この規格ページの目次
- 3. 定義
- 4. 原理
- 5. 材料
- 5.1 バインダー
- 5.2 白色顔料ペースト
- 6. 装置及び器具
- 6.1 フーバーマラー
- 6.2 パレットナイフ又はへら
- 6.3 パネル
- 6.4 プラスチック製のフィルム
- 6.5 フィルムアプリケーター
- 7. サンプリング
- 8. 手順
- 8.1 摩砕濃度
- 8.2 分散条件確立のための予備試験
- 8.3 有色顔料分散体の調製
- 8.4 希釈ペーストの調製
- 8.5 淡色の比較と相対着色力の測定
- 9. 結果の表し方
- 10. 試験報告書
- JIS K 5101-3-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS K 5101-3-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS K 5101-3-1:2004の関連規格と引用規格一覧
3
K 5101-3-1 : 2004
JIS K 5600-2-5 塗料一般試験方法−第2部 : 塗料の性状・安定性−第5節 : 分散度
備考 ISO 1524:1983,Paints and varnishes−Determination of fineness grindが,この規格と一致して
いる。
JIS K 5600-4-3 塗料一般試験方法−第4部 : 塗膜の視覚特性−第3節 : 色の目視比較
備考 ISO 3668:1998,Paints and varnishes−Visual comparison of the colour of paintsが,この規格と一
致している。
JIS K 5601-2-1 塗料成分試験方法−第2部 : 溶剤可溶物中の成分分析−第1節 : 酸価(滴定法)
備考 ISO 3682:1983,Binders for paints and varnishes−Determination of acid value−Titrimetric method
が,この規格と一致している。
JIS K 7117-2 プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘
度の測定方法
備考 ISO 3219:1993,Plastics−Polymers/resins in the liquid state or as emulsions or dispersions−
Determination of viscosity using a rotational viscometer with defined shear rateからの引用事項は,
この規格の該当事項と同等である。
ISO 3262:1975 Extenders for paints
ISO 4629:1978 Paint media−Determination of hydroxyl value−Titrimetric method
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 白色顔料ペースト(white pigment paste) 白色顔料をバインダーに分散したもの。
b) 淡色ペースト(reduction paste) 有色顔料をバインダーに分散したものを白色顔料ペーストと混合
して得られるペースト。
c) 淡色(coiour on reducation) 淡色ペーストの色。
d) 希釈比率(reduction ratio) 淡色ペースト中の有色顔料の白色顔料との質量割合。
4. 原理
フーバーマラーを使用して決められた条件下で調製した有色試験サンプルの分散体を,白色顔
料ペーストと既知の割合で混合する。その結果得られた淡色ペーストの色の強さ及びアンダートーンと,
同一条件で得られた受渡当事者間で協定した比較顔料の淡色ペーストの色の強さ及びアンダートーンとを
比較する。
5. 材料
5.1 バインダー
バインダーは,受渡当事者間の協定による。バインダーは,試験する顔料の応用分野
を考慮して選択する。
備考 例えば,バインダーには,次のものがある。提案されているバインダーは,市販のものである。
a) アルキド樹脂 63 %(分率)のあまに油及び23 %(分率)の無水フタル酸の混合物をベースとしたも
ので,次の条件を満たすもの。
試験方法
酸価 15 mg KOH/g 以下 JIS K 5601-2-1
粘度(溶剤なし) 710 Pa・s JIS K 7117-2
水酸基含有量 約40 mg KOH/g ISO 4629 : 1978
b) ウレタン変性あまに油 次の条件を満たすもの。
――――― [JIS K 5101-3-1 pdf 6] ―――――
4
K 5101-3-1 : 2004
試験方法
あまに油含有量 約80 % 受渡当事者間の協定による
酸価 0 JIS K 5601-2-1
遊離イソシアネート基 0 受渡当事者間の協定による
