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S 0042 : 2010
表7−軽食時又は災害時に関する配慮する要素
この要素への配慮は,参加者の安全面にかかわる重要な要素であるため,ルールを決めることが求められる。
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
休憩時の軽食(食事,飲料など)又は災害時に関する配慮
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) 触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害h)-1) h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
1 軽食を提供するときには,成分表示をはっきり示す。
1-1 成分表示を明確にしておく。
2 軽食を提供するときの誘導及び食事のサポートを行う。
2-1 軽食を提供するときの誘導及び食事のサポートを行
う。
3 火災,ガス漏れなどの災害のときには,各障害特性を理解し迅速な対応と誘導を行う。
3-1 火災又はガス漏れなどの警報の伝達,避難の方法など
を確立する。
3-2 火災報知器の場所などが分かるようになっている。
3-3 誘導者を確保,配置する。
3-4 支援者(介助者・通訳者・補助者)が緊急時の内容を
短く適切に伝えられるよう,事前の合図などを決めて
おく。
表8−アンケート回収に関する配慮する要素
アンケートの実施は身体的な特性によって即時回答ができない可能性もあるため,各参加者の特性に応じて記入及び回収方法を変えることが望ましい。
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
アンケート回収(会場内及び会議後の)に関する配慮する
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) 触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害h)-1) h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
1 アンケートの回収は,参加者の特性に応じて対応を行う。
1-1 本人の意思によって通訳が代筆できるようにする。
1-2 当日記入が難しい場合は,後日送付してもらうように
する。アンケートは参加者の希望する形(紙媒体,電
子媒体など)で準備する。
――――― [JIS S 0042 pdf 16] ―――――
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5 支援機器などの種類・その用途及び使用方法
支援機器などの種類・その用途及び使用方法は,表9による。
表9−種類・その用途及び使用方法
種類 用途及び使用方法
点字器 主に視覚障害者が点字を打つための点字板a),点筆b) 及び定規の一式。
注a) 点字板とは定規及び板に分かれた点字を書く道具。
b) 点筆とは点字を1点ずつ打つ先のとが(尖)った道具。
点字プリンタ 主に視覚障害者が点字情報を紙媒体に印字するときに用いる機器。印刷方法は,1
枚の紙の片面側だけの印刷又は両面に印刷できる機器もある。
点字タイプライタ 主に視覚障害者が点字情報を紙媒体に印字するときに用いる機器。携帯できる大き
さの機器もある。
点字ピンディスプレイ 電気信号によってピンを機械的に上下させ点字を表示する機器。主に視覚障害者又
は盲ろう者が用いる機器。
読み上げソフトウェア 視覚障害者が利用するソフトウェアの一つで,パソコンの画面に表示されている文
字,操作などを合成された音声が読み上げるソフトウェア。
拡大読書器 主に弱視者が画像入力装置の下に読みたい,見たいものなどを置き,モニター画面
に拡大画像を映し出す装置。
画面拡大ソフトウェア 主に弱視者のコンピュータ利用者が,画面情報を拡大して作業するためのソフトウ
ェア。
補聴支援システム 遠距離,複数会話,雑音などで難聴者に聞きとりにくい条件下でも目的の音声を聴
取しやすくするために用いる装置のことをいい,FM補聴器・FMワイヤレス補聴シ
ステム,赤外線ワイヤレス補聴システム,磁気誘導ループシステムなどがある。
FM送受信装置 聴覚障害者に対する補聴支援システムの一つ。遠距離・複数会話・雑音などで難聴
者に聞きとりにくい条件下でも目的の音声を聴取しやすくするために用いる。話者
の音声信号をFM送信機によって,FM電波で送信し,FM受信機によって,聴取す
るシステム。FMワイヤレス補聴システムともいう。
