この規格ページの目次
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K 6240 : 2011
11 精度
(対応国際規格では,この箇条で精度について規定しているが,この規格では不採用とし,附属書JA
に記載した。)
――――― [JIS K 6240 pdf 6] ―――――
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K 6240 : 2011
附属書JA
(参考)
精度
JA.1 一般
JA.1.1 この試験方法の精度計算は,2004年に実施されたガラス転移温度測定の試験室間試験プログラム
(以下,ITPという。)の結果を基に,ISO/TR 9272に従って行われた。
JA.1.2 ITPは,4種類のゴム[Nd触媒重合BR(NdBR),SBR1502,SBR1712及び油展溶液重合SBR
(OESSBR)]を用いて実施した。これらのゴムは,−100 ℃−20 ℃の範囲にTgが現れる。30の試験室
が,ITPに参加し,タイプ1の精度評価を行った。2回のTg測定は,1週間間隔で行った。測定は,それ
ぞれの試験日に昇温速度10 ℃/分及び20 ℃/分の2種類の測定条件で実施した。精度評価は,全ての
Tg値を絶対温度に変換して実施した。これは,相対精度を計算するときに計算中で負の値を避け,平均値
を0付近から離すことで百分率の値を小さくするためである。
JA.1.3 この精度データは,材料の合否判定に用いるためのものではない。
JA.2 精度の結果
JA.2.1 4種類のゴムについて,昇温速度10 ℃/分及び20 ℃/分の2種類の測定条件で実施した結果の
精度を表JA.1に示す。精度結果は,ISO/TR 9272に基づき外れ値を棄却して得られた結果である。表JA.1
には,外れ値を棄却した後の残った試験室の数を記載した。精度結果の一般的標記をJA.2.2で引用する。
これらは,精度r,R及び相対精度(r),(R)の両方を示した。
JA.2.2 試験室内繰返し精度及び試験室間再現精度
a) 試験室内繰返し精度 それぞれのゴムの繰返し精度を表JA.1に示す。二つの試験結果が,表に記載さ
れたr及び(r)より大きい場合,異なる母集団であると考えられる。このような場合は,適切な調査
を必要とする。
b) 試験室間再現精度 それぞれのゴムの再現精度を表JA.1に示す。二つの試験結果が,表に記載された
R及び(R)より大きい場合,異なる母集団であると考えられる。このような場合は,適切な調査を必
要とする。
JA.2.3 表JA.1の最後の列(精度の最終計算に用いられた試験室数)は,かなりの数の試験室データが外
れ値として削除されたことを示す。NdBRの最終的な試験室の数が少ないのは,幾つかの試験室がデータ
を提出しなかったためである。
10 ℃/分及び20 ℃/分の精度において,実質的な差は見られなかった。10 ℃/分のrは20 ℃/分よ
り9 %大きく,10 ℃/分のRは20 ℃/分より3 %小さい。
JA.3 まとめ
昇温速度20 ℃/分の方が,10 ℃/分よりガラス転移温度が,約2 ℃高くなる傾向にあるが,昇温速度
の違いは,精度に大きく影響しないため,利便性から昇温速度の速いものを選択した。
――――― [JIS K 6240 pdf 7] ―――――
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K 6240 : 2011
表JA.1−DSCによるガラス転移温度測定精度結果
試料 平均値 試験室内 試験室間 試験室数a)
℃ K sr r (r) sR R (R)
昇温速度10 ℃/分
NdBR −106.3 166.7 0.379 1.06 0.64 1.531 4.29 2.57 20
SBR1502 −54.5 218.5 0.382 1.07 0.49 1.160 3.25 1.49 25
SBR1712 −34.3 238.7 0.408 1.14 0.48 1.417 3.97 1.66 24
OESSBR −24.3 248.7 0.245 0.69 0.28 1.449 4.06 1.63 23
平均値 − − 0.354 0.990 0.473 1.39 3.89 1.84 −
昇温速度20 ℃/分
NdBR −104.8 168.2 0.273 0.76 0.45 1.418 3.97 2.36 19
SBR1502 −52.7 220.3 0.462 1.29 0.59 1.431 4.01 1.82 27
SBR1712 −32.2 240.8 0.372 1.04 0.43 1.164 3.26 1.35 22
OESSBR −21.9 251.1 0.190 0.53 0.21 1.724 4.83 1.92 24
平均値 − − 0.324 0.905 0.420 1.43 4.02 1.86 −
注記 表中記号 :
sr : 試験室内の繰返し標準偏差
r : 試験室内の繰返し精度(測定単位で表した数字)
(r) : 試験室内の繰返し精度(絶対温度を用い%で表した数字,相対値)
sR : 試験室間の再現標準偏差