遊離水酸基 0.81.2 % 受渡当事者間の協定による
粘度 (20 ℃) 1518 Pa・s JIS K 7117-2
5.2 白色顔料ペースト
白色顔料ペーストの組成は,受渡当事者間の協定による。白色顔料ペーストは,
試験する顔料の性質を考慮して選択する。ペースト用バインダーは,有色顔料分散体[8.2 a)参照]に用い
るバインダーと相溶性のあるものとする。他に規定がなければ,次のバインダーの一つを用いる。
備考 白色顔料ペースト用及び有色顔料分散用として同じバインダーを使用することを特に推奨する。
それによって,凝集や類似の影響の可能性が最小になる(5.1の備考参照)。
a) アルキド樹脂ベースのペースト 次の組成のもの。
− 二酸化チタン40部(質量),グレードR2で,JIS K 5116の要求条件を満たすもの。
− アルキド樹脂[5.1 a)]56部(質量分率)。
− ステアリン酸カルシウム4部(質量分率)。
へらを使用して,顔料をあらかじめぬらすためによく混合する。次いで,粒ゲージで試験して(JIS
K 5600-2-5参照),粒度が5 下になるまで3本ロールで分散する。密閉容器,望ましくはねじぶ
たのついた押し出しチューブに保管する。
b) ウレタン変性あまに油ベースのペースト 次の組成のもの。
− 二酸化チタン40部(質量),グレードR2で,JIS K 5116の要求条件を満たすもの。
− ウレタン変性あまに油[5.1 b)]50部(質量)。
− ステアリン酸カルシウム7部(質量)。
− 合成シリカ(ISO 3262:1975参照)3部(質量)。
参考 ISO 3262 : 1975は,パート制の部編成のものに改正されている。
へらを使用して,顔料をあらかじめぬらすためによく混合する。次いで,粒ゲージで試験して(JIS
K 5600-2-5参照),粒度が5 下になるまで3本ロールで分散する。密閉容器,望ましくはねじぶ
たのついた押し出しチューブに保管する。
6. 装置及び器具
6.1 フーバーマラー
上板及び下板ともすりガラス板の付いたもので,望ましくは水冷式のもの。ガラ
ス板の直径は,180250 mmで,これに1 kNまで荷重をかけられるもの。ガラス板は,70120 r/minで
回転し,25の倍数の回転数に調節できるもの。
新しいフーバーマラー板を板に荷重をかけて1 000回転適切なバインダー系中で顔料を摩砕することに
よって事前調整する。ペーストを取り除き,廃棄する。
用いる前に,上下各板の表面が平滑であり,光沢がなく,引っかききずがないことを確認しておく。
備考 フーバーマラーに水冷式の板が付いていない場合には,混練操作中に10 ℃以上温度が上がら
ないように注意する。
6.2 パレットナイフ又はへら
ステンレス鋼製又はプラスチック製のもの。
6.3 パネル
ガラス製又は他の透明で,無色,非吸収性の材質のもの。
6.4 プラスチック製のフィルム
透明で無色のもの。
――――― [JIS K 5101-3-1 pdf 7] ―――――
5
K 5101-3-1 : 2004
6.5 フィルムアプリケーター
乾燥前の厚さが50100 ィルムを23本並べて塗布できるもの。
7. サンプリング
試験する製品からJIS K 5600-1-2 に従って代表サンプルを採取する。
8. 手順
8.1 摩砕濃度
摩砕濃度は,次による。
a) 顔料のバインダーに対する適切な比率は,顔料の吸油量だけではなく摩砕操作中の混合物の粘度にも
依存する。最初にすべての顔料を次の三つのグループに分ける。
1) バインダー要求量が低い顔料−顔料の平均摩砕濃度66.7 %(質量分率)
2) バインダー要求量が中程度の顔料−顔料の平均摩砕濃度40 %(質量分率)
3) バインダー要求量が高い顔料−顔料の平均摩砕濃度25 %(質量分率)
b) 各ケースで,約2 mlの混合物を得るため,a) の三つのグループに対して,試験に使用する量は次に
よる。
1) 顔料3.0 g及びバインダー1.5 g
2) 顔料1.0 g及びバインダー1.5 g
3) 顔料0.5 g及びバインダー1.5 g
備考1. 選択した混合物が,フーバーマラー上での使用に固すぎたり軟らか過ぎたりする場合は,適
切な他の比率を使用する。
2. フーバーマラー板の直径が,6.1で規定する範囲の最大に近い場合には,板の摩耗を減らすた
めに規定量を増やす。
8.2 分散条件確立のための予備試験
分散条件確立のための予備試験は,次による。
a) 約1.5 gのバインダー (5.1) と適切な量の受渡当事者間で協定した比較顔料とをひょう量する。フーバ
ーマラーの下板の真ん中にバインダーを置く。バインダーの上に顔料を振りかけ,へら (6.2) を使用
してできるだけ力を入れないで混合する。このペーストを,下板の中心から約35 mmの距離で数箇所
に配って置くか,又は内径40 mm,外径100 mmの輪の間に広げる。フーバーマラーの上板にこすり
付けるようにしてへらをできるだけふき取る。
フーバーマラー板を閉じ,最大加重をかけて各回50回転ずつ混合物を摩砕する。各回の摩砕の後,
