JIS P 8113:2006 紙及び板紙―引張特性の試験方法―第2部:定速伸張法 | ページ 2

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引張エネルギー吸収量を測定するためには,この装置が必要である。
5.4 荷重−伸び曲線のプロット及びその曲線の最大傾きの測定装置 引張弾性率を測定する場合だけ,
必要となる。

6 試料の採取

  紙及び板紙のロットについて試験する場合は,JIS P 8110に規定する方法によって試料を採取する。

7 試料の調湿

  JIS P 8111に規定する方法によって試料を調湿する。

8 試験片の調製

  試験片の調製は,試料を調湿したのと同じ標準条件下で行う(箇条7参照)。
比引張強さ及び比引張エネルギー吸収量が必要な場合には,JIS P 8124に規定する方法によって坪量を
測定する。
引張弾性率が必要な場合には,JIS P 8118に規定する方法によって厚さを測定する。
注記3 正確な引張弾性率の測定には,個々の試験片の厚さの測定が必要であり,JIS P 8118による
厚さの平均値は用いない。しかし,JIS P 8118に規定されているマイクロメータの加圧面の
直径は16 mmであるので,15 mm幅の試験片では加圧面間の圧力は規定されている100 kPa
よりもやや大きくなる。したがって,この方法によって測定した引張弾性率は近似値となる。
試験片は,箇条6に従ってランダムに採取した試験用紙から採取する。試験面に,折り目,明りょうな
きず及びすき入れがなく,シート又は巻取りの端から15 mm以内の試験用紙を含んではならない。やむを
得ずすき入れを含む場合は,その旨を報告に加える。
注記4 試験用手すき紙については,試験片がシート又は巻取りの端から15 mm以内の部分を含んで
はならないという制限を除外する(JIS P 8223参照)。
試験片は,一枚ずつ裁断する。紙及び板紙の必要な主方向,すなわち,縦方向及び横方向のそれぞれに
ついて,10点の有効な値を得るために十分な数の試験片を裁断する(9.2参照)。
その長辺の両端は,直線で±0.1 mm以内で平行であり,きれいな切り口をもち,損傷のないものとする。
注記5 ティシュペーパーのような紙は,正確に切るのが難しい。その場合は,例えば,ボンド紙の
ような硬い紙の間に2枚3枚挟んで裁断してもよい。
試験片の寸法は,次による。
a) 試験片の幅は,15±0.1 mmとする。
注記6 ティシュペーパーのような引張強さが弱い紙については,その幅を25±0.1 mm又は50±0.1
mmとしてもよいが,その場合は,その旨を報告に加える。この試験結果は,標準寸法から
得られる結果と同一とみなさないほうが望ましい。
b) 試験片は,つかみ線間の試験片部分に手で触れずに試験片を固定できるような長さにする。また,試
験用手すき紙の場合には,JIS P 8223に規定する方法によって調製する。
注記7 例えば,トイレットペーパーのような製品については,試験長さが規定の180 mm(9.1参照)
よりも短くなる。このような場合には,注記8に従い,採取できる最も長い試験片を用いる。
そのときは,その長さを報告に加える。

――――― [JIS P 8113 pdf 6] ―――――

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9 操作

9.1 装置の校正及び調整

  試験機製造業者の指示に従って,装置を起動する。必要な場合,附属書Aに示すように,装置の荷重測
定部及び伸び測定機構の校正を行う。
測定中に試験片が滑ったり,又は損傷したりしないように,つかみ荷重を調整する。
試験長さ(つかみ線の平均間隔)が180±1 mmとなるよう,つかみ具の位置を調整する(注記8参照)。
薄いアルミはく(箔)片をつかみ具でつかんだときにできる二つの圧こん(痕)の間隔を測定することに
よって,試験長さが正しいことを確認する。
つかみ具の移動速度,すなわち,試験片の伸張速度を20±5 mm/minに調整する。
注記8 例えば,伸びの大きな紙,又は寸法が短い製品では,規定の寸法よりも短い試験片を用いて
もよい。そのときは,1分間当たりの伸張長さが,応力がかかっていない状態での試験長さ
の(10±2.5)%となるように調整し,試験長さ及び伸張速度を報告に加えるのが望ましい。
注記9 品質によって,又はある種類の紙及び板紙では,試験片が, 例えば,5秒間以内で破断した
り,又は,例えば,30秒間以上の時間を要したりすることがある。そのときは伸張速度を変
更してもよいが,その速度を報告に加える。

9.2 試験

  試験は,試料を調湿したのと同じ標準条件下で行う(箇条7参照)。
測定装置,及び使用する場合,記録装置のゼロ点を確認する。
つかみ具を規定の初期試験長さに調整し,つかみ線間の測定面に指で触れないように,試験片をつかみ
具に取り付ける。試験片の取扱いには,使い捨て,又は薄手の綿手袋を使用するのが望ましい。たるみが
生じず,かつ,試験片に大きな応力がかからないように,試験片を配置してから,しっかり締め付ける。
試験片と引張荷重がかかる方向とが平行であることを確認する(図1参照)。
注記10 試験片を垂直に保つ装置では,つかみ具に試験片を取り付けるとき,その下端に,例えば,
低坪量の紙に対しては10 gの小さなおもりを取り付け,たるみを除いてもよい。この方法は,
伸びの大きい紙には適さない。
注記11 ティシュペーパーのような紙については,試験片に応力をかけないで,たるみをなくすのは
難しい。この場合,最小限のたるみが生じてもよい。
測定を開始し,試験片が破断するまで続ける。最大張力,及び必要な場合,ミリメートル(mm)単位で
伸びを記録するか,又は直読式の装置では,引張破断伸びを百分率(%)単位で記録する。
必要なそれぞれの方向について10個の有効な値を得るために,それぞれの方向に裁断した少なくとも
10個の試験片について測定を行う。
すべての読みを記録する。ただし,試料から裁断した試験片の20 %以上の試験片が,つかみ具から10 mm
以内の部分で破断した場合には,5.1及び9.1の要件に適合しているか試験装置を点検する。装置に欠陥が
ある場合は,すべての結果を破棄し,適切な処置をとる。
つかみ具から10 mm以内で破断した試験片の数を報告する。

