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JIS R 1648:2002 規格概要
この規格 R1648は、耐熱性の要求される構造材料として使用される場合のファインセラミックスの耐熱衝撃性を評価するための試験方法について規定。
JISR1648 規格全文情報
- 規格番号
- JIS R1648
- 規格名称
- ファインセラミックスの熱衝撃試験方法
- 規格名称英語訳
- Testing method for thermal shock resistance of fine ceramics
- 制定年月日
- 2002年1月20日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 81.060.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ファインセラミックス 2018
- 改訂:履歴
- 2002-01-20 制定日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS R 1648:2002 PDF [12]
R 1648 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格(日本産業規格) JIS
R 1648 : 2002
ファインセラミックスの熱衝撃試験方法
Testing method for thermal shock resistance of fine ceramics
1. 適用範囲 この規格は,耐熱性の要求される構造材料として使用される場合のファインセラミックス
の耐熱衝撃性を評価するための試験方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS C 1602 熱電対
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法
JIS Z 2343-1 非破壊試験−浸透探傷試験−第1部 : 一般通則 : 浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の
分類
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
a) 熱衝撃 急激な加熱又は冷却によって,材料中に激しい温度変化が生じて,衝撃的な熱応力が生じる
現象。
b) 熱衝撃温度差 材料が熱衝撃を受けるときの材料の温度と周囲の温度の差。
c) き裂発生温度差 あるき裂発生確率に対応する熱衝撃温度差。
d) 臨界温度差 材料に熱衝撃を与えたときに材料が所定の確率で耐えられる最大の温度差。
e) 残存曲げ強さ 熱衝撃試験した後の未破断試験片の曲げ強さ。
f) 急冷温度差 試験片を電気炉内で均一加熱した温度と急冷液との温度差。
g) 最大許容温度差 試験片に熱衝撃を加えたとき,試験片が熱破断又は微細クラックを生じない最大の
急冷温度差。
h) 精密法 き裂発生温度差に基づく臨界温度差による耐熱衝撃性の評価。
i) 相対法 残存曲げ強さによる耐熱衝撃性の相対評価。
4. 試験装置及び器具 試験装置及び器具は,次による。
4.1 試験装置 試験装置は,試験片落下形の水中急冷法による熱衝撃試験装置とし,図1に一例を示す。
a) 装置 試験片の加熱装置は,電気炉を用いる。複数の試験片を同時に昇温する場合は,試験片の設定
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位置の温度が一様である装置とする。
b) 試験片の落下装置 落下装置は,試験片が支持棒に保持された状態で,水面から600mmの高さから
水中に自由落下させ,水中の所定の位置に停止できる装置とする。水中における試験片の姿勢が常に
同一となるように保持できること,及び水中で停止するときの試験片への衝撃を少なくするための緩
衝材などを取り付ける。相対法の場合だけ水面からの高さは規定しないが,報告に評価高さを明記す
る。
c) 冷却水槽 水槽は,上下で温度差がつかないよう配慮する。
d) 温度測定装置 電気炉内の試験片の温度測定及び電気炉制御に用いる温度測定装置は,精密法では,
試験片と同一材質,かつ同一寸法のダミー試験片内に温度センサ(熱電対など)を埋め込んだものと
する。相対法では,試験片にできるだけ近い位置で熱電対などによって温度測定する。
図1 熱衝撃試験装置の一例
4.2 試験器具
a) ノギス ノギスは,JIS B 7507に規定する最小読取長さ0.05mm又はこれと同等以上の精度をもつも
のを用いる。
b) マイクロメータ マイクロメータは,JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上
の精度をもつものを用いる。
c) 熱電対 熱電対は,JIS C 1602に規定する0.4級のK熱電対又はこれと同等以上の精度をもつものを
用いる。
4.3 試験片 試験片は,精密法と相対法とによって試験片形状・寸法を変え,次による。
a) 形状・寸法 試験片は製品から切り出すか,又は別に作製した試験片を用いる。別に作製する場合は,
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試験片は製品を代表できるようなもので,製品と同一条件で製造されたものでなければならない。精
密法の場合の試験片形状は,先端部に円すい形をもつ円柱とする。その寸法は,図2a)による。円す
い部は,別に作製し接合して使用してもよい。ただし,この場合でも試験部に有意な影響がないよう
にする。試験片の標準寸法はL=75mm,D=7.5mmとする。