へらで両板からペーストを集め,これを上記のように下板に広げ,同様に上板でへらをぬぐう。全部
で200回転後,集めたペーストの少量(全量の約4分の1)を取り,それを適切な容器に保存し,残
りは摩砕を続ける。全部で300回転及び400回転の後で,同様に少量を取り,それらを適切な容器に
保存し,フーバーマラー板及びへらをふき取る。
備考 ガラス板の下に見本として必要な形の紙の輪を置くとよい。
b) フーバーマラーの下板の上に,次のものを置く。
− 白色顔料ペースト(5.2) 3±0.01 g
− 200回転摩砕したもので,有色顔料を約0.12 g含有する量の有色顔料ペースト(備考参照)
二つのペーストを摩砕操作をしないでへらでできるだけ均一に混合し,その混合物をa)の規定のよ
うに下板の上に広げ,前述のように上板でへらをぬぐう。板を閉じ,最小の加重をかけて,毎回フー
バーマラーを25回転ずつ摩砕する。各回の回転後,4回完了するまでペーストをa)のように下板の上
に集める。次に,ペーストをフーバーマラーから取り,後の評価のために取っておく。それぞれ300
回転及び400回転摩砕し,有色顔料の0.12 gを含有する着色ペーストの他の部分を用いてこの操作を
――――― [JIS K 5101-3-1 pdf 8] ―――――
6
K 5101-3-1 : 2004
繰り返す。
備考 有色顔料を0.12 g含有する有色顔料ペーストの量は,白色顔料ペースト3 gと混合すると,1:10
の希釈比率になり,この比率は,希釈ペーストの色の強さとアンダートーンを評価するのに適
した強度の淡色を作るために,例えば,1:5又は1:20(それぞれ弱い顔料又は強い顔料に合わ
せて)に修正する。
c) これらの希釈ペーストをガラスパネル (6.3) 又はプラスチック製の透明なフィルムに順番に並べて,
へらで両者が接するように展色する。
ペーストの各々の色の強さを肉眼で比較する。どのペーストが最大の色の強さに発色したかを評価
し,そのペーストを得るのに必要なマラーの回転数を記録する(一つ以上のペーストが同じ最大の色
の強さに発色していたら,少ない方の回転数を記録する。)。試験そのものにはこの回転数を使用する。
8.3 有色顔料分散体の調製
有色顔料分散体の調製は,次による。
a) 8.2で得られた結果を基に,次のことを決める。
1) 有色の,受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体を調製するために使用する顔料とバインダーの
量。
2) 有色の,受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体を調製するために使用する回転数及び使用する
加重。
3) 有色顔料分散体を白色顔料ペーストと混合するために使用する希釈比率。
b) これらを決定して,フーバーマラー上で,受渡当事者間で協定した比較顔料の分散体を8.2によって
調製する。ただし,各回50回転で,先に決定した全回転数まで摩砕する。ペーストの採取をしないで,
各回の後でペーストを集めて広げる。摩砕が完了したら,ペーストを集めて,適切な容器に保管する。
フーバーマラー及びへらを掃除し,同量の試験サンプル及びバインダーを用い,同じフーバーマラー
上で同じ手順で操作を繰り返す。このサンプルから有色顔料ペーストを集め,それを適切な容器に保
管する。フーバーマラー及びへらをきれいにする。
8.4 希釈ペーストの調製
希釈ペーストの調製は,次による。
a) 下のマラー板の上に,次のものを置く。
− 白色顔料ペースト(5.2) 3±0.01 g
− 8.3 b)によって調製し,選択した希釈率になるように,受渡当事者間で協定した比較顔料の質量を
含む有色顔料ペースト。
二つのペーストを,摩砕操作をしないで,へらでできるだけ均一に混合し,次いで8.2 a)のように
下板の上にペーストを広げ,へらを上板でぬぐう。板を閉じ,最低の荷重をかけて,フーバーマラー
の回転数25回転ずつで摩砕する。4回完了まで各回の後,8.2 a)のようにペーストを下板の上に集め
る。次に,マラーからペーストを取り除き,後の評価 (8.5) のために適切な容器に保管する。
b) 有色顔料の試験サンプルから調製した有色顔料分散ペーストを用いて,操作を繰り返す。これによっ
て希釈した比較ペーストが得られる。
8.5 淡色の比較と相対着色力の測定
淡色の比較及び相対着色力の測定は,次による。
a) 8.4のようにして得られた二つの希釈ペーストの各々を,ガラスパネル (6.3) 又はプラスチック製の透
明フィルム (6.4) の上に少量並べて置く(備考参照)。フィルムアプリケーター (6.5) を使用してペー
ストを引き伸ばし,幅25 mm以上,長さ40 mm以上で,両者が接するように2本の一様な厚さの帯
を作る。
両方の帯は,共に基板を完全に隠ぺいする膜厚にする。各々の帯の一部を指で軽くこする。こすっ
