この規格ページの目次
19
K 6265 : 2018
劣化)の程度を目視によって確認し判定する。
b) 自動検出法
1) 一般 試験片内部の中心で破壊が発生するため観察が難しく,間接的な検出方法に頼らざるを得な
い。定応力フレクソメータ試験では,試験中,連続的に測定される各データの変化を利用して破壊
の発生を自動検知することができる。
2) 破壊を検出するための測定値 次の各データが試験中,連続的に測定されるので,このうちのいず
れかの測定値の変化によって破壊を検出する。
− 試験片内部の温度( 燿
− クリープ率(F)
− 貯蔵弾性係数(M')
− 損失弾性係数(M'')
− 損失正接(tan
このうち,試験片内部の温度,クリープ率及び貯蔵弾性係数については,一般的にこれらの測定
値が目立った変化を示した時点では,既に疲労破壊がかなり進行しているので明確な破壊の検知に
は適するが,破壊の前兆又は破壊の始まりといった微妙な点を検出するのには,損失弾性係数又は
損失正接の測定値が適している。
3) 破壊の判定基準の明確化 試験片の疲労破壊を数値的に自動検出するためには,試験終了後に試験
片を切断したときに,切断面がどのような状態になっているのを破壊と判定するのかをまず明確に
しておく必要がある。例えば,試験片切断面に現れた気泡の大きさ(直径)及び数によって,あら
かじめ,破壊の程度を幾つかの水準に分けておき,どの水準を破壊の始まりとするのかを規定して
おくことが望ましい。
なお,破壊の判定基準は,製品の種類又は試験の目的によって決まるもので,一律には規定でき
ない。
4) 破壊検出条件の決定 破壊の自動検出は,一般的な方法として,2)の測定値のいずれか(二つ以上
の測定値の組合せでもよい。)に着目し,その値の変化の大きさ,時間に対する変化率,その他の形
態の変化(以下,測定値の変化という。)が一定の量に達したときに,破壊を検出したとして試験を
停止する。このような破壊検出の条件を実験的に決定するには,通常,次のような手順による。
4.1) 疲労破壊寿命がなるべく大きく異なると思われる試料を数種類(5種類以上が望ましい。)用意し,
それぞれ少なくとも6個の試験片を作製する。
特に損失弾性係数及び損失正接の測定値の変化によって破壊を検出する場合は,動的特性の異
なる試料が望ましい。
4.2) 試験条件として,製品の実用状態と同等又は相似の静荷重及び動荷重の振幅を設定する。加速試
験のため,試験温度及び周波数は,実用状態よりも高い値に設定する。
4.3) 試験時間を十分に長い時間に設定して試験を実施し,連続的に記録された測定値の変化から破壊
が生じたと推定される時間を試験時間として,改めて試験を行う。
4.4) 試験終了後,試験片をその高さ方向の中心で,加振方向に対し直角に切断し,切断面を観察する。
損傷の程度をあらかじめ定めた水準と照合し,その過不足を判定する。
4.5) 自動検出しようとする破壊の水準に対して,損傷の程度が不足の場合は試験時間を長く,過剰の
場合は短く設定して試験を繰り返す。
4.6) 手順4.4) 及び4.5) を繰り返して,ちょうど自動検出しようとする破壊の水準が得られた時点で,
――――― [JIS K 6265 pdf 21] ―――――
20
K 6265 : 2018
試験時間とともにそのときの測定値の変化の詳細を定量的に記録する。
4.7) 用意した試料全てについて,手順4.3)4.6) によって試験を繰り返す。
4.8) 得られた一連の結果を解析して実験式を求めるか又はテーブル化の手法によって,破壊自動検出
のための条件を決定する。
なお,試験は,その都度新しい試験片を用いて行う。また,手順4.3) において,25分間試験を
行っても破壊が生じない場合,又は破壊の発生が早すぎる場合は,試験条件を加減して再度試験
する[6.3.1のe) 参照]。
さらに,手順4.6) において,確認のため2個以上の試験片によって,同じ条件で試験を行うこ
とが望ましい。
6.3.2.3 温度上昇及びクリープ率の測定
温度上昇及びクリープ率の測定は,25分間の試験中継続して実施する。クリープ率の測定は,動荷重を
掛けて(試験開始時)から6秒後の試験片の高さを起点としてそれ以降の試験片の高さを測定する。
