JIS K 6255:2013 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―反発弾性率の求め方 | ページ 3

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7 円盤振子式試験

7.1 試験装置

7.1.1  試験装置概要
試験装置は,先端が球面である打撃端をもつブラケットを取り付けた円盤振子,試験片を保持する強固
な支持装置及び落下高さ・反発高さを読み取る装置からなり,次の要件を満たしていなければならない。
用いる試験片は,タイプ1及びタイプ2の2種類があり(7.2.2参照),試験片の受ける見掛けのひずみエ
ネルギー密度は,厚さによって異なる。
なお,円盤振子と支持装置とは,試験装置の調整及び点検のため,取り外しできることが望ましい。
− 打撃端球面の直径(D) : (4.00±0.04)mm
− 打撃質量(m) : (60.0±0.2)g
− 打撃速度(v) : (0.125±0.006)m/s
− 試験片タイプ1の厚さ(d1) : (7.0±0.1)mm
− 見掛けのひずみエネルギー密度(試験片タイプ1の場合)(mv2/Dd12) : 3.37.2 kJ/m3
− 試験片タイプ2の厚さ(d2) : (4.0±0.1)mm
− 見掛けのひずみエネルギー密度(試験片タイプ2の場合)(mv2/Dd22) : 12.616.9 kJ/m3
円盤振子式試験装置として,トリプソメータの例を図4に示す。
1 解放装置
2 ブラケット
3 試験片支持装置
4 軸受
5 円盤振子
図4−トリプソメータの例
7.1.2 円盤振子
円盤振子は,直径(420.0±2.5)mm,質量(16.50±0.05)kgの鋼製の固体円盤であり,その外周部に直
径(4.00±0.04)mmの鋼球製の打撃端を保持するブラケットを取り付けたものである。鋼球とブラケット
とによって(60.0±0.2)gの非平衡質量が加わり,これによって打撃エネルギーが生じる。円盤振子の中
心から打撃端の中心までの距離は,(260.0±0.5)mmであり,非平衡質量の重心は,円盤振子としての振

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動周期(振幅90°)が(10.0±0.5)秒となる位置になければならない。このときの円盤振子の落下角度は,
45°とする。また,円盤振子は,回転部分の摩擦ができるだけ小さくなるよう設計した軸受けに取り付け
る(附属書Cを参照)。さらに円盤振子は,解放されるまでの間,円盤振子の落下角度である45°の位置
に固定できる装置を備えていることが必要である。
なお,固定装置は,少しでも円盤振子に衝撃を与えてはならない(図4参照)。
注記1 打撃装置の対数減衰率の測定の詳細及び最大許容値については,7.1.6を参照する。
注記2 摩擦を最小にする空気軸受けを用いた設計は,附属書Cを参照する。
7.1.3 円盤振子の動きを観測する方式
円盤振子の動きを観測するには,反発弾性率を直接読み取ることのできる目盛又は等間隔目盛を用いる。
等間隔目盛の場合は,反発弾性率を求めるための換算表又は換算式が必要である。この場合,反発弾性率
RTは,等間隔目盛で観測した落下角度及び反発角度から,次の式(7)によって算出する。
1 cos
RT 100 (7)
1 cos
ここに, RT : 円盤振子式試験による反発弾性率(%)
θ : 反発角度(度)
替 落下角度(度)
7.1.4 試験片支持装置
試験片支持装置は,試験中の試験片を堅固に保持するものでなければならない。図5にタイプ1試験片
の支持装置を示す。この方法は,試験片の後方にある孔を通しての真空吸着による固定方法である。
なお,真空吸着は,絶対圧力10 kPa以下を維持するポンプによって行う。
図6にタイプ2試験片の支持装置を示す。図6 a) は,保持リングと真空吸着とによる固定方法である。
図6 b) は,ばねによる固定方法であり,ばねによって試験片の前面を(2.0±0.1)Nの保持力で押し付け
る固定方法である。いずれの場合も,試験片の後方にある孔を通しての真空吸着との組合せを推奨する。
支持装置の位置は,円盤振子が拘束のない自由な状態(平衡状態)にあるとき,ブラケットの鋼球が試験
片の試験面中心に接する位置でなければならない。また,この状態で指針は,目盛板の0を示していなけ
ればならない。

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単位 mm
1 固定台
2 保持リング
3 吸着孔
図5−試験片支持装置(タイプ1試験片用)の例
単位 mm
a) 保持リングと真空吸着による固定方法 b) ばねによる固定方法
1 固定台 6 試験片取り出し溝
2 保持リング 7 ブラケット
3 カバー板 8 鋼球
4 吸着孔 9 ばね
5 試験片 10試験片ホルダ
図6−試験片支持装置(タイプ2 試験片用)の例

