JIS M 7651:1996 閉鎖循環式酸素自己救命器

JIS M 7651:1996 規格概要

この規格 M7651は、鉱山,ずい道,工場などにおいて,火災,爆発,その他の事故によって発生した有害ガス,煙,酸素欠乏などのために生命に危険のおそれがある箇所から脱出するときに用いる閉鎖循環式酸素自己救命器について規定。

JISM7651 規格全文情報

規格番号
JIS M7651 
規格名称
閉鎖循環式酸素自己救命器
規格名称英語訳
Closed-circuit oxygen self rescuers
制定年月日
1976年3月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.340.30, 73.100.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
労働安全・衛生 2019
改訂:履歴
1976-03-01 制定日, 1979-03-01 確認日, 1984-05-01 改正日, 1987-10-01 改正日, 1993-02-01 確認日, 1996-05-01 改正日, 2000-12-20 確認日, 2005-11-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS M 7651:1996 PDF [13]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 7651-1996

閉鎖循環式酸素自己救命器

                           Closed-circuit oxygen self rescures
1. 適用範囲 この規格は,鉱山,ずい道,工場などにおいて,火災,爆発,その他の事故によって発生
した有害ガス,煙,酸素欠乏などのために生命に危険のおそれがある箇所から脱出するときに用いる閉鎖
循環式酸素自己救命器(以下,自己救命器という。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 1602 熱電対
JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形)
JIS M 7611 一酸化炭素用自己救命器(COマスク)
JIS T 8001 呼吸用保護具用語
JIS T 8159 呼吸用保護具面体の漏れ率試験方法
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 8001によるほか,次による。
(1) 手動補給弁 P形自己救命器の構成部品で,着用者が操作することによって酸素を呼吸回路内に補給
する弁。
(2) デマンド弁 P形自己救命器の構成部品で,着用者の呼吸による呼吸回路内の圧力変化又は容積変化
などで作動して酸素を呼吸回路内に補給する弁。肺力補給弁ともいう。
(3) 定量補給形 P形自己救命器で,酸素の補給方式が高圧酸素容器からの高圧酸素を減圧弁,オリフィ
スなどを通して連続して補給する方式。
(4) 定量補給手動補給併用形 P形自己救命器で,酸素の補給方式が定量補給のほかに手動補給弁を備え
た方式。
(5) 定量補給デマンド併用形 P形自己救命器で,酸素の補給方式が定量補給のほかにデマンド弁を備え
た方式。
(6) デマンド形 P形自己救命器で,酸素の補給方式がデマンド弁によって人体の酸素消費量に見合った
酸素を間欠的に補給する方式。
(7) 密封容器 外気の遮断を必要とする自己救命器本体を収納するケース。
(8) 初期酸素補給装置 自己救命器の作動初期に,呼吸に必要な酸素を短時間内に供給する装置又はその
機能をもつもの。
(9) 初期補給ガス 初期酸素補給装置が作動したときに補給される酸素,空気又は酸素濃度が空気よりわ
ずかに高い酸素富加空気。
3. 種類 自己救命器の種類は,酸素の補給方式によって次のとおりとする。
(1) 形自己救命器 呼吸によって消費する酸素を,化学薬品の反応によって酸素を連続的に発生させ補