6.3.2.4 永久ひずみの測定
永久ひずみの測定は,25分間の試験が終了後,試験片を装置から取り出し,試験室の標準温度で1時間
放冷した後,6.2.4によって試験片の高さを0.01 mmまで測定する。
6.3.2.5 疲労破壊寿命の測定
疲労破壊寿命の測定は,動荷重を掛けて(試験開始)から試験片内部での破壊が検出されるまでの時間
又は繰返し回数とする。さらに,そのときの温度を記録する。
試験片内部での破壊の始まりの検出は,動的特性の測定値の変化から読み取る(6.3.2.2参照)。動的特性
の測定は,荷重の波形及び変位の波形から,貯蔵弾性係数,損失弾性係数及び損失正接を計算する。
試験終了後,試験片をその高さ方向の中心を通る水平面で切断し,損傷(試験片の中心の微細な気泡,
亀裂又はゴム質の低下)の程度を目視で確認する。
6.4 試験結果の表し方
試験結果の計算は,次による。
a) 温度上昇 温度上昇は,次の式(5)によって算出する。
燿 (5)
ここに, 燿 温度上昇(℃)
試験開始時に測定した試験片内部の温度(℃)
25分間の試験後に測定した試験片内部の温度(℃)
b) クリープ率 クリープ率は,次の式(6)によって算出する。
h6 ht
F 100 (6)
h0
ここに, F : クリープ率(%)
h0 : 試験室の標準温度で測定した試験前の試験片の高さ(mm)
h6 : 試験開始6秒後に測定した試験片の平均高さ2)(mm)
ht : t分間の試験後に測定した試験片の平均高さ2)(mm)
標準試験時間は25分間とする。
最初の試験片の高さh0が,許容差±0.2 mm以内の場合は,試験片の高さの規格値25 mmを使用し
て算出してもよい。試験開始後6秒以内に,レバーを水平位置に戻さなければならない。
式(6)は,次の式(7)で表すことができる。
h0 ht h0 h6
F 100 100 F(t) )6( (7)
h0 h0
――――― [JIS K 6265 pdf 22] ―――――
21
K 6265 : 2018
式(7)でF(6)は初期クリープを示す。F(t)だけでは初期クリープに関する情報は含まれないが,FとF(6)
との組合せ又はF(t)とF(6)との組合せによってクリープ特性を表すことができる。
c) 永久ひずみ 永久ひずみは,次の式(8)によって算出する。
h0 he
S 100 (8)
h0
ここに, S : 永久ひずみ(%)
h0 : 試験室の標準温度で測定した試験前の試験片の高さ(mm)
he : 25分間の試験後,試験室の標準状態で1時間放冷後測定した
試験片の高さ(mm)
d) 動的特性 動的特性は,次の式(9)によって算出する。
FA
| M|* DA (9)
A
h0
M'=|M*|cos (10)
M"=|M*|sin (11)
M''
tan δ (12)
M'
ここに, |M*| : 絶対弾性係数(MPa)
FA : 動荷重振幅(N)
A : 試験片の断面積(mm2)
DA : 動変位振幅(mm)
h0 : 試験室の標準温度で測定した試験前の試験片の高さ(mm)
M' : 貯蔵弾性係数(MPa)
M" : 損失弾性係数(MPa)
tan 損失正接
荷重と変位との位相差角(rad)
それぞれ,試験開始後の時間を( )で付記する。
注記 ここで測定される動的特性値は,ひずみが大きくなると非線形領域での値となる[10]。
6.5 試験結果のまとめ方
試験結果は,2個以上の試験片によって得られた値の中央値をJIS Z 8401によって丸め,温度上昇は整
数位,温度上昇以外は,有効数字2桁で表す。
6.6 試験精度
試験精度は,附属書Bを参照する。
6.7 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 試験片の詳細
1) 試料及び試験片に関する詳細
2) 試験片の採取・作製方法(例えば,加硫又は切り出し)
b) 試験方法
1) この規格の番号及び名称
2) 試験方法
3) 許容差外の場合の最初の試験片の高さ及び直径
――――― [JIS K 6265 pdf 23] ―――――
22
K 6265 : 2018
4) 試験片の硬さ
c) 試験の詳細
1) 静的荷重(又は応力)(N)
2) 動的荷重(又は応力)振幅(N)
3) 周波数(Hz)
