JIS L 1950-2:2018 生地の防蚊性試験方法―第2部:強制接触法 | ページ 2

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c) 数量 3枚

6 試験

6.1 試験環境

  試験は,温度27 ℃±2 ℃,相対湿度(651520  +)%で直射日光の当たらない環境下で実施する。
なお,蚊によって生態は異なるため,ヒトスジシマカ以外の蚊を用いる場合,適切な環境条件に変更し
てもよい。

6.2 準備

6.2.1  試験チューブ及び蓋の洗浄
試験チューブ及び蓋は,事前に洗浄及び乾燥を実施しておく。

6.3 試験操作

  試験操作手順は,次による。
a) 試験チューブを2本用意し,一方のチューブには,内面に試験片と同寸法のろ紙を固定する。これを
“ろ紙チューブ”とする。
なお,このろ紙は,JIS P 3801に規定する1種又は2種のろ紙を用いる。
b) 他方のチューブには,試験片を内面に固定する。これを“試料チューブ”とする。
c) 試験の直前に,ろ紙チューブの中に10個体の試験蚊を分別放虫の後,ろ紙チューブの蓋をする。
d) ろ紙チューブの試験蚊を試料チューブへと全て移動させた後,試料チューブの蓋をする。
e) 試験蚊を試料チューブへ移動させた時点を試験開始とし,その後,5分,10分,15分,20分,25分,
30分,45分及び60分経過時の試料チューブ内のノックダウン虫の個体数を計数する。
f) 試験開始60分経過後,試料チューブ内の試験蚊をろ紙チューブへと全て移動させた後,ろ紙チューブ
の蓋をする。
g) ろ紙チューブのネット付き蓋が上面になるように立て,その蓋上に餌として1 %のしょ糖水溶液を含
ませた脱脂綿を設置しておく。
なお,しょ糖水溶液含浸脱脂綿が乾かないように軽くフィルムなどをかぶせ,静置する。
h) )から24時間後の死虫及びひん(瀕)死虫の個体数を計数する。
測定試料及び標準試料について,上記のa) h)を3回繰り返す。

6.4 試験蚊の試験後処理

  試験後の試験蚊(未使用蚊含む。)は,凍結処理などで確実に殺処分した後,廃棄物に関する法令,条例
などに従って廃棄する。

6.5 試験結果

6.5.1  計算
3回の試験結果から,死亡率,ノックダウン率及び半数ノックダウン時間(KT50)を,次のa) c)によ
って求める。
a) 死亡率
NM
M 100 (1)
ここに, M : 死亡率(%)
NM : 死虫数及びひん(瀕)死虫数の総数(個体数)
N : 投入試験蚊数(個体数)

――――― [JIS L 1950-2 pdf 6] ―――――

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3回繰り返した死亡率を平均して,JIS Z 8401の規則Bによって整数位に丸める。
b) ノックダウン率
ND
D 100 (2)
ここに, D : ノックダウン率(%)
ND : 試験開始60分経過後のノックダウン虫数(個体数)
N : 投入試験蚊数(個体数)
3回繰り返したノックダウン率を平均して,JIS Z 8401の規則Bによって整数位に丸める。
注記 致死性及びノックダウン性を区分する場合は,その区分を附属書Cに示す。
c) 半数ノックダウン時間(KT50) 試験経過時間ごとのノックダウン数から,プロビット法を用いて統
計解析し,半数ノックダウン時間(KT50)と,その95 %信頼区間とを推定する。3回繰り返した測定
結果から算出された各推定値について,JIS Z 8401の規則Bによって整数位に丸め,プロビット解析
に用いた統計ソフト又は計算方法を併記する。ただし,試験開始5分後にノックダウン虫が5個体以
上の場合,半数ノックダウン時間(KT50)は“5分未満”と報告し,試験開始60分後のノックダウン
虫が5個体未満の場合,半数ノックダウン時間(KT50)は“60分超”と報告する。また,この場合,
95 %信頼区間は報告しない。
注記 統計ソフトを用いたプロビット法の例は,附属書Bに示す。
6.5.2 試験成立の判定
試験成立の成否は,標準試料による死亡率及びノックダウン率を6.5.1のa)及びb)によって計算したと
き,死亡率及びノックダウン率のいずれもが10 %未満となった場合に,試験成立と判定する。
死亡率又はノックダウン率の少なくとも一方が10 %以上となった場合は,その試験日かつその飼育ロッ
トの試験蚊を用いた試験結果は全て無効とする。