赤外線補聴装置 聴覚障害者に対する補聴支援システムの一つ。遠距離・複数会話・雑音などで難聴
者に聞きとりにくい条件下でも目的の音声を聴取しやすくするために用いる装置
で,話者の音声信号を赤外線送信機によって,赤外線光線で送信し,赤外線受信機
によって,聴取するシステム。赤外線ワイヤレスシステムともいう。
パソコン字幕通訳システム パソコンを用いて文字を入力してスクリーンに投影し,大勢の参加者又は会場内の
不特定の聴覚障害者に音声情報を文字情報に変換し,字幕で通訳を行うシステム。
点字速記タイプライタ 主に盲ろう者とのコミュニケーションに使われる機器で,点字の六つの点に対応す
るキーをたた(叩)いて,すぐに備付けの紙テープに点字となって打ち出す機器。
身体障害者向けの携帯形意 主に会話又は筆談が困難な重度の障害者が,意思を伝えるための装置。
思伝達装置
視覚障害者誘導用ブロック 主に視覚障害者の歩行を誘導する凸状のブロック。
触知案内図 主に視覚障害者が屋内外の施設・設備及び移動空間の位置情報を凹凸がある線,面,
触知記号,点字などによって触知できる案内図。触知案内図には,施設などに設置
する設置形及び持ち運べる冊子形がある(JIS T 0922)。
白じょう(杖) 主に視覚障害者が歩行するときに用いる白いつえ(杖)。
――――― [JIS S 0042 pdf 17] ―――――
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6 障害種別の特徴及び主な配慮事項
アクセシブルミーティングでは,表10の障害種別の特徴を考慮し,個々の障害に応じて配慮する。
表10−障害種別の特徴及び主な配慮事項
障害種別 特徴 主な配慮事項
a) 視覚障害 視覚情報の伝達方法として,盲には音声又
この規格では視覚障害を,社会生活を行う観点か
は触覚への情報に変換,弱視には音声情報
らの“盲”,“弱視(ロービジョン)”及び“色覚障
への変換及び拡大鏡・機器などによる拡大
害”に分けて記す。“盲”は視力ゼロからこれに近
表示がある。色覚障害には個々の状況に応
い視力障害で,視覚による社会生活が困難なもの
じた配色環境を整備する。
をいう。“弱視”は両眼による矯正視力が,0.3未
満で視覚による社会生活は可能であるが非常に不
自由なものをいう。“色覚障害”は全く色の感覚が
ないものから,赤−黄−緑領域での細かい色の区
別が困難なものなどをいう。
b) 聴覚障害 情報提供するときの方法としては,一般的
聴覚障害とは聴感覚に何らかの障害があるため全
に“手話”,“指文字”,“筆談”などがある
く聞こえないか,聞こえにくいことをいう。全く
が,個々の状況に合わせて提供する。
聞こえないかほとんど聞こえず,手話など視覚的
なコミュニケーション手段を用いる人を“ろう
者”。補聴器などを用いて音声によるコミュニケー
ションが図れる人を“難聴者”。聴覚障害が生まれ
つきでない人を“中途失聴者”という場合もある。
この規格では,“ろう”及び“難聴”に分けて規定
する。
c) 盲ろう 情報提供の方法としては,“触手話”,“指点
盲ろうとは,目が見えず(又は見えにくく)耳が
字”,“手書き(手のひら書き)”などがある
聞こえない(又は聞こえにくい)状態をいう。盲
が,コミュニケーション方法は様々である
ろうは,基本的に“全盲ろう”,“全盲難聴”,“弱
視ろう”及び“弱視難聴”に分けられる。 ため個々のニーズに応じて個別に対応す
る。
d) 触覚障害 事前に注意する箇所を伝える。
触覚障害とは,物の表面を感知し,その触感又は
質感を知ることができない状態をいう。ほかの人
には単に不快であるだけの刺激。例えば,鋭い角
及び鋭い縁,非常に熱い又は非常に冷たい表面な
どが,触覚障害者にとっては痛みを誘発する場合
もある。
e) 味覚・きゅ 事前に情報の提供,例えば,食物に含まれ
味覚・きゅう覚障害とは,味わうこと又はにお(匂)
う(嗅)覚 る成分を伝えること又はガス漏れなどの緊
いをかぐことでそのものを識別できないことをい
障害 急時の対応などを伝える。
う。味覚ときゅう覚は別々の感覚であるが,実際
的な意味合いが類似しているため,この規格では
一つにまとめて扱う。味覚及びきゅう覚の障害は
毒性物質に対する防衛機能の低下につながるた
め,例えば,食べ物が体に合わないものであって
も気付かなかったり,ガス漏れなどの危険の兆候
をとらえられない可能性がある。
f) 平衡機能障 移動がしやすく,動作に負担のかからない
平衡機能障害とは,平衡を保つこと又は転倒を避
害 ように配慮する。
ける能力がうまく機能しない状態をいう。滑った
りつまずいたりといった思いがけない状態が起こ
る。すばやく関節を制御し四肢を動かさなければ