4) 恒温槽の温度(℃)
5) 規定された手順と異なる場合には,その詳細
d) 試験結果
1) 温度上昇の測定 : 試験時間,個々の測定値及び中央値
2) クリープ率の測定 : 試験時間,%で表される個々の測定値及び中央値
3) 永久ひずみの測定 : 試験時間,%で表される個々の測定値及び中央値
4) 疲労破壊寿命の測定 : 試験片の数,疲労破壊の判定基準及び破壊点の時間又は繰返し回数,並びに
そのときの温度の個々の測定値及び中央値
5) 必要な場合は,動的特性の個々の測定値及び中央値
− 貯蔵弾性係数 M'
− 損失弾性係数 M''
− 損失正接 tanδ
6) 試験後の試験片内部の観察結果(疲労破壊寿命測定の場合)
e) 試験年月日
f) その他必要事項
――――― [JIS K 6265 pdf 24] ―――――
23
K 6265 : 2018
附属書A
(参考)
定ひずみフレクソメータ試験−試験精度
A.1 概要
ISO/TR 9272に従って,試験室間試験プログラム(Interlaboratory Test Program以下,ITPという。)を実
施し,繰返し精度及び再現精度を求めた。
注記 ISO 4666-4に従い,定応力フレクソメータ試験についても同時にITPを実施した。
A.2 精度詳細
A.2.1 このITPは,2001年に実施した。作製した試験片は,NR,SBR,CRの3種類で,配合表を表A.1
に示す。試験は,次の試験条件で行った(5.4.1参照)。
− 恒温槽温度 : 55 ℃(試験前に30分の試験片調節)
− 静応力 : 1.0 MPa
− ストローク : 4.45 mm
− 周波数 : 30 Hz
− 試験時間 : 25分間
A.2.2 1週間の間隔を置いた2日の各日に各配合それぞれ2個の試験片を試験した。温度上昇(℃),ク
リープ率(%)及び永久ひずみ(%)を測定した。
A.2.3 8か所の試験室がこのITPに参加した。
表A.1−配合表
単位 配合質量部
原料ゴム及び配合剤 NR SBR CR
天然ゴム(RSS No.1) 100 − −
SBR 1502 − 100 −
CR(硫黄変性タイプ) − − 100
HAFカーボンブラック(N330) 35 50 25
酸化亜鉛 5 3 5
酸化マグネシウム − − 4
ステアリン酸 2 1 0.5
酸化防止剤6PPD a) 2 2 2
酸化防止剤TMQ b) 2 2 −
ワックス 1 1 −
促進剤c) 0.7 1 −
硫黄 2.25 1.75 −
合計 149.95 161.75 136.5
注a) -(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミン
b) 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合体
c) -(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド
A.3 精度の結果
A.3.1 精度の計算は,ISO/TR 9272のITPレベル1データ解析の図1−決定樹形図に従ってオプション1
――――― [JIS K 6265 pdf 25] ―――――
次のページ PDF 26
JIS K 6265:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4666-1:2010(MOD)
- ISO 4666-3:2016(MOD)
- ISO 4666-4:2007(MOD)
JIS K 6265:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
JIS K 6265:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6200:2019
- ゴム―用語
- JISK6250:2019
- ゴム―物理試験方法通則
- JISK6394:2007
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―動的性質の求め方―一般指針
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方