この規格ページの目次
- 5.3 カラム槽
- 5.4 検出器
- 5.5 キャピラリーカラム
- 5.6 定性分析に供する装置
- 5.7 注入シリンジ
- 5.8 チャート式記録計
- 5.9 インテグレータ
- 5.10 サンプル容器
- 5.11 ガスフィルタ
- 5.12 ガス
- 6. 試薬
- 6.1 内標準
- 6.2 校正用化合物
- 6.3 希釈溶媒
- 7. サンプリング
- 8. 操作
- 8.1 密度
- 8.2 含水量
- 8.3 ガスクロマトグラフ条件
- 8.4 製品の定性分析
- 8.5 校正
- 8.6 サンプル調製
- 8.7 化合物含有量の定量測定
- 9. 計算
- 9.1 方法1
- 9.2 方法2
- 9.3 方法3
- 9.4 方法4
- 10. 結果の表示
- 11. 試験報告
- JIS K 5601-5-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS K 5601-5-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS K 5601-5-1:2006の関連規格と引用規格一覧
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5.2.2 ホット導入部方式 通常は,この方式が推奨される。スプリット注入部は温度可変であり,注入温
度は,1 ℃の精度で設定できるものとする。スプリット比は,調整及び監視可能でなければならない。ス
プリット注入器は,不揮発性成分を捕そく(捉)するためのシラン処理ガラスウールをもち,樹脂及び顔
料の残さ(渣)による誤差(すなわち,化合物の吸着)をなくすため,必要に応じて洗浄,新規ガラスウ
ールの装着又は取替えが可能なものであること。吸着が起こるとピークのテーリングが発生し,特に低揮
発性成分において顕著である。
参考 この方式は,JIS K 0114に規定する方式のうち,スプリット注入法のことである。
5.2.3 コールド導入部方式 コールド導入部方式(温度プログラム気化法)は,40300 ℃までの加熱プ
ログラムを備え,ガラスのような不活性材料でできたサンプルスプリッタを備えている。サンプルスプリ
ッタは,シラン処理ガラスウールを備え,5.2.2のとおり保守維持される。スプリット比は,調整及び監視
ができるものとする。
参考 この方式は,JIS K 0114に規定するコールド導入部方式のうち,温度プログラム気化法のこと
である。
5.2.4 サンプル導入方式の選択 ホット導入方式及びコールド導入方式の選択は,試験する製品のタイプ
による。測定を妨害する物質を高温で放出する製品には,コールド導入方式を用いる必要がある。分裂又
は分解反応の知見は,サンプル導入温度をいろいろ変えることで,クロマトグラムの変化(例えば,異常
ピークの生成又はピークサイズの増減)を調べることによって得られる。ホット導入方式は,揮発性の構
成成分,化合物,バインダー及び添加剤の分解生成物のすべてが対象となる。製品の構成成分と分解生成
物とが同一となる場合には,コールド導入方式を用いれば,分解成分の溶離が後で起こるので,プログラ
ム昇温の結果として分離できる。
備考 試験方法の精度は,導入方式,特にホット導入方式を自動注入器と組み合わせることで向上す
る。自動注入器を用いるときは,製造業者の指示に従う。
5.3 カラム槽
カラム槽は,40300 ℃の間で等温的に,かつ,プログラム化した温度制御のもとに加
熱でき,炉温は1 ℃以内で設定できるものとする。温度プログラムの最終温度は,カラムの使用可能温度
を超えてはならない(5.5参照)。
5.4 検出器
次の3種の検出器のいずれも使用できる。
5.4.1 水素炎イオン化検出器 (FID) 水素炎イオン化検出器は,温度300 ℃まで使用できるものとする。
凝縮を避けるため,検出器温度は,最高カラム槽温度より少なくとも10 ℃高いものであること。検出器
へのガス供給,注入容量,スプリット比及びゲイン設定は,算出に用いるシグナル(ピーク面積)が,物
質の量と比例するよう最適化する。
5.4.2 質量分析計 質量分析計の概要は,JIS K 0114による。
5.4.3 フーリエ変換赤外線分光光度計(FT−IR分光光度計) フーリエ変換赤外線分光光度計の概要は,
JIS K 0117による。
