JIS M 8100:1992 粉塊混合物―サンプリング方法通則 | ページ 2

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(3) インクリメントごと,小口試料ごと又は大口試料を必要に応じて粉砕・縮分して試験試料を調製する。
図2 試料採取及び試料調製の概要(一例)

4.2 試料の取扱い

 試料採取及び試料調製,測定の期間を通じて,試料を損失したり,変質させたりし
ないように注意しなければならない。
また,試料に異物が混入しないよう,使用する器具は十分に清掃しなければならない。
(1) 試料容器 試料容器は,次による。
(a) 各種試料の運搬,保管などの目的に用いる容器は,試料の全量が入り,清潔・堅ろう,かつ,確実
にふた又は封ができるものでなければならない。
(b) 特に水分用試料の容器は,気密で,吸湿性のない材料で作り,内面にさびなどが発生していないこ
と。
備考 かます,麻袋などは,水分用試料容器としては不適当である。
(2) 成分試験試料の表示 成分試験試料の表示は,原則として次の項目を包装に表示する。
(a) 品名及びロット名
(b) 試料名又は記号
(c) 試料採取及び試料調製の年月日
(d) 試料採取及び試料調製の事業所名
(e) 試料採取及び試料調製の責任者名
(3) 試料の保管 試料の保管は,次による。
(a) 成分試験試料は調製密封後,原則として,国内取引については3か月,輸出入取引については6か
月間保管する。
(b) 試料の保管場所は,温度,湿度,直射日光などによる影響のない場所を選ばなければならない。保
管に当たっては密封し,特に酸化しやすい試料の場合は,容器の材質に注意しなければならない。
(4) 試料の送付 成分試験試料以外の試料は,原則として送付してはならない。やむを得ず送付する場合
は,その方法について受渡当事者間で協議する。

4.3 平均品位の決定

 平均品位の決定は,次のいずれかによる。
(1) 大口試料について測定を行う場合には,その測定値をロットの平均品位の決定値とする。
(2) 小口試料ごとに測定を行う場合には,測定値の重み付き平均を,ロットの平均品位の決定値とする。
(3) インクリメントごとに測定を行う場合には,測定値の平均をロットの平均品位の決定値とする。

4.4 数値の丸め方

 数値の丸め方は,JIS Z 8401による。

4.5 その他の事項

 その他の事項は,次による。
(1) この規格の方法の一部が適用できない場合は,チェック実験によって,偏りがなく,規定された精度
を満足することが確認できれば,それに代わる方法を個別規格で規定することができる。

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(2) サンプリング方法のチェック実験は,原則として附属書37によって定期的に又は必要に応じて行い,
サンプリングの作業が規定どおり実施されているか,又は工程やロットが変化しても,規定された精
度が達成されているかどうかを調査する。
(3) ロットの荷役時に,発じん防止のために散水処理した場合の水分決定方法は,個別規格で規定するか,
又は受渡当事者間の協議による。

5. サンプリング方法

5.1 ロットの大きさ

 原則として,同一銘柄,1受渡し分の粉塊混合物を1ロットとする。
また,必要な場合は,受渡当事者間の協議によって,1ロットの大きさの最大限を定めることができる。

5.2 特性及び精度

5.2.1  特性 精度を規定する特性は,対象とする粉塊混合物の品位を決めるための代表特性又は総合特性
(1)とする。
注(1) 総合特性とは,2種以上の特性を同時に考慮したものとし,例えば金額で表すこともある。
5.2.2 総合精度 総合精度は,標準偏差の2倍 (2 ‰
備考 総合精度を 戀 ロッドの決定値± 戀 湎 にロットの母平均値が含まれる確率は,
約95%である。
5.2.3 精度の水準 試料採取方法,試料調製方法,測定又は分析方法を設計するに当たっては,各特性に
ついて,精度の水準は原則として表1のいずれかの水準を採用する。精度の水準は,変動係数 [CV=
( 一 l00%] で表す。
表1 総合精度の水準
水準の番号 精度の水準 (CV%)
1 20
2 10
3 5
4 2
5 1
6 0.5
7 0.2
8 0.1

