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6.3 試験片のタブ
グリップによる負荷方式を採用するときには,試験片の両端部に補強のためのタブを用いてもよい。タ
ブの推奨材料としては,銅板,アルミ板などがある。図8にタブ形状の例を示す。
単位 mm
W 試験片幅
タブの詳細
タブの接着例
図8−傾斜の付いたタブの例
7 試験片の準備
7.1 試験片の加工
母板から試験片を切り出す場合には,繊維方向及び試験片方向の切り出し方向に注意し,切り出した場
所・方向などを記録する。
注記1 耐酸化コーティングを形成した素材から切り出した場合,切断面はコーティングされていな
い。そのため,切断面には適切な酸化保護を適用する。
注記2 冷却されたつかみジグを用いる場合,試験温度とつかみジグ温度の間の温度に対する適切な
酸化保護が試験片表面に対して必要となることがある。
7.2 試験片本数
試験片本数は,各試験条件に対して2本以上とすることが望ましい。
8 試験方法
8.1 試験準備
試験条件に対して,次の試験準備を行う。この準備作業は,材料,試験片形状,試験片つかみ部など,
試験条件が変化した場合には随時行わなければならない。
――――― [JIS R 1723 pdf 11] ―――――
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a) 温度分布の測定及び均熱域の決定 試験前に,試験対象温度における炉内の平行部長さにおける温度
分布を測定する。試験片長手方向に対して,少なくとも3か所[試験片中央,標点(2か所)]におけ
る温度を測定する。均熱域を決定するためには,ゲージ部の外部の温度も測定する必要がある。
試験温度は,試験片中央の温度となる。ゲージ部内における最大温度と最低温度との差(温度偏差)
は,500 ℃以上の試験では20 ℃以内,室温を超え500 ℃未満では10 ℃以内でなければならない。
ゲージ部を含む平行部において,最大温度と最低温度との差(温度偏差)が500 ℃以上の試験では
50 ℃以内,室温を超え500 ℃未満では20 ℃以内である領域を均熱域として決定する。
温度測定は,5.7に従って行う。熱電対を用いた測定は,試験片厚さ方向の中心の位置に熱電対を埋
め込んだダミー試験片を用いて行う。
注記 温度制御装置で表示される温度と試験片温度との関係は,均熱域での温度分布測定と同時に測
定するのが通常である。
b) 荷重伝達系(負荷ジグ)の調整 試験片に発生する曲げ成分を,ISO 17161(附属書A参照)又は附
属書Bで規定する方法によってあらかじめ室温において測定する。曲げ率の最大値が,500×10−6ひ
ずみにおいて5 %を超えないことを確認する。
c) 試験片の寸法測定 試験片の中心とゲージ部両端の3か所における寸法を室温で0.01 mmの単位まで
測定し,算術平均によって断面積を決定する。
試験片に標点測定用マーカが取り付けられている場合,室温でゲージ部長さを±1 %の精度で測定
する。
ただし,ゲージ部長さ測定誤差よりも,室温と試験温度とにおける熱膨張の方が大きい場合は,ゲ
ージ部長さは熱膨張の影響を考慮するか,又は高温で測定しなければならない。
8.2 試験手順
8.2.1 試験片の取付け
曲げ荷重又はねじり荷重が負荷されないように注意しながら,試験機に試験片を取り付ける。試験片取
付け時に予荷重(プリロード)を与える場合は,試験温度(T0)で予想される破断荷重の5 %を超えては
ならない。
8.2.2 伸び計の取付け
機械式伸び計によってひずみを計測する場合,常温の無負荷状態で試験片の平行部に伸び計を装着して
出力のゼロ調整を行う。電気光学式伸び計によってひずみを計測する場合,ひずみを計測するインタグラ
ルフラグがカメラに収まるようにセッティングして出力のゼロ調整を行う。試験温度において温度を安定
させた後,再び,試験前にゼロ調整を行う。
注記 試験片材料の熱膨張係数が大きい場合,熱膨張の影響をあらかじめ考慮して伸び計をセットす
ることが望ましい。
8.2.3 不活性雰囲気の設定
不活性ガス中で試験を行う場合は,あらかじめチャンバー内の空気及び水蒸気を排気しておかなければ
ならない。これは,密閉されたチャンバー内で真空度10 Pa以下まで排気するか,又はガス置換をするこ
とで達成できる。
8.2.4 試験片の昇温
試験片の温度を試験温度(T0)まで加熱する。温度が安定し,また伸び計の出力が安定するまで試験温
度に保持する。温度制御には,次の二つの方法がある。
a) 試験中に試験片自体の温度を測定している場合は,その温度を温度制御に使用する。
――――― [JIS R 1723 pdf 12] ―――――
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b) 試験中に試験片自体の温度を測定することが不可能な場合は,8.1に示されている方法に従い,あらか
じめ測定されている試験片の温度と電気炉の温度との関係を用いる。
試験片が加熱中に初期の応力負荷状態にあることを確認する。
注記1 試験片に熱衝撃がかからないように,1030 ℃/分程度の昇温速度で実施することが望まし
い。
注記2 昇温時の過昇温が,5.6に要求する温度範囲を超えないように注意する。
注記3 昇温時には,試験片及び試験ジグの熱膨張によって試験片に過大な負荷がかからないように
するため,荷重制御でゼロ荷重の状態で昇温するか,又は予荷重を負荷したまま昇温する。
この場合,予荷重は試験温度における破断荷重の5 %を超えてはならない。
8.2.5 温度の保持
試験温度(T0)に到達した後に,試験片ゲージ部の温度が均一になり及び伸び計の出力が安定状態に達
したことを確認した後に,負荷を開始する。昇温時間及び保持時間を記録する。
注記 一般には,試験片の温度が安定した後に,15分間以上保持した後に負荷を開始する。ただし,
熱処理時間の影響を評価するときにはこの限りではない。
8.2.6 クリープ試験の実施
クリープ試験の実施は,次による。
a) 温度及び環境条件(ガス,圧力など)を記録する。
b) 試験機及び伸び計のゼロ調整を行う。
c) 荷重,長手方向ひずみ(変位),温度などの記録を開始する。
d) 試験片に所定の引張荷重を負荷する。