――――― [JIS K 5101-3-1 pdf 9] ―――――
7
K 5101-3-1 : 2004
たところとこすらないところの表面の色合いの差を比較し,著しい差が観察されたら記録する。試験
を続け,こすらない表面だけを観察する。JIS K 5600-4-3に従って,展色直後に表面に拡散昼光を当
てて,又は受渡当事者間の協定によって,ガラス又はプラスチックフィルムを通して,二つの帯を観
察して色の強さとアンダートーンとを比較する。良好な昼光が得られない場合は,JIS K 5600-4-3に
従って人工昼光下で比較する。もし,色の強さが等しく,アンダートーンが同じであれば,淡色が同
じで,試験したサンプルの相対着色力は100 %である[9.a) 参照]。しかし,色の強さは等しいが,ア
ンダートーンが同じでない場合は,淡色及びその性質の差に注意する。
備考 直接見たときのフィルムの外観が,基板を通して見たときの外観と異なる場合は,希釈ペース
トが凝集していることを示している。このような場合には,その試験結果は信頼できないと考
える。
b) 色の強さが等しくなく,そのために淡色が同じでない場合は,8.4及びa) の操作を繰り返す。ただし,
受渡当事者間で協定した比較顔料の有色顔料分散体から採った最初の質量の色の強さと同じになるよ
うに推定して,試験サンプルの有色顔料分散体の量をひょう量して使用する。アンダートーンに差が
ある場合は,その差と性質に注意する。
備考 例えば,試験するサンプルが,受渡当事者間で協定した比較顔料よりも15 %強い場合には,
繰返し試験では,使用する試験顔料の着色顔料分散体の質量を15 %減らし,受渡当事者間
で協定した比較顔料の着色顔料分散体の質量は,最初に使用した質量と同じとする。
9. 結果の表し方
結果の表し方は,次による。
a) 試験サンプルの相対着色力は,次の式から求める。
b100
(%)
a
ここに, a : 受渡当事者間で協定した比較顔料のb部と同じ色の強さにするの
に必要な試験サンプルの質量(部)
b : 受渡当事者間で協定した比較顔料のサンプルの質量(部)
備考 パーセント(%)で表すこと,着色力は受渡当事者間で協定した比較顔料の着色力を100 %とし,
それに対する相対的なものであることを示す。
b) 試験サンプルの等価着色値は,次の式から求める。
a 100 :
100
b
備考 値が100以上の場合には“より弱い”を,値が100以下の場合には“より強い”と表す。
例1. a=20部,b=25部の場合,試験サンプルの相対着色力は125 %,試験サンプルの等価着色値は
より強い80 : 100である。
例2. a=50部でb=45部の場合,試験サンプルの相対着色力は90 %,試験サンプルの等価着色値は
より弱い111 : 100である。
10. 試験報告書
試験報告書には,少なくとも次のことを記入する。
a) 試験した顔料の種類及びその詳細
b) この規格の引用及び附属書1で規定するフーバーマラー法又はペイントコンディショナ形振とう機法
のいずれを使用したかの記載
――――― [JIS K 5101-3-1 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS K 5101-3-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 787-16:1986(MOD)
JIS K 5101-3-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- 87 : 塗料及び色材工業 > 87.060 : 塗料配合剤 > 87.060.10 : 顔料及びエキステンダ
JIS K 5101-3-1:2004の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK5101-1-2:2004
- 顔料試験方法―第1部:分散性評価のための分散方法―第2節:ペイントコンディショナ形振とう機
- JISK5101-1-5:2004
- 顔料試験方法-第1部:分散性評価のための分散方法-第5節:フーバーマラー
- JISK5116:2004
- 二酸化チタン(顔料)
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-2-5:1999
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第5節:分散度
- JISK5600-4-3:1999
- 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第3節:色の目視比較
- JISK5601-2-1:1999
- 塗料成分試験方法―第2部:溶剤可溶物中の成分分析―第1節:酸価(滴定法)
- JISK7117-2:1999
- プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法