JIS K 5601-1-2:2008 塗料成分試験方法―第1部:通則―第2節:加熱残分

JIS K 5601-1-2:2008 規格概要

この規格 K5601-1-2は、塗料,ワニス,塗料用バインダ,ポリマーディスパージョン及び液状フェノール樹脂の加熱残分を,質量の変化から求める方法について規定。

JISK5601-1-2 規格全文情報

規格番号
JIS K5601-1-2 
規格名称
塗料成分試験方法―第1部 : 通則―第2節 : 加熱残分
規格名称英語訳
Testing methods for paint components -- Part 1:General rule -- Section 2:Determination of non-volatile matter content
制定年月日
1999年4月20日
最新改正日
2017年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 3251:2003(MOD)
国際規格分類

ICS

87.040
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
塗料 2020
改訂:履歴
1999-04-20 制定日, 2004-04-20 確認日, 2008-02-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS K 5601-1-2:2008 PDF [9]
                                                                                K 5601-1-2 : 2008

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 装置及び器具・・・・[2]
  •  4.1 塗料,ワニス,バインダ及びポリマーディスパージョン用平底皿・・・・[2]
  •  4.2 液状架橋形樹脂(フェノール樹脂)用平底皿・・・・[3]
  •  4.3 乾燥器・・・・[3]
  •  4.4 化学はかり・・・・[3]
  •  4.5 デシケータ・・・・[3]
  •  5 サンプリング・・・・[3]
  •  6 測定の手順・・・・[3]
  •  7 試験条件・・・・[4]
  •  8 結果の表し方・・・・[5]
  •  9 精度・・・・[6]
  •  9.1 繰返し精度 (r)・・・・[6]
  •  9.2 再現精度 (R)・・・・[6]
  •  10 試験報告書・・・・[6]
  •  附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[7]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 1] ―――――

K 5601-1-2 : 2008

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本塗料
工業会(JPMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 5601-1-2:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS K 5601の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 5601-1 第1部 : 通則
JIS K 5601-2 第2部 : 溶剤可溶物中の成分分析
JIS K 5601-3 第3部 : 溶剤不溶物中の成分分析
JIS K 5601-4 第4部 : 塗膜からの放散成分分析
JIS K 5601-5 第5部 : 塗料中の揮発性有機化合物 (VOC) の測定
JIS K 5601-1 塗料成分試験方法−通則は,次に示す各節によって構成する。
JIS K 5601-1-1 第1節 : 試験一般(条件及び方法)
JIS K 5601-1-2 第2節 : 加熱残分

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 5601-1-2 : 2008

塗料成分試験方法−第1部 : 通則−第2節 : 加熱残分

Testing methods for paint components−Part 1: General rule− Section 2: Determination of non-volatile matter content

序文

  この規格は,2003年に第3版として発行されたISO 3251を基に,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使
用に関連して起こるすべての安全性の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用
者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

1 適用範囲

  この規格は,塗料,ワニス,塗料用バインダ(以下,バインダという。),ポリマーディスパージョン及
び液状フェノール樹脂の加熱残分を,質量の変化から求める方法について規定する。
この方法は,フィラー,顔料及び添加剤(増粘剤,増膜剤など)を含むディスパージョンにも適用でき
る。非可塑性ポリマーディスパージョン及びゴムラテックスにもこの方法が適用できるが,不揮発残さ
(渣)が,試験条件下で化学的に不安定なものは適用できない。不揮発残さ(渣)には,高分子物質及び
少量の添加剤,例えば,乳化剤,保護コロイド,安定剤,増膜助剤としての溶剤,特に,濃縮ゴムラテッ
クス用の保存剤などが含まれる。可塑性材料の場合,不揮発残さ(渣)には,一般的に可塑剤が含まれて
いる。
注記1 加熱残分は,絶対的な値ではなく,試験温度及び加熱時間によって決まる。また,この方法
を適用する場合の加熱残分は,溶剤の残留,熱分解及び低分子量成分の蒸発のために,真の
値でなく単に相対的なものとして得られる。したがって,この方法は,同一タイプの製品の,
異なったバッチの試験を意図したものである。
注記2 この方法は,決められた時間加熱処理する合成ゴムラテックスに適用できる。(JIS K 6387-2
では,2 gの試料に対し加熱処理後,継続加熱をしてもその後の減量が0.5 mg以下となる加
熱条件を規定している。)。
注記3 実験室では,赤外線又は電磁波による乾燥によって加熱残分を測定することがあるが一般的
ではない。ポリマー成分によっては,このような乾燥方法では分解する傾向にあり,不正確

