JIS Q 20000-1:2020 情報技術―サービスマネジメント―第1部:サービスマネジメントシステム要求事項 | ページ 4

                                                                                             13
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
b) サービスマネジメントの方針,並びにサービスマネジメントの目的及びサービスの要求事項の達成を
支援するために,サービスマネジメント計画が作成,実施及び維持されていることを確実にする。
c) MS及びサービスに関連する決定を行うために,適切なレベルの権限が割り当てられることを確実に
する。
d) 組織及びその顧客のために何が価値を構成するかを決定することを確実にする。
e) サービスのライフサイクルに関与する他の関係者を管理することを確実にする。
f) 組織の事業プロセスへのSMS要求事項の統合を確実にする。
g) MS及びサービスに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
h) 有効なサービスマネジメント,サービスマネジメントの目的の達成,価値の提供,及びSMS要求事項
への適合の重要性を伝達する。
i) SMSがその意図した成果を達成することを確実にする。
j) SMS及びサービスの有効性に寄与するよう人々を指揮し,支援する。
k) MS及びサービスの継続的改善を促進する。
l) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう,管理層の役割を
支援する。
注記 この規格で“事業”という場合,それは,組織の存在の目的の中核となる活動という広義の意
味で解釈され得る。

5.2 方針

5.2.1  サービスマネジメントの方針の確立
トップマネジメントは,次の事項を満たすサービスマネジメントの方針を確立しなければならない。
a) 組織の目的に対して適切である。
b) サービスマネジメントの目的の設定のための枠組みを示す。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) MS及びサービスの継続的改善へのコミットメントを含む。
5.2.2 サービスマネジメントの方針の伝達
サービスマネジメントの方針は,次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能である。
b) 組織内に伝達する。
c) 必要に応じて,利害関係者が入手可能である。

5.3 組織の役割,責任及び権限

  トップマネジメントは,SMS及びサービスに関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組
織内に伝達されることを確実にしなければならない。
トップマネジメントは,次の事項に対して,責任及び権限を割り当てなければならない。
a) MSが,この規格の要求事項に適合することを確実にする。
b) MS及びサービスのパフォーマンスをトップマネジメントに報告する。

6 計画

6.1 リスク及び機会への取組み

6.1.1  SMSの計画を策定するとき,組織は,4.1に規定する課題及び4.2に規定する要求事項を考慮し,
次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 16] ―――――

14
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
a) MSが,その意図した成果を達成できるという確信を与える。
b) 望ましくない影響を防止又は低減する。
c) MS及びサービスの継続的改善を達成する。
6.1.2 組織は,次の事項を決定し,文書化しなければならない。
a) 次の事項に関連するリスク
1) 組織
2) サービスの要求事項を満たさないこと
3) サービスライフサイクルにおける他の関係者の関与
b) MS及びサービスに関する,リスク及び機会の顧客に対する影響
c) リスク受容基準
d) リスクの管理のためにとるべき取組み
6.1.3 組織は,次の事項を計画しなければならない。
a) 上記によって決定したリスク及び機会への取組み及びその優先度付け
b) 次の事項を行う方法
1) その取組みのSMSプロセスへの統合及び実施
2) その取組みの有効性の評価
注記1 リスク及び機会に取り組む選択肢は,次のものを含み得る。リスクの回避,機会を追求する
ためにリスクをとる又は増加させること,リスク源の排除,リスクの起こりやすさ又は結果
を変化させること,合意した処置を通じたリスクの軽減,他の関係者とのリスクの共有,又
は情報に基づく決定によるリスクの受入れ。
注記2 JIS Q 31000は,リスクマネジメントの原則及び汎用的な手引を提供する。

6.2 サービスマネジメントの目的及びそれを達成するための計画策定

6.2.1  目的の確立
組織は,関連する機能及び階層において,サービスマネジメントの目的を確立しなければならない。サ
ービスマネジメントの目的は,次の事項を満たさなければならない。
a) サービスマネジメントの方針と整合している。
b) 測定可能である。
c) 適用される要求事項を考慮に入れる。
d) 監視する。
e) 伝達する。
f) 必要に応じて,更新する。
組織は,サービスマネジメントの目的に関する文書化した情報を保持しなければならない。
6.2.2 目的を達成するための計画
組織は,自らのサービスマネジメントの目的をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項
を決定しなければならない。
a) 実施事項
b) 必要な資源
c) 責任者
d) 達成期限
e) 結果の評価方法

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 17] ―――――

                                                                                             15
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)

6.3 サービスマネジメントシステムの計画

  組織は,サービスマネジメントの計画を作成,実施,及び維持しなければならない。計画立案では,サ
ービスマネジメントの方針,サービスマネジメントの目的,リスク及び機会,サービスの要求事項,並び
にこの規格に規定する要求事項を考慮しなければならない。
サービスマネジメントの計画には,少なくとも次の事項を含むか,又は参照しなければならない。
a) サービスの一覧
b) MS及びサービスに影響を及ぼし得る既知の制限
c) 関連する方針,規格,法令,規制,契約上の要求事項などの義務,及びそれらの義務をSMS及びサー
ビスに適用する方法
d) MS及びサービスに対する権限及び責任
e) MS及びサービスを運用するために必要な,人,技術,情報及び財務に関する資源
f) サービスのライフサイクルに関与する他の関係者と業務を行うためにとるべき取組み
g) MSを支援するために使用する技術
h) MS及びサービスの有効性を測定,監査,報告,及び改善する方法
他の計画立案活動は,サービスマネジメントの計画との整合を維持していなければならない。