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7.1.5 温度制御装置
標準試験温度以外の試験温度で試験する場合は,試験装置全体を恒温槽に入れて試験することができる。
この場合,試験装置は,その試験温度で,7.1.6に従って調整及び検査を行わなければならない。
他の方法として,図7に示すような加熱又は冷却のための循環流体を用いた恒温装置を試験片支持装置
に取り付けてもよい。この場合,試験片を完全に温度制御した環境に置くため,試験片支持装置の前面の
開口部に,加熱又は冷却気体によるエアーカーテンを設けることが望ましい。
試験片支持装置の温度は,熱電対又は他の方法によって,試験片に近い位置で測定する。
1固定台 5 保温カバー着脱取手 9 内槽開閉取手
2外槽 6 試験片 10 温度制御加熱・冷却気体
3内槽 7 試験片ホルダ 11 温度制御センサー
4保温カバー 8 断熱材
図7−温度調節装置付き試験片支持装置の例
7.1.6 試験装置の調整
試験装置は,試験片の支持装置を取り付けた状態で,硬さの極端に異なる試験片に繰り返し打撃を加え
たとき,装置全体の動作が滑らかでなければならない。剛体部分の剛性不足,円盤振子の軸受部の欠陥な
どによって,有害な振動,振幅の減少などを生じてはならない。
調整及び検査は,次のとおり行う。
a) 円盤振子の幾何学的形状,質量,円盤の寸法及び落下高さの測定によって,打撃質量及び打撃速度が
7.1.1に規定しているとおりであることを確認する。
b) 打撃端球表面の直径が規定どおりであることを確認する。
また,球表面が打撃によって生じる試験片表面のくぼみ面よりも大きいことを確認する。このため
に打撃端の球表面は,完全な半球状であることが望ましい。
c) 円盤振子は,拘束のない自由な状態で,静止位置に止まることを確認する。この静止位置が打撃の生
じる位置であり,かつ,目盛の0位置であることを確認する。
d) 円盤振子の摩擦損失を補正するため,支持装置を試験装置から取り外して,次の手順で,周期及び対
数減衰率を測定する。

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1) 円盤振子を動かし,振動周期と振動の減少とを同一の側で測定し,記録する。
対数減衰率 次の式(8)によって算出する。
1 x

(pdf 一覧ページ番号 )

                         Λ   loge
n x n
ここに, 対数減衰率
n : 振動の回数
θx,θx+n : 等間隔目盛で読んだ振幅角度(度)
円盤振子の振動の両側で減衰条件が異なる場合は,両側で振幅を測定し,平均値を求め,これを
用いる。
2) 周期(T)及び対数減衰率( を,次の異なる振幅で,各々5回測定し,その平均値から求める。
フルスケール T1
1/2スケール T2
1/4スケール T4
なお,1/2及び1/4スケールでは,円盤振子の落下高さをフルスケールの各々の1/2及び1/4値と
する。
3) 周期T1,T2及びT4のいずれの値も,その平均値から10 %以上異なってはならない。1 %未満の差は,
無視できる。1 %以上10 %未満の差の場合は,適切な非線形の補正を目盛に施す。この補正は,目
盛の各点に対応する振子のエネルギーを基準に行う。
打撃速度の値は,円盤振子の振動周期から算出することができ,7.1.1に規定した範囲にあること
を確認する。
4) 対数減衰率 び その平均値から0.01以上異なってはならない。また
び 満の場合は,無視
0.03以下の場合は,補正が必要である。
なお,落下角度及び反発角度に対する補正値は,それぞれの角度近傍における振幅の対数減衰率
を測定し,次の式(9)及び(10)によって算出する。
1 1
1 1 2Λi

(pdf 一覧ページ番号 )

                                 e     4
ここに, δ1 : 落下角度に対する補正値(度)
槿 落下角度近傍における振幅の対数減衰率
替 落下角度(度)
1 1
2 1 2 Λi

(pdf 一覧ページ番号 )

                                 e     4
ここに, δ2 : 反発角度に対する補正値(度)
Λi : 反発角度近傍における振幅の対数減衰率
θ : 反発角度(度)

7.2 試験片

7.2.1  作製
試験片の作製は,6.2.1による。
7.2.2 寸法及び寸法測定
試験片は,(44.6±0.5)mmの直径及び(7±1.0)mmの厚さをもつ円盤(タイプ1),又は(8±0.5)mm
×(8±0.5)mm×(4±0.1)mmの寸法の直方体(タイプ2)とする。タイプ2の試験片は,タイプ1の

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JIS K 6255:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4662:2009(MOD)
  • ISO 4662:2009/Technical Corrigendum 1:2010(MOD)

JIS K 6255:2013の国際規格 ICS 分類一覧

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