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2
K 5601-1-2 : 2008
な結果を与えるからである。
注記4 ISO 3233:1998,Paints and varnishes−Determination of percentage volume of non-volatile matter by
measuring the density of a dried coating[塗料及びワニス−一定容量の液状塗料から得られる乾
燥塗膜(不揮発分)の体積の測定]では,塗料,ワニス及び関連製品の加熱残分の体積を測
定する試験方法を規定している。
注記5 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3251:2003,Paints,varnishes and plastics−Determination of non-volatile-matter content (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第2節 : サンプリング
注記 対応国際規格 : ISO 15528:2000,Paints, varnishes and raw materials for paints and varnishes−
Sampling (IDT)
JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第3節 : 試験用試料の検分及び調整
注記 対応国際規格 : ISO 1513:1992,Paints and varnishes−Examination and preparation of samples for
testing (IDT)
JIS K 5600-2-2 塗料一般試験方法−第2部 : 塗料の性状・安定性−第2節 : 粘度
注記 対応国際規格 : ISO 2431:1993,Paints and varnishes−Determination of flow time by use of flow
cups (MOD)
JIS K 6387-1 ゴムラテックス−第1部 : サンプリング
注記 対応国際規格 : ISO 123:2001,Rubber latex−Sampling (IDT)
JIS K 6387-2 ゴムラテックス−第2部 : 全固形分の求め方
注記 対応国際規格 : ISO 124:1997,Latex,rubber−Determination of total solids content (MOD)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
加熱残分 (non-volatile matter content)
規定条件下で,蒸発によって得られる残さ(渣)の質量分率。
3.2
不揮発残さ(渣)(non-volatile residue)
蒸発によって得られる残さ(渣)。

4 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。

4.1 塗料,ワニス,バインダ及びポリマーディスパージョン用平底皿

 直径 (75±5)   m,縁の高さ5 mm
以上の金属製又はガラス製のもの。受渡当事者間で合意したときは異なる直径の皿を用いてもよい。

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K 5601-1-2 : 2008
なお,受渡当事者間で合意した皿の直径の許容差は±5 %の範囲とする。
注記1 ゴムラテックスについては,注ぎ口のないふた付きの皿(lipless dishes with covers)を推奨す
る。
注記2 非常に粘性の高い高分子ディスパージョン又はラテックスについては,寸法が (70±10) m
×(120±10) mで厚みが約0.1 mmの,半分に折ることが可能なアルミホイルの使用を推奨
する。これは,半折りにして,高粘度の液体をゆっくりと押し広げるためである。

4.2 液状架橋形樹脂(フェノール樹脂)用平底皿

 直径 (75±1)   m,縁の高さ5 mm以上の,金属製又
はガラス製のもの。ただし,前記と異なる直径の皿を用いることもできるが,この場合,試料の質量は,
次の式によって算出した値とする。
2
d
m 3
75
ここに, m : 測定試料の質量 (g)
d : 皿の底辺の直径 (mm)
3 : 測定試料の標準の質量 (g)
75 : 標準の皿の直径 (mm)

4.3 乾燥器

 安全に試験することができ(例えば,防爆形スイッチを用いる。),規定又は協定による温
度(箇条7参照)を保つ能力のある(150 ℃未満のときは±2 ℃以内であり,150 ℃以上200 ℃未満のと
きは,±3.5 ℃以内に維持することができる。),乾燥器。
乾燥器は,強制排気装置を備えていなければならない。ただし,フェノール樹脂の場合は,乾燥器の1/3
の高さに,孔の開いた棚(例えば,パンチメタル)が付いた自然対流式の乾燥器を使ってもよい。
警告 爆発又は火災防止のために,可燃性揮発物質を含む製品は注意して取り扱わなければならない。
国の規則に従う。
特に別の規定がある場合には,真空乾燥器も適用できる。この場合,条件は受渡当事者間の協定による
か,又はJIS K 6387-2に規定する方法による。判定試験 (referee tests) の場合,全当事者は同等の構造の
乾燥器を用いなければならない。

4.4 化学はかり

 0.1 mgのけたまで正確にはかることができるもの。

4.5 デシケータ

 例えば,塩化コバルト含浸の乾燥シリカゲルなど,適切な乾燥剤を入れたもの。

5 サンプリング

  JIS K 5600-1-2に従って,塗料,ワニス及びバインダの試料を採取する。ポリマーラテックス及びゴム
ラテックスの場合,JIS K 6387-1によって試料を採取する。その後,JIS K 5600-1-3に規定する試験方法に
よって,塗料及びワニスを検分し,調整する。

6 測定の手順

  測定は,2回繰り返して行う。測定の手順は,次による。
a) 皿の調整及びひょう量 皿(4.1又は4.2参照)を脱脂し清浄にする。測定精度を保つため,乾燥器(4.3
参照)中で,規定又は受渡当事者間で合意した温度及び時間(箇条7参照)で皿を乾燥し,乾燥後,
使用直前までデシケータ(4.5参照)中に保管することが望ましい。清浄な乾燥した皿 (m0) を1 mg
のけたまではかる。

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 5] ―――――

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JIS K 5601-1-2:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3251:2003(MOD)

JIS K 5601-1-2:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 5601-1-2:2008の関連規格と引用規格一覧