JIS M 8217-3:2020 鉄鉱石―硫黄定量方法―第3部:高周波誘導加熱―赤外線吸収法 | ページ 2

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が推奨する時間だけ待機する。
炉室を清掃した後,及び/又はフィルターを交換した後,又は装置を長期間使用しなかった後は,分析
を始める前に分析試料と同種類の数個の試料を燃焼させて装置を安定化させる。
装置に酸素を流してゼロ合わせを行う。
使用する装置が硫黄含有率の直読方式の場合は,次のように各検量線範囲に対して装置の読み値を調整
する。
検量線シリーズの最大硫黄含有率に近い硫黄含有率の鉄鉱石認証標準物質(5.7)を選んで,8.2の手順
に従って操作する。
得られた読み値を認証値に合わせる。
この調整は,箇条10に規定する検量線の作成の前に行わなければならない。

8.2 定量操作

  定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってるつぼ(6.5)に入れて,助燃剤(5.5)の鉄0.50 g,すず0.3 g0.5 g及びタング
ステン1 gで順に覆う。硫黄標準液による検量線を用いて分析する場合は,すずカプセル(6.4)1個
をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼに入れて,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さ
えつけた後にはかりとった試料,助燃剤の鉄0.50 g及びタングステン1 gで順に覆う。
b) )のるつぼ及び内容物を受台に載せ,燃焼位置まで上昇させて燃焼管を閉じる。炉の操作は,製造業
者の指示書に従う。
c) 加熱及び測定のサイクルが終了した後,るつぼを取り除いて読み値を記録する。
d) るつぼを燃焼管外に取り出して,試料の分解状態が完全であるかどうかを調べる。分解不完全な場合
は,分析をやり直す。

9 空試験

  空試験を次の手順で行う。空試験は,複数回行うのが望ましい。ただし,空試験値が安定している場合
は,空試験は,1回だけでよい。
検量線の校正時には,空試験を行う。ただし,空試験値が安定している場合は,省略して直近に行った
空試験値で代用してもよい。空試験値は,硫黄量として0.01 mgを超えてはならない。また,複数回行っ
た空試験値間の差が,硫黄量として0.003 mgを超えてはならない。
空試験値又は複数回行った空試験値間の差が異常に高い場合には,汚染の原因を調査して排除しなけれ
ばならない1)。
注1) るつぼを酸素気流中で,1 350 ℃で約20分間強熱すると,空試験値又は複数回行った空試験値
間の差が下がる場合がある。
試料を用いないで,8.2のa) d)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
空試験の読み値を求めて,それらを検量線(箇条10)を用いて硫黄の質量(mg)に変換する。
空試験値(m0)は,測定した空試験値の平均値とする。

10 検量線の作成

10.1   硫黄標準液による検量線の作成
10.1.1 検量線作成用試料(カプセル)の調製
100 ストン式ピペット(6.3)を用いて,水(ゼロメンバー)及び硫黄標準液(5.6)を表3に示