なお,耐熱衝撃性の高い材料の場合はL=100mm,D=10.0mm,低い材料の場合はL=50mm,D=
5.0mmの寸法を用いてもよい。相対法の場合の試験片形状は,長方形断面の角柱とする。その寸法は,
JIS R 1601に準拠し,図2b)による。
なお,耐熱衝撃性の低い材料の場合は,試験片の寸法は幅w=4±0.1mm,高さh=3±0.1mmの長方
形断面で,長さL=4050mmを標準とするが,高い場合は幅w>4mm,高さh>3mmとし,長さL
>50mmとしてもよい。
なお,製品から切り出した試料が寸法制約などで上記寸法が取れな場合,評価する試験片が同形状,
同寸法であれば,この限りではない。試験片の全りょう(稜)の丸め,又は面取りは,0.10.3mmと
する。
b) 表面粗さ 表面粗さは,試験部をJIS B 0601に規定する0.20 刀慎 下とする。
なお,精密法における試験片円すい部は,0.40 刀慎 下とし,円すい部の先端は丸く滑らかに仕上
げる。
c) 熱処理 研削後,熱処理によって加工などの影響を除去する。
d) 試験片の本数 試験片の本数は,精密法及び相対法のいずれの試験とも,一温度条件に対して5本以
上とし,精密法の場合,臨界温度差近傍と考えられる温度条件に対しては10本とする。
なお,複数試験片に相互作用がない場合は,1本の支持棒に同時に取り付け一温度条件で評価して
もよい。
図2 試験片の形状
5. 試験方法 試験方法は,精密法と相対法とによって,次による。
精密法は理想的に近い状態でファインセラミックスに熱衝撃を加えることによって,ファインセラミッ
クスの耐熱衝撃性を臨界温度差として定量的に求めるものである。この方法は,熱衝撃を受ける製品の耐
熱衝撃性設計に適用することを想定して,精密に試験を行うための方法である。一方,相対法はJIS R 1601
に規定する曲げ試験片を用いることによって,主に2種類以上の材料の耐熱衝撃性を相対的に比較するた
めの試験方法である。したがって,得られた残存曲げ強さなどの値を製品の耐熱衝撃性設計に用いること
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はしない。
5.1 試験片の寸法測定 試験部の直径D又は幅w,高さhは,あらかじめノギス又はマイクロメータを
用いて測定する。
5.2 試験片のき裂の有無の検査 熱衝撃試験前にJIS Z 2343-1に規定する浸透探傷試験又はこれと同等
以上の方法で,き裂のないことを確認する。熱衝撃試験後には,同様の試験方法でき裂の有無を検査し判
別する。
5.3 精密法による熱衝撃試験方法 精密法による熱衝撃試験方法は,次による。
5.3.1 試験方法 冷却媒体である水の温度を20±3℃に保つ。支持棒に保持された試験片を加熱装置内に
セットした後に,約10℃/分の昇温速度で試験温度まで加熱する。その後,15分以上試験温度に保持した
後に,支持棒に保持された試験片を冷却水槽中に自由落下させ冷却する。
試験片の落下高さは試験片先端から水面までを約600mmとし,水中を600mm以上とする。
5.3.2 臨界温度差領域の推定方法 予備の試験片を用いて,き裂の発生しない熱衝撃温度差 瀰 階
的に毎回適切に増大させながら,5.2の検査によってき裂の発生が認められるまで5.3.1の試験を繰り返し
行い,き裂の発生する熱衝撃温度差 椰 湎 を3本以上の試験片で行い,き裂の発生
する各熱衝撃温度差の算術平均値 で求めた 鉱 衝撃温度差 椰地替
の試験片を用いて5.3.1の試験を行い,5.4.1の式(1)によってき裂発生確率Pciを求める。
5.3.3 試験温度差及び試験片本数 5.3.2でき裂が発生した試験片の本数Nciに応じて,
Nci=57の場合は ( 槿 ‰ 槿
Nci≦4の場合は ( 槿 ‰ 槿 2
Nci≧8の場合は ( 槿 ‰ 槿 2
の熱衝撃温度差で,それぞれ5本以上の試験片を用いて5.3.1の試験を行い,各熱衝撃試験温度差 椰
き裂発生確率Pciを5.4.1の式(1)によって求める。
なお,熱衝撃温度差の増減幅 材種によって異なる。例えば、予備試験における椰湧Y 椀愀
と最小値 椀椀 鉗侮 ( 椀愀 椀椀 一 安として設定するとよい。
5.4 臨界温度差の推定 臨界温度差の推定は,次による。
5.4.1 き裂発生確率 各熱衝撃温度差 椰 発生確率を,メディアンランク法に基づき式(1)で
定義する。
Nci 3.0
Pci (1)
Ns 4.0
ここに, Pci : 椰 発生確率
Nci : き裂の発生した試験片の数
Ns : 椰杵 いた試験片の数
5.4.2 ワイブル係数及び尺度母数 5.3.2で得られた3組のデータ ( 槿 Pci) を図3のようにワイブル確
率紙にプロットし,これを直線回帰して,き裂発生確率が0.632 (=63.2%) における熱衝撃温度差を求める。
これが尺度母数 柿 回帰直線の傾きがワイブル係数mである。ここで,回帰直線は式(2)で表される。
m
ΔT
Pc 1 exp (2)
ΔT0
ここに, Pc : き裂発生率,m : ワイブル係数, 尺度母数
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JIS R 1648:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1648:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1601:2008
- ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法
- JISZ2343-1:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類