5.5 キャピラリーカラム
キャピラリーカラムは,化学的に安定な材質のもので,揮発物を分離するの
に十分な長さで最大内径0.32 mmであり,ポリジメチルシロキサン又はポリエチレングリコールで適切な
膜厚で被覆され,良好なピーク分離をすると分かっているものとする。固定相及びカラム長は,特定のも
のの分離に適するよう選択する(附属書Bの例参照)。
備考 カラムの長さ及び径は,受渡当事者間の合意のもとに別途取り決めることができる。
5.6 定性分析に供する装置
試料中の未知の有機化合物を同定する必要がある場合に必要とする装置。
ガスクロマトグラフ装置に質量分析計又はFT-IR分光光度計を接続する。操作は製造業者の指示に従う。
――――― [JIS K 5601-5-1 pdf 6] ―――――
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5.7 注入シリンジ
注入シリンジは,ガスクロマトグラフに注入されるサンプルの少なくとも二倍の容
量をもつもの。
5.8 チャート式記録計
ガスクロマトグラムをプロットするには,補償型チャート式記録計が適してい
る。
5.9 インテグレータ
ピーク面積をはかるには,電子式データ処理方式(積分機又はコンピュータ)を
用いる。校正及び分析に用いるファクタは,同一とする。
5.10 サンプル容器
化学的に不活性な材料(例,ガラス)でできた容器とし,適切な隔膜キャップ(例,
ポリテトラフルオロエチレンで被覆されたゴム製)でシールできる容器を用いる。
5.11 ガスフィルタ
ガス中の残留不純物を吸着するため,ガスクロマトグラフ接続管中にフィルタを装
着する(5.12参照)。
5.12 ガス
5.12.1 キャリヤーガス キャリヤーガスは,酸素を含まない乾燥したヘリウム,窒素又は水素で,容量で
少なくとも99.996 %純度のもの。
5.12.2 燃料ガス及び助燃ガス 燃料ガス及び助燃ガスは,容量で少なくとも99.999 %純度の水素及び空
気であり,有機化合物を含まないもの。
5.12.3 付加ガス 付加ガスは,キャリヤーガスと同品質の窒素又はヘリウムとする。
6. 試薬
6.1 内標準
内標準は,サンプル中に存在せず,クロマトグラム中で他の成分と完全に分離する化合物
を選定する。さらに,サンプル中の成分と反応せず,所要の温度範囲で安定であり,純度既知のもの。2-
メチル-1-プロパノール(イソブタノール),ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの化合物が適切
である。
6.2 校正用化合物
校正に用いる化合物は,その純度が少なくとも99 %(質量)又は純度既知のもの。
6.3 希釈溶媒
サンプル希釈に適した有機溶媒を用いる。その純度は,少なくとも99 %(質量)又は純
度既知であり,例えば,クロマトグラムでピークの重なりを生じるような測定を妨害する物質を一切含有
しないもの。不純物の存在及び妨害ピークの可能性を見るため,希釈溶媒単独での試験を行う。特に微量
分析時には,常に実施する。
参考 メタノール,テトラヒドロフランなどの溶媒が適切である。
7. サンプリング
試験に供する製品(又は多層塗装系の場合は,それぞれの製品)の代表サンプルを,
JIS K 5600-1-2の規定によって採取する。各サンプルを“既調合”状態の試験用最終サンプルに調製して,
JIS K 5600-1-3の規定によって検分及び調整を行う。
8. 操作
8.1 密度
VOC含有量の計算に密度が必要なときは(9.29.4参照),サンプルのタイプによって最善の
精度を得るため,JIS K 5600-2-4に規定するいずれかを用いてサンプルの密度を測定する。密度は,23 ℃
で測定する。
8.2 含水量
JIS K 0068によって,サンプルに含まれる化合物からの妨害がないように試薬を選び,含
水量を質量%として測定する。化合物が未知の場合は,それらを定性的に測定する(8.4参照)。
参考1. 妨害を起こしそうな典型的な化合物は,ケトン類及びアルデヒド類である。試薬製造業者は,
――――― [JIS K 5601-5-1 pdf 7] ―――――
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正しい試薬選定の手引き用文書を通常発行している。