――――― [JIS M 8217-3 pdf 6] ―――――

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すように分取して,8個の別々のすずカプセル(6.4)の中に移し入れる。完全に乾燥するまで90 ℃で徐々
に蒸発し,デシケーター中で常温まで放冷する。
表3−検量線作成用試料
硫黄標準液の 硫黄添加量 酸化鉄0.5 g中の
番号 硫黄含有率換算値
mg 質量分率(%)
5.6.0 0 0.000 0
5.6.1 0.01 0.002 0
5.6.2 0.02 0.004 0
5.6.3 0.05 0.010 0
5.6.4 0.10 0.020 0
5.6.5 0.20 0.040 0
5.6.6 0.35 0.070 0
5.6.7 0.50 0.100 0
10.1.2 測定
10.1.1で調製した検量線作成用試料(カプセル)をピンセットなどで潰し,小さく折り畳んでるつぼ(6.5)
に入れ,カプセルをるつぼの底の方へ軽く押さえつけた後に,酸化鉄(III)(5.2)0.5 gを加えて,助燃剤
の鉄0.50 g及びタングステン1 gで順に覆う。
るつぼ及び内容物を8.2のb)及びc)の手順に従って操作し,各検量線作成用試料の読み値を求める。
10.1.3 検量線の作成
各検量線作成用試料の硫黄の質量(mg)に対して,10.1.2で求めた各検量線作成用試料の読み値からゼ
ロメンバー(硫黄添加量がゼロの検量線作成用試料 : 表3の5.6.0)の読み値を差し引いた値をプロットし
て,検量線を作成する。
10.2 鉄鉱石認証標準物質を用いる検量線の作成
10.2.1 検量線作成用試料の選定
検量線を作成したい硫黄含有率範囲に対して,その上下限近傍の含有率を含み,かつ,硫黄含有率が段
階的に変化するように,鉄鉱石認証標準物質(5.7)を少なくとも4,5個選定する。
注記 検量線作成用試料の選定数は,1桁の含有率範囲で2,3個とする場合が多い。
10.2.2 測定
8.2の操作を,試料の代わりに10.2.1で選んだ鉄鉱石認証標準物質(5.7)を用いて行う。また,空試験
(箇条9)も同時に行う。
10.2.3 検量線の作成
各検量線作成用試料の硫黄含有率とはかりとり量から求めた硫黄の量(mg)及び空試験の硫黄量0(mg)
に対して,10.2.2で得た各検量線作成用試料の読み値及び空試験の読み値をプロットして関係線を作成し,
その関係線について原点を通るように平行移動して検量線を作成する。
10.2.4 検量線の校正
検量線校正用標準物質(5.8)について,10.2.2の操作を検量線作成用試料と併行に行い,箇条11によっ
て検量線校正用標準物質の基準含有率SC0を求める。検量線に経時変化が認められた場合は,集じん管部
への水分の吸着及び脱水管の水分吸収能力が低下していないことを確認する。必要があれば8.1によって
装置の調整を行う。検量線校正用標準物質及び空試験の測定を行い,箇条11に従って検量線校正用標準物

――――― [JIS M 8217-3 pdf 7] ―――――

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質の未補正含有率SCを求め,検量線の校正係数αを次の式によって求める。
SC 0
SC
検量線を,検量線の勾配係数にαを乗じて校正する。校正操作後に測定した試料の硫黄量は,校正され
た検量線を用いて求める。
注記 検量線の校正の計算は,通常は,装置に組み込まれていて自動計算される。

11 計算

  はかりとった試料の読み値を,作成された検量線(10.1.3及び10.2.3)又は校正された検量線(10.2.4)
を用いて硫黄量m1(mg)に変換する。
試料中の硫黄含有率[質量分率(%)]を次の式によって算出する。
m1 m0 m1 m0
S 100
m 103 10m
ここに, S : 試料中の硫黄含有率[質量分率(%)]
m1 : はかりとった試料中の硫黄量(mg)
m0 : 空試験値(mg)
m : はかりとった試料(箇条7)の量(g)

12 許容差

  許容差は,表4による。
表4−許容差
単位 質量分率(%)
硫黄含有率 室内再現許容差 室間許容差a)
Rd P
0.002以上 0.10以下 f(n)×0.004 6×(S)0.595 5 f(n)×0.010 6×(S)0.539 4
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場
合は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(S)は,許容差
を求める硫黄定量値の平均値[質量分率(%)]である。
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分
析値を用いて判定する。

