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P 8125-1 : 2017 (ISO 2493-1 : 2010)
8 調湿
紙及び板紙の試験用紙は,JIS P 8111に従って調湿する。試験用紙の調湿に用いたのと同じ調湿条件で,
試験片の調湿及び試験を行う。
9 試験片の調製
試験片の縦方向及び/又は横方向の曲げ抵抗(3.2)を試験する場合,抄紙方向が旋回軸(4)に直角な
場合を縦方向,平行な場合を横方向の試験片とする。試験する範囲には,折れ,しわ,目視できる割れ又
はその他の欠陥が入ることを避ける。試験する範囲に透かしが存在する場合には,報告書に記載しなけれ
ばならない。力を加える試験片のそれぞれの面について,同数の有効な結果が得られるように面を区別す
る。
ねじれ及びカールが著しい試験片では,信頼できる結果が得られないことがある。材料に損傷を与える
ことなく,カール及びねじれを矯正することはできない。
必要な主方向(縦方向及び/又は横方向)について,幅38.0 mm±0.2 mm及び長さ80 mm以上(曲げ長
さ50 mm)の試験片を最低10枚裁断する。
短い曲げ長さを用いる場合は,長さは,40 mm以上(曲げ長さ10 mm)とする。
10 操作
比曲げ抵抗(3.6)が必要な場合は,JIS P 8124に従って坪量を測定する。
曲げ長さ(3.3)50.0 mm±0.1 mmで試験を行う。曲げ抵抗(3.2)が低く,曲げ長さ50.0 mm±0.1 mmで
の測定には適さない試料については,10.0 mm±0.1 mmの短い曲げ長さを用いてもよい。その場合,曲げ
長さを報告する。
重要 異なる曲げ長さを用いて得られた結果を比較することはできない。
つかみ具から張り出した試験片が定めた自由長さ(3.5)で,正しく配置されるように,つかみ具に挿入
する。自由長さ(L)は,曲げ長さ50 mmの場合は,57 mm±3 mm,曲げ長さ10 mmの場合は,17 mm±
3 mmとする。試験片のつかみ具周辺を素手で触れてはならない。この部分の水分が変化すると,測定結
果に影響することがある。
つかみ圧は,試験片をしっかり固定できるように十分高くなければならない。そのことによって,測定
する曲げ力が圧力の影響を受けにくくなる(参考文献[6]参照)。
圧力が正確に制御できる空気圧又はその他の方法を推奨する。
注記1 圧力が高過ぎると,曲げ力が低くなることがある。
曲げ角度(3.4)が15°になるように,機器を設定する。試験片の曲げを繰り返すと,曲げ力が徐々に低
下し,その結果曲げ抵抗も低下するので,試験の前に試験片を曲げたり折ったり,同じ試験片で試験を繰
り返してはならない。曲げ角度15°(又は7.5°)まで正確に曲げるために,試験前に試験片にいかなる
力も加えず,ナイフの先端を試験片表面に接触させる。
試験片を15°に曲げる前に曲げ力(3.1)が最大に達するか,破断,屈曲又はしわが生じた場合には,そ
の試験結果を破棄する。試験結果の10 %以上がそのような挙動を示した場合には,曲げ角度を7.5°にす
る。その場合,曲げ角度を報告する。
重要 曲げ角度と曲げ抵抗との関係は,比例関係にはないので,曲げ角度7.5°で得られた結果を二倍
して,15°での結果に換算することはできない。
注記2 厚さの増加によって,紙に許容できない変形が生じる傾向が強まる。しかし,7.5°を用いる
――――― [JIS P 8125-1 pdf 6] ―――――
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P 8125-1 : 2017 (ISO 2493-1 : 2010)
場合の適切な厚さを示すことはできない。
用いる機器の取扱説明書で推奨される方法によって曲げ力を測定する。必要な試験片の数について,曲
げ力(3.1),Fを記録する。
試験によって,曲げ方向が反対となる面についても同数の有効な結果を得る。定めた曲げ角度で,主方
向それぞれについて,面を変えて,それぞれの面について少なくとも5回の試験で,10点の有効な測定値
を採用する。つかみ具から取り除いた試験片を再度試験に用いてはならない。
11 計算及び結果の表し方
11.1 曲げ抵抗
必要な主方向(縦方向及び/又は横方向)それぞれの試験について,曲げ力(3.1)の有効な読取値の全
ての平均値として,曲げ抵抗(3.2),B及び標準偏差を計算する。
必要な主方向それぞれについて,曲げ抵抗を,ニュートン(N)又はミリニュートン(mN)単位にて,
有効数字3桁で報告する。
注記 この試験の精度は,附属書Aに示す。
