この規格ページの目次
4
R 1723 : 2015
5.2 荷重伝達系(負荷ジグ)
試験機で負荷する測定荷重を試験片に伝達するために,種々の形式のつか(掴)みジグ(以下,グリッ
プという。)を使用する。負荷ジグは,ロードセルの測定値と,実際の試験片に負荷される荷重とが一致す
るようにしなければならない。また,アライメントシステム又は荷重伝達システムを含む負荷ジグ系は,
加熱による変化があってはならない。
荷重システムは,試験片に曲げ又はねじりが発生しないように,負荷方向に対して軸合わせをする。試
験片の曲げひずみを低減するため,試験片連結カップラー(ユニバーサルジョイントなど)を用いてもよ
い。
アライメント(軸ずれ)の評価は,ISO 17161(附属書A参照)又はJIS R 1673の附属書Bで規定する
方法によって実施し,曲げ率を測定する。曲げ率の最大値は,500×10−6ひずみにおいて5 %を超えてはな
らない。
負荷ジグとしては,次の二つの方法がある。
a) 直接グリップ方式 直接グリップ方式では,機械式,油圧式,空気式などの方法で試験機から試験片
に力を伝達する。直接グリップ方式の例を図2に示す。
試験片のつかみ面とグリップ面との間に滑りが生じないように,試験片のつかみ部は刻み目状又は
のこぎり歯状などに加工されたグリップ面をもつとともに,十分な側面圧力を負荷しなければならな
い。
b) 間接グリップ方式 間接グリップ方式では,試験機から試験片へ直接の機械的連結によって力が伝達
される。機械的連結の例として,試験片平行部から拡幅させたつかみ部に至る肩部の形状を利用する
方式(図3及び図4)及びつかみ部にあけた孔にピンを差し込む方式(図5)などがある。
5.3 環境槽(チャンバー)
不活性雰囲気又は真空中での試験においては,気密な環境槽(チャンバー)を用いる。チャンバーは,
試験中に試験片近傍の雰囲気を適切に制御できるものでなければならない。チャンバー内の圧力変動によ
る荷重の変動が,ロードセルのスケールに対して1 %以下でなければならない。
ガス雰囲気中で試験を行う場合は,対象材料及び試験温度に適した雰囲気ガスを選択しなければならな
い。ガスの圧力レベルは,対象材料,温度,雰囲気ガス,伸び計の種類などを考慮して決定する。
真空中で試験を行う場合は,対象材料及び伸び計ロッドが,化学的・物理的に安定な真空度で試験を実
施する。
――――― [JIS R 1723 pdf 6] ―――――
5
R 1723 : 2015
1 試験片 2 くさびつかみ 3 つかみ本体 4 つかみ機構
図2−直接グリップ方式の例
1 拘束板 2 試験片 3 横方向センター合わせ挿入部材 4 つかみ取付け
図3−間接グリップ方式の例1
――――― [JIS R 1723 pdf 7] ―――――
6
R 1723 : 2015
2 2
1
1
1 固定ピン 2 試験片 1 固定ピン 2 試験片
図4−間接グリップ方式の例2 図5−間接グリップ方式の例3
5.4 環境槽内における荷重の確認
荷重指示装置の指示値が,試験片に負荷されている荷重と同一であることを確認する。そのためには,
次に示す二通りの方法がある。
a) 試験環境槽(チャンバー)内にロードセルを配置する方法(直接法)。
b) 事前に炉内圧及びチャンバー外ロードセル指示値のキャリブレーションを行っておく方法。
なお,炉内圧の変動が試験片に与える荷重変動は,5.1で規定する精度の範囲を超えてはならない。
5.5 伸び測定装置
試験温度において,荷重の関数として長手方向の変形を連続的に測定するために,ひずみゲージ又は伸
び計を用いる。可能な限り長いゲージ長さの伸び計を用いることが望ましい。伸び計の直線性は,フルレ
ンジに対して0.15 %以下とする。伸び計は,JIS B 7741に規定するものを使用する。
a) 機械式伸び計 機械式の接触形伸び計を用いる場合,試験片長手方向の初期標点間距離と一致するよ
うにロッドを取り付けなければならない。伸び計のロッドは,試験温度及び環境において,ロッド材
料の形状変化による変位測定精度への影響があってはならない。また,ロッド材料は,試験片材料と
反応しないものを選択する。
注記1 可能な限り長いゲージ長さの伸び計を用いることが望ましい(最小10 mm以上,できれば
25 mm以上)。
注記2 接触点で伸び計が滑らないような最小の接触力とする。また,伸び計の接触力によって,
5.2で規定されている曲げ成分を超えることのないように注意する。
b) 電気光学式伸び計 レーザー光又はCCDカメラを利用した電気・光学式伸び計を用いる場合には,
試験片に参照マークが必要である。一般にロッド,フラッグなどの基準マークは,試験片の長手方向
に対して垂直方向に取り付ける。これらのマーク間の距離は,ゲージ部長さに対応する。マークに用
いる材料は,試験温度において試験片の材料と反応せず,また試験片材料との熱膨張差が小さいなど,
――――― [JIS R 1723 pdf 8] ―――――
7
R 1723 : 2015
試験片の応力状態に影響を与えないものでなければならない。
注記3 試験片に直接マークとなる突起などを加工する“インテグラルフラグ”を用いる場合は,
試験結果に影響を及ぼさないように形状・寸法などに配慮する。
注記4 基準マークが十分に認識できない場合,光学式伸び計の使用は望ましくない。
5.6 加熱装置
加熱装置は,一定の昇温速度で昇温可能な温度調節装置を備えており,試験片全体又は一部を加熱する。
加熱装置は該当の試験温度(T0)において,ゲージ部の温度偏差が500 ℃以上の試験では20 ℃以内,室