2. 試験する製品の特性がよく分かり,含水していないことが分かっているときは,含水量の測
定は不要で,ゼロと想定してもよい。
8.3 ガスクロマトグラフ条件
ガスクロマトグラフ条件は,次による。
a) ガスクロマトグラフの使用条件は,分析する製品に依存し,その都度,既知の校正用混合物を用いて
最適化しなければならない。ホット導入部及びコールド導入部の各方式の条件例については,附属書
Bを参照する。
b) 注入量及びスプリット比は,カラムの容量を超えず,検知器の直線性が保たれる範囲内に調節する。
非対称ピークは,ガスクロマトグラフシステムへの過負荷を示す。
8.4 製品の定性分析
製品中の有機化合物が未知の場合,定性分析を行う。ガスクロマトグラフを質量
分析計又はFT-IR分光光度計と組み合わせ(5.6),クロマトグラフのプログラムを8.3と同じ条件に設定す
る。
8.5 校正
8.5.1 化合物が同定できる場合 適正な化合物が市販品で得られるなら,ファクタは次の手法を用いて決
める。
a) サンプル容器(5.10)中に,8.4で同定した化合物のそれぞれの市販品を0.1 mgまでの精度ではかり
とる。その量は,試験する製品中に含まれる量と同程度とする。同様の量の内標準(6.1)を,そのサ
ンプル容器にはかりとり,混合物を希釈溶媒(6.3)で希釈して,それを試験サンプルに用いるのと同
じ条件で注入する。
b) 装置パラメータを8.3に指示したように最適化する。
c) 校正用混合物の適量を,ガスクロマトグラフに再び注入する。それぞれの化合物についてのファクタ
を,式(1)を用いて算出する。
mci Ais
ri (1)
m is Aci
ここに, ri : 化合物iのファクタ
mis : 校正用混合物中の内標準の質量(mg)
mci : 校正用混合物中の化合物iの質量(mg)
Ais : 内標準のピーク面積
Aci : 化合物iのピーク面積
8.5.2 化合物が同定できない場合 同定できないピークが認められた場合又は適正な化合物が市販品で
手に入らない場合には,ファクタは1.0を想定する。
8.6 サンプル調製
13 gの間のサンプルと,それに含まれるVOCと同量程度の内標準とを,0.1 mgの
精度でサンプル容器にはかりとる。試験サンプルを適切な量の希釈溶媒で希釈し,容器を密封して内容物
を均質化する。
備考 容量法で同程度の精度が確保できる場合には,計量は容量で行うことができる。
参考 顔料入り,その他扱い難いサンプルは,遠心分離で処理してもよい。
8.7 化合物含有量の定量測定
化合物含有量の定量測定は,次による。
a) 装置パラメータを,校正時に最適化した条件に設定する。
――――― [JIS K 5601-5-1 pdf 8] ―――――
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b) 試験サンプル0.11 μlをガスクロマトグラフに注入し,クロマトグラムを記録する。それぞれの化合
物のピーク面積を測定し,塗料中にあるそれぞれの化合物の質量を,式(2)を用いて算出する。
ri Aci mis
mi (2)
ms Ais
ここに, mi : 試験サンプル1g中の化合物iの質量(g)
ri : 化合物iのファクタ[8.5.1 c)参照]
Aci : 化合物iのピーク面積
Ais : 内標準のピーク面積
mis : 試験サンプル中の内標準の質量(g)(8.6参照)
ms : 試験サンプルの質量(g)(8.6参照)
参考 ナフサなどのある種の溶媒は,一連のピークとして溶出する。ほとんどの記録積分計では,こ
の区間で同時溶出する他の化合物がないものとして,全面積を合計して一つのピークとして扱
う。
9. 計算
次に規定する方法によって,VOC含有量は式(3)式(6)を用いて計算する。特定の方法が規定
されていないときは,方法1によってVOC含有量を計算する。方法1は,密度の測定(VOC含有量に
密度の測定誤差が影響する可能性がある)を含まないので精度がよいため,望ましい計算方法である。
9.1 方法1
既調合製品の質量%表示でのVOC含有量は,式(3)を用いて算出する。
i n
VOC 1 mi 100 (3)
i
ここに, VOC : 既調合製品の質量%表示でのVOC含有量
mi : 試験サンプル1 g中の化合物iの質量(g)[8.7 b)
参照]
9.2 方法2