11.2 比曲げ抵抗
必要ならば,必要な主方向(縦方向及び/又は横方向)のそれぞれの試験について,式(1)によって,比
曲げ抵抗(3.6),BIを計算する。
B
BI 3
(pdf 一覧ページ番号 )
g
ここに, BI : 比曲げ抵抗(mN・m6/g3)
B : 曲げ抵抗(mN)
g : 坪量(g/m2)
必要な主方向の比曲げ抵抗を,有効数字3桁で報告する。
注記 比曲げ抵抗は,曲げ角度が小さい場合,均質材料の試験片に正確に適用できる。比曲げ抵抗は,
坪量の差が小さい場合には,曲げ抵抗の比較に有効である。通常,15°の曲げでは,坪量が高
くなるほど,試験片の塑性変形の程度が大きくなる。このため,比曲げ抵抗は,坪量の高い材
料,及び坪量が著しく異なる紙の比較には有効でない(参考文献[6]参照)。
12 報告書
報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の名称
b) 試験の場所及び日時
c) 試料の説明及び識別
d) 調湿条件
e) 曲げ角度が15°でない場合は,その角度
f) 曲げ長さが50 mmでない場合は,その長さ
g) 試験した主方向それぞれについて,曲げ抵抗
h) 試験した主方向それぞれについて,曲げ抵抗の標準偏差(11.1による。)
i) 必要ならば,試験したそれぞれの主方向について,比曲げ抵抗(11.2による。)
j) この規格と異なる条件又は方法で試験した場合は,その内容
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P 8125-1 : 2017 (ISO 2493-1 : 2010)
附属書A
(参考)
精度
2008月11月に,欧州の6か国の9か所の試験所で,6種の試料の縦方向(machine direction, MD)又は
横方向(cross direction, CD)について試験を行った。それぞれの試料の10枚の試験片について,表裏半分
ずつ曲げ方向を変えて試験を行った。
計算は,ISO/TR 24498[3]及びTAPPI T 1200[5]によって行った。
表A.1及び表A.2に示した繰返し精度の標準偏差は,“プールした”繰返し精度の標準偏差,すなわち,
標準偏差を参加した試験所の標準偏差の二乗平均平方根(root-mean-square)によって求めたものである。
これは,JIS Z 8402規格群[2]における従来の繰返し精度の定義とは異なる。
繰返し精度及び再現性の許容差は,類似の試験条件の下,類似の材料で行った二つの試験結果を比較す
るときの,20回のうち19回で予測される最大偏差の推定値である。材料及び試験条件が異なる場合には,
これらの数値は,有効でない。
繰返し精度及び再現性の許容差は,繰返し精度及び再現性の標準偏差に2.77を乗じて計算する。
注記1 繰返し精度の標準偏差と実験室内での標準偏差とは同一である。しかしながら,再現性の標
準偏差は実験室間の標準偏差と同じではない。すなわち,再現性の標準偏差は,実験室間の
標準偏差及び実験室内の標準偏差の両方を合わせたものである。
すなわち,s2r=s2W,s2R=s2W+s2L
ここに, sr : 繰返し精度の標準偏差
sW : 試験室内の標準偏差
sR : 再現性の標準偏差
sL : 試験室間の標準偏差
注記2 2.77=1.962,この値は,測定値が正規分布しており,標準偏差srが多数の試験に基づいて
いることを前提としている。
――――― [JIS P 8125-1 pdf 8] ―――――
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P 8125-1 : 2017 (ISO 2493-1 : 2010)
表A.1−試験方法の繰返し精度
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 許容差
sr CV r
mN mN % mN
塗工未さらし紙器用板紙 MD 9 1 348 36.7 2.7 102
390 g/m2 CD 9 584 24.2 4.1 67.0
クラフトライナー MD 9 420 20.5 4.9 56.8
300 g/m2 CD 9 176 13.3 7.6 36.7
同質さらし紙器用板紙 MD 9 152.6 12.4 8.1 34.2
220 g/m2 CD 9 79.7 8.9 11.2 24.8
コピー用紙a) MD 9 100 10.0 10.0 27.7
80 g/m2 CD 9 48 6.9 14.4 19.2
コピー用紙a) MD 9 135 11.6 8.6 32.2