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給する方式のもの。
(2) 形自己救命器 呼吸によって消費する酸素を,化学薬品に呼気を通して呼気中の水分と二酸化炭素
によって酸素を発生させ補給する方式のもの。
(3) 形自己救命器 呼吸によって消費する酸素を,圧縮酸素を減圧して補給する方式のもの。
4. 性能
4.1 気密性 気密性は,7.1によって試験したとき,次の規定に適合しなければならない。
(1) 面体等を除く自己救命器
(1.1) 形自己救命器及びK形自己救命器 7.1(1)によって試験したとき,圧力低下が100Pa [{10.2 mmH2O}]
以下であること。
なお,マウスピースを用いたものの場合は,マウスピースを除かないで試験するものとする。
(1.2) 形自己救命器
(a) 高圧部分 高圧酸素容器,そく(塞)止弁,圧力指示計などの高圧部分及び各高圧連結部は,7.1(2.1)
によって試験したとき漏気が認められないこと。
(b) 中圧部分 減圧弁などの中圧部分及び各中圧連結部は,7.1(2.2)によって試験したとき,漏気が認め
られないこと。
(c) 低圧部分 呼吸管,清浄缶,呼吸袋などの低圧部分及び各低圧連結部は,7.1(2.3)によって試験した
とき,圧力低下が100Pa [{10.2mmH2O}] 以下であること。
なお,マウスピースを用いたものの場合は,マウスピースを除かないで試験するものとする。
(2) 面体 7.1(3)によって試験したとき,漏気が認められないこと。
(3) 密封容器 7.1(4)によって試験したとき,漏気が認められないこと。
4.2 使用時間 使用時間は,7.2によって試験したとき,公称使用時間以上でなければならない。
4.3 二酸化炭素吸収能力 二酸化炭素吸収能力は,7.3によって試験したとき,吸気中の二酸化炭素濃度
が3%以下でなければならない。
4.4 吸気温度 吸気温度は,7.4によって試験したとき,呼気温度からの上昇がC形及びP形自己救命器
では13℃以下,K形自己救命器では28℃以下でなければならない。
4.5 一酸化炭素及び塩素の濃度 一酸化炭素及び塩素の濃度は,吸気中の一酸化炭素及び塩素の濃度が,
7.5によって公称使用時間内で試験した場合,それぞれ一酸化炭素50ppm及び塩素1ppmを超えてはなら
ない。ただし,一酸化炭素及び塩素の発生する可能性がない構造の場合は,この規定は適用しない。
4.6 酸素供給能力 酸素供給能力は,次の規定に適合しなければならない。
(1) 形自己救命器
(1.1) 酸素発生量 7.6(1.1)によって試験したとき,公称使用時間中の酸素発生量は平均1.2l/min以上で,
かつ,最低0.8l/min以上であること。
(1.2) 初期酸素補給装置をもつ場合の初期補給ガス量及び初期酸素量 初期補給ガス量は,7.6(1.2)(a)によ
って試験したとき,最初の30秒間に2.5l以上,かつ,60秒間に3.5l以上であること。ただし,初
期補給ガスが空気の場合,7.6(1.2)(b)によって試験したとき,初期酸素量は,最初の30秒間に0.6l
以上,かつ,60秒間に1.2l以上であること。
(1.3) 初期酸素補給装置をもたない場合の初期空気量及び初期酸素量 初期空気量は,7.6(1.3)(a)によって
試験したとき,2.5l以上であること。
また,7.6(1.3)(b)によって試験したとき,初期酸素量が,最初の30秒間に0.6l以上,かつ,60秒