ならず,バランスの調整機構には大きな負担がか
かる。縁程度の出っ張り又は突起であっても,つ
まずきの原因になることもある。
――――― [JIS S 0042 pdf 18] ―――――
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表10−障害種別の特徴及び主な配慮事項(続き)
障害種別 特徴 主な配慮事項
g) 上肢障害 個別の状態に合わせ,動作に負担がかから
上肢障害とは,上肢の自由が利かないことをいう。
ないように配慮する。
手を動かすことが不自由な場合は,資料をめくる
こと,文字を書きとめる動作などが困難な場合も
ある。
h) 下肢障害 目的の場所への移動がスムースであるこ
下肢障害とは下肢の自由が利かないため,歩行が
と,移動を妨げる物などの除去を行うとと
不自由な状態のことをいう。下肢が不自由な人は,
もに,身動きするときに周囲の空間に余裕
車いす(電動,手動)又はつえを使用して移動が
があるようにする。
可能になる場合がある。この規格では,“車いす使
用”又は“つえ使用”に分けて規定する。
i) 発声障害 コミュニケーションの代替方式として,例
発声障害とはのど(喉),声帯,脳などに何らかの
えば,“身体障害者向けの携帯意思伝達装
障害がありしゃべることが不自由な状態をいう。
置”,“手話”などを使用することで,円滑
発声障害においては,主に発言をするとき又は意
に会話が成り立つこともあるが,個々の状
見を求められたときに意見を述べるような場面に
おいて,意思の疎通に困難をもたらす。 態と会話の方法とに合わせて対応する。
j) 知的障害 情報提供の方法(資料の明確化,簡略化な
知的障害とはものを覚えたり,理解したり,記憶
することに不自由がある状態のことをいう。 ど),問題解決の対処法,意見交換など,基
本的な会議における状況の説明など,個人
の状況に合わせて提供する。
k) 記憶障害 物事を思い出す能力及び学習する能力に影
記憶障害とは情報を脳に記録し保持して,必要に
響を及ぼし,混乱を招く可能性もあるため,
応じて取り出す特定の知的機能に障害があること
をいう。 情報を整理し基本的な会議における状況の
説明などを個人の状態に合わせ提供する。
l) 言語・読み 文字による資料の内容,図及び警告などの
言語・読み書き障害とは,文字を読んだり書いた
書き障害 りすることに不自由がある状態をいう。 重要な事項を理解できない場合があるた
め,個々の状況に応じて理解できる内容で
情報を提供する。
m) アレルギー アレルギーに関しては生命の危険を生じる
アレルギーとは,モノを触ること,食べることな
可能性もあるため,特に,内容表示を行う
どに対して体が受け付けずアレルギー反応を起こ
す状態をいう。 ことと,事前に個別の状況について情報を
得ておく。
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附属書A
(参考)
アクセシブルミーティング事前登録票
A.1 概要
この附属書は,高齢者及び障害のある人々が会議に参加するに当たって,安全かつ円滑に参加する目的
で,主催者が,事前に必要な情報を得るための登録票の記載項目及び様式について記載する。
A.2 登録票の記載項目及び様式
登録票の記載項目は,次による。
1 共通項目 : 氏名,性別,年齢,所属など
2 連絡可能な手段 : 電話,FAX,電子メール(e-mail)など
3 障害種別
4 身体障害者補助犬(盲導犬,聴導犬,介助犬など)の有無
5 希望する支援事項
6 会議に際しての連絡先
7 そのほか必要な事項
A.3 アクセシブルミーティング事前登録票の例
アクセシブルミーティング事前登録票の例を,次に示す。
――――― [JIS S 0042 pdf 20] ―――――
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JIS S 0042:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.99 : その他の分野へのITの応用
JIS S 0042:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST0921:2017
- アクセシブルデザイン―標識,設備及び機器への点字の適用方法
- JIST0922:2007
- 高齢者・障害者配慮設計指針―触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法
- JISZ8071:2017
- 規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針