75 g/m2 CD 9 43.1 6.56 15.2 18.2
新聞用紙a) MD 9 28 5.3 18.9 14.7
45 g/m2 CD 9 7.0 2.6 37.1 7.3
注a) コピー用紙及び新聞用紙については,10 mmの曲げ長さを用いた。
表A.2−試験方法の再現性
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 許容差
sR CV R
mN mN % mN
塗工未さらし紙器用板紙 MD 9 1 348 82.2 6.1 228
390 g/m2 CD 9 584 52.7 9.0 146.2
クラフトライナー MD 9 420 27.9 6.6 77.4
300 g/m2 CD 9 176 15.7 8.9 43.6
同質さらし紙器用板紙 MD 9 152.6 14.6 9.6 40.5
220 g/m2 CD 9 79.7 10.1 12.7 28.0
コピー用紙a) MD 9 100 12.8 12.8 35.4
80 g/m2 CD 9 48 7.4 15.4 20.4
コピー用紙a) MD 9 135 13.7 10.1 37.9
75 g/m2 CD 9 43.1 6.6 15.3 18.2
新聞用紙a) MD 9 28 5.4 19.3 14.9
45 g/m2 CD 9 7.0 2.7 38.6 7.4
注a) コピー用紙及び新聞用紙については,10 mmの曲げ長さを用いた。
――――― [JIS P 8125-1 pdf 9] ―――――
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P 8125-1 : 2017 (ISO 2493-1 : 2010)
参考文献
[1] ISO 5628:1990,Paper and board−Determination of bending stiffness by static methods−General principles
[2] JIS Z 8402(規格群) 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)
注記 対応国際規格 : ISO 5725 (all parts),Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and
results
[3] ISO/TR 24498:2006,Paper, board and pulps−Estimation of uncertainty for test methods
[4] TAPPI Test Method T 489 om-04,Bending resistance (stiffness) f paper and paperboard (Taber-type stiffness
tester in basic configuration)
[5] TAPPI Test Method T 1200,Interlaboratory evaluation of test methods to determine TAPPI repeatability and
reproducibility
[6] FELLERS, C. and CARLSSON, L. Bending stiffness, with special reference to paperboard. Handbook of
physical and mechanical testing of paper and paperboard. Mark, R.E., Habeger, C., Borch, J. and Lyne, B., New
York, Basel, (2002), Marcel Dekker: pp. 233-256
JIS P 8125-1:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2493-1:2010(IDT)
JIS P 8125-1:2017の国際規格 ICS 分類一覧
JIS P 8125-1:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISP0001:1998
- 紙・板紙及びパルプ用語
- JISP8110:2006
- 紙及び板紙―平均品質を測定するためのサンプリング方法
- JISP8111:1998
- 紙,板紙及びパルプ―調湿及び試験のための標準状態
- JISP8124:2011
- 紙及び板紙―坪量の測定方法