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間に1.2l以上であること。
(2) 形自己救命器
(2.1) 酸素発生量 7.6(2.1)によって試験したとき,公称使用時間中の酸素発生量が,次の式によって算出
した値以上であること。
(a) 初期酸素補給装置をもつ場合
酸素発生量 (l) =自動排気弁からの放出量 (l) −初期補給ガス量 (l) +公称呼吸袋内容量 (l)
≧公称使用時間 (min) ×1.2 (l/min)
(b) 初期酸素補給装置をもたない場合
酸素発生量 (l) =自動排気弁からの放出量 (l)
≧公称使用時間 (min) ×1.2 (l/min)
(2.2) 初期酸素補給装置をもつ場合の初期補給ガス量及び初期酸素量 初期補給ガス量は,7.6(2.2)(a)によ
って試験したとき,最初の30秒間に2.5l以上,かつ,60秒間に3.5l以上であること。ただし,初
期補給ガスが空気の場合,7.6(2.2)(b)によって試験したとき,初期酸素量は,最初の30秒間に0.6l
以上,かつ,60秒間に1.2l以上であること。
(2.3) 初期酸素補給装置をもたない場合の初期空気量及び初期酸素量 初期空気量は,7.6(2.3)(a)によって
試験したとき,2.5l以上であること。
また,7.6(2.3)(b)によって試験したとき,初期酸素量が,最初の30秒間に0.6l以上,かつ,60秒
間に1.2l以上であること。
(3) 形自己救命器
(3.1) 定量補給形,定量補給手動補給併用形及び定量補給デマンド併用形の定量酸素補給量 7.6(3.1)によ
って試験したとき,公称使用時間中の定量酸素補給量は平均1.2l/min以上で,かつ,最低0.8l/min
以上であること。
(3.2) デマンド形のデマンド弁の酸素補給能力 7.6(3.2)によって試験したとき,10±0.5l/minの吸引量に
対し,吸引圧力は,750Pa [{76.5mmH2O}] 以内であること。
(3.3) 初期酸素補給装置をもつ場合の初期補給ガス量及び初期酸素量 初期補給ガス量は,7.6(3.3)(a)によ
って試験したとき,最初の30秒間に2.5l以上,かつ,60秒間に3.5l以上であること。ただし,初
期補給ガスが空気の場合,7.6(3.3)(b)によって試験したとき,初期酸素量は,最初の30秒間に0.6l
以上,かつ,60秒間に1.2l以上であること。
(3.4) 初期酸素補給装置をもたない場合の初期空気量及び初期酸素量 初期空気量は,7.6(3.4)(a)によって
試験したとき,2.5l以上であること。
また,7.6(3.4)(b)によって試験したとき,初期酸素量が,最初の30秒間に0.6l以上,かつ,60秒
間に1.2l以上であること。
4.7 呼吸抵抗 呼吸抵抗は,7.7によって試験したとき,公称使用時間中の呼気抵抗ピーク値及び吸気抵
抗ピーク値は,いずれも750Pa [{76.5mmH2O}] 以下でなければならない。ただし,初期15秒間の呼気抵抗
ピーク値及び吸気抵抗ピーク値は,いずれもこの限りではない。
4.8 自動排気弁の作動性 自己救命器の自動排気弁の作動性は,7.8によって試験したとき,作動圧力は
150500Pa [{15.351.0mmH2O}] でなければならない。
4.9 面体の漏れ率 面体の漏れ率は,7.9によって試験したとき,0.1%未満でなければならない。
4.10 落下強度 容器に収納した自己救命器の落下強度は,7.10によって試験し,4.14.4及び4.64.8
の性能を満足しなければならない。

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4.11 転動衝動強度 携帯又は携行可能な方式の自己救命器の転動衝動強度は,7.11によって試験し,4.1
4.4及び4.64.8の性能を満足しなければならない。
5. 構造
5.1 一般構造 自己救命器の一般構造は,次のとおりとする。
(1) 取扱いが簡単で,迅速,有効,確実に着用できる構造であること。
(2) 着用初期においても呼吸に支障がない構造であること。
(3) 着用して脱出する際に,異常な圧迫苦痛を伴うこと及び頭や手足の自由な動きを甚だしく制限するこ
とがなく,かつ,自己救命器の操作に特に注意を払わず脱出に専念できる構造であること。
(4) 繰り返し使用できるものは,容易に酸素発生缶,清浄剤(又は清浄缶)及び高圧酸素容器が交換でき
る構造であること。
(5) 酸素発生缶の発熱による高温に対し,着用者が安全な構造であること。
(6) 保存中,外気との遮断が必要な形式のものは,密封容器に収納すること。
5.2 型式別構造 自己救命器の型式別構造は,次のとおりとする。
(1) 形自己救命器 面体等,呼吸管,呼吸袋,清浄缶,酸素発生缶などからなり,呼気中の二酸化炭素
は清浄缶で吸収し,吸気として再び使用できる呼吸回路をもち,呼吸によって消費する酸素を酸素発
生缶から補給する構造であること(付図1参照)。
(2) 形自己救命器 面体等,呼吸管,呼吸袋,酸素発生缶などからなり,呼気中の水分と二酸化炭素に
よって酸素発生剤が反応し,二酸化炭素を除去し,発生した酸素によって酸素濃度を回復した吸気と
して再び呼吸できる構造であること(付図2参照)。
(3) 形自己救命器
(a) 面体等,清浄缶,呼吸袋,減圧弁及び(又は)デマンド弁,高圧酸素容器などからなり,呼気中の
二酸化炭素を清浄缶で吸収し,吸気として再び使用できる呼吸回路をもち,呼吸によって消費する
酸素は,高圧酸素容器から呼吸回路内に減圧放出して補給する構造であること(付図3参照)。
(b) 酸素圧力の点検が容易に行える構造であること。
(c) デマンド形の場合は,吸気中の酸素濃度が18%未満に低下しない構造であること。
5.3 各部の構造 自己救命器の各部の構造は,次のとおりとする。
(1) 酸素発生缶 外部からの衝撃,振動で薬剤の偏りや粉化が生じにくい構造であること。
また,初期酸素補給装置をもつものは,その作動によって直ちに初期補給ガスを補給する構造であ
ること。
(2) 高圧酸素容器及びそく止弁 P形自己救命器に使用するものは,高圧ガス取締法に適合したものであ
ること。
備考 高圧ガス取締法 : 昭和26年6月7日 法律第204号
(3) 呼吸袋 十分な容積,気密性及び強さをもつ構造であること。
(4) 呼吸管 着用中,管形の変形によって通気抵抗が著しい増加を生じない構造であること。
(5) 面体等 全面形面体とマウスピースの2種類とし,いずれも着用が簡単で,しめひもは十分な弾力と
強さをもち,調節可能で,次の事項を満足するものであること。
(a) 全面形面体は,顔面を覆うもので,漏気しない構造であり,アイピースは,透明で使用上支障とな
る影像のゆがみがなく,かつ,曇りを防止する構造であって,7.1(3)に規定する方法によって試験し
たとき,気密不良を生じないものであること。