10 試験結果の表し方

10.1 一般事項

  紙及び板紙の試験を必要とする主方向について得られたデータを別々に計算し,結果を表す。
抄紙機で製造した紙及び板紙の場合,主方向とは縦方向と横方向とに相当する。試験用手すき紙につい

――――― [JIS P 8113 pdf 7] ―――――

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ては,そのような区別はない。

10.2 記号

  計算式に用いる記号は,次による。
t 試験片の厚さの平均値(mm)(箇条8参照)
E 仕事量(荷重−伸び曲線の下側の面積)(J又はmJ)
E* 引張弾性率の平均値(MPa)
g 坪量の平均値(g/m2)
S 引張強さ(kN/m)
li つかみ具間の初期試験長さ(mm)
Δli 試験長さの変化量(図2参照)(mm)
wi 試験片の初期幅(mm)
F 最大引張荷重の平均値(N)
ΔF Δliに対する荷重変化量(図2参照)(N)
I 比引張強さ(N・m/g)
Z 引張エネルギー吸収量(J/m2)
Z 引張エネルギー吸収量の平均値(J/m2)
IZ 比引張エネルギー吸収量(mJ/g)

10.3 引張強さ

10.3.1 引張強さは,次の式によって求める。
F
S
wi
引張強さは,有効数字3けたに丸める。
注記12 例えば,ティシュペーパーのような軽量紙の場合,N/mで表すのが望ましい。
10.3.2 結果の標準偏差を求める。

10.4 比引張強さ

  必要な場合,比引張強さは,次の式によって求める。

I 103
比引張強さは,有効数字3けたに丸める。
また,Iは,次の式によって求めてもよい。
F
I 10 3
wi g
注記13 比引張強さは,引張強さ及び坪量の測定値の平均値から求める。坪量測定には,荷重測定の
変動性とは無関係であるそれ自体の変動性がある。個々の荷重測定値及び坪量平均値から比
引張強さの標準偏差を求めた場合,標準偏差は過小評価となる。このため,比引張強さの標
準偏差を求めることは推奨できない。

10.5 引張破断伸び

――――― [JIS P 8113 pdf 8] ―――――

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10.5.1 必要であり,かつ,装置がmm単位で伸びを測定する場合は,それぞれの読取値について引張破断
伸びを初期試験長さに対する百分率として求め,更に引張破断伸びの平均値を求め,結果を小数第一位で
表す。
装置が引張破断伸びを百分率で測定する場合には,引張破断伸びの平均値を求め,結果を小数第一位で
表す。
10.5.2 結果の標準偏差を求める。

10.6 引張エネルギー吸収量

10.6.1 必要な場合,引張試験機に接続したインテグレータ,又は荷重−伸び曲線の張力最大値までの面積
によって,個々の試験片の引張エネルギー吸収量を測定する。引張エネルギー吸収量は,次の式によって
求める。
E
Z 10 6
wili
ここに,EはJで表す。又は,
E
Z 10 3
wili
ここに,EはmJで表す。
引張エネルギー吸収量の平均値を求め,有効数字3けたに丸める。
10.6.2 結果の標準偏差を求める。

10.7 比引張エネルギー吸収量

  必要な場合,比引張エネルギー吸収量は,次の式によって求める。

IZ 103
比引張エネルギー吸収量は,有効数字3けたに丸める。

10.8 引張弾性率

  必要な場合,引張弾性率は,次の式によって求める(図2参照)。
F li
E
wi t li

――――― [JIS P 8113 pdf 9] ―――――

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図2−引張弾性率の測定に用いる概念
引張弾性率は,有効数字3けたに丸める。

11 精度

  試験精度は,試験に供する紙及び板紙の変動性に依存する。表1は,オランダ及びアメリカにおいて別
個に試験を行った結果に基づいて,この方法の繰返し精度及び再現精度の値を示したものである。

11.1 繰返し精度

  同一試料について同じ試験機を用い,一人の作業者が短い時間間隔で行った2回の試験結果の差が,繰
返し精度の平均値を超えるのは,20回に1回以下となる。

11.2 再現精度

  同一試料について,異なる試験室で二人の作業者が行った別々の2回の試験結果の差が,再現精度の平
均を超えるのは,20回に1回以下となる。
表1−繰返し精度及び再現精度
試験範囲 方法 平均繰返し精度 平均再現精度
% %
0.5 kN/m1.3 kN/m 引張り 5.8 不明
2.9 kN/m11.5 kN/m 引張り 3.8 12
0.7 %1.9 % 伸び 9.0 不明
1.4 %2.6 % 伸び 6.6 30
2.3 %7.0 % 伸び 4.5 不明
30 J/m2200 J/ m2 引張エネルギー吸収量 10 28
注記 これらのデータの大部分は,帯状チャート記録計及びプラニメータを使用した旧式の技術に基づ
いている。

12 報告

  報告書には,次の事項を記録する。
a) この規格名称又は規格番号
b) 試料の種類及び名称
c) 試験年月日及び試験場所
d) 調湿条件

――――― [JIS P 8113 pdf 10] ―――――

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  • ISO 1924-2:1994(IDT)

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