5.3 品位変動

5.3.1  品位変動の種類 品位変動は,次のいずれかの標準偏差で表す。
(1) 単純ランダムサンプリングの場合は,ロット内のインクリメント間の標準偏差 ( 椀
(2) 層別サンプリング及び系統サンプリングの場合は,層内の標準偏差 (
(3) 二段サンプリングの場合は,一次サンプリング単位内のインクリメント間の標準偏差 ( ‰桎k
ンプリング単位間の標準偏差 ( 戀
5.3.2 品位変動の大きさの分類 品位変動の大きさは,各種特性又は代表特性について必要とする層内の
標準偏差,層間の標準偏差,及びロット内のインクリメント間の標準偏差を調査し,それに基づいて大,
中,小などに区分する(附属書3及び附属害4参照)。
備考1. 対象物の品位変動の大きさが不明の場合は,判明するまで原則として品位変動“大”として
取り扱う。
2. 品位変動の大きさが不明の場合は,速やかに調査を行い,品位変動の大きさの区分を決めな

――――― [JIS M 8100 pdf 7] ―――――

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ければならない。

5.4 サンプリングの実施時期

 インクリメントの採取時期は,次のとおりとする。
(1) 原則としてロットの受渡時期にロットの移動中に行う。
(2) ロットの質量を計量するとき,又はその前後のできるだけ近い時期に行う。

5.5 サンプリングの種類

 サンプリングの種類は,輸送手段又はロットの状態に応じて,次の4種類と
する。
なお,1ロットについて2種類以上の方法を併用することができる。
(1) ベルトサンプリング
(2) 貨車サンプリング
(3) 容器サンプリング
(4) 船倉サンプリング
スクリューコンベヤ,エプロンコンベヤ,パイプ輸送などの場合はベルトサンプリングに,はしけ
などの場合は船倉サンプリングに,トラック又はトロッコの場合は貨車サンプリングに,ドラム缶又
はその他の容器の場合は容器サンプリングに,バケットコンベヤの場合は容器又は貨車サンプリング
に,それぞれに準じて行う。

5.6 インクリメント

5.6.1 インクリメントの大きさ

 インクリメントの大きさは,試料採取の際,インクリメントに偏りが入
らないように十分な大きさでなければならない。
また,ロットの最大粒度の粒子が,ランダムにインクリメントに入るようにインクリメントの大きさを
決める。
インクリメントの大きさは,質量で表す。
備考1. インクリメントの大きさは,インクリメントごとに,ほぼ一定となるように採取しなければ
ならない。ほぼ一定とは,インクリメントの大きさのばらつきが,変動係数として20%未満
であることをいう。
2. ほぼ一定に採れない場合は,試料調製の適切な段階で,各インクリメントからほぼ一定量ず
つを採取して,試料を調製する。
3. 個々のインクリメントごとに測定を行うときは,インクリメントの大きさは,必ずしも一定
でなくてもよい。
4. 大口試料から規定した方法によって調製した試料が,所定の試験試料の所定以下となるとき
は,インクリメントの大きさを規定より大きくするか,又はインクリメントの個数を増やす。

5.6.2 インクリメントの採取用具

 インクリメントの採取用具は,次による。
(1) インクリメント採取用スコップは,ロットの最大粒度に応じて,原則として表2に規定する容量より
も大きなものを用いる。
また,開口部は,最大粒度の3倍以上とする。