e) 試験片が破壊した場合又は所定の時間を経過した場合,荷重を除荷する。
f) 試験機及びデータ収集システムを停止する。
g) 環境試験の場合は,材料の特性低下が起こらない温度まで雰囲気温度を下げてから試験チャンバーを
開放する。
h) ゲージ部中心点からの破断部相対位置を測定する。
i) 試験終了後,グリップの面から試験片を注意して取り除く。破断面が互いに接触したり,他の物体に
接触したりして破断面を損傷させないように注意する。
j) 試験片及び平行部からの飛散物を合わせて回収する。
注記1 試験片に衝撃を与えない範囲内で,できるだけ速やかに荷重を負荷する。負荷速度は,0.1
10 MPa/sの範囲が一般的である。
注記2 デッドウェイト式の試験機では荷重負荷速度を制御することが容易ではないが,急速な負荷
は避けることが望ましい。
8.3 試験の有効性判定
次の場合には,得られたクリープ試験結果は無効とする。
a) 試験条件が記録されていない場合
b) 試験条件を満足していない場合
c) 試験片がグリップ部で滑った場合(滑りが生じる直前までの結果は有効とする。)
d) 伸び計の滑りが生じた場合(滑りが生じる直前までの結果は有効とする。)
また,次の場合には破断時間の結果は無効とする。
e) 均熱域以外の箇所で破壊した場合
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9 計算
引張応力及び試験結果の算出は,次による。
a) クリープ試験における引張応力 クリープ試験における引張応力は,式(1)又は式(2)によって計算する。
表面コーティング層のない材料では,これらは同じ値(σ)となる。
F
σa (1)
Aa,0
F
σe (2)
Ae,0
ここに, σa : 見かけの引張応力(MPa)
σe : 実効断面積に対する引張応力(MPa)
A0,a : 試験片の見かけの断面積(mm2)
(コーティング層を含む。)
A0,e : 試験片の実効断面積(mm2)
(コーティング層を除く。)
F : 引張荷重(N)
b) 引張方向のひずみ 負荷直後の初期ひずみを,式(3)によって計算する。また,クリープ試験中の全ひ
ずみを式(4),クリープひずみを式(5)によって計算する。
0 L0 L0 (3)
t L L0 (4)
c
L L0 L0 (5)
ここに, ε0 : 初期ひずみ
εt : 全ひずみ
εc : クリープひずみ
L0 : ゲージ部長さ(mm)
ΔL0 : 負荷直後の伸び量(mm)
ΔL : クリープ試験中の伸び量(mm)
c) ひずみ速度 図1に示す全ひずみ−時間関係曲線の傾き(Δε/Δt)から,ひずみ速度−時間曲線を計算
する。
d) 試験結果の丸め方 引張応力,引張ひずみ及びひずみ速度に関する各試験結果は個々に算出し,JIS Z
8401によって有効数字3桁に丸める。
10 報告
試験結果報告書には,次の項目を報告する。
なお,受渡当事者間の協議によって,報告事項を取り決めてもよい。
a) この規格の番号(JIS R 1723を使用した旨の記述)
b) 試験実施機関の名称及び住所
c) 試験年月日,報告・ページに対する番号付け,顧客の名称,住所,及び署名(調印)
d) 試験片の形状(図面,規格品)
e) 試験材料に関する記述(材料,製造番号,バッチ番号,試験片準備工程に関する記述。表面加工をし
た場合は,加工面の表面粗度)
f) 試験片のセット・アップに関する記述[加熱方式,温度測定方法,グリップ方式,荷重方式,伸び計
――――― [JIS R 1723 pdf 14] ―――――
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及びゲージの形式,荷重の伝達方式,曲げ率及び曲げ率評価方法(附属書B)]
g) ゲージ部及び平行部における温度分布
h) 昇温速度,試験温度,雰囲気(圧力,ガス),変位速度,ひずみ速度又は荷重印加速度
i) 試験した試験片数,及び有効試験数
j) 荷重−長さ方向変位(ひずみ)記録(必要に応じて)
k) クリープ試験に関する有効な結果[試験片寸法及び形状,応力−ひずみ線図(初期負荷時),全ひずみ
−時間線図,クリープひずみ−時間線図,ひずみ速度−時間線図,破断時間,破断ひずみ,破断位置,
試験中の温度変化など]
l) 実効断面積を用いる場合の補正係数値及び補正係数を得た方法(例えば,顕微鏡写真など)
m) 記録した全ての試料の破壊位置
――――― [JIS R 1723 pdf 15] ―――――
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JIS R 1723:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1723:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7721:2018
- 引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法
- JISB7741:2019
- 一軸試験に使用する伸び計システムの校正方法
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC1612:2000
- 放射温度計の性能試験方法通則
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1673:2007
- 長繊維強化セラミックス複合材料の常温における圧縮挙動試験方法
- JISR1693-1:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第1部:FTIRを用いた分離黒体法による垂直分光放射率
- JISR1693-2:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第2部:FTIRを用いた反射法による垂直放射率
- JISR1693-3:2012
- ファインセラミックス及びセラミックス複合材料の放射率測定方法―第3部:直接加熱熱量法による半球全放射率
- JISR1721:2015
- 長繊維強化セラミックス複合材料の高温における圧縮特性の試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方