7 サービスマネジメントシステムの支援

7.1 資源

  組織は,サービスの要求事項を満たし,サービスマネジメントの目的を達成するために,SMSの確立,
実施,維持及び継続的改善,並びにサービスの運用に必要な人,技術,情報及び財務に関する資源を決定
し,提供しなければならない。

7.2 力量

  組織は,次の事項を行わなければならない。
a) MS及びサービスのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人々に必要
な力量を決定する。
b) 適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする。
c) 該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価す
る。
d) 力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持する。
注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,
配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結など
もあり得る。

7.3 認識

  組織の管理下で働く人々は,次の事項に関して認識をもたなければならない。
a) サービスマネジメントの方針
b) サービスマネジメントの目的
c) 自らの業務に関連するサービス
d) パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,SMSの有効性に対する自らの貢献
e) MS要求事項に適合しないことの意味

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 18] ―――――

16
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)

7.4 コミュニケーション

  組織は,次の事項を含む,SMS及びサービスに関連する内部及び外部のコミュニケーションを決定しな
ければならない。
a) コミュニケーションの内容
b) コミュニケーションの実施時期
c) コミュニケーションの対象者
d) コミュニケーションの方法
e) コミュニケーションの責任者

7.5 文書化した情報

7.5.1  一般
組織のSMSは,次の事項を含まなければならない。
a) この規格が要求する文書化した情報
b) MSの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化した情報
注記 SMSのための文書化した情報の程度は,次のような理由によって,それぞれの組織で異なる場
合がある。
− 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類
− プロセス,サービス及びその相互作用の複雑さ
− 人々の力量
7.5.2 文書化した情報の作成及び更新
文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。
a) 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号)
b) 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体)
c) 適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認
7.5.3 文書化した情報の管理
7.5.3.1 SMS及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理しな
ければならない。
a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失か
らの保護)。
7.5.3.2 文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなけ
ればならない。
a) 配付,アクセス,検索及び利用
b) 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存
c) 変更の管理(例えば,版の管理)
d) 保持及び廃棄
SMSの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は,必要に応じて識別し,
管理しなければならない。
注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及
び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 19] ―――――

                                                                                             17
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
7.5.4 サービスマネジメントシステムの文書化した情報
SMSに関する文書化した情報には,次の事項を含めなければならない。
a) MSの適用範囲
b) サービスマネジメントの方針及び目的
c) サービスマネジメントの計画
d) 変更管理方針,情報セキュリティ方針,及びサービス継続計画
e) 組織のSMSのプロセス
f) サービスの要求事項
g) サービスカタログ
h) サービスレベル合意書(SLA)
i) 外部供給者との契約書
j) 内部供給者,又は供給者として振る舞う顧客との合意書
k) この規格が要求する手順
l) この規格及び組織のSMSの要求事項への適合の証拠を実証するために要求される記録
注記 7.5.4は,SMSの主要文書のリストを提供する。この規格には,文書化した情報として保持すべ
き,文書化すべき,又は記録すべき情報について,他にも規定された要求事項が存在する。
ISO/IEC 20000-2は,付加的な手引を提供する。

7.6 知識

  組織は,SMS及びサービスの運用を支援するために必要な知識を決定し,維持しなければならない。
知識は,関連性があり,有用で,適切な人々が利用可能にしなければならない。
注記 知識は,組織,そのSMS,サービス及び利害関係者に固有のものである。知識は,意図した成
果の達成,並びにSMS及びサービスの運用を支援するために使用され,共有される。

8 サービスマネジメントシステムの運用

8.1 運用の計画及び管理

  組織は,次の事項によって,要求事項を満たすため,及び箇条6で決定した取組みを実施するために必
要なプロセスを計画し,実施し,かつ,管理しなければならない。
a) 要求事項に基づいたプロセスに関するパフォーマンス基準の設定
b) 設定されたパフォーマンス基準に従った,プロセスの管理の実施
c) プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報の保持
組織は,SMSへの計画した変更を管理し,意図しない変更によって生じた結果をレビューし,必要に応
じて,有害な影響を軽減する処置をとらなければならない(8.5.1参照)。
組織は,外部委託したプロセスが管理されていることを確実にしなければならない(8.2.3参照)。

8.2 サービスポートフォリオ

8.2.1  サービスの提供
組織は,活動及び資源の調整を確実に行い,SMSを運用しなければならない。組織は,サービス提供の
ために必要とされる活動を実施しなければならない。
注記 サービスポートフォリオは,提案されているサービス,開発中のサービス,サービスカタログ
に定義されている稼働中のサービス,及び廃止予定のサービスを含む,全てのサービスのライ
フサイクル全体を管理するために使用する。サービスポートフォリオの管理は,サービス提供

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS Q 20000-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 20000-1:2018(IDT)

JIS Q 20000-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