JIS K 7226:1998 プラスチック―長期熱暴露後の時間―温度限界の求め方 | ページ 3

10
K 7226 : 1998 (ISO 2578 : 1993)
附属書A(規定) 回帰線の計算
この附属書は,耐熱性データに対し回帰線を迅速にプロットする方法を示す。この方法は,種々の暴露
温度において,測定値の個数に関係なく用いられる。信頼限界についての情報が必要であれば,IEC 60216
に従って,更に詳細な解析を行ってもよい。
多くのプラスチック材料の劣化が,次の式に従うことが確かめられている。
L=AeB/T (A.1)
ここに, L : 耐熱性(時間)
T : 絶対温度 (K)
A, B : 各プラスチック材料に対する定数
e : 自然対数の底
式 (A.1) は,対数を用いると一次関数として表される。
log10L=log10A+ (log10e) /T (A.2)
Y=log10L
a=log10A
x=1/T
b= (log10e)
と置くと
Y=a+bX (A.3)
こうして,高温における試験のデータを片対数グラフ用紙の上でlog10L対1/Tとして表示し,直線で低
い温度の方に外挿する(図A.1参照)。しかしながら,もともと対数表示では,データの各点を通して最も
近似した直線を引くため,正確に外挿するには適していないので,更に良い精度及び一様性を求めるなら
ば,より厳密な方法を用いなければならない。最小二乗法を用いて,得られた実験データについて定数a
及びこう配bを求める。その式を次に示す。
Y −X
b
a= (A.4)
N
N XY− X Y
b= (A.5)
N X 2− X
ここに, X=1/T : 試験温度の逆数[1/K又は1/ (℃+273)]
N : 破壊試験片の個数
Y (=log10L) : 破壊到達時間の対数
定数a及び回帰線のこう配bを決めると,任意の寿命における温度が次のように計算される。
Y=a+bX (A.6)
T=1/X=b/ (Y−a) (A.7)
20 000時間における温度指数TI (℃) は
b
TI= −273 (A.8)
.1301 0−a
2 000時間における温度指数は
b
TI= −273 (A.9)
.3301 0−a

――――― [JIS K 7226 pdf 11] ―――――

                                                                                             11
K 7226 : 1998 (ISO 2578 : 1993)
10 000時間における温度指数は
b
TI= −273 (A.10)
.4000 0−a
式 (A.4) から式 (A.10) までに用いられている試験データの取扱いを簡単にするために,次の計算例で
示す手順に従うことを推奨する(表A.1及び表A.2参照)。
a) 表A.2に示すように,第1列に一組の試験片の各試験温度を書き入れる。
b) 第2列及び第3列に,絶対温度 (K) に換算した上記温度の逆数 (X=1/T) 及びその自乗 (X2=1/T2) を
書き入れる(表A.1も参照)。
c) 第4列に,各組の試験片の破壊到達時間Lを書き入れ,第5列に第4列の値Lの常用対数 (Y=log10L)
を書き入れる。
d) 第6列に,積X・Yを書き入れる。
e) 第2,3,5及び6列をそれぞれ合計し,各列の下に和( 姿 を書き入れる。
f) 作業シートに破壊試験片の個数Nを書き入れる。
g) )及びf)で求めた値を用いて,b[式 (A.5)]及びa[式 (A.4)]をこの順序で求める。定数aは常に負
数である。
h) 定数a及びbを用いて,20 000時間[式 (A.8)]及び2 000時間[式 (A.9)]における温度 (℃) を求
める。
i) h)で求めた温度の2点を,log10L対1/Tのグラフ上にプロットし,それらを通して回帰線を引く。
j) 同じグラフ上に,それぞれの温度について破壊到達時間Lを表示する。
k) 定数a及びbを用いて,10 000時間における温度 (℃) を求める[式 (A.10)]。
1) 20 000時間に対する温度と10 000時間に対する温度との差として,HIC (℃) を計算する。

――――― [JIS K 7226 pdf 12] ―――――

12
K 7226 : 1998 (ISO 2578 : 1993)
表A.1 通常の試験温度 (℃) 及び対応する絶対温度 (K) 並びにK-1,K-2(表A.2参照)
T X=1/T X2=1/T2
(℃) (K) (K-1) (K-2)
70 243 2.915 4 ×10-3 8.499 56×10-6
85 358 2.793 2 ×10-3 7.801 97×10-6
100 373 2.680 9 ×10-3 7.187 22×10-6
105 378 2.645 50×10-3 6.998 68×10-6
125 398 2.512 56×10-3 6.312 97×10-6
130 403 2.481 39×10-3 6.157 29×10-6
140 413 2.421 31×10-3 5.862 73×10-6
150 423 2.364 07×10-3 5.588 81×10-6
165 438 2.283 11×10-3 5.212 57×10-6
175 448 2.232 14×10-3 4.982 46×10-6
180 453 2.207 51×10-3 4.873 08×10-6
185 458 2.183 41×10-3 4.767 26×10-6
190 463 2.159 83×10-3 4.664 85×10-6
200 473 2.114 16×10-3 4.469 69×10-6
220 493 2.028 40×10-3 4.114 40×10-6
225 498 2.008 03×10-3 4.032 19×10-6
240 513 1.949 32×10-3 3.799 84×10-6
250 523 1.912 05×10-3 3.633 92×10-6
260 533 1.876 17×10-3 3.520 02×10-6
280 553 1.808 32×10-3 3.270 01×10-6
300 573 1.745 20×10-3 3.045 73×10-6
320 593 1.686 34×10-3 2.843 74×10-6
表A.2 計算例
1 2 3 4 5 6
温度 X=1/T X2=1/T2 L Y=log10L XY= (log10L) /T
(℃) (K-1) (K-2) (h)
170 2.257 33×10-3 5.059 57×10-6 5 600 3.748
19 8.460 90×10-3
185 2.183 41×10-3 4.767 26×10-6 2 600 3.414
97 7.456 27×10-3
200 2.114 16×10-3 4.469 69×10-6 1 500 3.176
09 6.714 77×10-3
215 2.049 18×10-3 4.199 14×10-6 640 2.806
18 5.750 37×10-3
8.604 08×10-3 18.531 66×10-6 13.145 43 28.382 31×10-3
N=4
N XY− X Y 4 28.382 3110-3 − 8.604 08
10-3 13.145 43
b= 2
= =4.406 103
N X 2− X 4 18.53166 103-
106- − 8.604 08
Y−b Z 103
13.145 43− 4.406 8.604 08 10-3
a= = =−6.190
N 4
b 4.406 103
20 000時間における温度 (℃) = −273= −273=147℃
Y−a 4.3010+6.190
b 4.406 10 3
2 000時間における温度 (℃) = −273= −273=191℃
Y−a 3.301 0+6.190

――――― [JIS K 7226 pdf 13] ―――――

                                                                                             13
K 7226 : 1998 (ISO 2578 : 1993)
図A.1 計算例に基づく回帰線のプロット(表A.2参照)

――――― [JIS K 7226 pdf 14] ―――――

14
K 7226 : 1998 (ISO 2578 : 1993)
附属書B(規定) 相関係数
相関係数rは,変数間の関係を示す尺度の一つである。r=1の場合には,変数間に完全な相関関係が成
立し,r=0の場合には,YはXと直線関係がない。
N XY−( X)( Y)
r=
(N X 2 )−(X) 2 (N Y2 )−(Y) 2
ここに, N : 試験回数
X及びY : 変数(附属書A参照)

――――― [JIS K 7226 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS K 7224:1996の国際規格 ICS 分類一覧