7 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験年月日
b) 規格番号
c) 試験場所の環境条件
d) 試験蚊情報(蚊の種類,コロニー名,継代飼育場所又は購入先,羽化後日齢)
e) 試料情報(品名,品番,目付,薬剤種類など受渡当事者間で必要な情報)
f) 試験結果(ノックダウン数,半数ノックダウン時間(KT50),95 %信頼区間,ノックダウン率,死亡
率)
g) プロビット解析に用いた統計ソフト又は計算方法
h) 報告が必要と思われる特記事項
i) 試験方法からの逸脱点

――――― [JIS L 1950-2 pdf 7] ―――――

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参考として,試験報告書の例を表1に示す。
表1−試験報告書の例
試験実施日 年 月 日
規格番号 JIS L 1950-2:2018
試験環境 実験開始時 : ℃, %RH, 実験終了時 : ℃, %RH
試験蚊情報 蚊の種類,コロニー名,継代飼育場所又は購入先,羽化後日齢
試料情報 品名,品番,薬剤種類など ほか
試料 試験 投入 ノックダウン数 KT50 KT50の ノックダウン率 死亡率
回数 試験蚊 5 10 15 20 25 30 45 60 (分) 95 %信頼 D ノック M 致死性
個体数 分 分 分 分 分 分 分 分 区間(分) ダウン の区分
N 性の区 記号
分記号
測定試料 1回目
2回目
3回目
平均
標準試料 1回目
2回目
3回目
平均
プロビット解析に用いた統計ソフト又は計算方法

――――― [JIS L 1950-2 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
試験に用いる蚊の飼育環境について
A.1 飼育環境
試験に用いる蚊は,次の環境条件で飼育する。ただし,次に示していない条件は,一般的な飼育手法に
よる。
a) 飼育室の雰囲気 試験場所の雰囲気,温度27 ℃±2 ℃,相対湿度(651520 +)%と同様とする。
b) 照明 飼育室の照明は,明16時間,暗8時間のサイクルとする。
c) 飼育 成虫蚊は,試験に用いるまで,次のとおり飼育する。
1) 雌雄混合のまま,飼育ケージに放虫する。
2) 飼育中は3 %5 %のしょ糖水溶液を与え,吸血させない。
3) 各試験方法で規定する羽化後日齢に達した雌成虫を,試験に用いる。

――――― [JIS L 1950-2 pdf 9] ―――――

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附属書B
(参考)
プロビット法による半数ノックダウン時間(KT50)の算出例
B.1 一般
防蚊加工生地に対する試験蚊の接触時間(試験経過時間の対数)とノックダウン率との関係は,ほとん
どの場合,時間が長くなるに従ってノックダウン率が必ず増加又は横ばいとなり,減少することはないと
予想される。
この場合の単調増加曲線は,S字状(シグモイド曲線状)を示し,式(B.1)に示す累積正規分布関数に従
うとされる。そこで,得られた試験データ(試験経過時間の対数とノックダウン率との関係)をプロビッ
ト曲線へ近似し,半数ノックダウン時間(KT50)を求める。
こうした手法は,プロビット法,プロビット分析,プロビット解析などと呼ばれ,薬剤の用量と投与さ
れた虫個体群の致死数との関係から半数致死量(LD50)を求める場合など,生存/死亡のような2値デー
タを取り扱う生物検定法において一般的に用いられる手法である(詳細は,生物検定に関する専門書を参
照。)。
(x )2
1 x
2 2
P F(x) e dx (B.1)
2
2
ここに, P : ノックダウン率
x : 試験経過時間の対数
B.2 算出結果の例
プロビット法による半数ノックダウン時間(KT50)推定値の算出には最ゆう(尤)法が用いられるため,
統計パッケージソフトウェアによる解析が一般的である。
算出結果の例を,表B.1に示す。
表B.1−算出結果の例
投入試験蚊 ノックダウン数 半数ノックダウン時間 KT50の
個体数 N 5 10 15 20 25 30 45 60 (KT50) 95 %信頼区間
分 分 分 分 分 分 分 分 (分) (分)
10 0 0 1 4 4 8 10 10 24 2127
使用解析ソフトウェア : R
リンク関数 : probit
算出関数 : dose.LD50

――――― [JIS L 1950-2 pdf 10] ―――――

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