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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 4689-3:2017,Iron ores−Determination of sulfur content−Part 3: Combustion/
JIS M 8217-3:2020 鉄鉱石−硫黄定量方法−第3部 : 高周波誘導加熱−赤外線吸
収法 infrared method
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 適用範囲を規定 1 適用範囲を規定 変更 JISは,独自の共同実験によって適定量上限を拡大する要求もなく,
0.002 %0.10 % 0.002 %0.25 % 用範囲を決定した。 JISとISO規格との共同実験結果
を比較して,許容差の良好な国内
実験の適用範囲に狭めた。
2 引用規格
3 一般事項 鉄鉱石の定量方法 3 用語及び定義の箇条を 追加 ISO規格は,全ての規格に箇条を設JISは,鉄鉱石及び硫黄の定量に
及び硫黄定量方法 設定 けた。JISは,定量方法に共通な一共通の事項をJIS M 8202及びJIS
に共通の一般事項 般事項を規定した。 Z 2616に規定している。技術的差
を規定 異については各欄に記す。
4 要旨 分析法概要を記載 4 原理を記載 一致
5 試薬 使用する試薬を規 5 使用する試薬を規定 変更 JISは,使用する装置に適したものISO規格品とJIS規格品との違い
定 に一部規定を変更した。 による。技術的差異はない。
5.1 酸素の品質を規 − − 追加 JISは,JIS K 1101に規定する酸素日本独自の規定で改正提案しな
定 の品質を規定した。 い。
5.2 酸化鉄(III)中 5.3 変更
酸化鉄(III)中の硫黄含 JISは,分析実態に合わせた規定
JISは,酸化鉄(III)中の硫黄含有
の硫黄含有率を規 有率を規定 としている。技術的差異はない。
率(質量分率)を適用下限以下と規
定 定した。
5.3 不活性セラミッ 5.6 不活性セラミックスを 変更 JISは,使用する装置に適した粒径ISO規格品とJIS規格品との違い
M8
クスを規定 規定 による。技術的差異はない。
のものを用いる規定とし,粒径の範
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囲は,推奨事項とした。
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――――― [JIS M 8217-3 pdf 9] ―――――

    8
M 8217-3 : 2020
M8
2
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
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箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
及び題名 番号 の評価
02
5 試薬 5.4 過塩素酸マグネ 5.2 過塩素酸マグネシウム 変更 JISは,使用する装置に適した粒径ISO規格品とJIS規格品との違い
0
(続き) シウムを規定 を規定 による。技術的差異はない。
のものを用いる規定とし,粒径の範
囲は,推奨事項とした。
5.5 助燃剤を規定 5.1 分解助剤を規定 追加 JISは,JIS Z 2616を引用し,使用ISO規格品とJIS規格品との違い
5.4 する装置及び試料に適したものを による。技術的差異はない。
5.5 用いることとした。
5.6 硫黄標準液の調 5.8 硫黄標準液の調製にお 変更 JISは,乾燥時間を2時間に延長し ISO規格品とJIS規格品との違い
製において,硫酸カ いて,硫酸カリウムの乾 た。 による。技術的差異はない。
リウムの乾燥温度 燥温度及び質量を規定
及び質量を規定 JISは,原子量を変動範囲で示されJISは,最新の原子量表で再計算
したもので,技術的差異はない。
た元素は,原子量表(日本化学会原
子量専門委員会)の2010年版を,
それ以外の元素は,原子量表の2017
年版を用いて再計算した。
下限域の硫黄標準液を追加した。 JISは,分析実態に合わせた規定
としている。他の改正検討が生じ
た時点で,改正提案を行う。
5.7 鉄鉱石認証標準 − − 追加 JISは,認証標準物質による検量線日本独自の規定で改正提案しな
物質を規定 い。
の作成を認めたため,認証標準物質
中の硫黄含有率及び化合水含有率
を規定した。
5.8 検量線校正用標 − − 追加 JISは,認証標準物質による検量線日本独自の規定で改正提案しな
準物質を規定 い。
の作成を認めたため,検量線校正用
標準物質を規定した。
6 装置,器 装置,器具及び材料 6 一致
装置,器具及び材料を規
具及び材料 を規定 定
高周波誘導加熱炉 6.4 高周波誘導加熱炉を規 変更 JISは,JIS Z 2616を引用している。 JISは,引用しているJIS Z 2616
を規定 定 に規定しているので,技術的差異
はない。

――――― [JIS M 8217-3 pdf 10] ―――――

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JIS M 8217-3:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4689-3:2017(MOD)

JIS M 8217-3:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8217-3:2020の関連規格と引用規格一覧