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(b) マウスピースは,くちびる(唇)と歯ぐきの間に挿入した後,くちびるを固く結び,かつ,ノーズ
クリップで鼻孔を挟むことによって,口及び鼻から漏気しない構造のものであること。
ノーズクリップは,未着用防止のため,ひも,弾性体などを介してマウスピースと結合している
こと。
なお,弾力性が適切であって,鼻孔から吸気が入ることなく,激しい動きによって外れることな
く,かつ,着用によって著しい苦痛を与えないものであること。
(6) 自動排気弁 着用者の呼吸を圧迫しないように自動的に排気できる構造であること。
(7) 清浄缶 外部からの衝撃,振動に対して,通気の短絡及び著しい通気抵抗の上昇がなく,二酸化炭素
の吸収能力の低下が少ない構造であること。
(8) 圧力指示計 圧力指示計をもつものは,その目盛は,製造業者が定めた使用可能な最低酸素保有圧力
を容易に認知できるよう目盛ってあること。
(9) 容器 容器は,次の事項を満足しなければならない。
(a) 携帯形又は携行形のものは,携帯又は携行による摩擦,衝撃などで容易に変形・破損しない構造で
あること。
(b) 使用する際,特別に大きな力を用いることなく開くことができ,かつ,必要な内容物を容易に取り
出せる構造であること。
(c) 密封容器は十分な気密性をもち,1回でも開封したものは開いたことが分かる構造であること。
6. 材料 自己救命器の各部に使用する材料は,次の事項を満足しなければならない。
(1) 強さ,弾性などが用途に対し適切であること。
(2) 皮膚に接触する部分に使用する材料は,皮膚に有害な影響を与えないものであること。
(3) 金属材料は,耐食性のもの又は適切な防食処理を施したものであること。
(4) マウスピースの材料は,しなやかで,味,においの少ない材料であること。
7. 性能試験
7.1 気密性試験 気密性試験は,次による。
(1) 面体等を除くC形自己救命器及びK形自己救命器 自己救命器の面体等連結口以外の開口部(自動
排気弁などを含む。)を密そく具でふさぎ,面体等の連結口から乾燥空気,窒素又は酸素を送り込み,
内圧が600±30Pa [{61.2±3.1mmH2O}] に安定してから3分間放置後の初期値からの圧力変化を測定す
る。
(2) 面体等を除くP形自己救命器
(2.1) 高圧部分
(a) 高圧酸素容器及びそく止弁 高圧酸素容器及びそく止弁に容器の最高充てん圧力を加えて24時間
放置し,漏気の有無を調べる。
(b) (a)に示す以外の高圧部分 そく止弁連結部などから最高充てん圧力及び3±0.15MPa [{30.6±
1.5kgf/cm2}] の酸素圧力又は空気圧力を加え,(a)に示す以外の高圧部分の各部からの漏気の有無を
調べる。
(2.2) 中圧部分 (2.1)(b)における高圧部分に最高充てん圧力及び3±0.15MPa [{30.6±1.5kgf/cm2}] の酸素
圧力又は空気圧力を加えたときの中圧部分の各部からの漏気の有無を調べる。
(2.3) 低圧部分 自己救命器の面体等連結口以外の開口部(そく止弁連結部,自動排気弁など。)を密そく

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