温を超え500 ℃未満では10 ℃以内を保持できるものでなければならない。また,全試験期間を通して,
ゲージ部の温度偏差が500 ℃以上の試験では20 ℃以内,室温を超え500 ℃未満では10 ℃以内となるよ
うに保持し,かつ試験温度(T0)が,摂氏単位における±1 %の範囲内に保持できるものでなければならな
い。
5.7 温度測定
加熱装置及び試験片の温度の測定には,JIS C 1602に準じた熱電対,又はJIS C 1612に準じた放射温度
計を使用する。放射温度計を使用するときには,JIS R 1693-1-3に準拠して対象とする波長における試
験片の放射率,放射率比を測定しておく必要がある。試験片の放射率の経時変化が顕著な場合,放射温度
計の使用は望ましくない。
試験片の温度を直接測定する目的で熱電対を試験片に接触させる場合には,引張クリープ挙動,測定結
果に有害な影響を生じるような損傷及び化学反応を試験片表面に与えるものであってはならない。
5.8 データ収集システム
試験中の荷重,ゲージ部伸び・ひずみなどの時間変化を記録するために,校正された記録計を使用する。
アナログチャート記録計又はデジタルデータ収集システムを用いて,荷重,ゲージ部伸び・ひずみなどの
時間変化を記録できるものでなくてはならない。記録装置は,出力ユニットも含めて,試験システムの選
択範囲において1.0 %以内の精度でなければならない。
5.9 寸法測定器
試験片の平行部における幅及び厚さ測定に使用する長さ計は,0.01 mmの単位まで測定できるもの,又
はこれと同等以上の目量をもつものとする。マイクロメータは,JIS B 7502に規定するものを使用する。
6 試験片
6.1 一般
試験片形状は,材料及び強化体の構造,加熱方法,負荷方法,試験方法などを考慮して選択する。ゲー
ジ部長さは,材料の代表的な値でなければならない。試験片表裏面の仕上げ状態については,未加工状態
又は加工状態のいずれでもよく,試験の目的に応じて決定する。
注記 試験片平行部の断面積は,構造ユニットセル(複合材料の織物周期構造をなす最小単位)の4
倍以上であることが望ましい。具体的には,平行部の幅は簡単な織物材では3繊維束,複雑な
織物材では構造ユニットセル2単位を最小とする。厚さは簡単な織物材では3層,複雑な織物
材では構造ユニットセル2単位を最小とする。
6.2 試験片形状
直接グリップ方式用ダンベル形試験片の形状及び寸法の例を図6及び表1に,肩部をピンで固定する間
接グリップ方式用ダンベル形試験片の形状及び寸法の例を図7に示す。
――――― [JIS R 1723 pdf 9] ―――――
8
R 1723 : 2015
L1 平行部長さ L2 全長
W1 平行部幅 W2 つかみ部幅
d 厚さ R R部半径
図6−直接グリップ方式用ダンベル形試験片の例
表1−ダンベル形試験片(図6)の寸法例
単位 mm
項目 寸法 許容値
全長 L2 ≧100 ±0.5
平行部長さ L1 ≧30 ±0.2
厚さ d ≧2,かつ最小限 簡単な織物材では3層 ±0.2
又は,複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
平行部幅 W1 ≧5,かつ最小限 簡単な織物材では3繊維束 ±0.2
又は,複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
つかみ部幅 W2 ≧10,かつ最小限1.4×W1 ±0.2
R部半径 R ≧10 ±2
機械加工部の平行度 0.05 −
L1 平行部長さ L2 全長
W1 平行部幅 W2 つかみ部幅
d 厚さ R R部半径
図7−間接グリップ方式用ダンベル形試験片の例(肩部でのピン固定方式)
――――― [JIS R 1723 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS R 1723:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1723:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7721:2018
- 引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法
- JISB7741:2019
- 一軸試験に使用する伸び計システムの校正方法
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC1612:2000
- 放射温度計の性能試験方法通則
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1673:2007
- 長繊維強化セラミックス複合材料の常温における圧縮挙動試験方法
- JISR1693-1:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第1部:FTIRを用いた分離黒体法による垂直分光放射率
- JISR1693-2:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第2部:FTIRを用いた反射法による垂直放射率
- JISR1693-3:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第3部:直接加熱熱量法による半球全放射率
- JISR1721:2015
- 長繊維強化セラミックス複合材料の高温における圧縮特性の試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方