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表2 インクリメント採取用スコップの容量
最大粒度 容量 スコップ番号
mm ml
150 約35 000 150
125 約21 000 125
100 約11 000 100
71 約 3 700 70
50 約 1 600 50
40 約 730 40
31.5 約 380 30
22.4 約 270 20
16 約 180 15
10 約 120 10
5 約 70 5
2.8 約 35 3
1 約 16 1
0.25 約 2 0.25D
備考1. スコップ番号0.25Dは,インクリメント
縮分だけに用いる。
2. インクリメント採取用スコップの寸法
の一例を付図1に示す。
(2) 機械サンプリング装置 (附属書2参照)
(a) 装置の設置 試料採取装置は,ロットを移動するときにその全量が通過する位置に設置する。
備考 例えば,主ベルトコンベヤ上,落ち口などに設置する。
(b) 試料採取器 試料採取器の開口部の大きさは,ロット中の最大粒度の粒子が容易に採取できる寸法
(原則として最大粒度の3倍以上)でなければならない。
また,試料が採取器からあふれたり,シュートに詰まったりしないような構造のものでなければ
ならない。
ベルトサンプリングにおける試料採取器の作動は,原則として流れの方向に垂直な平面で,流れ
の広がりに十分対応できるものでなければならない。流れの中における作動速度は,特性値に偏り
が生じないように決め,ほぼ一様でなければならない。
備考 採取器の作動速度の変動は平均値±5%であることが望ましい。
(c) 採取間隔 採取間隔は,変えられるものであることが望ましい。
備考 時間的に一定時間間隔でインクリメントを採取する場合には,次による。
(1) インクリメントの大きさは,流量に比例して採取する。
(2) 縮分は,定比縮分(一定比率で縮分)を行う。
(d) 安全 機械サンプリング装置の設計,設置に当たっては,作業者の安全について十分な考慮を払わ
なければならない。
(e) 保守及び監視 機械サンプリング装置は,試料採取器,コンベヤ,ホッパー,粉砕機など全系統を
通じて保守が容易で清掃しやすい構造であり,腐食しない材質であることが望ましい。
また,運転中,各部の機能が監視しやすい構造であることが望ましい。
(f) 偏りのチェック 機械サンプリングでは,装置設置後速やかにこの装置によって採取した試料に偏
りがないかどうかをチェック実験によって確認する(附属書6及び附属書7参照)。

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(g) 総合精度のチェック 機械サンプリング装置は,総合精度のチェック実験が容易にできるような構
造になっていることが望ましい(附属書5参照)。
(3) その他の試料採取用具
(a) インクリメントに偏りが入らないものであること。
(b) 容量が表2の容量以上であること。

5.6.3 インクリメントの個数の決め方

 ロットから採取するインクリメントの最小必要個数は,代表特性
などの各特性又は総合特性についての所要の総合精度 (戀 2 びロットの品位変動( 打
の区分ごとに規定する。
また,必要ならば,ロットの大きさ別,所要精度別,特性の種類別にインクリメントの最小必要個数を
規定する。総合精度の水準 (CV%) を選定してインクリメント採取個数 (n) を求めるためには,次の計算
手順による。
(手順1) 精度の水準 (CV%) を表1によって決定する。
(手順2) (CV%) から標準偏差 ( ‰ 算する。
SPM
CV x
CV 100したがって, SPM
x 100

又は,総合精度 ( ‰ 襪 準偏差 ( ‰
戀 2 地 替
SPM
SPM
2
(手順3) 手順2で求めた ┰ 忰 び 算する。
2 2
S 2
SPM
( P M )
2
CV x 2 2
( P M )
100
又は,
2
SPM 2 2
S ( P M )
2
(手順4) サンプリングの種類に応じて,次の式によって小数点以下を切り上げて,インクリメント採取個数
nを決める。
(a) ランダムサンプリング
2
i i
S n
n s
(b) 層別サンプリング
2
w w
S n
n s
(c) 系統サンプリング
2
w w
S n
n s
(d) 二段サンプリング
2 2
(M m) b w
S
M 1 m mnw
2 K1
K1 w M b M 1 b w
nw K2
K2 b m 2 2
M 1 s b

――――― [JIS M 8100 pdf 10] ―――――

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JIS M 8100:1992の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3082:1987(NEQ)
  • ISO 3084:1986(NEQ)
  • ISO 3085:1986(NEQ)
  • ISO 3086:1986(NEQ)

JIS M 8100:1992の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8100:1992の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8801:1994
試験用ふるい
JISZ8815:1994
ふるい分け試験方法通則