)単位の読取値×0.133 3=kPa
11.2 測定引火点の標準気圧への補正
引火点は,次の数式を用いて,101.3 kPaの標準気圧に補正して求める。
TC TO .025 (1013.P)
ここに, TC : 引火点(℃)
TO : 測定引火点(℃)
P : 測定引火点試験時の室内の気圧(kPa)
12 結果の表し方
標準気圧に補正した引火点(℃)を,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.5に丸める。
13 精度
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6 の規定によって処理する。
13.1 室内併行精度
同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果
の差の許容差は,表4による。
13.2 室間再現精度
異なる試験室において,別人が別の試験器で,同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験
結果の差の許容差は,表4による。
――――― [JIS K 2265-1 pdf 7] ―――――
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表4−精度
単位 ℃
引火点 室内併行許容差 室間再現許容差
0以上 13未満 1.0 3.5
13以上 60未満 1.0 2.0
60以上 93以下 2.0 3.5
14 試験結果の報告
試験結果の報告には,次の事項を記述する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) 日本工業規格(日本産業規格)番号 : JIS K 2265-1
c) 箇条12によって得られた結果
d) 特記事項
――――― [JIS K 2265-1 pdf 8] ―――――
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附属書A
(参考)
試験方法の種類
A.1 試験方法の種類
JIS K 2265の規格群には,表A.1に示す試験方法がある。
表A.1−試験方法の種類
規格群 試験方法の種類 適用基準a) 適用油種例b)
K 2265-1 タグ密閉法 引火点が93 ℃以下の試料。ただし,次
原油
の試料には適用できない。 工業ガソリン
灯油
a) 40 ℃動粘度が5.5 mm2/s以上,又は
航空タービン燃料油
25 ℃動粘度が9.5 mm2/s以上の試
料。
b) 試験条件下で油膜のできる試料。
c) 懸濁物質を含む試料。
K 2265-2 迅速平衡密閉法 引火点が−30300 ℃の試料。 原油,灯油,軽油,重油,航空タービ
ン燃料油
K 2265-3 ペンスキーマル A法 : 原油,軽油,重油,電気絶縁油,
引火点が40 ℃を超える密閉法引火点の
テンス密閉法 測定が必要な試料で,タグ密閉法が適用 さび止め油,切削油剤,各種潤
できない試料。 滑油
B法 : 重油,使用潤滑油,カットバッ
クアスファルト,高粘度物質な
ど
K 2265-4 クリーブランド 引火点が79 ℃を超える試料。ただし,
石油アスファルト,流動パラフィン,
開放法 原油及び燃料油は除く。 エアーフィルタ油,石油ワックス,さ
び止め油,電気絶縁油,熱処理油,切
削油剤,各種潤滑油
注a) 個別のJIS製品規格などによって,適用試験方法又は試験条件が規定されている場合は,それによる。
b) 適用油種例は,JIS石油製品規格などで規定されているものを例示した。
――――― [JIS K 2265-1 pdf 9] ―――――
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附属書B
(規定)
試験器の検証
B.1 一般事項
この附属書は,二次作業標準物質(SWS)を調製する手順,及び認証標準物質(CRM)とSWSとを用
いて試験器の検証を行う手順について規定する。
試験器(手動又は自動)の性能は,JIS Q 0034及びJIS Q 0035に従って調製されたCRM又はB.2.2に
規定した手順に従い,調製されたSWSを用いて定期的に検証しなければならない。また,試験器の性能
は,JIS Q 0033及びJIS Z 8402-4に従って評価しなければならない。試験結果の評価について,結果が正
しいかどうかの判定は,95 %信頼限界を基礎にする。
B.2 検証の標準物質
B.2.1 認証標準物質(CRM)
CRMは,安定な単一の炭化水素又は安定な物質から構成されている。CRMの認証値は,JIS Q 0034及
びJIS Q 0035に従って,この試験方法を用いた照合試験を行い決定される。また,この認証値は,ロット
ごとに決定され,認証時の室内併行許容差(r)及び室間再現許容差(R)と共に成績書に記載される。
注記 CRMは,社団法人石油学会から供給されている。
B.2.2 二次作業標準物質(SWS)
SWSは,安定した石油製品,単一の炭化水素又は他の安定した物質から構成されている。SWSの引火
点は,次のいずれかの方法で決定される。
a) 代表的な候補試料を,事前にCRMによって検証した試験器を用いて3回以上試験する。試験結果を
統計的に分析し,異常値を棄却した後,結果の平均値を計算し,引火点を決定する。
b) 代表的な候補試料を,事前にCRMによって検証した試験器を用いて3か所以上の試験機関によって,
この試験方法による各2回ずつの照合試験を実施する。照合試験のデータを解析し,計算して引火点
を決定する。
SWSは,当初の品質を保てるような容器に入れ,直射日光を避け,10 ℃を超えない温度で保存する。
B.3 検証の手順
a) 試験器で測定する引火点範囲内のCRM又はSWSを選択する。CRMの代表値を表B.1に示す。表中
のデカンは,主成分99.3 %以上,かつ,軽質不純分0.4 %以下の純度のものとする。CRMの認証値は,
添付する成績書の値による。
できるだけ広い範囲を検証するため,2種類のCRM又はSWSを用いるのが望ましい。さらに,CRM
又はSWSそれぞれについて,繰り返し試験を行うのが望ましい。
b) 新しい試験器に対しては,最初の使用に先立ち,使用中の試験器に対しては,年1回以上,CRMを用
いて,箇条10に従った試験で検証を行う。
c) 中間の検証には,SWSを用いて,箇条10に従った試験で検証を行う。
d) 11.2に従って,試験結果を標準気圧における引火点に補正する。補正した値を丸めの幅0.1に丸める。
――――― [JIS K 2265-1 pdf 10] ―――――
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JIS K 2265-1:2007の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2265-1:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISQ0030:2019
- 標準物質―選択された用語及び定義
- JISQ0034:2012
- 標準物質生産者の能力に関する一般要求事項
- JISQ0035:2008
- 標準物質―認証のための一般的及び統計的な原則
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-4:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第4部:標準測定方法の真度を求めるための基本的方法
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方