既調合製品のリットル当たりグラム数表示でのVOC含有量は,式(4)を用いて算出する。
i n
VOC 1 mi 1 000 (4)
i s
ここに, VOC : 既調合製品のリットル当たりグラム数表示での
VOC含有量
mi : 試験サンプル1 g中の化合物iの質量(g)[8.7 b)
参照]
ρs : 23 ℃での試験サンプルの密度(8.1参照)
1 000 : 変換ファクタ
9.3 方法3
既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水分を除外した場合のVOC含有量は,式(5)
を用いて算出する。
――――― [JIS K 5601-5-1 pdf 9] ―――――
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i n
mi
VOC
i 1 1 000 (5)
lw s
mw
1- s
w
ここに, VOClw : 既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水
分を除外した場合のVOC含有量
mi : 試験サンプル1g中の化合物iの質量(g)[8.7 b)
参照]
mw : 試験サンプル1 g中の水分の質量(g)(8.2参照)
ρs : 23 ℃での試験サンプル密度(8.1参照)
ρw : 23 ℃での水分の密度(=0.997 537 g/ml)
1 000 : 変換ファクタ
9.4 方法4
既調合製品のリットル当たりグラム数表示での水分及び対象外化合物抜きVOC含有量(国
の規制がある場合に適用)は,式(6)を用いて算出する。
i n
1 mi
i 1 000 (6)
VOC lwe i n m ec i s
mw
1− − 1
s s i
w ec i
ここに, VOClwe : 既調合製品のリットル当たりグラム数表示での
水分及び対象外化合物抜きVOC含有量
mi : 試験サンプル1 g中の化合物iの質量(g)[8.7 b)
参照]
mw : 試験サンプル1 g中の水分の質量(g)(8.2参照)
meci : 試験サンプル1 g中の対象外化合物iの質量(g)
ρs : 23 ℃での試験サンプルの密度(8.1参照)
ρw : 23 ℃での水分の密度(=0.997 537 g/ml)
ρeci : 対象外化合物iの密度
1 000 : 変換ファクタ
10. 結果の表示
サンプリング及び調整を含む操作を2回繰返す。二つの結果(繰返し)の差が,附属書
C(参考)附属書表1の変動の繰返し性係数に表示された値より大きい場合は,操作を繰り返す。有効な
二つの結果(反復)の平均値を計算する。質量で1 %を超える値の場合は0.1 %まで,1 %以下の値につ
いては0.01 %までの精度で報告する。
11. 試験報告
試験報告には,次の事項を記載する。ただし,受渡当事者間の協定によって,記載する事
項を選択することができる。
a) この規格(JIS K 5601-5-1)
b) 試験した製品を確認するのに必要なすべての事項(製造業者,商品名,ロット又はバッチナンバなど)
c) 附属書Aに規定する補足情報
d) )で引用した情報を提供する国際標準,国家標準,製品規格又はその他の引用事項
e) 9.に示す試験結果及び採用した計算方法(9.1,9.2,9.3又は9.4)
――――― [JIS K 5601-5-1 pdf 10] ―――――
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JIS K 5601-5-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11890-2:2000(MOD)
JIS K 5601-5-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5601-5-1:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0068:2001
- 化学製品の水分測定方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
- JISK5600-2-4:2014
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第4節:密度(ピクノメータ法)