R : 試験室間の再現精度(測定単位で表した数字)
(R) : 試験室間の再現精度(絶対温度を用い%で表した数字,相対値)
注a) TPに参加した全30の試験室のうち,外れ値を削除した後の試験室数
――――― [JIS K 6240 pdf 8] ―――――
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K 6240 : 2011
附属書JB
(参考)
DSC装置の温度校正に用いる標準物質
JB.1 温度校正に用いる推奨標準物質
DSC装置の温度校正に用いる推奨標準物質を表JB.1に示す。
表JB.1−推奨標準物質の融点,ガラス転移温度
単位 ℃
物質名 融点,転移点(参考値)
シクロヘキサン(転移) −87.0
シクロヘキサン(融解) 6.7
インジウム(融解) 156.6
注記 室温以上の標準物質の詳細は,JIS K 7121の7.(温度の校正)を参照。
低温側の推奨標準物質であるシクロヘキサンは,日本熱測定学会熱測定標準化作業グループ
でラウンドロビンテストを行い,標準物質としての妥当性を示している(参考文献[3]参照)。
純度99.99 %以上のシクロヘキサンは,独立行政法人産業技術総合研究所及び国内試薬製造
業者で入手可能である。
各標準物質の融点及び転移点の値は,入手先の認証値を用いる。
参考文献
[1] ISO/TR 9272:2005,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards
[2] JIS K 7121 プラスチックの転移温度測定方法
[3] 日本熱測定学会熱測定標準化作業グループ : 熱測定,vol.35,No.2,68-75(2008)
――――― [JIS K 6240 pdf 9] ―――――
K6
3
附属書JC
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(参考)
0 : 2
JISと対応国際規格との対比表
011
ISO 22768:2006 Rubber, raw−Determination of the glass transition temperature by
JIS K 6240:2011 原料ゴム−示差走査熱量測定(DSC)によるガラス転移温度の求
め方 differential scanning calorimetry (DSC)
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
3 用語及 3.2 ガラス転移温度 3.2 JISとほぼ同じ 追加 この規格でのガラス転移温度 技術的な差異はない。
び定義 をより明確に説明した。
5 装置及 5.1 示差走査熱量計 5.1 JISとほぼ同じ 変更 ISO 11357-1を削除し,JIS K 技術的な差異はない。
び試薬 0129から引用した。
5.2 試料容器 5.2 変更 ISO 11357-1を削除し,アルミ 技術的な差異はない。
ニウム製のものを用いると記
載した。
5.4 ガス 5.3 JISとほぼ同じ 追加 窒素ガスのJISを追加した。 技術的な差異はない。
− 7 状態調節 削除 ガラス転移温度測定ではISO 技術的な差異はない。
23529を用いた状態調節の必要
がないため削除した。
6 試験片 JIS K 6298を引用 6 変更 サンプリング及びその後の準 技術的な差異はない。
備手順を明確にした。
7 温度の 8 校正は装置の取扱説明書 変更 箇条番号の変更。 技術的な差異はない。
校正 に従う。 校正は,JIS K 0129に従い行う校正をISO 11357-1に従うこと及
ことにし,室温以下の推奨するび推奨する標準物質の情報を附
標準物質を附属書JBに記載し 属書に追加することをISO 22768
た。 の見直しの際に提案する。
8 手順 9 JISとほぼ同じ 変更 箇条番号の変更。 技術的な差異はない。
8.2 測定準備 9.2 同じ種類の原料ゴム 変更 同じ種類の意味を分かりやす 技術的な差異はない。
くするため,詳しく記載した。
――――― [JIS K 6240 pdf 10] ―――――
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JIS K 6240:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 22768:2006(MOD)
JIS K 6240:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.040 : ゴム及びプラスチックの原材料 > 83.040.10 : 生ゴム及びラテックス
JIS K 6240:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0129:2005
- 熱分析通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK6298:2009
- 原料ゴム―天然ゴム・合成ゴム―サンプリング及びその後の準備手順